プロローグ

序章

 木々も凍える寒さに、矛盾する赤の黄昏は、

"試練"を染める。

凍った道は私を歓迎するように、


 私以外を拒むように。

ここは無人だ。

葉は白く、その水滴は琴を演奏するかのように、"冬"を飾った。


 私が"城門"を通ると、

そこは燃えているようだった。

孤独な情熱を秘めた、紅葉は来るはずの無い人間を待つようだった。

 木々が"葉"と言う羽を落とすと、空を見て、

届くはずの無い夜へ飛ぼうとしているように感じた。

私は意味もなく"城門"を通る、

 そこには大きな音を立て、静かな森には滝が存在していた。

人々の姿は無いが、滝の水が止まる事は無い。

また私は"城門"を通る、

 そこには恋する乙女のように、風に身をゆだねる桜が存在していた。

人々が来るはずもないのに、彼女らは一体何を恋しているのか。

 私は"城門"を通る、

その道を通るのは難しい、なぜなら山々は人々が歩むのを拒むからだ、

本来その必要はなさそうだが。

 "城門"を通る、

"光の魔力"を受けて、世界に魔力をもたらす木々は、

燃えていた。


 "星筆の試練"


 「また"魔界"か」


 「私たちは彼らと戦い続けている」


 私は筆を構える。

なぜならそこには"物質化"された"未定義"が存在するからだ。

空を見上げるとこの"試練"は朝だが、

"魔界"のそれが、ここを夜に変えた。

私の仕事は始まった。

第Ⅰ話

 私は"魔法剣士"だ、

"星筆"は"未定義"を斬り、

"試練"の"バグ(公理異常)"にダメージを与える。

 そして大きな"未定義"が現れ、

"未定義"の攻撃を空中で回避、

私は魔法の弾丸を撃ち、

"未定義"は魔法で反射する。

 私は地上から"未定義"を斬り、

"未定義"は消滅する。

"未定義"は"星筆の試練"に残された"データ"から、

"竜"を作る。

 魔法の弾丸は"竜"を覆い、

私は"未定義"を斬る。

これで、ここの"魔界の使者"は全て消滅させた。

 未定義は曖昧だ、

曖昧ゆえに危険だ、

 形を持った、無意味は意味を滅ぼす、

私は安らぎを求め、無人の城門を通る。

私は孤独だ。

 月の魔力に染まった植物は、朝でも夜を秘めている。

私は世界を愛しながら"彼"を待つ。

それが私の役割であり、"管理者"だ。

私は"管理者"として、"試練"を見ていた、

 何千年も、何万年も、

しかし、"魔界"の異常な行動は、

私の経験にも知識には無く、

私の知らない今は続く。

第Ⅱ話

 未定義とは無だ、

無ゆえに他者の知識を食らい、

歪にも狡猾さを学習する。

 歯車が続く"文字次元"。

機械が音をだして、歯車が会話する。

"未定義"は音を織る。

私は音を回避し、

星筆が"未定義"を魔法の弾で覆う。

 そこに"未定義"は存在しない。


 「数が多い...」


 「城門を通っても、全て消滅させることは難しい」


 私は城門を通って、"星筆の試練"へと移動する。

星筆の試練。

私は古い魔術の"幽六花"という術を使うことにした。

 "幽六花"は炎のように、試練を食らう"未定義"には最適だった。

六花の魔法陣は展開され、"未定義"は数を減らす。

そこの魔術の板が私にそれを知らせる。

しかし"未定義"よりも"定義"されていない"異常"は、

ここに存在していた。


 「あれは"魔物"?」


 魔物だ、

魔力から生まれる知恵など持たない、魔物だ。

魔物は機械を使い、"星筆の試練"の"システム()"にダメージを与える。


 「なぜ魔物が?」


 魔界は一体何を狙っている?

