イコライザーとエンハンサー

序章

 また混沌への城門は開かれた。

三本の柱が回転しながら、虹色の変色している。

それは混沌であり、無理解、未定義の世界だ。

自分が望んだ秩序とは違った。

案外、私も魔界側の人間なのかもしれない。

"調べ"への城門が開かれる。

調べは心を映す"鏡"なのだろう。


「どうして理解をやめたのに、あなたは世界に存在しているの?」


知らない。


「混沌と秩序は対の価値観、世界はやはり無意味だ」


知らない


「この世界は皆が価値観を認め合うなど不可能に等しい」


知らない!


近傍に鬼が現れた。














人魚は歌う。






そこは未定義のみが存在する文字列次元だった。

私は杼を呼び出し、糸をセットした。

私の糸は対象に試練を与える、試練に失敗した場合は消滅だ。



















ねえ、どうして私は私なの?




「やあ管理者さん、秩序の混沌、"矛盾"はもう体験したかい?」

第Ⅰ話

「皆、聞け」

「まず星筆の管理者が"ネガティブ"に依存した」

「次に"第Ⅲカヴン -ベガの杼・奏-"が"イコライザー"に"パッチング"された」

「なあ、奏ってなんだ?」

「"魂"を持った"対象"の事だ」







「理解不能の価値観の違いは大きな争いを生成したか」




"第Ⅰカヴン"が現れる。




「どうして勇者の世代を"カヴン"と呼ぶんだ?」




「魔界が勝手に名付けただけだ」




そこに"調べ"への城門である織機が生成される。




織機は主張している。



「どうしてみんな私の事を理解してくれないんだ!」

「これは"悪意"の集合?」

「始まりは試みだった」

「お互いの価値観を理解しようと試みていた」

「だが結局、衝突しあうしか道は無かった」

「重さをもった属性と軽い属性の違い」

「魔術は空想だ、軽い」

「だが現実は重い話が続く」

「魔術は空想だから"律"を定義できない」

第Ⅱ話

第Ⅱカヴンは暗黒世隊と魔界との戦いで苦戦を強いられていた。




そこに"管理者"は現れる。


"狩人 -ヴェルデ-"から翼は生え、彼の真の強さが解き放たれる。




「覚醒だ」




「...ヴェルデ?」




「ああ俺は"疾風の王 -ヴェルデ-"」




"風船"は形成され、風が彼らを消滅させた。




「暗黒世隊の数が減ってる!」




しかし、そこには"イコライザー"と"パッチング"された、"第Ⅲカヴン"が存在していた。




「世の争いを終わらせるため、等しく己の意志を眠らせよ」




「世の争いを終わらせるため、等しく己の意志を眠らせよ」




「世の争いを終わらせるため、等しく己の意志を眠らせよ」




再び管理者は現れる。




"月の管理者"の力により、イコライザーは消滅する。




「"セッション"するぞ」




「ええ」




2人の管理者はネガティブに囚われた、"星筆の管理者"へと向かった。




そして"星筆の勇者"、彼は管理者から継承した力で3人の魔人と戦っていた。




「"走る声 -風-"!」




魔人は"結界"を足場にし、


"箱"を形成する。


勇者は回避するが、"時筆"が時空を改変する。




勇者は痛みを受け、3人の魔人に囲まれた。




























そこに"賢者の糸"は現れる。

第Ⅲ話

"世界転調"の時。




青い。




紅い。




白い。




黒い。




そして紫にして緑の吐き気。




私は私を知らない。




けど私が"あなた"を求めている事を知っている。





























「あれが"星筆の管理者"の"ネガティブ空間"?」




「いやあれは"短い世界"だ」




「?」




「俺らは"共有"の力であの世界を認識している」

































音だ、ただ音が続いていた。







願いとは無価値である。






私が感情だけを理解し、言葉を捨てたなら。














ははははははははははは!



















「これは感情ですか?」




「ああ、"世界転調"の始まりだ」




混沌の使者が現れる。




「暗黒世隊!」




「"共通部分"と"共有"そして"共感"の終わり」




「長い"平和"の時は終わり、ついに世界転調が始まる」




「メジャーの世界のキーはついに、マイナーを迎える」

第Ⅳ話

連続な国。


尖りを持たず、いくらでも拡大可能な領域。


連続な国かつ"編集できる存在"。


編集できる存在は時に"脆弱性"を持つ事がある。


"同じ城門"、それは等しい"脆弱性"を持つ存在を変形する魔術。


4つの城門。


共有する城門、2つより新たなる存在を作る足し算の城門。


それは追加の城門。


否定する城門、2つの内、1つを排除する引き算の城門。


それは消去の城門。


交わる城門、2つの内、共通部分の結果、掛け算の城門。


それは共有の城門。


仲間の城門、条件を満たす断片の集合、割り算の城門。


それは商の城門。


4つの城門を満たす"存在"。


組。


我々の"個性"。


何故、自分を自分たらしめるか。


私たちは非実在と物質のペアなのではないか?


物質の国、"実世界"。


非実在の国、"虚世界"。


実虚交えるコラージュなる存在の空間を"コラージュ空間"と呼ぶ。


組により向きは生まれ、その概念を存在と呼ぶ。


歌は彼らを"巨大化"する。


"環"。


それは乗ずる城門と融合する城門を持った者。


"環"と"存在"、それらは"群れ"を成す。


城門は許可を持つ。


その許可の種類によって名前を変える。


数もまたどの許可の城門を持つかで名前を変える。


"数"から作られた"形"。


イコライザーを失った世界は、転調を試みた。


階とは表現因子の集合である。


また調もまた階の1つだ。


そして属性の律も階である。


また肉体の対は精神。


特異の歪みと混沌は秩序ではない。


だが完全なる秩序が禁じられているなら何を信じれば...


そしてもう1つ、この世界には秩序が存在する。


世界の夢に桜が咲く。


千紫万紅、天衣無縫、胡蝶の夢。


重き力に独立なる胡蝶に制限の城門は存在しない。


記憶より作られし非特異空間は規則の初期化。


プログラムの初期化を試みる。


硝子細工は魂の調べと脆弱性を持つ。


花火それはメジャーの花。


扇は環の制限。


灯篭は向きを持たない長さ。


そして庭園とは花の集合。

第Ⅴ話

それはどこかの国。




扇が並び、桃が誇らしく咲き誇る領域。




そこには絵があった。




ある変わった絵師がいた。




その絵師は絵の小ささを見ていた。




まず初めに彼の絵は正方形の集合である。




絵上の集合の濃度を粗さ、小ささ、重さなどと表現する。




絵上の色の連続性を深さと表現する。




"表現"とは何か。




それは"代数"の者より作られし"線形世界"である。




時に"表現"は文字列の断片を表すことがある。




この絵はとても短い。




概念の長さとは調べ的な"調"である。




長さにはメジャーとマイナーが存在する。




短い対象を暗いと呼ぶ事がある。




調は階の一種である。




階は表現の集合である。




表現には種類がある。




言葉は文字の集合。




数学は数字の集合。




音楽は音の集合。




絵は色の集合。




織物は糸の集合。




調は音楽の概念であるが"同一視"および"一般化"によって"絵"に適用できる。




そして表現の集合を"作品"と呼ぶ。




作品は断片を持つ事がある、




作品の断片を"様式"または"文化"と呼ぶ。




この表現者は"ドット絵"文化を創造しようとしているようだ。




断片は商である。




表現の高度を考えよう。




青い色は高く、




低音は文字通り低い。




色とは可視な"波"である。




音とは可聴な"波"である。




物とは"波"を持った断片。




魔術は魔力の"波"を持つ。