まともに動作しない天体ドームをなんとか動くようにするための試み。具体的にはFRP製のドームが経年劣化によって歪み、それに付随して開閉部の金属レールも歪み、歯車との噛み合いが悪くなったことによる開閉不良が発生していた。また、開閉用のモーターも出力が低下していた。
これによって
①開閉動作中に負荷が高くなると歯車が空回りし始める
②動作を停止した後かみ合わせが悪くなるので、モーターが異音を発生させながら停止している
が発生していた。特に開閉ドアが開きっぱなしになってしまう事象は雨が降ったりすると望遠鏡が錆びてしまうので大変良くない。
7~8年ぶりに初めて動かしたとされる天体ドーム。スライドドアが開いたきり歯車が上滑りし、開閉動作が行われなくなってしまった。こういったものは年に1度でもいいので動かし続けるときちんと動作するらしい。
上滑りしつつも、スライドドアの後ろ側から棒で突くと、人間の力+弱ったモーターの力でとりあえず駆動した。この後天体ドームの簡易メンテナンスを始めることとした。
天体ドームの天頂付近にモーターと減速ギアユニットが設置されている。とりあえず油をたくさん注油することにした。
写真からは見切れているが、天体望遠鏡よりさらに上側に駆動機構があるので、脚立を立ててもアクセスしづらい。
長いアルミ棒の先にグリスを塗り付け、それで歯車や平歯車たちに注油した。
スライドドアが閉まらなくなる場合は2パターンの動作不良があり、①歯車がガタンガタンと上滑りする ②歯車は噛み合っているがモーターが止まり、唸り声を立てている になる。 上滑り状態は外のスライドドアを直接アルミ棒で渾身の力を込めてアシストする。 モーターが止まっている場合はモーター赤丸部位を下から押し上げてモーターの回転をアシストすると動き出す。
半球型のドームを内側いっぱいに設置したローラーで支える構造になっているが、恐らく経年劣化で収縮したFRPのドームが締め付ける形となり、一部のローラー金具に亀裂が発生している。
こちらは10年ほど前に大学予算で改修されたという。しかし回転時にローラー金具の亀裂によって回転軸が偏心しているため、ドームが外壁に接触し、摩擦抵抗によって回転が止まることが稀にある。
駆動部分。こちらもだいぶ埃が溜まっていたりすると摩擦が減って空回りすることがある。駆動前によく掃除することをお勧めしておく。