狩勝峠~オダッシュ山 (狩勝峠~主稜線~オダッシュ山)

1994年2月5日~6日

CL大山・大沼・國枝(男3名)

○コースタイム

5日

05:20 帯広

06:30 新得畜試(車1台デポ)

07:10 狩勝峠

08:45 Co843m

09:40 Co904m

10:30 狩勝山(P985m)

11:10 Co904m

13:30 Co1037m(C1)

6日

07:20 C1

08:30 Co1034m

09:30 Co692m

11:10 オダッシュ山頂上(P1098m)

12:40 Co928m

15:00 新得畜試・車止め

白い日高の稜線をそれがなくなる所まで歩いてみたい。ずっとそう思っていた。

あたためていた計画の第一歩が狩勝峠だった。

新得畜試に国ちゃんの車をデボし、風と雪が顔に当たり誰もいない峠を発つ。

心配していたブッシュは雪の下にあり、ぼんやりと明るい空を見上げながら、エリモに向

けた稜線歩きがはじまった。

狩勝から日勝までは千メートル前後の山々が続き、ただ長いだけだと思っていたが結構アップダウンがある。雪庇も張り出している。

名もないピークに立つと黒い山がごろんごろんとそこら辺にあった。ただ稜線は太くどこでも歩けた。

Co904mにくると、きれいな三角垂の狩勝山が見える。空荷でアタック。

頂上付近は雪の付きが悪く、スキーをデボ。

あまり広くないピークに立つと、北側直下に国道が見えて峠に続いてる。めざす南の方は望め

なかったが、気持ちも体も快調だ。

JRトンネルの上を過ぎて、Co923mに向かう頃から喉が乾きはじめる。500CCの紅茶はすでになかった。みかんを3分の1ずつ食べたりしたが、喉の乾きはおきまらない。

ついでに年末山行で痛めた大山の腰に再びしびれが走る。「お一い、ここ登りきったらビール飲むべや」終始トップを行く大沼さんが吠える。

そうだ、すぐ飲める液体はビールしか残っていないのだ。喉のゼイゼイと腰から右足へのビリビリをごまかしながら、CdO37mに辿り着く。

2人は大沼さんの側にかけ寄って、なまら冷えた缶を受け取りゴクリゴクリと飲む。んっまい。

山で「忘れられない味」の中でも、とりわけ腹にしみたビールだ。

まだ13時を少しまわったところだが、ここでテントを張る。

それからは豊富なアルコールと食料で酔っぱらい大会。男3人でただでさえ狭いテントの中は笑いと話し声で余計に狭い。夕食は、刺身の盛り合わせと豚汁、野沢菜漬け。ご飯は炊かずにつまみをたらふく食べて沈んでしまった。

翌朝、風は強いが天気はいい。力雑炊を食べ、水11をポリタンに入れ出発。オダッシュが串内牧場をはさんで遠くに見えた。

Co1034mの下り斜面は雪がついていず、一面の笹原に苦労させられる。牧場も風の通り道でほとんど雪がなかった。高低差400mの尾根を一気に登りきるとオダッシュビーク。

狩振岳が大きく、狩勝山は遠くにあった。

ここからさらにCo777mをめざし南下する。

稜線はしだいに細くなり、雪庇も発達している。気合いを入れて歩けば、狩勝~日勝まで1泊行程が可能だろうが、今回はCo928mを過ぎた東の尾根から下り、新得畜試の牧場をめざす。

ここからが大変だった。小さいがペンケオタソイ川の渡渉に手間取る。

次回ここから日勝峠を目指すことがためらわれる。

広い広い牧場を横切って車止めに着く。

タベ泊まったeolO37mピークもオダッシュも短い冬の日射しに包まれ静かにそこにあった。

この冬から山スキーを始めたばかりの国ちゃんも雪の稜線歩きに満足。身近にありすぎて、あまり目を向けられない山々だが、冬の日高の縦走を簡単に味わえるお勧めのルートだ。

(記録・大山)