2008/12/27
仕事納め。ぐちゃぐちゃに散らかってた部屋を片付けただけで終わった。
今年はとにかく物事がうまくいかない一年であった。年末のノートパソコン昇天でとどめを刺された感じ。特にプロシーディングでない論文を結局一つもかけな かったのは痛い。理由は簡単で、書類ばかり書いていたからである。(しかも全部はずして結局時間のムダ。唯一の救いはパワーユーザー課題に通ったことか) まあそのうち上向くと信じるしかないか。来年は科研費以外の書類はやめて、たまったデータを論文に仕上げて高圧実験に精を出そう。難波先生卒業後の研究室 体制確立も重要課題である。まずは研究室の新HP立ち上げが第一歩か。
2008/12/22
1ヶ月以上抱え込んでいたレフェリーレポートをやっと提出。忙しいときに限って査読依頼が来るのはなぜだろう? 海外誌だし内容が無関係ならあっさり断る ところだが、自分に関連のある分野で、かつ内容がお粗末でこんなものが出版されるなど言語道断、となれば見過ごすわけにもいかない。しかしレポート作成に かなり時間を取られてしまった。思うに「この論文はすばらしいから出版に値する」という説得力ある文章を書くより、「この論文はなぜダメで出版に値しない か」と論理的かつ説得力ある文章を書く方が、ずっと難しい。
2008/12/13
阪大三石研の忘年会。1年ぶりに梅田へ出たが、阪急百貨店の工事はまだ進行中だった。いつになったら終わるんだろうか。
2008/12/10
この4年間愛用してきたLet's Noteが昇天。図書館で調べ物をしてその場で入力し、居室に戻って読み出そうとすると起動しない(調べた資料はパー)。HDがいかれたらしく、 Windows読み込みの途中で止まってしまう。今年度は予算が残ってないから買えないが、このままでは学会発表も出来ない。私費で買うしか無い か・・・。
2008/12/8
SP8から返ってきた夕方、Nobel Lectureの生放送(ノーベル財団のWebcast)を見た。本当に日本語で講演してしまった益川先生はすごい方だと思った。英語が大の苦手と言われ るわりには、名前をMasukawaではなくMaskawaと綴られるのは良い英語のセンスだと思う。英語なんかできなくても物理がすごく出来れば、もち ろん誰も文句は言わない。
2008/12/5-8
SPring-8マシンタイム。高圧低温で今回は現地で干渉縞や圧媒体の吸収などが出ないか、スペクトルを確かめながらの仕込み。光が出ているときに仕込 みをするのは時間の無駄のようにも思えるが、良い仕込みをちゃんとすれば良いデータが出るというパターンになった。院生K君のDAC仕込みの技が冴えた。
2008/12/1
物理学B2が99人、熱力学が50人の試験採点やっと終了。簡単と思った熱力学はかなり悪かった。計算問題が全然できていない。
2008/11/24
朝から休日出勤して熱力学と物理学B2の中間試験問題作成。
週末に眼科に行ったら「網膜に穴が開いてる。今は小さいけどこのままだと拡がって網膜剥離になるからレーザー手術する」と言われた。はあ?という感じだったが、その場で同意書に署名して即刻手術。自分は5歳の時からメガネをかけて既に両目に強い飛蚊症(普 通は60歳前後で顕著になるらしい)があり、緑内障の疑いアリとも言われて来たので心構えがあったのと、光物理屋としての興味もあったので抵抗はなかっ た。手術と言ってもレーザーを当てるだけだが、打つ瞬間は眼の奥にずーんという感覚が走って眼の中が黄緑色に染まった。穴の周囲を焼いてそれ以上拡がらな いようにするらしい。後で尋ねるとレーザーは色素レーザーでイエローだと言われた。Nd:YAGの2倍波かと思ったが、もう少し長波長だったらしい。症状 名は網膜裂孔。始めて生命保険の世話になりそう。
2008/11/13
PU課題に採択されたとの知らせ。これで少なくとも3年間は科研費の当たり外れに依らずSP8で実験ができる(中間評価を通れば5年)。過去3年間、人事 も研究費も出す書類をすべて外し続けてきたのがやっと当たったので、本当にほっとした。これで科研費が当たれば言うこと無いのだが。
2008/11/12
