2025/7/24
日本赤外線学会定例研究会(情報通信研究機構本部)参加
小金井のNICT本部で研究会。テラヘルツ、Beyond 5G通信関連の発表が多かった。研究会に先立つ役員会では、重要な会長案件を1件承認してもらえて一安心。これで故宮永前会長からの宿題2つ目がほぼ解決して、これもまたよかった。
2025/7/19-21
国際会議APAC-Silicide 2025(東北大学片平さくらホール)参加、発表。
本当に久しぶりの片平キャンパス。仙台は少し涼しいかと期待していたが、徳島や神戸と同じように暑かった。招待講演に呼んでいただいて、いつも通り高圧赤外分光実験の発表。学会自身はSilicideの会議で、多くの発表があったのはMg2Si, BaSi2, β-FeSi2などで、熱電関連が1/3ぐらい、光デバイス応用が1/3ぐらい、その他が1/3みたいな感じ。議論がかなり活発で、大変勉強になった。
2025/7/18
赤外線アレイセンサフォーラム(立命館大学いばらきキャンパス)参加。
赤外線学会でもお世話になっている木股先生が毎年主催されている会合に初めて参加。赤外線関連の多くの企業が出展するポスターセッションと講演セッションの両方があり、企業からの参加者がほとんど。大変勉強になった。来年から赤外線学会もポスターを出して広報をしたら良さそうな気がする。
2025/7/4
「新版赤外線工学」出版記念講習会(関大東京センター)開催
この1年間の一大懸案であった、新版本出版記念講習会が何とか無事に終わった。この半年ぐらい、この講習会の準備に費やした時間は膨大で、やれやれである。60人弱の方々に参加していただけて、アンケートの結果も好意的なものが多かった。色々と反省点もあり、もしもう1回やるとしたら、色々改善できそうだ。世話人のみなさま、講師のみなさまに大変お世話になり、ありがとうございました。会場の関大東京センターは東京駅直結のサピアタワー内にあり、便利な立地でとてもよかった。この講習会開催は故宮永前会長からの宿題でもあったので、その意味でも何とか終えられてよかった。
2025/6/22-6/27
国際会議LEES 2025 (Low Energy Electrodynamics in Solids) (釜山)参加、発表。
以前は毎回参加していたLEESに久しぶりで参加。(2017年琵琶湖開催以来)
国外へ出るのは何と10年ぶり。パスポートも新しい形式になり、出入国の手続きも以前とはすっかり変わって戸惑いまくり。それと、関空を埋め尽くすインバウンド客の群れも驚いたが、何とか釜山の学会会場まで無事にたどり着いた。
会場は釜山の海雲台の有名なビーチの近く、海に面した33階建てのリゾートホテルで、会議も宿泊も朝昼晩の食事もすべて同じホテル内。本当に合宿のような会議だった。発表の1/3ぐらいはパルスレーザーを用いた研究で、ARPES研究も多く、しばらく出ない間にLEESもかなり変わっていた。自分は励起子絶縁体の高圧赤外実験ネタ。ほとんど準備できていない状態で出発したので、ホテルに着いてから必死でスライド作って、発表の日の朝3時ぐらいにやっとできた。発表は何とか終わり、休憩の時に色々な方から話しかけてもらえたので、それなりに受けた?と思う。赤外放射光関連の発表もあって最新の情報が入ったし、励起子絶縁体についても新たな情報を教えてもらえたし、何より海外の旧知の研究仲間と久しぶりに話せたのがよかった。アメリカの連中が、トランプ政権下の基礎研究について完全に諦めモードだったのが印象に残った。10年も国外へ出なかったのは、手首の骨折、研究費がしばらく取れなかった上にコロナ禍が続いたからだが、やっぱり国際会議は時々出なければならないと痛感した。来年の赤外放射光の国際会議WIRMSは、アメリカのモントレーで開催されるとのことで、モントレーは有名な水族館があり、ぜひ一度行ってみたかったところなので、絶対に行きたい。
