2月のコラム(ワダさん)

Post date: 2015/02/24 10:17:51

初めての投稿です。和田ことIichikoです。最近弊社宛に、周囲から「いいちこ」と呼ばれている方からメールが来ていました。たぶん日本に「いいちこさん」はたくさんいるのでしょう。でも私がオリジナルです。私香港に来たのが昨年の5月末ですので早くも8ヶ月も過ぎました。2年間の研修予定ですので、あと1年は居ます。皆様どうぞ宜しくお願いします。

さて本題です。私、仕事が酒関係なので、なんとかバスケと酒をくっつけた話ができないかと思ったのですが、体験上酒飲んでからバスケしてもいいことはないので、ちょっと考えました。なんとか無理やりで作りましたので持論押しですが、まあ一目見て下さい。

【先ずはお酒の簡単な説明】

日本酒や焼酎造りには主に2種類の菌が必要です。一つは「酵母」、パンなどに使うイースト菌です。もう一つは「麹菌」、カビです。簡単に役割を説明しますと、原料(米や麦、芋)のデンプンを「麹菌」が糖に変え、その糖を「酵母」がエタノールに変えます。そのさいエタノールだけではなく様々な香気成分がつくられて、お酒の味や香りに関わってきます。

ひとえに「麹菌」、「酵母」と言ってもいろんな種類があります。「麹菌」や「酵母」が変われば酒の味も変わります。片方だけ変わっても同様です。更には「麹菌」や「酵母」が同じだとしても、酒を造る時の温度など条件を変えたりと、環境を変えるだけでも酒質に影響します。ですから酒造メーカーはこれらの様々な条件を検討してコンセプトにあった酒を造っています。

【酒造りとバスケのチーム作りをくっつけてみる】

いきなりですが、バスケは人がするものですから当然プレイヤーによって個性があります。例えば忠実なプレイが好きな人から型にはまらない人、シュートが好きな人やパスが好きな人など様々です。特に社会人のチームになると、今までプレイをしてきた環境が全く違いますので顕著に表れていると思います。因みに私は忠実なプレイをしないのではなくて、できないのです。

しかしこれが試合になりますと、この個性的なプレイヤー同士をくっつけて5人のチームを作らないといけません。プレイヤー同士の相性に限らず、対戦する敵チームへの相性もありますので、その試合に応じたメンバーの選出が必要ですし、様々な条件を検討しながらチームの5人を決定する必要があります。チームに監督が必要なのは、こういった個性を試合に上手く適応させることが重要であるからでしょう。

さて、お酒造りにおいてプレイヤーとは「麹菌」と「酵母」であり、その監督は「蔵人」と呼ばれる造り手になります。先述しましたように「麹菌」と「酵母」には様々な種類がいますので、どの組み合わせにするかというのはできるお酒に大きく影響します。また、どんな良いプレイヤーを使ったとしても、もう片方との相性が悪かったり監督を付けずに好き勝手させると、決して良い酒ができるわけではありません。逆にいうと、目立たないプレイヤーでも良い相方を見つけたり最善の指示を与えることによって、思わぬ能力を発揮することもしばしばです。そして私達酒造メーカーにおいて、市場にお酒を出して評価を頂くこと、更にそこに出すお酒は言わば「試合」と「チーム」にあたるのではないでしょうか。無理やりですかね?

お酒は嗜好品ですので、「最高の酒」というものはおそらくありません。飲む人によって好みは様々ですし、時代によっても消費者が求めるものは変わっていきます。酒造メーカーはそのようなニーズに答えるため、様々なコンセプトのお酒の開発をしています。例えばお酒の新規開発には次のような方法がとられます。

  1. 「麹菌」や「酵母」を変える
  2. 温度条件など「麹菌」や「酵母」が働く環境を変える

まあこれだけではないのですが。上記の方法はバスケで言うところ、敵チームの相性によってプレイヤーを入れ替えたり作戦を変更したりで対応していく、ということになるのだと思います。

なんとかバスケとお酒がくっつきました。いいんじゃないでしょうか。

【まとめ】

つまるところ何が言いたかったのかというと、そこまで考えて書いてなかったので、非常に苦しいところです。個人的には満足ですが・・・

バスケットのチームづくりでもお酒造りでも最終的な楽しみは対外的な評価になると思います。バスケであれば、様々なプレイヤーの組み合わせによるチームのポテンシャルや戦術により対戦相手と如何に戦うかですし、お酒造りでは「麹菌」や「酵母」を如何にうまく用いて旨い酒を世に出していくか。そのためのプレイヤー同士の組み合わせや、それにあった戦術をもっと楽しんで探していけたらいいんじゃないかなと思います。そうすることで、こいつら相性いいな!とか、こういうチームが作れるんだ!みたいないろんな発見も生まれてくるのではないでしょうか。

以上です。締りの無い文で申し訳ないですが、皆さん残り1年宜しくお願いします。

Iichiko