2023年12月27日ー28日 私、M氏、N氏、B先生、Sさん、S大学生、N先生
和歌山県串本の晒し首層などがご専門のB先生の案内により、1泊2日で巡検を行った。
天王寺駅のニッポンレンタカーミオ営業所に集合し、ハイエースで出発。参加人数多めなので大き目の車にした。この人数で割れば一人頭の交通費もリーズナブルになる。
B先生が晒し首層の専門家なので、現地に到着後に詳しい説明を受ける予定。
現地に到着。実はさらし首層という名前が地元からの反応が良くないというお話も聞いた。確かに、地元におどろおどろしい名前の場所があるとなんとなく忌避感はあるかもしれない......。
なかなかいいアングルで撮れたかと思う。非常にアクセスの良い場所で、もう少し説明の看板等いくつかあっても良いかなと思った。
さらし首層は基本的には泥岩で構成されており、そのなかにポツポツと巨大な礫が混ざっている構造をしている。礫の種類は色々。
その巨大な礫が波蝕によく耐えるため、泥岩層から飛び出して見えるため遠くから見ると確かにさらし首...に見えなくもないということらしい。
スケールはwestingのチゼルハンマー
結構粒径の大きい礫岩もあった。さらし首層の形成にはとりあえず今の所2つ派閥があるようで、一つは泥ダイアピル(泥火山説)、もう一つはタービダイト。泥ダイアピルの場合は泥火山が噴火した際に礫を巻き込んできたというお話になる。タービダイトの場合は海底地すべりの際に礫を巻き込んできたというお話になる。
人頭大のものから人の背丈より大きいものまでさまざま。
人頭大のものも横から見てみると完全に泥岩層と固着している為、他から運ばれてきた(津波による移動)の可能性は排除出来る。
つまり、元から泥岩層の中に包埋されていたと考えられる。
さらし首層の端まで進むと、加太でよくみられるタービダイトによる砂泥互層のような構造が出てくる。恐らくタービダイト説を補強しているのはこの露頭だろうか。
結構面白い構造をしている
端まで進むとかなり様相が異なってくる。砂岩が飛び出して見えるため走行と傾斜の把握が容易になってくる。
これは謎。恐らく風化によるもの?リップルマークとかではないらしい。
砂泥互層のような感じになる。
砂リッチな感じ。
歩いていて結構面白い場所であった。必ず干潮の時に行く事が望ましい。行く前に潮の満ち引きは必ず確認しよう。
田の崎の根本の切通まで移動した。ここから田の崎の先端まで移動する。
海岸の西側沿いに南下していく。結構距離はあった。
非常にお天気の良い日だったので快適に移動出来た。風雨の強い日は恐らく波濤もあって大変だと思われる。
左側がさらし首層を含む牟婁帯、右側が砂泥互層の目立つ熊野層群になる。右側のほうが新しいのでさらし首層の基底礫岩を見つける事が出来る。
様々な解説を行ってもらう。
不整合面を越えるとほぼ完全に熊野層群になり様子が異なる。
田の崎を反時計周りに回っていって東側に入ると、砂泥互層の連続から急にこんな感じの泥質な露頭が広がる。恐らく泥火山だろうということだった。
これはM氏の取材も半分兼ねているので行った...というのもあるが、この下にとある岩石の露頭があるというので見に行く事に。
中に入って上まで登る事が出来た。なかなかの眺めだ。
日はいずれ沈む。
結構傾斜のある道なのでソールの擦り切れた靴はやめておいた方が良い。
恐らくそうだが不明瞭。恐らくそう。
地元の各種岩石が展示してあった。
展示物に触れて内容を楽しむ一行。すると、とある場所に何か面白いものが......。
このカードをかざすとB先生の肉声付きでさらし首層の解説を聞くことが出来る。何故かモノラルの筈なのに真横から二人目のB先生が解説に対して注釈を入れていた。
日が沈む前に解脱するM氏を撮影
ありがとうございました。
我々が泊まった時は運営が違ったのか上記の名前ではなかったが宿泊する。
ホールは面白いものがいくつか展示されていた。
地元のタイ?を使った茶漬けなど想定外に豪勢な有色をビュッフェ形式で楽しむ事が出来た。ワンランク上の宿泊体験は巡検を成功に導きます。
朝はアボカドや魚のミニバーガーを楽しむ事が出来た。大変良質なバーガーで、目の前で具材を焼いてくれる。満足度+
古座川の一枚岩付近で転石を採取する。
川に沿って切り立っているので迫力がある。しかし非常に寒い。
堆積岩系の転石が多かった。
モンベルでPE製のバラクラバを買ったので防寒性能を検証している。結果は非常にあったかいもので、満足した。
手袋はゴアテックス系の性能を持つテムレスを装着。これはゴム系の手袋の中では珍しく透湿性があるので長時間作業をしていても蒸れにくかった。寒い場所で水に手を挿入する作業をする時は大変良いかと思う。
甌穴群が見られるという。
大量の甌穴が観察できる。
気を付けて歩く。東側に川の本流があるので流されないこと。
リップルマークのような模様が見られる。
非常に気持ち悪い穴だらけの岩。波と塩の作業によって沢山穴が開いたということだった。
虫喰岩を眺める一行
確かに魚の形をしている。うまく出来ている。海食洞?がうまい具合に目の役割を果たしている。
貫入した流紋岩質の岩石で出来ている。砂泥互層?を貫通しているので境界が気になるので観察する。
かなりダイナミックな構造
もしかしたら堆積岩は少しホルンフェルス化しているかもしれない。
トルコ記念館があるということで見に行く。
一応参内して当時の遭難者に祈る。
恐らくエルトゥールル号遭難などにまつわる展示物がある関係で館内は撮影禁止であったが、かなり良い展示だった。この辺りに行くときは是非来館をおすすめしておく。
その後大阪へ帰った。お疲れさまでした。