こんにちは!長野大学です!9月に入り、朝夕には少しずつ秋の気配が感じられるようになってきました。それでも今年の夏は「災害級」と言われるほどの酷暑!9月に入っても屋外では強烈な暑さが続いています。まだまだ油断できないこの時期に、私たちは新棟建設工事の現場で取り組まれている“熱中症対策の前線模様”をご紹介します!
2025年6月1日、労働安全衛生法の改正規則が施行され、事業者には熱中症対策を講じる義務が明確に課されました。建設現場は炎天下での重作業・高代謝作業が多く、熱中症のリスクが非常に高い環境です。新棟建設工事の現場でも、従事者の命を守るための様々な対策が積極的に展開されています!
改正された規則では、以下のような取り組みが義務づけられました。
・暑さ指数(WBGT)などの測定による作業環境の把握
・熱中症の恐れを直ちに報告できる体制の整備
・緊急時対応手順(作業離脱・身体冷却・診察処置)の作成と周知
・初期対応・重篤化防止のための体制構築・教育周知
つまり「見つける」「判断する」「対処する」の3段対策を事業者に求めており、安全管理の質が問われています。
WBGTとは「暑さ指数」のことで、気温、湿度、日射・輻射熱の3要素を総合し、身体がどの程度の熱ストレスを受けるかを示す指標です。特に身体温度への影響が大きい「湿度」に重きをおいた指標となっており、単に「気温」だけで判断するよりも、熱中症リスクを的確に把握できます。
一般的に、WBGTが28℃を超えると熱中症の危険性が急激に高まり、厳重な対策、場合によっては作業の中止が必要になります。
現場では、WBGTが28℃を超える予報が出た場合は朝から空調服を着用するルールを徹底しいます。最新型の25Vハイパワー空調服を着用している方もおり、速乾性インナーと組み合わせた際の着用感は「炎天下でも寒いくらい」と表現されるほどの効果を発揮します。バッテリー性能も年々進化し、高出力・長時間稼働が可能となっており、空調服はまさに“命を守る標準装備”となりつつあります。
【2025年7月11日】現場にかき氷登場!でも紹介しましたが、新棟建設工事の現場では休憩スペースにかき氷を用意しています!シロップの種類も日に日に充実!
かき氷は単なる水分補給だけでなく、体の内部温度(深部体温)を効果的に下げる効果もあり、作業員のリフレッシュと熱中症防止に効果を発揮しています!
現場では、事務所や休憩スペースに現場の熱中症対策ルールを多言語で掲示。国外から来ている従事者にも命を守るためのルールが確実に伝わるよう配慮されています。
さらに、現場事務所に掲示されているQRコードをスマートフォン等で読み込むと、熱中症対策ルールを音声で読み上げる仕組みも用意され、こちらも多言語に対応しています!
誰も取りこぼさない、命に直結するルールの教育が徹底されていますね!
異常気象ともいえる近年の暑さへの対策の中で「暑熱順化(しょねつじゅんか)」という言葉もすっかり浸透してきました。これは、人間の体が高温環境に徐々に慣れていく生理的な適応のことを指します。暑い環境で活動を続けると、
・発汗が効率的になる(汗の量が増え、体温を下げやすくなる)
・体内の水分や塩分が保持される
・心拍数や体温上昇が抑えられる
といった変化が身体に起こり、熱中症にかかりにくくなります。通常、数日から1〜2週間程度で順化が進むと言われています。
一方で、この「順化」は休暇などで暑さから離れると失われやすいという特徴もあり、実際に現場の方からは、
「お盆休みはエアコン環境で過ごしたから、体がすっかり暑さに弱くなってしまった」
「再び暑さに慣れるまでは作業がつらく感じた」
といった声が聞かれました。つまり、順化が戻るスピードは意外に速く、休み明けほど注意が必要だということです。
新棟建設工事の現場は改正規則で示された熱中症対策方針を具体化し、日々現場で実行しています。また、法で決められた枠を超えて独自の取り組みを積極的に行っています。空調服やかき氷、多言語での掲示や音声読み上げといった工夫は、すべて「命を守る」ため。現場の努力が、安全で持続可能な建設環境を支えています。