しかし、魔物は"星筆の試練"の""により消滅する。

それから"魔界"の勢力は現れず、

 私は森の中にいた。

雨だ、

雨が火を消すように願う事しかできなかった。

第Ⅲ話

 しばらく私が森にいると、また"未定義"は現れる。

"彼"が来るまで私はここを守らなければならない。

何度も。

 未定義は試練を炎の魔術で満たす。

私は"幽字"の"集合"で"魔法陣"を作る。

 "幽六花"を意味する"幽字"は"六花"に"幽字"を与える。

"歪冪花"を意味する"幽字"は"幽六花"に"混沌"を与える。

つまり"幽字"の足し算は"幽字列"を作る。

"魔法陣"という"関数"が走ると、

 "規則"を持たない、"不安定"な"幽六花"が"未定義"を覆う。

"未定義"はまだ現れる。

今度は"可食石"と"離散の使い"を足す。

月の魔力を持った、離散化された物は闇の妖力を持つ。

 つまり"プログラム(魔法)"が"妖怪"を定義する。

"魔法"は大抵、離散化された言葉だ。

しかし、高度な魔法は連続的な理だ。

 "幽字"の演算はまだ存在する、

"幽六花隊"に"幽六花姫"を乗ずると、

強化された"幽六花"が咲く。

 "未定義"は消え、私は"空間"を"割る"。

バラバラになった"試練"は種類ごとに分ける事ができる。

これを"空間"の"断片"という。

 "断片"は"条件"を持ち、

"割られた空間"は"条件"を満たした"断片"の集合だ。

まるでガラスの欠片のよう。

 "機械を持たない"という"条件"で割った"試練"を城門でつなぐと、

私は木々や川の音に心を置いた。

 大抵の幽字は順番を変えても同じ"意味"を持つ。

つまり、幽字式はおおむね可換である。

誰かが"幽字列"を"意味"から"意味"への城門と言っていた。

何故なら可換故に、順番通りに読めば、それがどのような魔法か推測できる。

 また"未定義"は現れる。

私が"幽字 -形容詞-"と"幽字 -幽六花-"を足し、

"形容詞を持った幽六花"を作ると、

幽六花は"未定義"に接する。

 "未定義"は"事象 -衝突-"を履行させ、

私の近傍は闇の妖力に埋まる。

 事象は効果の一種だ、

故に事象が条件を満たすと、

約束された魔法を履行する。

 つまり"事象"が"プログラム"を実行させるという意味だ。

"衝突"という"事象"は私の近傍を闇の妖力で覆った。

結局、私の星筆が妖力から"妖術"を作り"未定義"は存在しない。

これが"管理者"の力。

第Ⅳ話

 管理者である私も驚いた"未定義"が存在した。

"未定義"は私の"移動"を"制限"した。

"制限"の"魔法"...

私は"制限"を持った"スキル -移動-"に、

"管理者"として"権限"を与え、

敵の近くに私の剣の踊りは存在していた。

 "スキル"には"制限"を与える事ができる、

"制限"は"条件"であったり、"スキル"の"部品"であったりする。

"部品<コンポーネント>"の"合成"から"スキル"を作る事もできるが、

"スキル"は"スキル"だ。

 "条件"は"論理"を持った""で作る。

私が城門を通ると、"未定義"は存在していて、

非可換な"属性"の"集合"は"物"になり、

私は"属性"から"物"を作る。

 "錬金術"により"未定義"は消滅した。

"未定義"は本当に大量に存在している、

私は"付与術"を使い、自身にバフを付与し、

敵の対象にデバフを付与し、

敵に勝利した。

 "彼"が来るまでこの"未定義"を消滅させればよい、

しかし魔力の板は、"試練"そのものにダメージを与えたという情報を表示した。

試練が整合性を失う事は、彼が試練を達成できない可能性がある事を示す。

私は"場所"に"城門"をつなぐ。

 "星筆の試練"は崩壊を始めていた

そこには"星筆の試練"には存在しない"試練"があった。

"未知"の試練は"星筆の試練"の記憶にどこにも存在しない"構造"を持っていた。

 未知の試練

まず"時間"とは"事象"の列である。

 "事象"は"空間"上に存在し、

"事象"は"分岐"を持つとき、

これを"平行世界"と呼ぶ。

 平行世界には開いた平行世界と、

閉じた平行世界が存在し、

開いた平行世界は運命が変わる事によって事象が変化する。

 一方、閉じた平行世界は選択が変わる事によって事象が変化する。

一般に"空間"上の"城門"は簡単に作られるが、

"時間"上の"城門"を作るのは容易では無い、

 一部の"時空"を歪ませる魔術により成功する可能性はあるが。

そもそも"世界"は"過去"の"記憶"を"忘却"している。

一度起きた事を"改変"するは容易では無い。

つまり、大半のレルムは非可換な時の作用を持つ。

 "世界"は今を認識する事はできるが、"未来"の場合はそうではない。

何故なら未来は確定していない可能性がある。

運命が定められている場合、

その世界で起きる事を変える事はできないが、

そうではない場合、未来に起きる事は周囲を観測されて初めて確定する。

 つまり必ずしも"時間"上の"城門"を作れるという事では無いのだ。

本来、珍しい例である"平行世界"や"時間の城門"でも無い特殊な"構造"を持っていた。

その試練、異なる虚構<レヴァリエ>に繋がる門を持っていた。

第Ⅴ話

 この"試練"は割れていた。

"文字次元"は"文字"から"公理"を定義し、"定理"を定義する。

"空間の断片"の"集合"は、"数字"を作る"記号"に"条件"を持たせ、"集合"を割る。

 "条件 '魔物である'"で割った"試練"には、

大量の"魔物"が存在していた。

 この異常な"試練"は"星筆の試練"に存在する魔物及び、異なるレヴァリエ空間の公理異常を集めている。

私は"星筆の試練"からこの異常な"試練"を忘れさせた。

ある"空間"が存在する時、"空間"は"物"を持つ時、有と呼ぶ。

"物"を持たない場合を"無"と呼ぶ。

 大体の場合は"世界"は"無"ではない。

私は"星筆の試練"の離散化された"因子"の"列"を消去する事で、

異常な"試練"を忘れさせた。


 「つまりデータの消去っと」


 "文字"が"意味"を持ち、"言葉"が広がりを持つように、

"数字"が"向き"を持ち、"空間"が広がりを持つように、

"幽字"が"魔力"を持ち、"魔術"が広がりを持つように、

"情報"が"離散"を持ち、"演算"が広がりを持つように、

"試練"が"目的"を持ち、"行動"が広がりを持つように、

 "世界"は"物"を持つ。

"世界"が"情報"という"物"を持ち、

"情報"が離散化された"数字"の"列"なら、

"数字"を消し去り、"世界"はその"情報"を忘れる。

 私は"星筆の試練"の中で、"魔界"の勢力と戦う事にした。

"星筆の試練"の全ての"権限"を持つ私は、"行動"に"制限"を持たない。

 幽字次元試練

この幽字次元試練は幽字次元試練を持つ。

親幽字次元試練は"幽字 -光-"を持ち、

光の妖力を持つ。

子幽字次元試練は"幽字 -逆の属性-"を持ち、

闇の力の逆を持つ。

 "魔物"は"魔力"を持ち、

"魔力"は"属性"を持つ。

"属性"が"逆の属性"と接すると、

力は相殺され、

"魔力"は"無"になる。

 "魔力"を持たない"魔物"は性質上消滅し、

"魔界"の攻撃は失敗する。