2011/12/31
今年もタイムアップ。論文は結局未完成で年越し。もう少しのところまで来たけど、今一歩追い込む根性が足りなかった。実験室の整理もまだ途中。来年の目標 は、大学の実験室で中赤外の高圧低温実験ができるように装置を立ち上げること。PU課題があと2年で終了後は、SP8では遠赤外の実験に集中できるように しないとやばい。クライオスタットの設計は既に業者に依頼した。お金もないから知恵を絞らないと。ま、今年はとにかくBruker FTIRが何とか復活したのが良かった。
あとこの3年ぐらいずっと疑問だった、ダイヤモンドアンビルセルで測った反射スペクトルのKramers- Kronig解析方法をやっと理解できたのも大きかった。自分独自のやり方を考案したのだけど、実はヨーロッパの連中が別のやり方をすでに論文にしていたのを、自分の論文のレフェリーに指摘されるまで全く知らなかった。(彼らの仕事を知らずに、国際会議で自分の方法を最初の試みみたいに発表するという失態も演じた) 他人の論文もちゃんと読んで情報収集しろという教訓だった。
今年個人的に 最もがっかりしたのは、Red Soxがポストシーズン進出を逃したこと。開幕は2勝10敗と大きく出遅れたが、その後は8月末まで81勝41敗と勝ちまくった。8/31時点でRays に9ゲーム差をつけて楽勝と思っていたら、9月は7勝20敗でまさかの敗退。監督が辞め、GMも転出。しかし後任監督がBobby Valentineに決まったことで面白くなってきた。Francona前監督の放任に慣れたBostonのベテランたちをどう操るのか、松坂をどう扱う のか。勝っても負けても面白そうで今から来シーズン開幕が待ち遠しい。
2011/12/27
春の物理学会の登録費と概要集代金を 払った。(大学の法人カードで支払おうとすると合計額が600万円とか出てびっくり。冊数を1と入れるべきところ値段の2600を入れたらしい。確かめず に決済したらえらいことになる所だった。) 今回は概要集を予習する必要が生じたので購入したが、重いし買ってもほとんど見ないしでここ数年は買っていな い。そもそも、ちゃんと参加登録費を払って概要も提出した人間が、さらに紙版の概要集を買わないとWebで自分の概要も見られないのはおかしいやろ?(い くら校費で払えるようになったと言っても) 登録した人間は全員がWeb版を見られて、さらに紙版が必要な人だけ必要経費を払うのが筋だと思う。一部は物 理学会の赤字の穴埋めに使われているのかも知れないけど。
2011/12/25
フィギュア全日本選手権の浅田真央選手のフリー 演技に拍手。もちろんスピンやジャンプは自分にはできないから参考にならないけど、その合間に素人にも参考になる部分がたくさんある。冒頭、画面左へ動い た後、バック滑走の両足交互クロスで3蹴りして、その後につなげている。バックの交互クロスは、今ちょうど練習しているけどなかなか出来ないので、良いお 手本になりそう。(頭では判っているつもりでも、足が動かない。フォアの交互クロスはできるようになったのだけど。)
2011/12/21
SPring- 8へ日帰り。高圧実験の装置整備を行うと共に、マシンタイムは来年の春まで無いし大学の分光器も復活したので常駐させてたボロメーターとトランスファーチューブを持ち帰った。しかし せっかく分光器が復活したら、今度は低温センターの液化機がダウンしてしまった。世の中こういう風にできているらしい。仕方ないので1月に入ったら業者か らヘリウムを買って遠赤外の実験を行う予定。(この辺の業者では現在の最安がリッター1500円らしい)
2011/12/18
朝 からポーアイのスケートリンクで今年の滑り納め。開場10分後に入るとリンクには誰もいなくて貸切状態。その後もガラガラで後ろを気にせずバック滑走の練 習ができて、少し上達した気がする。午後は息子と野球。息子は結構いい球を投げるようになってきたので、なかなかやりごたえがあり(走らされる)こっちが 先にバテてしまう。夕方は車の12ヶ月点検とタイヤ交換でオートバックスへ。待ち時間に隣のアルペンでスキーブーツを買った。20年以上前に買った Salomonのブーツをずっと使っていたのが、ついに割れてしまったので。今回はNordicaを買った。履いた瞬間足にピッタリ来て、これ!と即買 い。正月明けにデビューの予定。(SR学会は1回休み。スキーのために休むわけではないけど) 平日も忙しいが休日も忙しい。
2011/12/8-13
今 年最後のSPring-8マシンタイム。Pr化合物の高圧低温FIR.トラブルでなかなか壮絶なマシンタイムになったが、何とか3つの圧力で温度変化を測 定。今回はスペクトルの再現性は驚くほど良かったが、圧力の暴走に手を焼いた。普通は大抵、室温から冷却して上がった圧を一度抜いた後はほぼ一定に落ち着 くのだが、今回はなぜか上がり続けて、当初予定よりも高い圧のデータばかりになってしまった。原因は不明。高圧シフト終了で院生が帰った後も、自分は近接 場シフトでもう1泊。
マシンタイムの途中の夜、リング棟から宿へ戻る際に見事な皆既月食を見ることができた。完全に地球の陰に隠れた月が赤黒く見えるというのは今回初めて知った。
測定の待ち時間に赤外関係の情報を検索していて、こんなの見つけた。大爆笑。
元のサイトには歌詞も載っている。 (しかし何で"Stayin' Alive"のメロディーを選んだのかは不明。)
