日本はこれまで紹介した以外の特攻兵器も数多く製造しました。
ここでその他の特攻兵器の一部を紹介してみましょう。
梅花は木製(一部鋼製)の胴体と主翼を持つ飛行機で、パルスジェットと呼ばれるジェットエンジンを搭載した特攻兵器です
弾頭は「桜花」と同じように機首に250kgの炸薬を搭載し、パイロットが操縦して敵艦船に体当たりするように設計されていました。
特徴として、このパルスジェットの燃料には簡単に手に入る松根油が使用でき、戦争末期の燃料不足に対応した構造となっていました。
「梅花」は実戦には使われずに終戦を迎えています。
小型のベニヤ板製ボートの船首に250kgの炸薬を搭載し搭乗員が乗り込んで操縦して、上陸しようとしている敵艦に体当たり攻撃する特攻兵器です。
震洋
陸軍「マルレ」と似ていますが、こちらにはロケット弾2発が搭載され多少の攻撃もできたようです。
2人乗り用もあり、こちらには機銃1~2丁が搭載され、指揮官用艦艇として使用されたようです。
陸軍の「マルレ」と共に出撃したと言われています。
これもベニヤ板製のボートで、トラック用エンジンを搭載しており、船体後部に250kg爆雷を装着し敵艦船に体当たりする特攻兵器で、約3000隻が建造されました。
海龍は小型潜水艇で、人間魚雷 「回天」とは異なり敵艦船の近くから魚雷を発射して敵艦船を攻撃する事ができました。
海龍(レプリカ)
本体艦首部分には600kgの炸薬を搭載しており、実際には魚雷は搭載せず自ら敵艦船に体当たりする特攻兵器として利用する予定だったようです。
実戦には使用していません。
伏龍は潜水服を着た兵士が海底を歩いて敵艦船に近づき、長い棒の先に付けた機雷で艦底部分をつっつくと艦船が爆発するという、「どうしてそんなことを思いつくのか?」と信じがたい最狂最悪の特攻兵器です。
人間機雷「伏龍」(模型)
この潜水服には兵士が吐いた息(二酸化炭素)を再利用する装置が取り付けてあり、海面に気泡を出さずに潜る事ができたといいます。
これも実戦には使用されていません。