2025/6/13
日本赤外線学会 定例研究会(大阪産業大学梅田サテライト)参加
研究会に先立つ総会で、正式に会長を拝命した。エラいことになった。初代会長は、自分が阪大応物で学生だったときの研究室の教授、三石明善先生である。何か、時代が一回りしたことを実感する。
2025/4/25-29
SPring-8 BL43IRビームタイム。Mg2Siの高圧遠赤外実験と、常温常圧の遠赤外測定をいろいろ。液体Heの状況が厳しくなって以来、本来大学で普通に測れる遠赤外測定もここでやらざるを得なくなっている。今年度でBL43IRの運用は終了するので、ここで実験できるのもあとわずかだ。
2025/4/23
日本赤外線学会会長の宮永俊之氏が逝去されたとの知らせ。去年5月の研究会でお目にかかったのが最後になってしまった。心からご冥福をお祈りします。
2025/3/23
とくしまマラソン参加。結果は4時間33分で、完走したが去年より40分近く遅れた。去年は冷たい雨に体力を奪われたが、今年は真逆で、終始カンカン照りに、スタート時17℃、ゴール時20℃の高温。去年より練習不足だったことに加え、高温と強い日光と後半結構強い向かい風で、30キロ以降で大きく遅れてしまった。最後の5kmは脚のあちこちがピクピクつりそうになり、つる寸前で立ち止まってストレッチの繰り返しで、もうホントに沈没。他のランナー達もしんどそうで、ゼッケン番号が若い(持ちタイムが速い)人たちも、多数歩いていた。コンディションの問題もあったが、今年は練習の時から、去年と同じペースで走っても明らかに去年よりしんどくて、やはり60歳ぐらいという時期は、急速に体力が衰えるのかも知れない。いわゆる「30キロの壁」が、歳と共にどんどん高くなっている気がする。
2025/3/20
日本物理学会春季大会(オンライン)参加、発表。
黒リンの磁気光学で発表。思っていたよりも多く質問して頂けてよかった。
2025/3/13
黒リンの論文がPRBにアクセプトされた。レフェリーに解釈の矛盾を突かれて、LetterからRegular Articleにされたが、まあ仕方ない。Magnetoexcitonに関する論文を書くのはD論の内容を論文にして以来なので、それなりに思い入れのある論文である。
2025/3/10
神戸大学分子フォトサイエンス研究センター共同研究成果報告会 参加
黒リンの磁気光学で話題提供。直前の週末にかなり本格的にカゼを引いてしまい、大変だった。
2025/3/1
YbB12関連で大変お世話になった伊賀文俊先生の最終講義を聴講するために茨城大学へ。さながら重い電子系の同窓会のようで、多くの方々に久しぶりにお会いできて、とても楽しかった。RB12の単結晶育成で威力を発揮した4楕円炉は、他大学に移設されて今後も稼働し続けるらしい。
せっかく水戸まで来たので、帰りに近くの偕楽園へ立ち寄ってみた。まだ梅がほとんど咲いてなかったのは残念だったが、これで日本三名園はすべて訪れた。また、帰りの飛行機が霧のため徳島空港に着陸できず関空で降ろされるというオマケ付き。JALがチャーターしたバスで徳島空港まで送ってくれたが、本来17時に空港着のはずが、21時頃になってしまった。空港はまだかなりの霧だったが、不思議なことに3分も走ると霧はほとんど無くなってしまった。どうも空港周辺が特に霧が濃い気象条件になっていたらしい。
2025/1/23-26
SPring-8 BL43IRビームタイムで出張。Eu系の高圧低温中赤外実験で。変化が小さすぎてよく見えなかった。
2025/1
1月6日の仕事始めからなんとなく軽い寒気を覚え、夜になると微熱。この5年ぐらい一度もカゼをひいてなかったので、ついにカゼかと思ったが、検査キット買ってきて検査するとコロナ陽性だった。どうやら、大晦日に出かけたデパ地下の人混みでもらったらしい。幸い翌日以降は平熱で、喉がすごく痛い以外は症状も軽く、大学の居室に籠もって仕事やonline会議はいけたけど、残念ながら週末の放射光学会はキャンセル。
