13「ネコはコタツで」
【補充問題】解答
補問一 一人暮らし
補問二 去年と同じように皺くちゃの黒豆を見て父親のことが思い出され、母親にその顔を見られたくなかったから。(49字)
補問三 オ
【補充問題】解説
補問一
台所の方からしてくる「いいにおい」に「思わず頰がゆるみかけたが、笑顔になる前にしぼんだ」のは、障子がぼろぼろで、大きな穴がいくつも空いているのを見たからだ。「障子をはずして紙を貼るのは……萎えてしまったのだろうか……。」(16~17行目)と母親の状況をいろいろと推測し、「一人暮らしは、もう限界なのかもしれない。」と思っている。これが、直紀のゆるみかけた頰が「しぼんだ」理由だ。
補問二
直前に「去年と同じように、今年の黒豆も皺くちゃだった」とある。また、「去年」に語注がついているので、語注の内容にも注目すると、去年の正月では、直紀の父親はまだ元気で、皺くちゃの黒豆を見て顔をそむけた、という出来事があったことがわかる。この二点から、皺くちゃの黒豆を見て、直紀が父親を思い出していることが読み取れる。ここから、直紀が「お椀に顔をつっこんだ」のは、父親のことを思い出している自分の顔を母親に見られたくなかったからだとわかるだろう。解答例の「顔」は、「泣き顔」などとしても可。
補問三
傍線部の「そげなとこまで人間のお父ちゃんに似とらんでもええのになあ」という母親の言葉から、母親がネコを夫の代わりのように思っていることがわかる。しかし、ここだけで答えを導くのは早計。本文のこれまでの記述から、母親とネコの関係を踏まえて問題を解く必要がある。そこで、母親がネコについて話している部分に注目すると「呼ぶ相手がおるだけでも気分が晴れる」「バタバタしとるだけでも張り合いになる」(69~70行目)が見つかる。ここから、「張り合いを与えてくれる」「夫の代わりとして心を慰めてくれる」という内容を含むオが適切だと判断できるだろう。その他の選択肢の誤答の根拠を確認しておこう。
ア 野良ネコであったのにすぐに自分になついたうえに、×いつのまにか亡くなった夫の面影までしのばせる不思議な存在。
「夫の面影までしのばせ」ているとは書かれていないので×。
イ 普段は好き勝手に行動しているが、×いざというときには自分を気遣ってくれるもう一人の家族のような存在。
ネコの行動からは、「自分(母親)を気遣ってくれる」というような様子は読み取れないので×。
ウ 世話が焼けて×うっとうしくはあるが、一人暮らしの自分の身を守るためには欠かせない用心棒のような存在。
「泥棒除けにもなる」と言ってはいるが、冗談も混ざっており、「身を守るためには欠かせない用心棒」は言い過ぎなので×。
エ 夫が亡くなってつらい気持ちを忘れさせてくれ、×自分の悲しみを分かち合える唯一の理解者のような存在。
ネコは母親の悲しみをわかっているわけではなく、「悲しみを分かち合える」とは言えないので×。
解説板書など
14「隠れた関係が結ぶもの」
【補充問題】解答
補問一 物と物、現~ようなもの
補問二 Ⅰ音の共通性 Ⅱ多義的空間
補問三 ウ
補問四 牛と石のように生命あるものとないものの共存を、時間にそった論理に組みかえなおして、すこしでも理解できる方へ近づけようとしているということ。(69字)
【補充問題】解説
補問一
この「隠れた関係」とは14行目で「離れていたものを無媒介的に結びつける」ことだと述べられている。この内容に当たるものを4段落の「イタコ」の例から探すと、「物と物、現象と現象、物と現象を結びあわせている見えない糸のようなもの」という表現が見つかるだろう。「形状石」の場合と同じで、「イタコ」は「小石」と「生命あるもの」とのあいだにある「隠れた関係」を「感知できる」というのだ。
補問三
ある意味をもつ言葉の表の意味が「ズッコケ」ることで「言葉の世界」が「多義的空間に変貌」すると述べているので、この「変貌」がどのようなものかを考えよう。「ズッコケる」が滑り落ちるという意味をもつことにも注意して、選択肢の正誤を判断しよう。
ア…直後に「多義的空間に変貌」とあり、意味が「消え去って」しまっては「多義的」にはならないので×。
イ…「音の共通性」が「多義的空間に変貌」させるので、音が消えては成り立たないから×。
ウ…一つの意味しかもたなかった言葉が多義的空間に入ることを意味しているので正解。
エ…「異なる音」では「音」が共通する「掛け言葉」にならないので×。
オ…「表の意味」も「多義的空間」に入り、存在は残るので×。
補問四
この部分は「牛石」の一、二、四つめの伝承を説明しているので、本文中で最も詳しく説明されている一つめの伝承(29~33行目)に注目しよう。ここは伝承を具体的に紹介している前半部(28行目~31行目)と、この伝承がどのように意味づけられるのかを述べている後半部(31行目~33行目)に分けられる。この後半部に「論理」という言葉があるので、この部分が「ある種の……している」の内容だとわかる。この部分をもとにまとめよう。
漢字訂正 接触
語彙
95民俗学 181アナロジー 277カテゴリー
イニシエーション 人類学用語。「成年式」「入社式」とも訳される。社会的に一人前の成人として認知,編入されるための一連の手続きのこと。広義には,ある社会的カテゴリーから他の社会的カテゴリーへの,集団的あるいは個人的加入を認可するための一連の行為体系をさす。