トッタベツ岳
戸蔦別岳~伏美岳 (戸蔦別川本流~主稜線~伏美夏尾根)
戸蔦別岳~伏美岳
(戸蔦別川本流~主稜線~伏美夏尾根)
○1995年9月22日~24日
○L水野 前田 岩本(男1名女2名)
○コースタイム
22日
夜 伏美岳登山口車デポ
23日
05:25 戸蔦別林道車止め
06:45 10の沢出合
08:05 Co995m
11:20 稜線コル(Co1740m)
12:00~12:50 七ッ沼カール
13:15 稜線
13:55~14:15 戸蔦別岳頂上(P1959m)
14:40 北戸蔦別岳頂上(P1912m)
16:35 Co1856m(C1)
24日
06:50 C1
08:10~08:40 1967峰(P1967m)
10:05~10:30 ピパイロ岳(P1917m)
12:45~12:50 伏美岳(P1792m)
14:25 伏美登山口
22日夜、下山予定の伏美登山口に車をデボした。
登山口広場が大型バスが何台も駐車できるような広さに整備されているのに驚いた。
23日早朝、戸蔦別林道終点のゲート前には、10の沢に行った菅原パーティーの車があった。
荒れた林道を少し歩いてから沢に入った。
ところどころ石の上が濡れていて先行者が少し前に通ったことを示していた。
今回は水量が少ないので渓谷風のCo897m~Co995mの間のところも歩きやすかった。
そこは地形図では何の変てつもない地形なのだが実際はなかなか趣のある部分である。
Co995mからは傾斜も急になってくる。
地形図に載っていない最初の滝を右に巻いたのだが踏み跡がずっと上まで続いていた。
いくつかの滝を登ったり巻いたりしたがザイルが必要なところはない。
二股は左の大きい沢、人の踏み跡のある方の沢と選んで登ると稜線へ無事たどりついた。
稜線からは七ツ沼カールや日高幌尻がよく見えた。カールに下りてひと休みした。
完全に干上がった沼は砂地でまるでゲートボール場のようにまつ平だ。人やクマの足跡がついていた。
天気の良いおだやかな昼で青空がきれいだった。
紅葉はほとんど終わりで残った木の葉は茶色でカサカサとした印象だった。
前田さんが作ってくれたラーメンを食べ、少しでも荷を軽くしょうと濡れた足まわりを干してのんびりしていたら、
日高ボロからトヅタベツヘの稜線を行く登山者の声が聞こえた。
私たちが戸蔦別岳に着いたときは誰もいなかった。
北戸蔦へ向かう途中、七ツ沼でキャンプするというパーティーとすれちがったが、その中に泊まり装備の大きなザックを背負った70才を過ぎた方が元気に歩いていて感心した。
北戸蔦からはあまり登山者が歩かないのか道がしっかりしていないところが多かった。 山腹の斜面の角度と同じ角度で道がついていたり、踏み跡が一瞬なくなったりなど。
テン場はどこにでもあると聞いていたので、そのつもりだったが、なかなかテントを張る場所がない。
日暮れが近づきあせってしまう。陽が沈まないうちにテン場にたどりついた時は本当にほっとした。
そこはCo1856mのピークだった。
地図上ですぐにその地点を特定できなく、地図読み不足を痛感してしまった。
北戸蔦から1967峰までは結局6ヶ所テン場があった。
Co1856mピークは眺めが良く最高だった。でも風が吹かなくて本当に良かった。
24日朝太陽が少しだけ雲間から見えた。視界は良い。遠くにカムエクが見える。行く先にある最初のピークを過ぎたあたりは岩場が続いており、登山道はとぎれ気味だった。
そこを過ぎて1967峰へ登る道はハイマツこぎをしいられた。
さて1967峰に着いたら何と手紙とオレンジがあったのだ。
前日の沢登り組の人が置いていってくれたもので、我々一同びっくりするやら喜ぶやら。
おいしいオレンジだった。ただしオレンジを置くにあたってはパーティー内で食料を残すことに対する議論があったとあとから聞いた。
クマにエサをやることになりかねないからだ。
1967峰には前日10の沢を登ってきたというパーティーもいた。
1967峰を下ってピパイロに続く道は、またうっとおしいハイマツをこがなければならなかった。「去年ピパイロから1967峰に歩いた時こんなに苦労したっけ?」、どうやら健忘症にかかったようだ。
ピパイロから伏美方面の紅葉は、ずい分きれいだった。伏美手前の左手方向の尾根が広葉樹でモコモコしている。赤い色がその中に点々と見える。
登山道には明るい黄色の葉のカエデがあり、まるで道を照らしているみたいだった。
風が吹くと木から葉っぱが舞い上がりヒラヒラと落ちていく。本当にきれいだった。
黄色のトンネルがすてきでナナカマドの赤い葉が黄色い落葉に混じり登山道を色づけていた。
そんなのが伏美5号目を少し下るまで続いた。
ピパイロを少し下った頃から雨がポツリポツリ降りはじめたが、本格的になったのは伏美登山口に着くころだった。
(茶房多種No.210記録・岩本)