2011/12/3
Bruker FTIRはその後何とか定常的に動作するようになったので、先週試料チャンバーにつないだ。しかし同じ機種とはいえ、内部のアラインメントは前のと異なる からビームの出方もかなり違う。今週に入ってからあちこち調整。あと、うちの壊れたやつからモーター付きミラーを移植して、2つの内部光源が制御ソフトで 切り替わるようにした。後は真空を引くだけ、と言うとこまで来たら、Brukerの真空が下がらない。どこかに穴でも開いたかと思ったが、もちろんそんな ことはない。真空計は全然下がらず、しかしシューというリーク音もしない。しばらく悩んだ末に判った理由は、分光器上面に4つある大きなフタとOリングが 密着しておらず、隙間があったこと。(あちこちスカスカだからリーク音すらしなかったらしい) 長年の使用でOリングが潰れて平たくなったのと、長期間真空排気してなかったので隙間が成長したのだろう。こんな事もあるんやなあと、Oリングを付け直して真空グリースを大量に付けて、何とか排気。今日、ほぼ1 年ぶりにKBr-MCTで室温から8 Kまでの反射スペクトル測定ができた。長い道のりだったが、これでやっと当たり前の測定が可能になり、卒研にも間に合った。やれやれ。
これで論文執筆再開と行きたいところだが、物理学B2の中間試験採点でまたしばらく中断。目標だった今年中の脱稿は微妙。
2011/11/29
PU課題は何とか継続になったので2012Aの課題申請を提出。評価委員からはとにかくユーザーを増やせとのお達し。言うのは簡単だが・・・思案中。
2011/11/26
昼 は久々に地元でオーケストラのコンサートへ行った。というのも、9月にロンドンとミュンヘンでコンサートに行ったとき、何か自分の中の音楽が目覚めたとい うか、物理ばかりしてないで、忙しくても生の音楽で脳みそを刺激すべきだと思ったので。行ったのは兵庫県立芸術センターで、今回が初めて。阪急西宮北口の 目の前にあり、大学の居室からちょうど30分で着くので忙しくても行きやすい。ここの常設オケは 変わっていて、コアメンバーという任期3年程度の若手が中心。世界中からオーディションで選ばれた彼らは3年間ここで経験を積んで成長し、次のステップへ 進むことが要求される、言わばポスドク中心の若いオケである。有望な若手の教育と、廉価なコンサート(定演は1000-4000円)の提供を両立させよう としている。(安いからあっという間に売り切れる) 音楽監督は佐渡裕さん。定演は金、土、日の3時からで行きやすい。この日のメインは自分も好きなブ ルックナーの交響曲8番でほぼ満席。演奏はとても良くて、自分の脳みそもかなり喜んだ気がする。(良い物理のアイデアにつながるかは不明だが・・)
夜は中学校の同窓会があった。人数は少なかったが、盛り上がった。既に孫がいる同級生にびっくり。
2011/11/24-25
SPring-8マシンタイム。近接場分光で。針先からの散乱を信号とする非対称FT-IRはなかなか手強い。どうすれば要領よく信号を捕まえられるか。
2011/11/23
PU課題中間評価ヒアリングから1週間以上経つのに何の連絡もない。果報は寝て待てと言うが、やばいかもという気もしてきた。
2011/11/15
SPring-8に1泊し、朝からパワーユーザー課題の中間評価ヒアリング。スライドの数を絞って行ったのに、結局しゃべりすぎて時間オーバー。大学に戻って講義を終えたら、どっと疲れた。さて結果はどう出るか。
2011/11/9-11
高圧討論会出席・発表。(沖縄キリスト教学院大学)
マ シンタイムから帰った翌日、講義後に関空から沖縄へ。沖縄と言うことで半袖の服ばかり持って行ったら、思ったよりも気温が低かった。学会初日は梅雨みたい な土砂降り。2日目は湿気が高く蒸し暑い。しかし会場はエアコンが効き過ぎて寒い。マシンタイムの疲れが残っている上に暑かったり寒かったりで、体調が悪 く、セッション中もやたら眠いし、夜はどこも行かずさっさと宿に帰った。この大学は元は女子短大だったらしく、こぢんまりしたキャンパス。
2011/11-4-7
SPring- 8マシンタイム。Pr化合物の高圧低温遠赤外。結構きれいなデータが取れた。今回は8 GPaまでの測定で、次回で18 GPaぐらいまで測る予定。中赤外の測定は2012A以降に持ち越し。それにしても、今期節電で減ったシフト数が来年からは元に戻ると良いのだが。(もし 来週のPU課題中間審査で仕分けられたら、それどころではなくなるかも知れないが・・・)
最近隣のIXSビームラインの建設が着々と進んでおり、モノクロの結晶を冷やす液体窒素の循環・再凝縮装置がBL43IRの直ぐ隣で稼働し始めた。これが相当うるさくてかなり迷惑。
2011/11/3
ポートアイランドのスケートリンク開きで午後から今シーズンの初滑り。夕方そのままSPring-8へ移動。
2011/10/28
