2学期期末範囲 17.19.20.24
24港千尋「グローバル化するイメージ」
【補充問題】解答
補問一 ウ
補問二 知的身ぶりに象徴が伴う
補問三 オ
【補充問題】解説
補問一
信仰と結びついた場合について述べた12段落に注目しよう。ここでは宗教的施設にある「イメージ」は信仰によって「聖性を付され」ると「ほとんど見ることができ」なくなり、そのことが「貴重」さや「霊験」とつながっていると述べられている。この内容に合致するものを選ぼう。
ア 信仰によって×特定の信者を得ることでどの町にもあるはずの寺院や教会などの建物が特別なものとなり、人々から敬われるようになるから。
「特定の信者を得る」が本文にない内容。また、本文中では「寺院や教会」は「その場所へ行かなければ、見ることができない」(31行目)という意味で「特定の『場所』」と表現しているので×。
イ ×権力の象徴としてのイメージを有する寺院や教会などの建物が信仰と結びつくことで、より強大な力を持つようになり、人々が従わざるを得なくなるから。
「寺院や教会」が「権力の象徴」と結びついているという表現は本文中にないので×。
ウ 特定の場所にある寺院や教会などの建物や像が信仰によって聖性を与えられると、貴重なものとなり人々に敬われるようになるから。
12段落の内容と合致するので正解。
エ 信仰という神聖な力によって寺院や教会などにある×像の来歴が曖昧になることで、神秘性が増し、人々が崇め奉るようになるから。
「像の来歴が曖昧になることで…増し」という因果関係は本文中にないので×。
オ 特定の場所にある寺院や教会などの建物や像が信仰と結びつくと×信者に独占されることになり、より希少価値が高くなるから。
「信者の独占」については本文中で述べられていないので×。
補問二
直後の部分に注目して、「署名」と「印鑑」が「文書」のなかでどのように扱われてきたかを読み取ろう。64行目の「書字とイメージ」、「知的身ぶり」と「象徴」に注目しよう。どちらも「署名」と「印鑑」を言い換えたものだが、設問の条件に合致するのは後者を含む部分である。64行目の「オーソライズ」が「正当と認めること」であることも覚えておこう。
補問三
まずは、55~56行目の「物体は交換されてはじめて価値をもつ」とあることから、ある「物体」が「貨幣」として機能するには、「交換」が必要だということがわかるだろう。これを踏まえて、ギリシアとローマのコインを比べてみよう。
ギリシアのコイン
・「限定された地域で使用」され、「流通」よりも「象徴としての機能」のほうが強く、「印章性を保っていた」。=偏在的
ローマのコイン
・流通が拡大し、「『マネー』と呼んでいるものの本質」(貨幣としての価値)が備わった。
・女神や皇帝の横顔をコインに刻印して、帝国のイメージを複製し流通させた。=遍在的
右のように両者を比べて考えると、ローマのコインが貨幣としての価値を強め、帝国のイメージを遍在化させていった
という「歴史」が読み取れるはずだ。
ア ギリシアではコインは限られた地域でしか使われておらず偏在的な性質をもっていたが、ローマ時代には×コインが使用される地域が拡がっていくともに帝国のイメージも広まり、遍在化していった。
帝国のイメージが「遍在化」された理由としては、単に貨幣の使用地域が広まったからだけでは不十分。コインに皇帝の横顔を刻んだという要素も必要なので×。
イ ギリシアではコインは特定の地域に結びついたもので象徴性の強いものであったが、ローマ時代には複製技術の進歩により遍在性を獲得する×一方で、特殊性が弱まり帝国のイメージは薄れていった。
「貨幣に刻まれたイメージは地中海世界へと拡がっていった」とあり、イメージが「薄れていった」とは書かれていないので×。
ウ ギリシアのコインは女神の顔が刻まれた×神話的なイメージをもつものであったが、ローマ時代には、皇帝の顔が刻まれ、流通が拡大することで、×現世的な帝国のイメージへと取って代わっていった。
