#クラシックに興味のない人には無意味な内容です・・・。
ボストンに住む機会に恵まれたのでボストン交響楽団(BSO)のコンサートを聴くため、授業や実験のかたわら、せっせとシンフォニーホールに通った。(聴きに行ったコンサートのリスト) 特に最初の2年間はシンフォニーホールから歩いて1分の所に住んでいた。当時はまだ小澤征爾さんが音楽監督だった。近くにはジャズ分野で有名なバークリー音楽院(渡辺貞夫、秋吉敏子、小曽根真など日本人ジャズ奏者を多く輩出)もあった。
(2011/4追記)ドキュメンタリー「小澤征爾 我が街ボストン」では、1986年当時のボストンの街の雰囲気がよく描かれている。自分がいた頃より少し前だけど、あの頃の雰囲気はほぼ同じだと思う。(今はだいぶ違うかもしれない) また当時30歳の若い大植英次さんがユース・オケとリハーサルする様子も収録されている。(パート2の4:15あたりから)
バーンスタイン最後の演奏会
バーンスタインが亡くなったときのこと
シンフォニーホールの音響は、残響ががんがん残るという感じではなく、ふわっと余韻が残る、という感じ。ホールの幅が狭いせいだと思うけど、ステージから一番遠い正面バルコニーの 3Fでも、距離の割には音がずっと身近に響いた。現に自分の定位置はいつもバルコニー3Fの正面だった。ホール自身が芸術品であるかのような内装もすごい。
(2011/4追記):2003年製作のドキュメンタリー「小澤征爾 魂の響きを伝える」で、 小澤さんが他の指揮者の指揮するBSOを良く聞いた席のことを説明している(1:00辺りから)。上に書いた「バルコニー3Fの正面」はまさにこの辺だっ た。演奏会当日に行列して買う安いチケット(Rush TIcket)でこの辺の席が良く取れた。取れないときは席の後に立って聴いていた。日本のコンサートホールで、後ろに立って聞いたりしたらすぐに係員が飛んでくるけど、アメリカはこの辺はのんびりしていて、他人のじゃまさえしなければ何も言われない。事実、場内を案内するボランティア係員も、ここで立って演奏を聴いている人がいた。
シンフォニーホールではBSOの録音がよく行われていた。ライブ録音をしているコンサートのあとは必ずステージ近くまでいって、マイクのセッティングを眺めていた。DG,デッカ、フィリップス、ビクター、など会社によってマイクの数、配置が全然違って面白かった。
BSOの正規チケットは当時一番高いので$60くらい、一番安いので$25くらいだった(今はもっと高い)。ただし、演奏会当日の決められた時間に行列 すると正規チケットとは別に"Rush Ticket"という安いチケットを買うことができた。当時は$6だったが、この値段はどんな著名指揮者、ソリストが出ても、オペラの演奏会形式上演でも、同じだった。行列するMassachusetts Aveは冬は寒くて大変だった。
ボストンでは、ベルリンフィル、ウィーンフィル、コンセルトヘボウ・オケなどのコンサートにも行った。これらのオケのチケットは日本では良い席が3万円 くらいするけど、ボストンではベルリンとウィーンは$80-100、コンセルトヘボウは$40ぐらいだった。日本での外来オケのチケットは高すぎる。(日本は世界のクラシック音楽産業からカモにされている)