午前中は高校生に模擬授業。午後は実験室でまたBruker 66v FT-IRと格闘。どうやら蘇生の兆しが見えてきた。ただし胴体は分子研から譲り受けたやつで臓物の一部(レーザー、ビームスプリッター、 interferometer board)は神戸Brukerから移植しており、電源、PCも神戸のやつをそのまま使用。これでスキャンできてインターフェログラムが測れるところまで 何とか来たが、まだ少しおかしい。場合によって測れたり測れなかったりするのだが、何が違うのかよく判らない。(神戸Brukerと一緒に納入された小型 のチラーは、この16年間ほぼ常時運転を続けてきたのに、今でも健在。人間で言えば何歳だろう?素晴らしいゲルマン魂を見せてくれている。)夢中になって いるうちに日付が変わったので今夜はとりあえずここまで。明日からはPU課題の中間報告書を書かないとやばいのでBrukerはしばらく休戦。
2011/10/26-27
SPring-8マシンタイム。赤外NSOMで。金曜に大学で高校生の模擬授業が入ったので、2日のマシンタイムの初日で切り上げた。
2011/10/23
昼 にTVのニュースで面白いことを言っていた。何でも京大の誰かが40代の1万人にアンケートした結果では、理系出身者の平均年収が文系出身者より130万 円多く、かつ理系のなかでも物理が得意だった人の平均年収が一番高いらしい。(物理、化学、生物の順で、物理と生物では結構差があった) かつて理系は 「しんどい割りに儲からず報われない」という風に言われていたが、不景気で逆転したのだろうか。それとも文系卒は40代になると勝ち組と負け組が二極化し て、平均で下がっているのだろうか。理系の中で物理が最も高いのは、物理専攻が大学で一番勉強させられるから、卒業後も色々と適応範囲が広くて、しぶとく 生き残るのだろうか。 ・・・などと考えつつ論文を書いているが進まない。科研費書類が有っても無くても、結局変わらない気がしてきた。来月のPU課題の 中間評価ヒアリングがいよいよ迫ってきた。
2011/10/6-10 SPring-8マシンタイム。高圧低温遠赤外でCe系の測定。測定はうまく行ったが、思ったような結果は出なかった。というより、予想していたのと違う結果が出た。
2011/9/30
SPring-8へ日帰り。後期の実験に備えて少し打ち合わせと装置整備をすると共に、大学の装置が故障で当分測定できないので、ボロメーターと自作トランスファーチューブを車で運んでBL43IRに置いてきた。BLのやつよりボロメータはヘリウムの持ちがずっとよく、チューブは蒸発量がずっと少ないので。初めて山陽道を通ってSP8まで行った が、所要時間は片道1時間半。やはり電車・バスよりずっと速い。
2011/9/21-9/24
日本物理学会秋季大会参加、発表(富山大学)
初日午後に院生2人の発表があった。スクッテルダイトetcのセッションとCe系のセッションだが、何と発表の時間帯が全く同じ。発表番号が4 番と5番だったのでかろうじてセーフと思っていたのが、4番のセッションは1番の発表が30分の特別講演だと言うことに直前まで気づかなかった。仕方ない のでCe系の方に出た。スクッテルダイトの方は院生に聞いた所、あまり質問は出なかったとのこと。ところが後で、偶然同じホテルに泊まっていたある先生よ り、どんな質問だったか話が聞けた。実は「高圧のPrRu4P12は、常圧ゼロ磁場のPrFe4P12と よく似た状況なのではないか?」という本質的な質問があったらしい。そんなことは考えても見なかったので、大変参考になった。それにしても、明らかに同じ グループの発表がf電子の隣同士のセッションで同時になっているのに、プログラム編成は何とかならないのだろうか。(気づかなかったこっちも悪いけど)
2011/9/9-9/13
マックス・プランク研究所及びNeaspec社訪問(ドイツ、ミュンヘン)
Keilmann先生の研究室と、彼が開発した赤外s-SNOM装置を商品化して売る会社Neaspecを 訪問した。Keilmann Labはミュンヘン北部の学園都市Garchingにあり、ここにはミュンヘン工科大とマックス・プランク研が同居している。彼の装置もNeaspecの 商品である散乱型NSOMを基本としている。貝殻の断面のSNOM像を測定している所を見せてくれた。ブロードバンド中赤外レーザーはどんどん進歩してい て、コンパクトでありながら、スペクトル幅が600 cm-1もあって800-2500 cm-1まで チューニングでき、パワーも 1 mWに迫るレーザーができているらしい。商品化はまだらしいが、このレーザーが将来普及すると、コヒーレントでない普通のSRでやる意義は何なのか、よく 考えないといけないと痛感。 Neaspecは逆にミュンヘンの南にあり、マックス・プランク研から誕生した多くのベンチャー企業が集まっている。ここで はNeaSNOMの最新モデルでデモをしてくれた。(ブロードバンドではなくCO2レーザーだったが) とてもよくできている。目 の前で、Si上の直径50 nm程度のダストのトポ像とSNOM像(振幅と位相の両方)をあっという間に測定して見せてくれた。サンプル交換以外で触るのは制御PCだけで、ややこし い光学調整は一切無い。測定、制御ソフトが非常によくできている。 光学系は本当にシンプルなので、AFMさえあれば誰でも作れそうに見える。実際、自作 を試みた人が何人もいたが、誰も成功しなかったそうだ。確かにAFMの部分と、SNOM光学系の部分は全く別のテクノロジーであるにも関わらず両者を上手 く融合させる必要があり、AFMのメーカーがパッと作れる代物ではないと思った。帰国後さっそく見積を頼んだ所、やはりそれなりの値段。(基盤Aでは苦し い) しかし、やはり論文で見るのと実際に見て話を聞くのとでは大違いで、わざわざミュンヘンまで見に行って本当によかった。
