最古の古道 「山の辺の道」
小高い山に囲まれた奈良盆地の東に、連なる山々の麓をたどって、桜井駅付近の海柘榴市から三輪大社、景行・崇神陵を経て、石上神宮へと北上する古代の道があります。「記紀・万葉集」ゆかりの地名や伝説が残り、陵墓や古墳、遺跡、古い社寺があります。それが「日本書紀」にその名のある「山の辺の道」です。
椿市(海石榴市・万葉表記)
桜井市の三輪山の南西にあった古代の市です。『日本書紀』と『万葉集』なんども登場し、政治的事件や歌垣※の舞台となりました。平安時代には長谷詣でで賑わい、『枕草子』では「市はつば市〜」とあります。明治には伊勢詣でで賑わいましたが、今は跡地を残すのみです。
※歌垣(うたがき・男女が集会して互いに歌をうたうことによって求愛し、あるいは恋愛遊戯をする習俗。年中行事あるいは儀礼)
海柘榴市の歌垣の歌が3首あります。
海柘榴市の八十の衢に立ち平し結びし紐を解かまく惜しも 2963
紫は灰さすものぞ海柘榴市の八十の衢に逢へる子や誰れ 3115
たらちねの母が呼ぶ名を申さめど道行く人を誰れと知りてか 3116
※八十の衢 多数の道が合流した地点。
大神大社
大和神社
額田王
石上神社
長谷寺
長谷寺山道に
額田王歌
莫囂圓隣之大兄爪湯気
わが背子がい立せりけむ厳橿が本
登楼下に
作者不明
こもりくの泊瀬の山に照る月はみちかけすてふ人の常なき
本殿横
大伴坂上郎女
こもりくの 泊瀬の山は 色づきぬ しぐれの雨は 降りにけるかも
天理駅 布留の高橋
石上 布留の高橋 高々に 妹が待つらむ 夜ぞ更けにける
2297 作者不詳