2024/11/28
日本赤外線学会 30周年記念特別研究会(種子島いわさきホテル)参加。
JAXAの宇宙センター近くのホテルで開催された特別研究会に参加。夜の星空を期待してわざわざカメラと三脚を持参したが、あいにく空は曇りがちで、イマイチ。何とか雲の合間からオリオン座が撮れた(20秒露光。画像で明るくしたためノイズ多い)。確かに街の照り返しは全くなく、真っ暗。研究会の前後に宇宙センターと鉄砲館も見学して、ロケットと鉄砲に詳しくなった。
2024/10/24-10/29
SPring-8 BL43IRビームタイムで出張。前回途中でDACが緩んで実験中断した分のやり直しで、中赤外の高圧低温実験。DACの問題は無かったが、今度は温度コントローラーと、HgCdTe(MCT)検出器で問題が発生。まあ、放射光実験というのは毎回何かのトラブルが必ず起きるのだけど。
温度コントローラーは、なぜかHeater Shortというエラーが出てヒーターへの電流が止まり温度制御ができなくなる問題。端子を外してヒーターの抵抗を測るとちゃんと25 Ωあり、ショートなどしていないのに。原因がよく判らないが、ケーブルのバナナプラグを逆につなぐと復旧する→翌日になると、また同じエラー→プラグをまた逆にすると(つまり元に戻すと)またしばらくは正常動作するの繰り返し。ようわからん。
MCTの方は、スペクトルが歪んで本来の形状ではなくなる問題。ビームタイムの途中で電子ビームのフィリングが変更になり、リング1週にわたって均一にバンチが入ったマルチバンチモードから、最も偏りが大きく光のピーク強度が高いセベラルバンチモードである「F mode」というフィリングになったのだが、MCTは時間応答が早いので非線型応答が顕著になったようだ。MCTのプリアンプのゲインを下げて何とか凌いだが、MCTは非線形性が強いからセベラルバンチは避けるべきと言う基本を、長い間中赤外の実験をしなかったせいで忘れていた。幸い、1月にもう一度ある中赤外のビームタイムは、偶然マルチバンチだった。来年からは注意しよう。
2024/10/10-11
日本赤外線学会 研究発表会(大阪工業大学大宮キャンパス)参加、発表
TmTe, YbTeの高圧赤外分光で話題提供。また、会長代理なので座長や挨拶などが多くて忙しかった。
会場の大工大・大宮キャンパスは最寄りの公共交通機関が大阪市バスなので、初めてJR大阪駅前のバス乗り場から路線バスに乗った。大阪駅は電車の乗り降りをするところというイメージが染みついているので、駅前から路線バスに乗るのが奇妙な感じがした。
大宮キャンパスは淀川の堤防のすぐ横にあり、堤防に登ると、下の写真の通り眺めがよかった。淀川というと何となく汚い川というイメージがあるが(失礼)、あのあたりは自然に溢れた感じだった。川原を吹き抜ける風が心地よい。
ランナーが見えるが、ここは初マラソンだった淀川マラソン(2014年)で自分も走った道だ。懐かしい。
2024/9/5
編集委員と分担執筆者を務めた「赤外線工学」が、紆余曲折を経てやっと出版された。
赤外線に関する基本事項から様々な応用例までがコンパクトにまとめられています。研究室の蔵書や図書館などへの導入を、ぜひご検討ください。(なお、売り上げはすべて赤外線学会の収入となります。)
2024/7/26-30
SPring-8ビームタイム。Eu系の中赤外・高圧・低温分光で。中赤外領域は本来、DACと大学の赤外分光装置を使っても測定できるのだが、通常光源だと低輝度で全然絞れないから、アパーチャーで光を切り出すことになる。これでも、圧力で絶縁体・金属転移を示すような場合は反射率の変化も大きいので、十分測定できている。しかし、重い電子系みたいに、加圧で反射率がせいぜい10 %ぐらいしか変わらない場合は、どうもうまく行かない。分光器が頻繁にフリーズしたり調子悪いせいもあるが、どうもそれだけではなくて、やはりアパーチャーで光を切ることで、回折とかの悪影響があり、上手く測れていないような気がしてきた。