(余 談) 訪問のアポが月火になったので、土日は完全オフになった。遠出はせずミュンヘン中心部を歩き回った。古い街並みが保存・再現されていて、本当に美し い。そしてビールがとてもおいしいので、ビールばかり飲んでいた。(安い。どの店でも500 mlで4ユーロ程度) もう一つはまったのはドイツ博物館(Deutches Museum、科学技術関連の巨大な博物館) デトロイトのヘンリー・フォード博物館もすごかったが、ここもすごい。半日かかって、5つあるフロアのうち 1階の半分しか回れなかったので、もう一度行った。特にはまったのは、19世紀の工作所を再現した展示と、蒸気機関の展示。足踏み式のボール盤(足でばったんばったん踏みながら使う)に感動した。(台座には誤って穴を開けた跡が多数ある。犯人はボスにさぞかし怒られただろうなと笑ってしまった。) また直径50 cm, ストローク1 mのピストンを持つ蒸気機関は迫力あった(1904年まで使われていた実物で全体の高さ約4 m, 水蒸気の温度200℃、圧力5.6 bar、回転160 rpmで、出力117 kW, 160馬力だそうだ)。Rudolf Dieselが作ったオリジナルのディーゼル・エンジンもあった(上部の円筒部分がピストン・シリンダー。効率は25 %、出力20馬力らしい)。物理関連の展示では、来場者が動かせる数々のデモが面白かったのと、ジュールの(1 cal=4.2 Jを求めた)実験装置。(こんなので(攪拌機の拡大写真)、ちゃんと仕事当量が求まるのだろうか?) そしてフラウンホーファー自身が作った美しいプリズムに感動。(時間が足りず楽器の展示を見られなかったのが残念。) そしてミュンヘンといえば音楽。シンフォニーもオペラもシーズン開幕前だったが、土日と二夜連続でコンサートに行った。
2011/9/5-9/8
加速器光源による赤外顕微分析と分光の国際ワークショップWIRMS 2011参加、発表(イタリア、トリエステ)
ロンドンからトリエステへ移動するとき、ミュンヘン空港で乗り継ぎに遅れるという失敗はあったが、次の便で無事移動。(予約した飛行機の乗り継ぎ時間が 35分しかなかったのが失敗。) 前週のSCESと違い、こちらはこぢんまりとして、お互い知っている参加者が多いのでずっと楽しめた。前回のWIRMS と比べて大きな進歩は無かったかも知れないが、やはり情報交換はとても有用だった。ホテルもきれいで快適だった。(高かったが) トリエステはイタリアと スロヴェニアの境界にあり、色々な文化の影響が混ざった場所。会議の終わった日の午後、学会会場から町を見下ろす古い城、そして町中をのんびり歩き回っ た。ローマ時代の遺跡もあり、やはり歴史を感じさせた。
街を見下ろす丘の上の城から眺めた、トリエステの街。城の中には、昔の武器やトリエステの歴史などの展示があった。
学会のバンケットは観光船でのクルージングで、トリエステから海岸沿いに西の方向へ。上の写真はその途中にあるDuinoという小さな町の城。この城で詩人 リルケが代表作を書いたんだと誰かが教えてくれた。しかし物理により関係あるのは、Duinoはボルツマンが首をつって自らの命を絶った町ということであ る。ボルツマンがDuinoで自殺したのは1906年9月5日。自分の発表が有ったのも9月5日だったので、その日はちょうどボルツマンの105周忌だっ たことになる。この写真を撮ったのは2日後の9月7日だった。
2011/8/29-9/3
強相関電子系の国際会議SCES 2011参加、発表(イギリス、ケンブリッジ大学)
初めてのイギリス。ヒースローから地下鉄、鉄道と乗り継いでケンブリッジに着くと、えらい寒かった。泊まったのはケンブリッジ大学のカレッジの一つ、 Selwin Collegeの学生寮。部屋は1Fの個室(トイレ、シャワーは共同)だったが、なぜかアップライトのピアノがあった。へえと思ってふたを開けて音を出し てみるとチューニングはそんなに狂ってなかったので、ちゃんと使われているらしい。特別な部屋だったのだろうか? 学会の方は主催者側の情報提供が不十分 で、建物がどこにあるか判らなかったり、プロシーディングスの締め切りが会場で初めて判ったり。また招待講演の内容がTBAになってたり(内容知らずに招 待するって??)、今ひとつ。次のイタリアへの移動でロンドンに一泊したついでにコンサートへ。
2011/8/25
国際会議が迫ってエンジンがかかるどころかお尻に火が付いていたところ、帰ってきてからやるつもりだったモノの移動(仮置きしていた装置の移動、院生室、 ゼミ室の引っ越しなど)を、9月中旬までにやらなければならないことになった。自分は9月中旬まで海外出張で不在だから、自分が関与する物品を今週中に動 かして不要品も捨てなければならない。4年生は院試で人手も足りないし学会の準備はできてないし、最悪。Proceedingsは出発してから書き始める ことになりそう。
2011/8/20
