21橋本治「生物としての『正義』」
【補充問題】解答
補問一 筆者の考える「正義」は「ズルをしないこと」だが、子供はその「ズル」について遊びの中でその判断を身につけているから。(57字)
補問二 ウ
補問三 裁判官は世のために必要な存在で、〝生きるために違法の物を食べた〟と悔やんでもなんにもならないので、食べたらそれを取り返すだけの働きをすればよい、という考え方。(79字)
(法を守って死んだら元も子もなく、また裁判官には法の番人という役目があるので、生きるために法を犯したとしても、それを取り返すだけの働きをすればよい、と考えること。(80字))
(「法を守る番人だから」と闇市の食糧を食べずに死んだら元も子もないので、生きるために違法の物を食べたとしても、それを取り返すだけの働きをすればよい、と考えること。(80字)
【補充問題】解説
補問一
筆者の考える「正義」については、1~2行目に「私の思う『正義』は、『ズルをしないこと』である」とある。ここから、「ズル」と子供との関連を読み取り、なぜ「『正義』が子供の方にふさわしい」と述べているのかを捉えればよいとわかるだろう。2~7段落で、子供が集団の中の遊びで「なにがズルか」を体得することが述べられているので、この内容が解答の軸となる。解答は、次のa・b二点が含まれていれば正解。
a筆者の考える「正義」は、「ズルをしないこと」だということ。
b子供は、「なにがズルか」を遊びを通して覚えること。
補問二
8段落で「人を殺してはいけない」という話題が唐突に始まる印象を受けるが、これも子供の「ズルをしない」と同様の趣旨で、体験的に身につける感覚の例として述べられていることを押さえよう。10段落に家族や友人をはじめとする「仲間」が傷ついたり死んだりしたら悲しいという思いから類推して「人を殺してはいけない」ということを理解するのではないか、とある。ここから、「人を殺す」ことは直接体験するものではないが、後半の話題となっている「法やモラル」のような上意下達の例とは違って体験的に知ることの一つで「言うまでもないこと」なので、「教育は起こらない」ということだ。この文脈を踏まえて、選択肢の正誤判断をしよう。
ア「『命を大切にする』ことの実践によって当然身についている」としている点が誤り。イ「わざわざ教育しなければならない……」以降の内容が誤り。ウ体験の中で類推によって知ることの一つであるというポイントが押さえられており正解。エ「人を殺す」という体験を「想像して理解するしか方法はない」という点、それを「学校という教育の場で実践することは適切だとは言えない」としている点が誤り。オ「学校という機関で教えるにはなじまない繊細な問題」という内容は本文では述べられていない。また、「人を殺してはいけない」ということが生活の中で「育まれるべき」だとは述べられていないので誤り。
補問三
「ヤミをしないで餓死をした裁判官」については、19~21段落に書かれている。その中でも、21段落の最後に「……と言うのが、日本的な解決だろう」とあるので、この直前の内容をまとめればよいとわかるだろう。直前の内容を大まかにまとめると、次の三点がポイントとなる。
a生きるために法を犯したと悔やんでもなんにもならない。(法を守って死んだら元も子もない。)
b裁判官の働きは世のために必要とされている。(裁判官には法の番人という役目がある。)
c(闇市の食糧を)食べたらそれを取り返すだけの働きをすればよい。
右のa~cの三点を八十字にまとめればよいわけだ。a・cの内容は解答には必須。bの内容は含んでいなくても許容。
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