9「学ぶとはどういうことか」
【補充問題】解答
補問一 ウ
補問二 あらゆる智〜に作る技術(34字)
補問三 「生きること」が何よりも根本的な価値となり、生命の維持に必要な手段や生活手段を調達することが経済的な活動につながっていくという背景。(66字)
【補充問題】解説
補問一
2段落冒頭で、第一の学は「それ以外の仕方においてあることのできないもの」(「それ自身のうちに運動の原因があるもの」)とし、「『それ以外の仕方においてあることのできるもの』を扱う他の二つの学とはこの点で性格を異にする」とある。論理学は第一の学に属し、実践学と製作学は第二、第三の学に属するので、この点が説明されている選択肢が正解だ。
補問二
近代以降、経済活動が重視されるに伴い、アリストテレスが分類した学問の性質がどのように変化していったかは、14段落に書かれている。その中で、製作学については、81行目「製作学は……」の一文に書かれている。設問では、「どのような技術に変化したのか」と問われているので、「……技術」までを抜き出す。
補問三
前の部分から、「『利益』という言葉が重要な意味を帯びてくる」ようになるまでの経緯(背景)を捉えよう。まず、「『生きること』が何よりも根本的な価値であるという価値観の変化」が、あげられている。そして、「マキアヴェッリに連なる一連の思想家たち」のことを取り上げ、「生命の維持に必要な手段、生活手段の調達」が出てきて、それが「経済的な活動につながっていく」とある。「生きること」に価値を置くため「生命の維持」が必要になり、そのために「経済的な活動」が発生し、その経済活動に関係の深い「利益」という言葉が「重要な意味を帯びてくる」という流れが捉えられるかどうかがポイントだ。
解説板書など
10「養老孟子の大言論Ⅲ」
【補充問題】解答
補問一 あまり理性的でない人間がシステムをどこまで理性的に扱えるか分からないから。(37字)
補問二 ウ
補問三 情報化
【補充問題】解説
補問一
2段落の1文目に、現代の理性主義にとっての最大の問題が「システムはどこまで理性的に扱えるか」だと述べている点に注目しよう。そして、旧ソ連の例をあげたあと、3段落の初めで、「つまり人間はあまり理性的でないので、本人が理性に基づいていると思っていても、問題によってはきわめて怪しい」と、「システムの問題」についてさらに説明している。よって、この二点をまとめればよいわけだ。
補問二
「この点を取り上げて、自然科学の限界を指摘」とあるので、「この点」のさす内容が捉えられれば、「自然科学の限界」とはどういうことを表しているかがわかるはずだ。「この点」は、直前の13~14行目の内容をさしている。この部分では、「意識がなぜ、いかにして生じるか」を自然科学で解明しようとしても、「自然科学自体が意識の産物」であるため、「『意識は意識を解決するのか』という問題」(=「自己言及」)になり、「極端な矛盾を発生する」という内容が書かれているため、この内容に合う選択肢を選べばよいわけだ。
ア ×宗教は理性的なものではないため、人間が宗教を理性的に扱おうといくら努力したとしても、ある程度のところまでしか扱うことはできないということ。
「この点」が指示する内容は宗教を理性的に扱うということではないので×。
イ 自然科学は×宗教と同じく意識から生まれたものであるため、×宗教を理性的に扱えるかどうかを自然科学で検討しようとしても根本的な解明にはならないということ。
宗教が意識から生まれたという内容は本文中にない。また、アと同様、「この点」のさす内容が異なるので×。
ウ 自然科学は意識から生まれたものであり、意識がどのように生まれたかを自然科学で解明することは、自らが自らを解明することになるため、解明が困難であるということ。
自然科学が「意識の産物」であることと、意識が意識を解決しようとすると「極端な矛盾を発生する」という内容に合致するので正解。
エ 意識は×人間の理性と非合理性をあわせ持ったものであり、意識の支配下にある自然科学がいくら意識を解明しようとしても×非合理性を排除できず、完全には解明できないということ。
意識が「理性と非合理性をあわせ持ったもの」であるという内容は本文中にない。また、自然科学が意識を解明できないのは「非合理性を排除」できないからではなく、「自己言及」が「矛盾」を生むからなので×。
オ 自然科学は意識によって生まれた思考方法の一つなので、意識を解明するためには×自然科学だけでは不十分で、それ以外の思考方法から解明する必要があるということ。
自然科学以外の思考方法で意識を解明する必要性は、本文中には書かれていないので×。
補問三
この「具体化」とはシステムである川を個別の名称(例えば「賀茂川」)で呼ぶことであるが、同じ13段落の少し前に「人はそれ(川)に対して『賀茂川』『利根川』という情報化をする」とあることから、「具体化」はこの「情報化」に当たると判断できるだろう。
解説板書など
問題の語彙
唯物論 (唯心論、唯物史観P172)、原理(P143)、情報化社会(国際化、グローバリゼーションP53)、マルクス主義(P73)
原理主義
① 聖典などに根拠をもつ教義・規範などを厳守し、世俗主義に対抗しようとする宗教的思想・運動。
② 特に、イスラム世界の西欧化・世俗化を否定し、原点に帰ってイスラム法の適用された国家・社会を築こうとする思想運動。イスラム復興主義。イスラム原理主義。 → 根本主義
③ 一般に、原理・原則を重視し、その徹底をはかろうとする立場。市場原理主義など。
博物学 自然史、自然誌とも記す。天然に存在するもの、動物・植物・鉱物について、その種類や性質、産状などを調査記載する学問であったが、とりわけ生物は多彩で興味ある事項が多いので、その比重が大きい。生物学は近代的な体系になる以前は、博物学としての性格が主であったとされる。
他山の石 もともとは中国の古典『詩経』からのことばで、よその山から出た粗悪な石も、自分の玉を磨くのに利用できるという意味であり、そこから、他人のつまらない言行も、自分の人格を作るための反省材料とすることができるという比喩に用いられる。よって「他山の石」自体は、他人のよくない言行のことをいうのであり、人格形成のためのよい目標といった意味でこれを使うことはできない。基本的には悪口なのである。