休暇から戻り、昨年末以来スキャナーが動かなくなったBrukerの復旧を試みた。スキャナーボードが多分いかれていると思ったので、分光器本体に入って いる3枚のスキャナーボードを、譲ってもらった同じ機種のスキャナーボードと入れ替えてみた。一枚だけ、全部、など色々試したがダメ。IOボードも入れ替 えてみたけどダメ。可動鏡は全く動かないわけではなく、ゆらゆらと往復するのだが、正常時のあのきびきびした動きとは違う。明らかにレーザーの干渉縞を数 えずに(何もフィードバックせずに)動いている。(レーザー振幅は十分あるのだけど) 2日間実験室にこもって粘ったけど、どうやらダメらしい。長年お世 話になった分光器だが、ついにお別れの時が来たようだ。さようなら。 国際会議から戻ったら、譲ってもらった方の分光器の立ち上げを試みる予定。
2011/8/12
実験室の工事は無事終了。しかしモノの移動など立ち上げはこれからが大変。授業が終わっても研究モードに切り替わらず、この1週間はボーッとしてしまっ た。体調も悪い。元々片頭痛持ちだが、この1週間は頻発して参った。緊張がゆるむと体調が崩れるのはいつものことで、やはり国際会議が目前にならないとエ ンジンがかからないか。などと思っていると、既に目前なのにProceedingsも発表スライドも全然できていないし、宿も取れていない。お盆休みが終 わったらエンジンをかけよう。
2011/8/5
統計物理学1の成績をつけて掲示した。
これで9月末まで研究・国際会議モードに入る予定。また今年の10月は科研費書類がない(新規が出せない)ので、そのまま論文量産モードにも入りたい。 (毎年同じ事を言ってる気もするが) おっと、その前に改修の終わった実験室の立ち上げもあった。これも時間がかかりそう。
2011/8/1
統計物理学1の期末試験終了。
この1ヶ月、研究そっちのけで統計の勉強ばかりしていた感じ。そのきっかけはある先生からの「(一昨年、昨年と自分の熱力学、統計力学を受講した)4年生 が自由エネルギーに全くなじんでいない。どうなっているのか?」という問い合わせだった。もちろん授業ではやっていたが、成績のよい受講生が身に付いてな いと言うことは、自分のやり方に問題があるに違いない。せめて残った1ヶ月でもと、再度勉強するうちにすっかりはまってしまった。おかげで自由エネルギー と化学ポテンシャルの本当の意味がわかってきた気がする。特に自由エネルギーは、熱力学だけでなく統計力学を併せることで(確率を持ち込むことで)、その 意味がずっと判りやすくなると思う。担当一年目だった昨年は、この辺の説明が不十分だった。昨年の受講生には申し訳ない。
2011/7/27
実験室改修に向けて、実験室の片付けがやっと終わった。と言っても、工事のじゃまになるものをどけて仮移動しただけだが。仮移動したモノは別の部屋や廊下 にあふれている。工事が終わってずっと狭くなった実験室に、全部入るんだろうか??とかなり不安になってきた。入るようにかなりモノを捨てたつもりだが、 まだまだ捨て足りないかも。
2011/7/25-26
SPring-8マシンタイム。近接場分光の実験で。前回に引き続いて非対称FT-IRで散乱光のインターフェログラム測定を試みる。大きな散乱体を標準試料にするとインターフェログラムは出るが、小さな散乱体となると容易ではない。今後に継続。
隣のBL43LXUでは、IXSのビームライン建設が着々と進んでいる。下の写真はホールに仮置きされている、試料とアナライザーの間を結ぶホーン(?)。散乱角を変えるときはこれ全体がレールの上を移動するんだから、何とも大がかりなマシンである。
2011/7/22
物理学科毎年恒例のサマーパーティー。今統計物理学1を教えているクラスは物理学科にしては女子学生が多い(6人ぐらい)が、彼女らのほとんどがオケや吹 奏楽、軽音、ピアノなど音楽をやっていることが判って、久しぶりに音楽ネタで話し込んだ。(「統計の単位をください」という訴えも多く聞いた)
2011/7/20
震災の影響で、今年度の科研費は3割カットされるだろうという通達。家を失った人が何万人もいるのに、役に立たない基礎研究費がカットされるのは当たり前 かも知れない。しかしただでさえ少ない基盤Cで3割カットはきつい。国際会議の旅費はある財団から援助をいただけることになったので助かったが。当たれば ラッキーぐらいの軽い気持ちで出したのだけど、今となると出しといて本当に良かった。(そう言えば後期のSP8パワーユーザー課題の割り当てシフト数も、 通常のほぼ3割減だった。)
2011/7/19
マシンタイムから帰ってくると、分担執筆した本"Optical Techniques for Solid State Materials Characterization"が 届いていた。(1冊無料進呈で原稿料は無し。原稿料の現物支給と言うことか。) 自分が書いたのは"Techniques for Obtaining the Optical Constants of a Material"というChapterで、約40ページ。こんな長い英文を書くのはD論以来で、一昨年から昨年にかけてすごい時間を費やした力作なの で、完成品が送られてきて感無量・・・になるかと思ったが、脱稿から相当時間が経ったのと、あまりの分厚さ(4.5センチ・ 748ページ)に、こんなん本気で勉強するヤツがおるんか??と思ってしまった。他の著者が書いたほとんどのChapterも初めて見たが、固体材料評価 のための色んな光学的手法が専門外でも判るように装置も含めてイントロから書かれており、使い方によっては結構役立ちそうな本だと思う。どんな Reviewを得るかな。
2011/7/13-18
