岩石薄片の製作方法
①河原で目的の石を取ってくる。
②プレパラートに収まる大きさの石片に切り落とす(一次切断)
③石片の表面を研磨する(一次研磨)
④研磨した石片をプラパラートに接着する
⑤プレパラートについた石片を薄くなるように切り落とす(二次切断)
⑥石片をおよそ0.03mmまで研磨する(二次研磨)
このうち学校現場で行うには特に難易度が高いものは②と⑤であることがわかっている。岩石の切断は非常に難しい。しかしここについては学校現場用にうまく落とし込めていないので、主に①、③、④、⑥について探求を図る。
色々と工夫したので興味のある方は使えそうな部分を抜いていって頂ければ幸いです。
まず岩石切断機を製作する。卓上型のベンチグラインダの砥石を外し、ダイヤモンド砥石を留める。今回はφ250mmの刃を取り付けたが、トルク不足なので恐らくφ150mmやφ200mmの刃のほうが望ましい事が判明した。
また、刃の大きさに合わせて水受けのドレンを製作する。乾式は大量の粉塵が出るので、あまり好きではないので湿式とする。
この場合ベンチグラインダのベアリングが錆びつくため、ベアリングも耐水のものに変えておく。
プレパラートに接着した石片を切り落とす為のガイド。
しかし、これらの物品は全て必要なく、実際には3~5万円ほどの回転刃式のタイルカッターのほうが利便性と安全性が高い事が判明している。これを読んだあなたはそちらにすべき。
色々な種類はあると思われるが、こういった形式の商品であれば岩石薄片に必要な石片は切断出来る。また、刃の横に二次切断用のガイドも精度良く取り付ける事が出来る。
研磨機は刃物研ぎ機の砥石をダイヤモンド砥石に交換したもの。しかしこれも卓上ろくろの上面にダイヤモンド砥石をマグネット等で貼り付ける形式のほうが簡単に実現できることが判明している。あなたはそうすべき。
先ほどまでは自宅で作業をする様子で、最近はもっぱら職場の機械を使っている。
結局でかくて掃除の楽なほうが良い。自宅だと騒音も気になるし
実際に生徒が岩石薄片を作成する際に試しに提供してみたセット
#120,#600,#2000の番手を用意していた。本当はもっとたくさん番手を用意したかったが資金難にて二人につきこちらの1セットになってしまった。
今なら#180,#400,#1200ぐらいの番手で用意すると思う。
生徒実験用の岩石薄片製作ではプレパラートへの接着やカバーガラスかけをUVレジンで行った。これ結果的にはあまりうまくなかったと思われる。特にプレパラートへの石片の接着はレジンにあまり耐水性が無いのでよろしくなかった。
カバーガラスかけにかんしてはかなり望ましい性質を持っていると思う。出来上がりも早い。
3~4分もすれば固まる。これらは市販のネイル用の紫外線照射装置なのでそこまで人体に顕著な有害性は無いのではないだろうか。
主にここで一次切断と二次切断を行っている。専用の二次切断機も存在するが、ガイドが斜めになっていることと、恐ろしいまでの錆が発生しているため放置している。時間が無く手が回らない。
普段はこちらの研磨機を使っている。ちょっとぶれているので粗研磨のみ
数年前に光造形タイプの3Dプリンターを運用していて、それで作った。
光造形タイプの樹脂は耐水性がなく、吸湿して反るのであまり向いていないことにこの時は気づいていない。
右二つのアクリル板で製作したものが透明度が高く、吸湿してもそこまで反らないので良かった。
ガイドに出来た穴。
UVレジンを固める際に気泡が入るとこうなる。対策は印刷面を傾けて製作するなど。
持ちではそこまで長くなくて良い。
研磨剤を使うのが面倒くさかったことと、盤面がかなり凹んでいたのでダイヤモンド砥石を使うタイプに改修する。
この凹面にボンドE254とかの流動性の極めて高い接着剤を流し込む。
しかし、この時気づいていなかったのは、単に流し込むだけではなくて、装置全体の水平を考える必要があった。具体的には盤面の回転軸が地球のジオイド面に対して垂直である必要がある。そうでないと、固めた面が回転軸に対して垂直にならないので、ぶれながら回ることになってしまう。
流し込む前にヒートガンで盤面を加熱することにより、流動性を高めようとしている。結果的にはいらなかった。
流動性極めて高いエポキシ接着剤なのですぐに水平になった。粘土はサラダ油より低い
指で押したりして確認しても十分なぐらい硬い。とりあえず歪んだ盤面は水平面を得た。
カッターで紙を切り落とす。
結構保持力高かった。ただこのままでは盤面は加圧で歪むので、マジックテープ以外の場所にアクリル板を敷いた。
4つの薄片を同時に研磨出来るように製作した。
岩石薄片の研磨においてよくあるのが、砥石面にはみ出した指もだんだんと削ってしまい、いつの間にか血が出ている事象である。結構加圧して作業するのですぐに気付かない。 これはそういった現象を防止するために広い面積のアクリル板を挟んで指と盤面の接触を防止する。 使いづらかったのでボツ、。
これは15個の岩石薄片を同時に研磨するための装置。プレパラートは少し水をかけてやると表面張力でくっつくが、くっつかないものもあり作業終わりに落下や、全体を均一に研磨出来なかった事から租研磨で量産する時のみ使用している。
ストリーミングでよく使われるOBSスタジオアプリを使っている。
canon eos m カメラからHDMIーUSBのコンバーターを経由してパソコンに出力している。どうも画質とフレームレートのバランスが悪いのかあまり満足のいく出来ではない。最近は撮影もしないので片づけた。
切断機の水が滅茶苦茶飛んでくるので付けた。
15連型マウントの動作確認のため用意
あまりうまくいかなかった。
インパラブラック石材の研磨の様子はどこかにいった。
持ち上げるときに剥がれるので不便
二回目のレジン盤面補正で多少ましになったものの、盤面が上下することと、中国製ダイヤモンド砥石がそもそも歪んでいること、水平面にダイヤモンドが電着してある水抜きの溝がついていないので強く吸着してしまうことが相まって偶に腕が持っていかれる
生徒実験で使ってもらった組み合わせとほぼ同じもの
これが一番安定はする。仕上げに#800のダイヤモンド砥石同士を擦り合わせて盤面を摩耗させたダイヤモンド砥石を使うとほぼ鏡面にまで仕上がる。