午前は姫路で高圧討論会参加・発表、午後はSP8でPU課題のヒアリング審査。発表はYbSの高圧赤外分光について(今度はちゃんとプロジェクターの チェックをした)。発表後、初めて姫路からSP8行きの急行バスに乗った。(所要時間は電車+普通バスとほとんど同じだけど、普通バスより乗り心地が良く て乗り換えもないし快適。駅前で弁当を買って車内で食べると時間の節約にもなる。) ヒアリングは制限時間いっぱいしゃべったが、どうやらまじめにやり過 ぎたらしい。午後遅くで審査員の先生方はすでにお疲れモードだった。
2008/11/6
パワーユーザー課題の書類審査に通ったとの知らせ。ヒアリングは高圧学会の発表日なので時間をずらしてもらった。高圧学会が姫路でよかった。
2008/11/5
SPring-8パワーユーザー課題の申請書を徹夜で仕上げ、午前10時の締め切り10分前に提出したのは良いが、その後寒気がしてきてそのままダウン。 熱を測ると38℃強で下半身の関節があちこち痛い。以前カキにあたって講義中にダウンした時と同じ症状。昼過ぎに妻に車で迎えに来てもらって病院に連れて 行かれて点滴された。1週間に2度の徹夜にはもう耐えられない体らしい。(前夜に買って朝食べた○ブンイレブンのサンドイッチも悪かったようだ)
2008/10/31
学内締め切りを1日過ぎて科研費書類提出。この1ヶ月間、2度の徹夜もしてとにかく必死で書いた。ある先生の「科研費は当たるものではなく、取るもので す」という言葉を信じて、色々考えて書いたのだが、さて結果はどう出るか。今年度に入って貧乏生活は十分味わったので、もうたくさんである。来年はまとも な暮らしに戻りたい。
2008/10/30-31
日本赤外線学会参加、発表(神戸大)。
初めてプロジェクターでトラブって大いに慌てた。画面がうねってしまい全くだめ。USBに入れてもいなかったので、セッションは完全にストップして場内は しらけムード。やっぱりちゃんと前もって確認しないとダメ。(今回は科研費書類の締め切りで忙しく、直前まで部屋で発表準備せざるを得なかった)動揺を引 きずったままの発表も、当然寒い内容に終わった。そして追い打ちをかけるように、誰が見ても自分が悪いのに「座長の不手際により時間が超過してしま い・・・」と決まり文句を言う座長。参った。
2008/10/24-27
SPring-8マシンタイム。今回は科研費の書類作成で忙しく、準備不足が影響してイマイチ。
2008/9/10
県内の高校へ出前授業。校長先生が神大OB、コース担当の先生が阪大OBということで、阪大OBで神大所属の自分には身近に感じられた。かなり熱心に取り 組んでおられるようで、4人ぐらいの先生がずっと授業を聴講されていた。やさしく話したつもりだが、感想文を見るとやはり「難しかった」というコメントが 多かった。
2008/8/29
院試終了。入試委員なので大忙し。
2008/8/18-22
休みを取って北海道へ。レンタカーで4日間走りまくった。これまではスキーツアーでしか北海道へ行ったことが無かったので、ひたすらまっすぐな道が続く北海道の平原を実感できた。登別もそうだったが、北海道の観光地はどこへ行っても中国人(台湾人?)だらけでびっくり。
2008/7/30-31
室蘭工大で特別講演(1コマだけの超集中講義)。電気電子の大学院生相手に光の話を分かりやすく、という依頼だったので、液晶モニターと透明電極の原理を お話しした。いつも試料でお世話になっている関根さんの高圧プレスの装置を見せてもらい、スクッテルダイトの光学伝導度に関するセミナーもやった。夜連れ て行ってもらったお店で食べた魚、毛ガニ、ウニなどが最高においしかった。帰りは通り道だしせっかくだからと登別温泉に立ち寄った。地獄谷を望む露天風呂 は平日の午後で貸切状態。とても良かった。
2008/7/22
京都府北部の高校からバスでやってきた高校生に模擬授業(出前授業と同じ内容)。今年はなぜか例年より出前授業の依頼が多い。
2008/7/14
県中部の高校で出前授業。ローカル線を乗り継いだ上に帰りは人身事故でJRの上りが止まっててえらく時間がかかった。
2008/7/11-13
特定領域スクッテルダイト・まとめ研究会参加、発表(東大物性研)
2008/6/29-7/7