SPring-8マシンタイム。高圧低温遠赤外。中赤と両方測るつもりだったが、今回も干渉に悩まされ、結局中赤外は断念して遠赤外のみの測定。単結晶の 平らな自然面だが、見た目と違って余り平らではなかったらしい。結局準備不足の形になってしまい、前回同様イマイチ。遠赤外の温度変化はきれいに出たが。 前回えらくひどくなったと思ったSP8食堂だが、今回は結構良いと思うことが多かった。早めの時間に行って、選択肢があるうちに食べてしまうのが良い。 地元佐用町産のナスを使った小皿がおいしかった。実験がうまく行かなくてもご飯でリフレッシュすると気も紛れる。ただし毎日あそこで食べると話は別だろう な。
2011/7/13
マシンタイムに出かける前に、放射光学会誌の記事の最終稿と図面を送った。査読者の方々は専門外の読者にもわかりやすく書けているとコメントして下さった が、さて評判はどうか。著者写真を送れと言われたので今HPに乗せてるやつを送ろうかと思ったが、せっかくだからと撮り直した。前の写真と比べると顔は余 り老けていないが、生え際ははっきり後退していた。
2011/7/8
今日もゴミ捨てに追われる。自分自身がため込んだガラクタも多くて呆れる。実験室が広いと、要らないものも捨てるのが面倒でため込んでしまうのが原因。以 前廃棄したS社のFT-IRから取り外されたKBrビームスプリッターを見つけたので、捨てる前にばらしてみた。Ge膜を付けたKBr板と付けないKBr 板を合わせて押しつけただけ。何か特別な工夫があるのか?と以前から思っていたが、そんなものはなく至極単純だった。ばらしたKBrはもう曇っていて窓に は使えないし、面白半分で水につけてみた。30分もしたらきれいに溶けてなくなり、Ge膜だけが漂っていた。(こんなもんが何十万円もするとは!)
2011/7/7
この2週間、統計力学の勉強と実験室の片付けばかりやっている。去年の統計力学1の講義は長期出張のため授業を早く切り上げたから、今年は去年やらなかっ た所に入った。S=k log(W)をどうやって正当化するか? そのミクロな導出は? グランドカノニカル分布と化学ポテンシャルの意味は?など。いずれも自分が学生だった 頃、よくわからないまま放っておいたところなので、勉強するのはなかなか楽しい。一方、実験室の片付けはうんざりしてきた。スペース節約のため不要品を処 分しまくっているが、とにかく次から次から出てくる。ほとんどN先生の置きみやげである。古い分光器を捨てるときに必ず「これはまだ使えるでしょ」とミ ラーだの何だの学生に外させるのだが、結局使わず捨てるのは始めから判っているのに。今日も雨の中(工学部のゴミ集積所は月木しか開かないので)、某SR 施設から持ち帰って結局使わず捨てたMP干渉計や神戸で捨てた古いFTIRに入ってたミラーやワイヤグリッドなど、大量に廃棄。少しずつすっきりしてきた がまだ先は長い。やれやれ。
2011/6/23-25
科研費新学術領域「重い電子系の形成と秩序化」研究会参加。(東大物性研)
出前授業の後、そのまま新幹線に飛び乗って東京へ。N700系は乗り心地が良くて、寝ているうちにあっという間に東京着。話に聞いたとおり、駅のホームも街も薄暗かった。柏も蒸し暑くて大変だった。自分の発表はポスターのみ。
2011/6/23
神戸市内の女子高で出前授業。女子高で理系クラスしかも物理の授業にどれだけ来るんだろうと思ったが、結構多かった。興味を持って聞いてくれたと思うが、自分の時間配分がまずくて時間オーバーしたので、後半は少々しんどそうだった。
2011/6/15-20
SPring-8マシンタイム。高圧赤外。今回はさんざんな結果。ぺらぺらな単結晶でへき開は問題ないが、仕込みを何度やってもスペクトルの干渉縞が消え ない。不思議なことに、赤外のスポットサイズ内で可視像のニュートンリングを2本ぐらいに減らせても、中赤外のスペクトルには強い干渉縞が出てしまう。 (遠赤外なら問題なかっただろうが) 以前はこの程度だと測れたのに、今回はなぜ?? こういうときはKBrなど固体媒体に走りたくなるが、この物質は特 に静水圧性に敏感なのでKBrは使えない。と言うわけで大したデータは取れなかった。残念。(4月以降良くなったと思った食堂だが、最近どうも質が落ちた 気がする。夕食の主菜の数も減ったし。元々良くなった気がしただけだったのかも。)
2011/6/8-10
SPring-8マシンタイム。赤外近接場分光に向けた基礎実験。今回は、デモで貸してもらったあるメーカーのパワーメーターを使って、赤外SRの強度を測ってみた。新しいVertex FT-IRへ入射する直前で、700-1400 cm-1、透過率85 %のバンドパスフィルターを入れて、約60 μW。リングのパラメーターを入れたSR強度の計算値が約0.1 μW/cm-1な ので、ほぼ計算値の通り。天井を経由するビーム輸送系でも大きく強度をロスしていないという結果は、今年1月にMCTを使って第1焦点直後とFT-IR直 前で比較してほとんど強度差がなかった結果ともコンシステントだ。ただし(レーザー用のパワーメーターだから仕方ないが)、このような弱い強度領域ではゼ ロ点が不安定でドリフトするので、バルブのon/offで頻繁にゼロ点を確認する必要があった。赤外BLでの強度変化を追うには、ちょっと感度が物足りな い。パワーの絶対値がわかるのはありがたいけど。
