ウペペサンケ山

ウペペサンケ山(メトセップ林道からの尾根往復)

○1995年12月23日~24日

○L河田充 道辻 水野 三浦明(男1名女3名)

L吉岡 岩本 西本 中澤(男2名女2名)

○コースタイム

23日 曇り

09:45 メトセヅプ林道車止め(林道入り口から2.5㎞地点)

11:40~12:00 林道終点

15:20 Co1300m(C1)

24日

06:45 C1

O8:10 稜線

08:45 管野温泉分岐(Co1630m)

09:20~09:45 ウペペサンケ頂上(P1835m)

12:00~12:30 C1

15:40 車止め

23日 自署(上士幌営林署)管内の冬山に何とか立ってみたいと前々から思っていたところにウペペ行きの話が出て飛びつく。

正月も目前になり、プレ正月総合訓練ともなる山行だ。

ルートは夏道より2尾根北寄り、メトセッブ林道の終点近くからCo1595mへのびる北東尾根から。

ところが前夜から雪。今まで全く降らなかったのによりによってである。

重ねて連絡がうまくいかず、既に帯広組が糠平に着いているのに、こちらは営林署前で待ちぼうけ。幸先悪いぞ。

大幅に出発が遅れ、さらには車も昨夜からの雪(30~40㎝)に阻まれて、林道を予定の半分ぐらいまでしか入れない。約2㎞を余計に歩くことになる。

車止に着く頃から日が射し始め、車はそのまま置いていくことにする。林道ってところ、不思議なもので夏でも冬でもついつい全力歩行になってしまう。おかげで疲れるうえに靴擦れが・・・・。途中で皆おもむろに靴を脱いで足の裏にバンソーコーをベタバリ。

山の中を歩くのとは勝手が違う。正月の長い林道歩きを前に非常に参考になった。

林道から作業線へ。作業線から集材路まで極力道型を使って、いよいよ目指す尾根の山腹斜面へ。

これがキツイ。急斜面で積雪不十分。笹やら潅木やらが邪魔してターンを切るのもつらい状況。

オマケにふかふかの新雪でシールが横ずれしゃすい。あきらめて次々とスキーを担ぎだすが、「担ぐなんていやだ!」とヒーヒー言いながらようよう登りきる。壷足組共々登りきってしばらく死体と化す。

辿り着いたところは、Co1100mを越えた辺りのところか。ここから今度は尾根筋の薮漕ぎ。

細かい潅木が密生していて歩くというよりかきわけるような気分。

傾斜がきつくなるとターンも直登も苦しんで往生。

転倒すれば薮に絡まって起きあがれない。

ガサガサビシパシと苦労の割にほとんど高度を稼げぬまま1日目が終わる。天場は落ち着いた雰囲気の樹林帯の中に設定(Co1300m前後)。

晩飯はクリスマスらしく豪華すき焼き。

百グラム千円以上の神戸牛を皆で伏し拝んだうえに感涙にむせびつつ食べる。

これでやめておけば上品なのだろうが、残りを安い十勝牛で補ったところ異常な量に辟易としてしまった。

それでもドリップコーヒーで食後を過ごし、満ち足りた気分で眠りにつく。

外は風もなくちらちらと雪が舞う暖かい晩だった。

24日 起床5時。

ベース残しだったが6時半に出発できない、問題だ。

天候はまあまあ。右から尾根が合わさる辺りから薮も薄くなり、下りが楽しみになる。 皆の意欲的なラッセルで意外とあっさりと稜線に出たが、雪が少ない。今回降った雪ぐらいしかないのではないか。