国際会議"Low-Energy Electrodynamics in Solids"参加・発表。(カナダ・ウィスラー)
高級ホテルFour Seasons Resortでの学会。部屋はゴージャスでそれは良かったが、学会自身は光学よりも光電子だのSTMだのが幅をきかせていてイマイチ。次回に期待しよう。
2008/6/28
大学院オープンラボ第2回目。参加者は6人だけで遠方の人が多く、近隣大学の人はいなかった。後から聞いた話によると、阪大の物理が同じ日に入試説明会を開いていたらしい。来年からは重ならないように気をつけよう。
2008/6/16-19
UVSOR BL7Bマシンタイム。1年半ぶりに行ったUVSORではユーザーの部屋が引っ越していたり、入退室カードが新しくなっていたり、いろいろと変わっていた。
2008/6/6-9
SPring-8マシンタイム。今回は引き続いてCe系で室温の圧力変化を詳しく測る実験だったが、ほとんど変化なしという結果。室温では圧力依存が小さいが、低温にすると顕著な圧力依存が見えるという線で間違いなさそう。
低温遠赤外の高圧実験はかなりノウハウを蓄積したので、次はいよいよ圧力誘起QCPへ挑戦か。問題は金欠病で、低温をやるとヘリウムをすごい食うので2008Bはどれだけマシンタイムを行えるか微妙なところ。
2008/6/2
締め切りを過ぎて科研費の報告書をやっと書いた。5月は他の重要書類締め切りもあって論文執筆は完全ストップだったので、早く再開しよう。
2008/6/1
昔所属していた市民オーケストラの定演に、3年ぶりで出かけた。自分もステージに乗っていた頃が、ずいぶん昔のように感じる。
2008/5/27
人間ドック受診。10年以上ずっと57~58キロをキープしてきた体重がいきなり61キロ近くなっていた。悪玉コレステロールも増加して、メタボ予備軍とのこと。最近「腹が育ってる」と妻に言われ続けたのは気のせいではなかったらしい。落球事件と合わせて対策を考えよう。
2008/5/26
物理学科ソフトボール大会。2試合だけ参加。去年ピッチャーをやったら翌日筋肉痛でえらいことになったので、今年はおとなしくファーストを守る。しかし 1・2塁間に上がった何でもない小フライの落下点に入ったのは良いが、はじいた上に足がふらつき、尻もちついて落球。学生の頃なら何でもなく取れていた球 が取れなかったのはかなりショック。昼休みに走ろうかな。
2008/5/22-23
研究会「Workshop for a NanoDynamics Beamline: A Next-Generation Beamline for Inelastic X-Ray Scattering」参加・発表(SPring-8)
SPring-8のBaronさんに招かれて重い電子系の紹介と、角度分解の電子励起が測れたら何ができるか、という話をした。他はほとんどd電子系の話 ばかりだったが、勉強になった。角度分解でf電子系の混成ギャップを観測できたらすごいだろうが、fの場合はエネルギースケールが小さいので技術的ハード ルは高そう。ほとんど日本人ばかりで発表は英語というちょっと変わった研究会だった。
2008/5/21
更新申請を出しているBruker分光器を現地調査に来た本部の方に説明。理学部から上へは出たけど、その先はまだ長い。
2008/5/16-19
SPring-8マシンタイム。前回の再現性チェック。ほぼ再現。また今回は低温でガス圧を上げ下げしてみた。さすがに80 Kでの加圧は苦しい。上がるには上がるが、ガス圧を110 barまで上げても試料圧は最高圧に届かなかった。低温で試料圧を変えようとするより、やはり室温で加圧してから、ガス圧調整で試料圧を一定に保ちながら 冷却する方がよさそう(こちらは問題なくできた)。始めからそうすりゃよかった。
2008/5/4
六甲山に登った。阪急芦屋川から山手の高級住宅街を抜け、ロックガーデン経由で六甲最高地点へ。約4時間かかり結構きつかったが、天気もよくて気持ちよかった。
2008/4/26
物理学専攻のオープンラボ。(自分はオープンラボ担当委員) 参加者は3人だけで少し寂しかった。しかも全員素粒子理論希望。(湯川・朝永効果は健在か?)