2011/6/4
松坂投手が肘を手術するとのニュース。初 めて受けた投手の名でTommy John surgeryと呼ばれているこの手術、今では9割ぐらいの確率で復帰できるらしいが、リハビリが1年から2年かかるから、彼のRed Soxでのキャリヤは終わった感じ(契約は来年まで)。ここ2年間の松坂投手は故障続きで、高校野球以来の酷使のせいだろうが、やはり悪かったのだろう。 でも調子の悪い合間にすばらしい投球もあった。今年のBlue Jays戦、Angels戦はすごかったし、昨シーズン終盤のYankees戦も すばらしかった(リリーフが打たれて負けたが)。この手術を受けた後に活躍した投手もたくさんいる。現役では今年ノーヒット・ノーランをやった Francisco Lirianoもこの手術をやってるし、Tim Hudson, Chris Carpenterなどエース級も多い。桑田真澄、村田兆治両投手もこの手術後にまた活躍した。残念だけど、この際きっちり治してまた活躍して欲しい。 (チームは移籍するだろうが。ただし復活、移籍してRed Sox相手に快投というのも困るが)。
2011/6/3
実験室の改修に備えて、不要な物品の廃棄、移動作業を始めた。捨てる主要物品はまずSP社のArレーザー。助手着任直後(1995年)に納入されたもの で、納入直後は電流40 Aで514.5 nmのパワーが2.8 Wも出ていたのが、今日最後の見納めに付けてみると、電流40 Aでたった200 mAだった。ルビー蛍光を測るには十分だが、場所も取るし固体レーザーとバトンタッチ。もう一つNicoletのFT-IRも、もったいないが捨てること にした。立ち上げれば動作するはずだが、20年前の製品だし、苦労して立ち上げても故障したら部品も入手できないし。実験室がずいぶん狭くなるので、とに かくモノを減らすことが最優先である。昨日搬出に立ち会ったBrukerもさっそく届いた。
改修前後の見取り図は次のようになる予定。左が現状で右が改修後。現在の院生室とゼミ室は他学科へ引き渡し。ゼミ室と工作室は地下へ移動。
2011/6/2
日帰りでUVSORへ。去年の12月から動かなくなってしまったうちのBruker 66v FT-IRと同じ機種を譲ってもらえることになったので、搬出に立ち会うため。雨で大変だったが、無事搬出完了。
帰ってきてニュースを見てると、菅さんが震災復興に目処が付いた後の辞任表明と引き替えに不信任を免れたとのニュースが流れていた。政策で争うのは自 由だが、我が国の総理大臣があまりにもころころ変わるのは、本当に腹が立つ。調べてみると、平成になってから首相が既に15人。産業が発達した国に限らず 発展途上国も含めて、23年で15回も行政のトップが交代する国が他にあるか? こんな国が一人前の国と呼べるわけもないし、他の国から尊敬されるはずも ない。日本の政治のシステムが何か間違っているとしか考えられない。
2011/5/25
梅雨が近づき、実験室の湿度が気になる季節になった。(赤外分光では湿気に弱い光学部品を扱うので) 自分の実験室では除湿器を常時動かしており、湿度計 によれば湿度は25-35%ぐらい。しかし電子式湿度計の値がどれぐらい信用できるのか、前からずっと気になっていた。そこでちょっと実験をしてみた。電子式湿度計を2種類、伸縮式(材質が何かは知らない)湿度計を2種類、同時に比較したのが下の写真。
<実験室で。晴れの日(左上)と雨の日(右上)>
<廊下で。曇りの日(左上)と雨の日(右上)>
以上のデータより、電子式は伸縮式に比べて最大10%ぐらい低い。ではどちらが正しいか? う~ん良くわからない。気温にも依存するだろうし。(上の4つでは気温はほぼ同じ) 両方を見て判断するしかないか。電子式は低く出ること、そのまま信じてはいけないことはよくわかった。
2011/5/11-16
SPring-8マシンタイム。Ce系の測定。もう2年間測っている試料だが、変化が小さいのでなかなかデータが集束しない。というより、こちらの測定技 術が少しずつ進歩して精度も少しずつ上がるので、じゃあ測り直そうよ、と言う繰り返しになっている。そろそろ区切りを付けないと。マシンタイム前半は土砂 降りで実験ホールの湿気も高く、クライオのKBr窓の取り付けには気を遣ったが、幸い曇るようなことはなかった。
マシンタイム中に開催された物理学科スポーツ大会。またマシンタイムと重なってしまった。今年の出し物はソフトボールで、量子ダイナミクスは圧倒的強さで全勝優勝したそうだ。出られなかったのが本当に残念。
2011/5/10
科研費の基金化に関する国会審議がどうのこうので通知が遅れていた今年の基盤C。連休前の週末に学振のHPを見ると、内定通知を各機関に送付しましたと あったが、月曜になっても何も来なかった。過去に内定したときは学振HPに載ると直ぐに通知が来ていたから、今回は外れ。相当気合いを入れて書類を書いて 当たると思っていたので、連休中は激しく落ち込んだ。連休が明けてようやく少し立ち直り、この1年どうやってやり繰りしていこうか?と考えていたところ、 今日になって内定通知が来た。いったいこの1週間は何だったんだ?? 大学は通知が来たら直ぐに教えてくれるだろうから、学振がフライングをしたのか? まあとにかく当たったんだからいいけど。夏の国際会議の航空券は自腹を覚悟していたので、助かった。
