2025年3月18日-23日の巡検に18-21のみ参加した。主に長崎・熊本の変成岩を見ていく。
参加者は私・S氏・O先生・B先生・S先生
3/18(火)リムジンバスにて伊丹空港へ行き、それから長崎空港へ向かう
雪浦の長崎変成岩帯を観察しにいく。西彼杵ユニットでは泥質・砂質片岩と少量の塩基性片岩、そして少量の蛇紋岩が観察できるそうだ。蛇紋岩メランジュにはマイクロダイアモンドを含まれるそうで、地下120km程の超高圧変成岩相になるという。果たしてダイアモンドは薄片にしたときに見つかるだろうか。
とりあえず波止場に停めて、海岸沿いを歩いていく。
しかしこのいわばを越えた先は、崖になっており通れなかった。今回はとある露頭に北側からアプローチしたが、南側からアプローチしたほうが良いのかもしれない。戻りながら見つけたものを丹念に観察していく。
金沢大学のA先生によると、リストベナイトであるということだった。
先ほど見つけたリストベナイト?と接するようにして産出する。黄色部は様態からてっきり砂質片岩かと思い、観察していた。その後三重メランジュへ向かう。
翡翠ガ丘公園へ行ったあと、その真横から直下降りは難しそうだったので三重漁港側から海岸を巻いていく。
片岩が海へ落そうとしてくる。
ここに三重メランジュの露頭と、翡翠輝石岩が見られるそうだが、いまいち判然としなかった。
またあのハードな海岸を巻いて戻るのは大変だということで、登れる場所が無いか探す。
上部からポケットビーチを臨む。こういう流入する河川などが無い孤絶した砂浜は後背の地質由来の粒子でのみ構成されているので、砂を見ることも肝要ということだった。
時間が無い事と、あまり露頭を見る事が憚られるような場所だったので程ほどに済ませる。
コワーキングスペース雲仙
時間があったので周辺を見て回る。河川の改修工事とあったのにコンクリート製の升を沈めているので通常河川を暗渠化する工事だろうか?周辺は狭めなので利用可能な土地を増やす為なのだろうか。
この後現場に救急車が来ていた。
素晴らしい噴気。火山活動が終焉していないことがよくわかる。
噴気により地面が温められているので、猫が石畳で暖を取っている。地面を触ると気温は2度ぐらいだが暖かかった。
熱水にやられたような質感の岩石が露出していた。元々は何の岩石だったのだろうか。
雲仙の温泉街を退出し、遺構を見に行く。
時間が迫っているのでそこそこにして港へ
須賀無田海岸から北上し、ビシャゴ岩を目指す。ビシャゴ岩は含藍晶石緑簾石角閃岩であり、柘榴石も含まれる。非常に興味深い高度変成岩である。転石を是非薄片にしたいと思い、向かった。
この先は切り立った断崖になっており、進めなかった。干潮であっても無理であった......。無念を番えて北側からのアプローチに備える。
気を取り直してビシャゴ岩は北側の海岸からのアプローチを試みる。前回はこの神社の側面に階段があることを確認していたので、海岸までは行けるだろうと考えている。
崩落した神社に繋がっていた。どうやらこの神社までしか繋がらない階段だったらしい......。
一応海岸まで降りる事の出来るロープの張られた頼りないルートがあったので降りることに。かなり道は滑り、危ない。
海岸に転がっている岩は想像の10倍ぐらい大きかった。
一部のみ結晶片岩から、安山岩の岩礫に変化しているが、上部は草に覆われているので安山岩の露頭は見えない。
途中で崖になった。帰る。
煌々と太陽がビシャゴ岩を照らす。さらば
稜線沿いのルートがあるかもしれないので、一旦自動車に荷物を置いて、先行して探しに行く。待てども先生方が帰ってこないので結構奥まで行くべきか思案していると、電話がかかってきて安山岩の岩脈が見つかったという。少し破砕したような境界部も含めた綺麗な安山岩の岩脈が見つかったとこの時は喜んでいた。しかし、この連絡によって実はある非常に大事なものを見落としてしまったのであった......。
南側からのアプローチを再度確認したいというお話があったので、また須賀無田海岸へ戻る。付近はおよそ姫裏層群の砂泥互層で、タービダイト系の互層ではなく泥岩が安定して堆積するような地層に洪水等で不定期的に砂岩が供給されるような機序らしい。
大変良い夕食。普段は貧相なスーパー割引ばかりなので、こんなに良いものをこの宿泊料で頂いても良いのかしらと思うぐらい美味しかった。
朝食もきちんと作ってもらったもの。海鮮系苦手な人は幸運なことにいなかったので全ていただいた。あさりの味噌汁おいしいです
離島にあるとは思えない程巨大な博物館で、展示内容も驚くべき気合の入り具合であった。学芸員解説を頼んでいたので、担当の学芸員Uさんに館内を2時間ほどかけて全て案内していただいた。実はここは「恐竜博物館」ではなく、「"恐竜の島"博物館」であるので、従来の恐竜博物館の範囲に縛られる事の無い展示方式や内容などが可能だと説明を受けた。
実はこの恐竜模型たちはあまり説明の時間を取ってもらわなくて、手前の地層や岩石、化石の展示等の非常に細かい所の説明などに注力していただいた。
全体的に向斜構造の地質をしているそうで、ケスタ地形のようになっている。その関係で水の得やすい中央側に文明が発達しているそうだ。
赤色で岩脈が記載されているが、岩脈の走行が神社で見たものと90度異なるかもしれない。きちんと測っておくべきだったかも。
そして学芸員さんから驚愕の事実を聞く。なんと昨日訪れた神社の、丁度私が安山岩の岩脈があると電話連絡を受け、引き返したあたりの場所から稜線沿いにビシャゴ岩へ行くルートがあったという。なんということだ......。
とても悲しい気持ちになった。
説明を一通り受けたあとに再度博物館内を回って撮影
このあと先にB先生は大阪へ帰られた。
1000円で探すことが出来る。丁度今年の3月に石を総入れ替えしたそうで、全部新鮮なのだ。なのでとても大き目で割るの大変なのだった。
蛇紋岩露頭中に角閃岩やオンファス輝石岩があるという。
花崗岩中にはんれい岩のゼノリスが確認される。
周囲には反応縁も見られた。
ビシャゴ岩近辺の者と関連があるのだろうか?
大変おいしい
朝食までの時間に急いでアンモナイトの含まれる泥岩露頭を見にいく。
肥後変成岩類の泥質片麻岩(柘榴石・菫青石 帯)と、結晶質石灰岩があるらしい。
とても白くて、きれい
ありがとうございました。
ビシャゴ岩はまたリベンジしたいな
しかし金が無いのでまだまだ先かな