2008/4/23
学生実験開始。久しぶりに長時間しゃべって疲れた。
下に書いた話だが、実は誤差でも何でもないことが判明。真空中で13 %の反射率変化は、Kramers-Kronig変換してダイヤに対する反射率に直してから比較すると、実に30 %近くにもなるのである。反射率が1に近い時は媒質の屈折率が1か2.4かの違いは大して効いてこないが、1から離れるほど、より強く効いてくる、という のが直感的な答のようだ。そう言われたら当たり前のような気もするが、実際に自分達のデータでこれが起きて、目からウロコが落ちた気がした。
2008/4/17-21
SPring-8マシンタイム。初めて本格的に低温高圧測定。Ce系で混成ギャップの温度変化がはっきりと圧力依存を示して、狙ったとおりの結果が出た。 しかしこの温度変化が、大学で測った常圧データに比べてえらくデカい(しかも再現する)。何か系統的誤差が重なっている模様で、解析は要注意。遠赤外で低 温をやるとヘリウムの消費がかさんでかなりつらい。
2008/4/11
科研費は沈没。やはり途切れず継続して当てるのは難しい。今年の秋はWIRMSもないし早めに取りかかって次はがんばろう。とりあえずSP8マシンタイムは一部キャンセル。払えないからキャンセルというのは初の例だと言われた。
2008/4/2
SPring-8日帰り出張。赤外近接場装置の打ち合わせ。メーカー担当者を交えて5万円コースから1000万円コースまで、様々なプランを検討。
2008/3/28
授業開始までに論文を仕上げようと気は焦るが、次々に仕事が舞い込む。報告書が約5件。あーあ。
2008/3/23-26
日本物理学会年次大会(近畿大学)参加・発表。
今回はポスター発表。結構客が来て、参考になるコメントももらったのでよかった。学生の頃は時々出かけていた近大の辺りだけど、今回は久しぶり。もう20年か。
2008/3/4
熱統計物理学の追試結果を掲示。これで2007年度後期の授業に関する仕事はほぼ終了。早く研究モードに切り替えないとやばい。
2008/2/21
修論発表、卒研発表が終了。やれやれ。指導していたのが4年生2人、修士2名だった今年は例年になく大変だった。期末試験と採点も含めて、2月がこんなに大変だったのは初めてだったような気がする。
2008/2/14
落とされるのを見越して多めに申請していた2008AのSPring-8マシンタイムが30シフト全部通ってしまった。今年で科研費は終わりなので、もし 次のが当たらなかったらどうやって払えばよいのだろうか?? 交通費とヘリウムを入れて半年で60万円を校費で負担するのはムリである。JASRIに「す いませんが払えません。マシンタイム返上します」と言ったらどうなるのだろう。
2008/2/7
2日前に行った熱統計物理学と物理学B2の期末試験。まず熱統計を昨日今日で採点、集計して成績を掲示してほっと一息。B2の方は過去問と違う問題ばかり 出したら、出来はかなり悲惨な気配。気が進まないが採点しないわけにはいかないし。卒研、修論の世話もピークだし、もうしばらくは大変。
2008/1/26
年が変わったので去年一年間の物理学会誌を片付けていたら、後で読もうと思って放っていた「湯川・朝永生誕100年」特集号の表紙に目がとまった。
ふしぎだと思うこと
これが科学の芽です
よく観察してたしかめ
そして考えること
これが科学の茎です
そうして最後になぞがとける
これが科学の花です
朝永振一郎
子ども向けに書かれた文章だが、その意味は子どもも大人もない。自分はなぞを解いているのだろうか。茎で止まっている気がする。
2008/1/24-25
SPring-8出張。赤外NSOM予備調査。山の上はさすがに寒かった。
2008/1/21
院生とフロークライオ+ポンピングの実験に励んでいるうちに、物理学会のアブストを出し忘れた。前日までは覚えていたのに。最近「前日まで覚えていた」締 め切りや会議を忘れることが多い。どんどん物覚えが悪くなっていくので、覚えてるうちにやらないとそのうち痛い目に合いそうな気がする。
2008/1/12-14
日本放射光学会年会(立命館大学びわこキャンパス)参加・発表。