2011/4/20-23
SPring-8出張。近接場分光の装置をKeilmann方式に変更することになったため、そのための予備実験。パーツを並べてマイケルソン干渉計を作 り、放射光を入れて干渉させようとするが、既製品のFT-IRに放射光を入れるような訳にはいかず、あれこれ考えを巡らし、今後の作戦を練る。ま、何とか なるだろう。それよりも重要なニュースは、この4月からSPring-8の食堂がリニューアルし、運営業者も変わったこと。値段は高くなったが(夕食は普 通に食べて600円ぐらい)、肝心の質は前よりずいぶん良くなった。今後は実験で疲れていても、ご飯を食べればリフレッシュ出来そうな気がする。
2011/4/12
サイトを引っ越し。ほとんど研究の話とはいえ、大学のサーバー上に置いておくのはまずい気がしてきたので。どこへ引っ越そうかと考えたが、とりあえず試してみたGoogle Sitesが意外と簡単だったので、ここに住み着く事にした。
午後は新年度のキックオフ・ミーティング。今年は4年生が3人もきた。夕方は量子ダイナミクスの新入生歓迎会。そこで聞いたある4年生の話によると、春休み期間中に大学の自然系図書館で難波先生に会ったそうだ。何してたんだろ。
2011/3/27-31
SPring-8出張。物理学会が中止になって急に日程と旅費ができたので、BL43IRに新しく入ったFT-IRと顕微鏡の評価実験、近接場打ち合わせ などのため。新しい顕微鏡は、当然だけど観察画像がとてもクリアで、今まで使ってきた顕微鏡とは比べものにならない。放射光を入れての評価は4月に入って からだが、これは新学期と重なるので残念ながらしばらくは行けない。
写真1 左奥が前の干渉計。(クリックで拡大)
写真2 上から見たところ。
写真3 奥が新しい非弾性X線散乱ビームライン(BL43LXU)のハッチ。
2011/3/25
今年は理学部学生委員なので、卒業式の業務にかり出された。仕事は場外の人員整理で、ワールド記念ホールの入口で写真を撮ったりはしゃいだり、動かずにた まっている学生や家族に入場、移動を促すのが仕事。すごい数の人がたまって一時はどうなるかと思ったが、事故もなく終了。学長式辞と卒業生答辞は控え室の モニターで聞いたが・・・ 学生の答辞がありきたりなのは仕方ないとして、学長の式辞がありきたりなのはいかがなものか。卒業生に対してもう少し、学長自身の個性を反映したようなメッセージがないのだろうか。
2011/3/
地震が発生したとき、居室でPCに向かっていたが、全く気付かなかった。データ処理に没頭していてネットも見ていなかったので、隣室の松岡さんから教えら れてやっとニュースに気付いた。普段実験するときは線量計の数字をほとんど気にしないが、今回は思わずシーベルトとベクレルの定義をもう一度勉強し直し た。(あちこちで尋ねられるし) 毎日メディアに溢れる何百とか何千とか言う放射線量の数字は、意味がわかってないと人々の不安をかき立てる物だというの がよくわかった。(アエラの「放射能がやってくる」にもあきれたが)
2011/1/26-1/31
SPring-8マシンタイム。MIRで高圧低温実験。試料はPr化合物で、以前研磨面で測っていたものを、今回は自然成長面での再測定。やはり研磨面より温度変化は大きくはっきり見えて、特に問題なく終了。
2011/1/20-21
SPring-8マシンタイム。新しく導入予定のFT-IRと近接場装置の準備を兼ねて、BLの第一焦点とFT-IR前の第2焦点で光強度の比較をしてみ た。可視成分は結構落ちているが、バンドパスフィルターを入れて1000cm-1辺りの強度を測定・比較してみると、ほとんど変わらないという意外な結果。
2011/1/13-14
分子研研究会「大強度テラヘルツ光の発生と利用研究」参加。
自分は発表はなく聞くだけだったが、大変有用な研究会だった。かつてテラヘルツはレーザー・加速器を問わず、道具はあるけどどんな応用があるのか、という状態だったけど、応用実験もかなり進んでいることを実感。
2011/1/8-10
日本放射光学会年会(つくば国際会議場)参加、発表。
赤外の発表は2件だけ。いつものパターンだと最終日辺りのごちゃ混ぜセッションに入れられるのだが、今回はなぜか初日の朝一番。しかしやはり生物と半々の セッションで質問も出ず寒い発表になった。件数が少ないからごちゃ混ぜセッションは仕方ないとして、せめて固体分光との合同なら質問も出そうなのだけど、 何とかならないかな。それよりも今回のメインイベントは松波氏の若手奨励賞受賞であった。おめでとうございます。
学会中に、Bostonへ留学していたころの友人Kim氏に再会した(18年ぶり)。自分は当時の強磁場から放射光、高圧へシフトしたが、彼はLos Alamosでのポスドクの後韓国へ戻って強磁場を継続しており、ちょうど会議場近くのNIMSで実験していた。昔話に花が咲いたのと、韓国の大学や物理 の業界の事情を色々教えてもらって大変興味深かった。
2011/1/7
科研費研究会「Yb系重い電子化合物における電子状態と新しい物性」(姫路)参加、発表。
発表の機会を頂いたのに加えて、普段の学会では聞けない試料作りの苦労話なども聞けて、とても面白かった。翌朝放射光学会の発表があるから夕方に抜けて飛行機で移動。TXのおかげで同日中にホテルにたどり着けた。