オプタテシケ山

(トノカリ林道からの尾根往復)

○1991年4月27日~28日

○L大沼 辻野健 辻野治 中村浩 岩本(男3名女2名)

○コースタイム

27日

17:45 芽室

19:00 トノシカリベツ川三股 Co640m(C1)

28日

06:00 C1

11:30 オプタテシケ山(P2013m)

15:00 C1

夜空に山が白く浮き出て見えた。その山がオプタテシケだという。

夜の白い山は神秘的だ。星が見えたり曇ったり。星空でも明日の天気は保証されない。

去年の富良野岳集中では麓できれいな星空を眺めたのに、翌日出発してすぐ雨が降り出したのだから。

朝6時にテントをあとにした。雪はないのでスキーはザックにくくりつけた。重い。

ブルの通った林道を2キロほど歩いてから林間に入った。雪はもう十分ある。スキーを履いて沢沿いを行ったのだが、地形図にも載らない小さな沢がたくさんあって迷いやすい。

地図を出しては位置の確認を度々し、所々に赤いデポ布をつけながら進んだ。

曇っているが視界は良い。白い山が前方にきれいに見える。あんな急な斜面を登るの

かなと思いながら皆のあとをついていった。

大きな沢を渡ってからは傾斜も急になった。

しばらく行くと数台のスノーモビルが爆音を響かせて、我々を追い越して行った。

だいぶ上まで行って傾斜も急になったのでスキーを置いてアイゼンに履き替えた。

頂上が見えると思ってそこを目ざして、辿り着いて見れば先がまだまだありがっかりした。

背後に広がる景色はウペペ、二ペソツ、丸山、石狩、十勝、トムラ等山また山ばかり。

その山々はまだまだ雪に覆われた冬の世界だ。あのピークを越えて何十分か歩いたら頂上だと言われ、そのピークを目指したらそこがピークだった。バンザイ。

頂上から前方に見えるのは雪のない平野。この季節の山と平野の落差を感じた。

下りはキョーフだった。アイゼンで下るのは登るより大変だ。だがアイゼンはまだいい。問題はスキーだ。どうやってこの急斜面を下るのだ!「そんなことやっているといつまでもスキーは上達しないよ」という檄が下から飛ぶ。

「そんなこと言ったって……」。来季はスキー教室に通うのだと心に決めた。

道なき道をスキーなら登って行けるのだ。この頂上の快感のためには何としても恐怖の下りのスキーをマスターしなければ。

大きな沢を渡ってからの帰途は道探しに苦労した。デボ布がなかなか見つけられない事もあった。不思議だ。地形がそれだけ入り組んでいるのだろう。晴天ではなかったが、天候に恵まれ、道に迷うこともなく頂上も踏めたことは幸いであった。

山はいい。特に冬山はいいと思った。

(茶房多種No.157記録・岩本)