失われた圕

序章

 現実の世界の圕。

時間が流れ、失われた書も存在する。

分岐が続いた結果、

無数の平行世界が生まれた、その結果、時を測る事が出来なくなった。


 遥か未来の時代、世界に分岐が生じ、

平行世界は異なる平行世界に影響を与える、


 つまりこの世界では時間は存在せず、選択のみが存在する。

ゆえにドルミエンテの圕で全ての平行世界の事象を記録する事が出来なくなった。

文字の時間、それは数字ではなく文字で表現される時間。


 他にも虚数の時間や非数の時間が存在する。

"氷の時間"、その空間は凍り付いた。

"雷の時間"、その空間に終わることの無い雷鳴が轟く。

この時代のリシュは、時を超えて虚数の時間を目指した。

第Ⅰ話

 虚数の時間は、

実数の時間からは虚数として観測される時間だが、

虚数の時間は空間の方向性として存在している。

時が流れ新たな時代が始まる。


 幽六花歴 24000年、天空にある船は、

地球を見渡せる船。

無風の衣を纏う者は、

静かなる幽字の圏にたどり着く。


 「ここが夢現世界の幽字の圏」


 幽字の圏から海へと向かい、

その近傍に幽世が存在する事を発見する。

つまり夢現世界の存在は死後、幽世にたどり着くのだ。


 同時刻、夢現世界の囹圉にて、

囚われた勇者は、

不可能図形を描いた。

第Ⅱ話

 美しき世界を探して。

永い時間、その永い命は、

永遠に探求し続ける。


 これまでの旅で別れも出会いもあったが、

旅が終わる事はまだない。

旋律は心を眠りへと誘った。


 さあ珠玉を持つ旅人よ、

終わることない時間の中、

天空は泣き、空から雫が落下する。


 旅の最後

レヴァリエの"光学"を知ることになる。


 「これは固有の鍵のフィロソフィー」


 「異なる星系の者を近づけないためか」


 そして非数空間にたどり着く。

"誓約"、それは失効(ディスペル)が不可能な効果である。

第Ⅲ話

 不変の都にて。


 「第Ⅰの代数に第Ⅱの代数が添加(コラージュ)される)」


 レヴァリエ空間の固有の鍵は分離する事は出来ない。

それゆえ、レヴァリエ空間の固有の鍵の代数が、

異なるレヴァリエ空間の幽字の代数と添加(コラージュ)されると、


 二つのレヴァリエ空間が融合する。

それはかつて凪のドメインの第Ⅰの書に第Ⅱの書が添加(コラージュ)される事と同じ原理で、

レヴァリエ空間単位での添加(コラージュ)である。

強制的に虚構(レヴァリエ)を添加した結果、


 二つの虚構(レヴァリエ)にもつれが生じる。

レヴァリエ空間の深淵に、

幽字の代数は位置する。

幽字の代数を探すうちに、

ソーサラーは地下遺跡を発見する。


 「この領域は...」