2020年9月10日-14日 参加者は私、Sさん、O先生、B先生、あともう一人
9/10 関西国際空港ー鹿児島空港ー阿蘇山
9/11 阿蘇山ー原尻の滝ー阿蘇山
9/12 阿蘇山ー鹿児島
9/13 鹿児島ー桜島ー開聞岳
9/14 鹿児島空港ー関西国際空港
コロナ禍なので観光客はあまり居なかったのか、工事関係者が多かった印象。
GOTOトラベルで旅費を節約し、大変堪能している。確かこの時は商品券や産地の特産物の懸賞にも応募することが出来て、自動的にほとんど観光客が居なかったせいか同行者は皆当選したらしい。私もカツオセットが届き、家族一同で大変喜んだのであった。
そんな関係で普段はこんないいとこは停まらないけれど、大変うれしかった。
ワンランク上のサービスがより良い巡検体験を与えてくれます。
うし
カルデラ内部を、のぞむ
米塚は比較的新しいスコリア丘です。
ハイキングコースがあったが時間が無いのでまた
左側は米塚ではない山
火口から数十mの場所まで近づき、自動車を駐車することが可能。大変整備されている上に手軽に火口を観察することが出来る。
この掲示板にある安全レベル以外に、気象庁が発表する噴火警報レベル2以上になると立ち入りが不可となる。
周囲には火山性のスコリア等もごろごろしており、大変良い。
噴石は防げても火山ガスは防げないので少し元気な火砕流込みの噴出物があるとなすすべなく死ぬだろう。
もうもうと湯気が噴出しており、活動中の火山である事が目視で確認出来る。
O先生とB先生。印象的な姿
英語版だけ列車砲の射程距離のような飛距離を飛んできたことになっている。
破局噴火とはこういうことなのかな
火口の周辺を観察しながら先生方のお話を聞く。
阿蘇山の外輪山の上の周回道路に移動し、道路沿いに赤ほや火山灰層の露頭を探す。名前の遠り赤っぽい地層で、比較的新しい凝灰岩層なので地表から近くにある。鹿児島県の南側にある海底火山の鬼界カルデラ が噴出したさいの堆積物だという。
厚みは10cm足らずだが、周囲とは明らかに色味が違う為明瞭に識別出来る。道路沿いには露頭が多々見受けられた。
こんな具合の場所に露頭があった。
露頭が垂直に出ているところがあったので厚みを測定する
川の途中に突然滝が出現している。これは断層性の滝ではなく、阿蘇山の作り出した光景だという。
阿蘇山の阿蘇3だか阿蘇4だかの噴出物が地表を覆いつくした為、その噴出物を川がはぎ取っている。つまりこの滝の上流側にあるのは全て火砕流堆積物になる。
フィアメとは凝灰岩層の中に含まれるレンズ状の構造で、噴出物中に含まれた軽石などが熱により再溶融して球形からレンズ形に潰れたものである。荷重による圧搾より熱による再溶融のほうが効果としては効いてくるので、おそらくある程度以上に厚く積もらないと形成されることはない?
露頭というかトンネルの壁。阿蘇3の溶結凝灰岩層を貫くようなトンネルなので詳細に観察できる。この地層をよく観察すると、レンズ状のフィアメは地層の中央部に多く含まれ、上部と下部はつぶれていない形のものが目立つことがわかる。これは火砕流堆積物の下部は大地に冷やされ、上部は大気に冷やされ熱が保持し続けられないことに由来する。
熊本県にいるのはこの日が最後なので、阿蘇火山博物館へ来訪することに。
火山博物館の学芸員さん・館長さん・理事さんにお会いし、様々なお話を聞く。
草千里
錆びない材質だという。火口カメラは代金を投入すると噴火警戒レベルが低い時は好きな方向に向けて観察出来るという面白いアトラクションになっていた...
O先生のご専門が地震なので
写真には写していないがこの近辺上流側で阿蘇大橋が崩落した。
新阿蘇大橋が建設中であった。
城山公園の展望台から眺める。
確かみんな合わせて宿泊したので集まりやすかったような。バイキング形式の朝食会場で、コロナ禍なのでアクリル仕切りなどもきちんとあった。
ちんちん電車と呼ぶのは大阪人だけ?鹿児島の路面電車
フェリーに自動車と人間を載せて、桜島へ向かう。その後のルートなども勘案し、島の西側の航路。その後桜島を時計回りで一周するように周回しながら地質スポットを観察していく。
O先生は喜んでいた
火口から近い場所(地質学的なスケールで)なので自形の鉱物結晶たちがかなり粗粒のものが多く、例えば大阪だとピンク火山灰のような遠方から飛んできた火山灰などに比べたら巨大だった。
有名な噴火で埋もれた鳥居
の駐車場から見える露頭
なかなかきちんと管理されていて歩きやすい
恐らく地元産の石材?安山岩質
フェリーこんな感じ
かつおのたたき定食かなんか。美味しかった
長崎鼻へ移動し、現地の凝灰岩層などを観察する。結構時間が推していたので急ぐ。この後見えている開聞岳を見に行く。開聞岳は噴火の時代によって玄武岩質から安山岩質にマグマが変化している。
恐らくレンズ状?デイサイト質の溶岩
恐らくすぐ横の開聞岳の玄武岩が風化し、そこから零れ落ちたかんらん石が砂浜に落ちていると考えられる。時間が推していたので少し揉めつつなんとかここの砂だけはサンプリングさせていただく。砂の専門家のB先生と、授業で使えるかもしれないので私もぜひ頂きたかった。その後、このオリビンサンドは授業で使うサンプルの一つとして用意しました。
川尻海岸と橋と開聞岳と光の柱、そして時間が推していてやきもきしているその他メンバーを搭載したレンタカーの対比が大変美しい。
我々は急いでも、自然はいつまでもそこにあるのだ。
他にルートが無かったのでここしかないですねと時間も無かったのであんまり通りたくないルートにそのまま突っ込んでしまうことに。なんかえらい怪しいルートになってきた...。
一人では来たくない
この公園のすぐ横の海岸で観察を行う。
たくさん落ちていたが残念ながらほとんどが発泡していた上に、玄武岩はあまり無かった。その後ホテルサンデイズ鹿児島に戻り、9/13(日)は終える。
鹿児島空港から関西国際空港へ帰る。
15:00に自宅に到着するというだいぶ余裕を持った行程だった。