こんにちは、長野大学です!2月17日、ついに新棟建設工事が正式に着工しました! これまで行われていた杭引き抜き工事が完了し、現場はいよいよ本格的な建設フェーズへと移行。最初の作業はパイルドライバー(杭打機)を使用した地盤改良工事です。
新棟がしっかりとした基盤の上に建つためには、まず軟弱な地盤を補強する必要があります。そこで、地盤改良杭工法と呼ばれる技術を用い、地盤改良を行っていきます。
地盤改良杭工法は、スラリー状(液体状)に混錬したセメントやセメント系固化材を地中に注入しながら、原位置の土と撹拌・混合して改良体を造成する深層混合処理工法です。この方法により、地盤を固めて強度を高めることで、建物をしっかりと支える支持層が完成します。
また、今回使用する撹拌ヘッドの大きさはなんと1m60cm! これほどの大きさの撹拌装置を地中に送り込み、土と固化材をしっかり混ぜ合わせることで、強固な支持層を作り出します。
今回、施工箇所数も多く、全部で約180カ所! これらの地点で地盤改良杭工法による地盤改良を行い、新棟の建設に必要な強固な基盤を形成していきます。
施工が地中で進むため、目視による確認ができません。 そこで、施工状況を管理するための各種計測機器が重要な役割を果たします。そこで、本格的な施工を始める前に、工事監理者立会のもと「キャリブレーション」を実施します。キャリブレーションは、施工機械や測定機器が正常に作動するかを事前にチェックする非常に重要な工程です。
【キャリブレーションの目的】
地盤改良工事では、各種施工管理機器を使用して正確な計測・管理を行います。キャリブレーションは、それらの機器や施工機械が正常に作動し、計画仕様に適合しているかを確認するための工程です。
【キャリブレーションの手順】
以下の項目を一つひとつチェックし、施工が計画通り行えることを確かめます。
✅ 施工機の形状確認(撹拌翼径・撹拌ヘッド径など)
✅ 各計測器の確認(深度計・速度計・回転計・流量計・比重計など)
✅ 改良機の鉛直度確認(地盤改良の鉛直性を確保)
✅ プラント計量器の確認(適正な固化材の供給量を管理)
これらの確認を終え、次の工程として試験杭を施工しました。
キャリブレーションの後には、工事監理者立会のもと「試験杭の施工」を実施しました。試験杭施工は、計画通りの品質で施工ができるかを事前にチェックする非常に重要な工程です。
地盤の掘削を進めながら、各種計測機器を用いて支持地盤(地中深くにある強固な地盤の層)に到達したことを確認。今回の試験杭施工箇所は地盤面下約16mもの深さに支持地盤を確認しました!そして、掘削ヘッドに付着した土塊を確認すると……ボーリング調査で採取した支持地盤層の土質と完全に一致!
これは、事前の調査データが正確であり、施工計画通りの工事が進められることを意味します。事前調査と実際の施工がピタリと一致する瞬間は、まさに技術の結晶とも言えるでしょう。
この地盤改良工事が、新棟建設の確かな第一歩となります。地盤改良杭工法によってしっかりとした基盤を作ることで、これから建ち上がる新棟の安全性と耐久性を確保していきます。
施工箇所は約180カ所と多く、これからも着実に進められていきます。今後の工事の様子も「新棟建設日記」でお届けしていきますので、ぜひお楽しみに!