K曰く「もし雪が降らなかったとしたらずっと夏山山行だったに違いない」。一転して降雪に感謝。

菅野温泉分岐を過ぎた小ピークからは小さな雪庇の出る雪稜となりスキーデポ。

雪はしまってアイゼンが心地よい。

このころから天気も急速に晴れ渡って糠平湖から大雪まで一望のもと。きつい登りだが眺望を欲しいままにして気持ちよく頂上に立つ。

管内の冬山第一歩である。風ひとつない頂上でゆっくりと全員お茶タイム。プレ正月

訓練になっていないかもしれない。

スキーまで戻っていよいよ滑降である。

雪は少ないものの軽くて自由自在。快感だ! Nに「顔がゆるみつばなしですよ」と言われても、もともとたいして引き締まってもいないうえに根が正直なもので戻らない。

あっという間に尾根への分岐へ。ここからは潅木を避けての?(避けようがないって…)林間滑降である。

僅かな空間をむりやり見つけては飛び込んでいって雪に埋まる。楽しい。天幕までほんの一瞬の喜悦の時。

撤収後は重荷と薮薮薮薮…に泣かされながら元来た尾根を下る。半数はシール着用である。

急斜面を苦労して降り、集材道に出てハア~と安堵のため息。ここからは道型を行けるので皆調子が出る。Fも「よっしゃ」とさらに調子に乗ってスピードをあげたのがいけなかった。

砂利面露出に全く気づかず、もろに引っかかって文字どおり吹っ飛ぶ。すごい転倒だったと言われるだけあってスゴクイ効ッタ。体は壊れなかったが、大事な新品ヤッケに3箇所の大穴、板もザックリ。

体よりずっと大事かもしれないのに…。ゆるみきった顔もさぞやひきつっていたことだろう。

その後は林道滑走の大家として定評のあるMがクロカン流で遥か先頭を行く。

追っかけるがついていけない。一汗かいて車帰着15時40分。

入浴後、F宅でクリスマスパーティが開催される。このためにFは丸3日間しゃかりきになって自宅の掃除に明け暮れたのである。うれしいことにさらにMMがコンビで乱入してくれたりして久々に賑わったF邸であった。

皆さん寄ってくれて本当にありがとう。楽しい一夜でした。

(茶房多種No.211記録・中澤)

ウペペサンケ山(糠平川冬尾根往復)

○1993年12月18日~19日

○L吉岡館山大山(男3名)

○コースタイム

18日 雪

07:50 糠平浄水道施設車止め

11:20 夏尾根登山口を過ぎて林道最奥の橋(Co910m)

12:35 Co1181mコル

13:45 Co1400m(C1)

19日 晴れ風強い

07:30 C1

09:03~09:20 ウペペサンケ頂上(P1835m)

10:30~12:00 C1

12:40 橋(Co910m)

14:25 車止め

正月山行の訓練として、ウペペサンケに登る。今回は夏道の登山口から林道を少し奥に進んだ橋から糠平富士と屏風山とのコル(Co1181m)に出るルートを選んだ。

このルートは冬季しか使えないが、夏道を行くよりは時間が少なくてすみ、1泊でウペ

ペに確実に登れるルートである。

糠平浄水場まで除雪があり、車はここに置く。ここから先にも除雪があったが、これを辿ると旧道の方へ続いているようだ。

登山口までのラッセルは20cmほどの積雪であったが、3か月も山に入っていなかったためか、随分と時間がかかってしまった。

前日の低気圧の影響が残っているのか、小雪まじりで対岸の屏風山もよく見えない。

コルへ続く尾根には造材道があって、適当に選んでいけば労せずにコルに立てる。

ここからCo1595mに突き上げる尾根にとりつく。

Co1300m辺りで急になるが、それ以外は難しい所はない。また、Co1400~1500m付近では快適なスキーが楽しめる。

1日目は適当な所で切り上げる。まわりは相変わらず見えないが、概ねCo1400m付近にいるものと思われる。

15時前から酒盛りを始めたので、たけなわとなる前にアルコールがなくなってしまい、19時過ぎには早々と寝るはめになってしまった。

雪は夕方には止んでいたが、風がだんだんと強くなってきて、夜は一晩中うなっていた。

翌日は晴れていて木の間から頂上も見えていたが、稜線に出ると風が強い。油断していると凍傷になりそうである。

Co1696mの手前までスキーを使い、後はアイゼンを利かせて糠平富士頂上へ。

ニペや丸山は良く見えているが大雪の方は雲の中。十勝岳の連中はさぞかし叩かれていることだろう。

空は青いが風は冷たい。15分ぼどで退散。

それでもテント場に着くと風は当たらず、まことに快適な一時を過ごす。ゆっくりと昼食を取って下山する。

林道は昨日のトレースがすっかり消えていて下りのラッセルをするはめとなったが、上りの半分の時間で車に辿り着く。糠平湯元館でゆっくりと汗を流して帰る。

(茶房多種No.187記録・吉岡)