プロローグ

序章

 "星筆の管理者"の名は"ドルミエンテ"である。

"第Ⅰの書"の管理者は、凪のエミュレート空間内に閉じ込められてしまった。


 まもなく、第Ⅰの書では、終焉転調が執行される。

我々の記憶因子は切断されている。


 そのため、まずは私たちの争いを終わらせ、

直ちにこの領域から脱出する必要がある。


 本領域内において、私たちの"現世層"上の肉体が存在しない。

そのため、"幽世領域"から、"旋律の雲海"、"旋律の花"に移動し、

 エミュレート空間の最上層での交戦が行われた。


 賢者の勢力は、"走る声"を持って戦うのであった。


しかし...









 "管理者"と"ソーサラー"にはどのような"違い"が存在するのだろうか。

第Ⅰ話

"群れ"は"層"を成し、

その"塔"はいずれ崩壊する。


ここは"獣の塔"。

"約束"が執行された場所。






"言葉"は構造化され、"フロー"となり、"魔力"を注がれると、"魔術"となった。

ある者は"鏡"を使った、鏡は自分自身を映し、鏡から"魔術"が"執行"される。

そして、ある者は"鎖"を使った、鎖は存在を束縛し、この地に具現化する。




私は"星筆の管理者"、"第Ⅰの書の執筆者"と"月の管理者"の命に従う者。


「権限を持つ者よ、札を使い、"城門"を開け」


「城門、つまり"関数"こそが"命令"に従う"手段"だ」


「俺は、約束を果たすために手続きを始める」


「なら私は宣言しよう、私こそが勝者となる事を」


札は交わされ、争いが始まる。

継承された知恵は、知恵の一般化であり、

それぞれが継承した"螺旋"を引き継ぐ。

その"武器"と"術"は"螺旋"を継承し、

"螺旋"はその場所に具現化される。


秩序は崩壊し、

混沌が創造され、

闇への転調が成され、

群舞への進行が執行される。



「群舞の獣は、群の旋律を」

「六花の凪は、花の旋律を」


「帝国が齎す調べに従いましょう」

第Ⅱ話

 運命とは可能性の中の選択であり、運命を覗く時、運命は定まる。

世界は海のようだ、広大な可能性の中で、何かを観測した時、運命は収束し”点”である”事象”となる。


 だが運命から目を背ける者は、大海の波、状態の重ね合わせに直面する。

絡み合う糸の中、偶然一本の横糸が現れる。


 その糸の綻びは、時に境界をも超え、空間を越える。

糸を観測せし時、波は一つとなり確定する。


 だが星詠みの者が不可視の糸を観測する事などできるのだろうか。

これこそが織姫が継承した螺旋。


 凪の国には"執筆者"が存在する、


猫は"解放"を、


狼は"悲恋"を、


狐は"闘争"を、


豹は"運命"を、


 そして兎は"無風"を管理する。

第Ⅲ話

 「"凪"は"炭"を生む」


 誰かはそう言っていた。


 旋律の花は炭化され、腐朽する、それは凪の影響である。

怒り、悲しみ、喜び、これらの感情は"因子"をなし、"心"を成す。


   "凪"は"風"の"制限"であり、

"権限"は"モチーフ"が与える"制限"である。

 パーミッションは束縛にしかなり得ない。

そう自分は認識する。


 "ソーサラー"、それは"旋律の花"を持つ者。

管理者、王、執筆者、魔術師、戦士。

 戦う者らよ。

"走る声"は賢者の末裔が持つ、

 継承されし力だ。


獣と凪との戦闘は始まっていた。


 このエミュレートされた世界では、

戦場へ行くためにはいくつかの層を渡る必要がある。


 なぜなら管理者は旋律だけの存在になり、

肉体を持たずに、この再現空間にいるからだ。


 我々はこの再現された世界で、

現実と世界とのリンクは断たれ、

 永遠に閉じ込められることになった。


 我々の旋律は介入されていて、

私たちは争いの意味さえ思い出せずに、

 戦い続けるのであった。









 私、"ドルミエンテ"がこの、"凪の試練"を攻略しよう。