コインに刻まれた顔が女神から皇帝になることで、コインが「神話的なイメージ」から「現世的な帝国のイメージ」に変化したとは書かれていないので×。
エ ギリシアでは地域限定で使われていたコインが、ローマ時代には複製技術によってより広く流通するようになり、×貨幣としての価値よりも帝国のイメージを遍在化させる機能を優先させるようになった。
「貨幣としての価値」より「帝国のイメージ」を優先させるようになったとは書かれていないので×。
オ ギリシアでは偏在的なものであったコインをローマ時代により広く流通させることで、貨幣としての価値が強まると同時に、それに刻まれた皇帝の顔によって帝国のイメージが遍在的なものになった。
69~70行目「貨幣に刻まれた(帝国の)イメージは地中海世界へと拡がっていった」「『マネー』(=貨幣)と呼んでいるものの本質は、(コインが広い世界へ渡ってゆく)その過程で備わった」の内容に合うので正解。
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25本田和子「『鬼ごっこ』の構図」
【補充問題】解答
補問一 鬼に摑まる瞬間を恐れる気持ちと期待する気持ち。(23字)
補問二 逃げ手であった子どもが「鬼」として生まれ変わり、自身で定めた標的を目指して走り出すこと。(44字)
補問三 イ
【補充問題】解説
補問一
直前の部分が、「逃げ走る子どもたちは、その瞬間を恐れている……然(しか)し、それでいて彼は、その瞬間を密かに期待してもいる」と、逆接の接続語「然し」でつながっていることに注目しよう。接続語「然し」の前後で、「恐れている」と「期待してもいる」という対照的な二つの気持ちが提示されている。「拮抗」とは、互いに対抗して張り合うことの意味なので、この相反する二つの気持ちが「二つの力」がさす意味だとわかるだろう。解答で、「鬼に摑まる瞬間」という内容がない場合は、半分の配点。「摑まる」は「捕まる」と書いても可。
補問二
「求心力に誘われて新たな疾走を開始する」の部分は、直前の、「逃げ手であった子ども」が「『鬼』として生まれ変わる」瞬間の説明を表したもの。この部分をまとめればよいわけだ。「求心力に誘われて」に当たる「自身で定めた目標を目指して」という内容を落とさないように注意しよう。
補問三
「鬼ごっこ」では、鬼の交替によって秩序が更新され、「追う鬼と追われて逃げる子どもの動きが世界を活性化させる」。そして、この「鬼ごっこ」には、「基本的な関係のありようとそれを説明する理論」が「模型化されて埋めこまれて」おり、この遊びを通じて、子どもたちは「人間の基本的な生の経験をすべて模擬的に体験」する、と筆者は述べているのだ。つまり、子どもたちは、世界が活性化する仕組みを遊びを通して無意識に体験している、ということだ。この遊びが「喪失」されることで、秩序の更新がなくなり、世界を活性化する力が衰えるのではないか、と筆者は危惧しているのだ。
ア ×世界的に共有されていた理論モデルが有効でなくなり、世界的な秩序が混乱すること
遊びが失われても理論モデルが失われるわけではないので×。
イ 社会の構造が変化しづらくなり、社会を活発にさせるエネルギーが減退すること
〝秩序の更新がなくなる〟〝世界が活性化する力が衰える〟という内容に合うので正解。
ウ ×自由な発想力を養う機会が奪われ、創造的な産業の発展が妨げられること
遊びと「自由な発想力」については本文では述べられていないので×。
エ ×人生の節目の儀礼がなくなって従来の制度が崩壊し、社会から伝統が排除されること
儀礼と遊びとの共通性を示してはいるが、その「制度が崩壊し……排除される」とは述べていないので×。
オ ×ものの見方が単一的になり批判力が衰え、社会が全体主義化する傾向が強まること
「ものの見方が単一的になり……傾向が強まる」という内容は、〝秩序の更新がなくなり活性化しなくなる〟ということからは導けないので×。
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