こんにちは、長野大学です。
年の瀬が近づき、新棟建設の現場にも一つの節目が訪れました。今回は、4月から9か月間にわたり長野大学の新棟建設を支えてくださった、北野建設の現場担当社員さんが、12月末で現場を離れることとなり、その節目の様子をお伝えします。
取材当日、現場では通り芯の墨出し作業が行われていました。
通り芯とは、建物をつくるうえで基準となる線のことで、柱や壁、設備など、**すべての位置の基準となる“建物の骨組みの座標”**のような存在です。
この通り芯の墨出しは、コンクリート打設後、最初に行われる作業であり、今後進んでいくすべての工程の土台となります。
「ここがずれると、全部に影響が出てしまうんです」
そう話しながら、墨出し職人のB・POINTさんと並び、真剣な表情で作業に同行する姿がとても印象的でした。
以前ご紹介した
【2025年11月4日】現場の要を支える – 墨出し職人・B・POINTさん
でもお伝えしたように、墨出しは現場の精度を左右する重要な仕事。
その最前線で、現場担当として職人さんと呼吸を合わせて仕事をしてきた9か月間が、この姿からも感じられました。
今回現場を離れる社員さんは、もともと家電量販店に勤務されていました。
北野建設株式会社に転職し、初めての建設現場が長野大学だったそうです。
転職して一番印象に残っていることを伺うと、
「天候に仕事が左右されることですね」
と教えてくださいました。
空調の整った屋内で働いていたこれまでの環境とは大きく異なり、
雨、雪、気温、風――
自然条件と向き合いながら進む現場の仕事に、最初は戸惑いも大きかったそうです。
転職前は、建設業に対して
「職人さんは強面で、少し近寄りがたい存在」
というイメージを持っていたそうです。
しかし、実際に現場で一緒に働いてみると、
「気さくな方が多く、とても仕事がしやすかった」
と、その印象は大きく変わったと話してくださいました。
現場は多くの人が関わる場所。
その中で、一番重要だと感じたのが、職人さんとのコミュニケーションだったそうです。
「どの仕事でもコミュニケーションは大事ですが、現場は特に“職人さんあっての仕事”。
しっかり話をすることの大切さを、この現場で強く実感しました」
9か月間の経験が、確かな学びとして積み重なっていることが伝わってきました。
異動後は、工務部に配属され、いったん現場を離れて、建設部の中でも事務系の業務に携わる予定とのことです。
取材の最後、新棟6階の見晴らしの良い場所から、遠くを眺める後ろ姿がありました。
もうすぐ離れる現場を見渡すその表情は、どこか少し寂しそうで、同時にやり切った安堵も感じられるようでした。
現場を去る人がいても、仕事は引き継がれ、建物は完成へと近づいていきます。
この9か月間、確かにここで積み重ねられた経験と想いは、新棟の中に息づいています。
長野大学の新しい学びの場が完成するその日を、
この現場に関わったすべての人とともに迎えられるよう、
新棟建設日記はこれからも歩みをお伝えしていきます。
完成の日を、ぜひ一緒に楽しみにしていてください。