そこで今回は、久しぶりにBL43IRで中赤外を測ってみることにした。まずDACに入れて軽く締めた0.3-0.4 GPaぐらいで冷やしながら測定したら、非常に上手く測れて、常圧の文献データとほぼ同じ結果になった。そこで室温にして、さあ加圧、ということで圧を上げていたら、急にターボポンプが悲鳴を上げて真空が悪化、警報ランプ点灯。DACのピストンを押すメンブレンにHeガスを送るバルブを閉めるとすぐに真空が良くなることから、メンブレンからHeガスがリークして真空が悪くなったものと判断、実験は中断。クライオを開けてみると、メンブレンの溶接箇所が盛大に破裂している。しかし、ちゃんとしっかり締めたはずなのに何で???となったが、DACを開けてみると原因はすぐにわかった。何と、DACのピストンでダイヤの台座が載っている半球型の部品が、ネジが緩んで動いていた。つまり、加圧されたメンブレンが膨らんでピストンを押しても、ピストンが中へ動いて「のれんに腕押し」状態になり、メンブレンが膨らんで破裂したと考えられる。やむなく、別試料の常温常圧での遠赤外反射スペクトルを測定し、1日早く切り上げて帰った。なぜDACの固定ネジが勝手に緩んだのか原因は不明だが、教訓としては、やはりビームタイムに出かける前は、ダイヤの平行を確認して、ネジなどが緩んでないかチェックをすべきであった。ダイヤが割れなかったのが不幸中の幸いであった。
2024/7/25
日本赤外線学会 定例研究会・見学会(三菱電機 先端技術総合研究所)参加。
塚口駅近くの三菱電機が会場。もう何十年も、阪急神戸線に乗って塚口駅を通る度に目にしてきた三菱電機の敷地に初めて入った。アクセスは超不便で、駅から歩いて20分ぐらいかかる。路線バスなどもない。
2024/5/27
日本赤外線学会 定例研究会(大阪産業大学梅田サテライト)参加。
2024/4/1
今年度からコース長(学科長)。
2024/3/24
とくしまマラソン出走。7年ぶりのマラソン参加は、朝から無情の雨で厳しいコンディション。3時間56分でゴールして、何とかサブフォーはキープできたが、最後の5キロぐらいはもうボロボロ。来年に向けて再度鍛え直そう。
2024/3/18-21
日本物理学会春季大会(オンライン)参加、発表。準結晶の電子状態に関する2度目の発表。
2024/1/31-2/5
SPring-8ビームタイム。BL12XUでXAS実験。
装置のトラブルが続いたのがやっと解決したら、今度は試料がどうもおかしく、大学から追加の試料を宅急便で送ってもらって、最後の最後になってやっとまともなデータが取れた。
2024/1/12-13
日本放射光学会年会(アクリエひめじ)参加、発表。
2024/1/1
2021年のある日にGoogle Sitesが新サイトに移行すると通知が来て、よく確かめずに「新サイトに移行」みたいなオプションを選ぶと、2019年以降の内容が消えてしまった。しかも、自分のGoogleアカウントにログインした状態のブラウザからでないと、サイトが閲覧できなくなった。それ以来えらく時間が経ったが、一般のPCからでも閲覧できるように再設定して、バックアップしてあった2019-2021年の内容も追記した。(とは言っても、2020-2021はCovid-19でほとんど日記を付けていなかったが)
2022, 2023とぽっかり間が開いてしまったが、Better late than neverということで、今日から日記を再開。学会やビームタイムの記録のみ、遡って書き足していくことにする。