幽字の列

序章

私は"星筆の試練"に"幽字次元試練"を作ったかが、


"魔界"の"勢力"は攻撃を止めない。




"魔物"が現れた。


"魔物"は"超能力"を使い、


私の近傍を"雷属性"で埋める。




私は"呪い"を持った"記号"の"列"である、


"呪文"を唱える。




"魔術"は"城門"を持った"呪術"であり、


"妖術"は"代償"を持った"魔術"である。


"代償"は"条件 -'魔力ではない'-"を満たす、"事象の発火"である。




"呪文"を唱える時は、"呪力"を持った"記号"である、"幽字"を使う。


"呪文"を"記号"で表す時、"幽字"と"記号"の"列"が、


"式"に見えるので、"幽字式"とも呼ばれる。




私が"幽字式"を唱えると、"雷属性"は消滅する。




敵が扱う"超能力"は、"幽字"を持たない"城門"のようだ。


"超能力"は"スキル"では無く"技"である。


そのため、他者の"超能力"を扱う事はできない。


なぜなら"幽字"を持たない、ゆえに"再現"ができない。




また"技"は"管理者"の"権限"を使っても"アクセス"できない、


なぜなら自分以外が、アクセスできないような"構造"だからだ。




私は"幽字 -岩-"と"幽字 -幽六花-"を持った"幽字列"を唱え、




六花の姿をした岩は、幽字に包まれる。


"魔物"は消滅する。




私が城門を通ると、


そこには"バグ"を持った"システム"が存在していた。




バグを持った"システム"は"魔界"により"物質化"されている。


"物質化"された"システム"は"試練"の"記憶"を書き換えようとしている。




私は"システム"を"魔術世界"に移動させた。











幽字次元世界




"魔界のシステム"に攻撃を試みるが、


"魔界のシステム"はダメージを受けない。


"魔界のシステム"は"論理"を持った、"論理城門"を扱う。


"魔界のシステム"は攻撃を否定していた。




"論理"は"事象"を制限する。


"事象"は"論理"が"真"の時のみ起こる。


"論理魔術 -否定-"は"真"の時、"偽"を返し、


"偽"の時に"真"を返す。


"論理"が常に"偽"を返す時、


それを"論理"の"矛盾"と呼ぶ。




"偽"を持った"事象"は大体の場合は、


"世界"に存在しないと言われる。




私は敵の論理を否定し、


敵は論理を乗ずる。




"数字"の"積"は"和"の反復であり、


"集合"の"積"は"共通部分"だ。


"論理"の"積"は"集合"の"積"と似ている。


"論理"の"積"は全ての"条件"が"真"ならば、


"真"を返す。




"敵"の"城門"は2つの"条件"を持っていた。


"条件 -1-"は"条件 -'真である'-"であり、


"条件 -2-"は"条件 -'魔力ではない'-"である。




敵の"論理"の"積"の"評価"は、


私の"魔術"により、"条件 -2-"は"偽"を返した。




"論理魔術 -積-"は全てが"真"ならば、"真"を返す。

第Ⅰ話

"魔術"上の"論理"は"矛盾"を持たないという"制限"を持つ。




敵は論理を乗じ、


論理は偽を返した。


私は論理を足した。




"数字"が"積"と"和"を持つように、


"論理"も"和"が存在する。




"論理"上の"積"は、全てが"真"ならば"真"である。


"論理"上の"和"は、1つでも"真"ならば"真"である。




"論理式"は"真であり かつ 魔力ではない"が"式 -1-"であり、


私が足した"論理"により"論理式 -'「式 -1-」 または 魔力である'-"となる。


"式 -1-"は"偽"を返し、


"論理"の"和"により、


"論理式"は"真"を返す。




"偽"により閉じた"城門"を、"真"を持った"論理"の"型"で開く。


私の筆は"物質化"された"システム"に接し、


"システム"は消滅する。






私は"試練"を"条件 -'機械を持たない'-"で割り、


"試練の断片"に"城門"を開いた。






桜色の山々に風が吹く、舞い踊る葉は喜んでいるようだった。




私が桜色の山に存在していると、魔界の勢力は現れる。




魔物は"可能性"を奪った。


ある"スキル"が"可能"であるならば、"権限を持つ"と言い、


ある"スキル"が"可能"ではないならば、"権限を持たない"という。


私は"魔術"を扱う事が"可能"ではなくなった。




ある部品への"権限"を"許可"という。


"変える"事が"許可"される時は、"可変"と呼び、


"読む"事が"許可"される時は、"可読"と呼び、


"視る"事が"許可"される時は、"可視"と呼び、


"行う"事が"許可"される時は、"可能"と呼び、


"戻す"事が"許可"される時は、"可逆"と呼び、


"交換"が"許可"される時は、"可換"と呼び、


そして"可逆"の"逆"を"可塑"と呼ぶ。


また"可逆"は"逆"を持つ事を意味する。


例えば、"光"の"逆"は"闇"で、


"炎"の"逆"は"氷"だ。


属性が逆を持つとき、属性が"可逆"であるという。




別の例をあげると、"幽字"は"可換"だ。


"交換"しても"性質"が変わらない事を"可換"という。




私は"管理者"の"権限"を使い、


"魔術"に"可能性"を与える。

第Ⅱ話

私は魔物を倒し、それからしばらくは魔界からの攻撃は無かった。























星筆の図書館




そこで私は本を読んでいた。











『"抽象魔法属性論"における律』




 "律"とは何か?

それは魔術師たちにとって、長い間の疑問であった。


 本書では、過去の魔術における"律"と、

近代的な"律"について扱っていく。




 ・標準律


 平均律が発展する前の時代。

標準律という物が発展し、今でも扱われている。

標準律は主に、"歪みを持った濃さ6の属性の空間"である。


 標準律は平均律では無い。

故に属性に歪みを持つ。

 では何故、標準律が使われたか?


それは最も効率よく、魔力が扱えるからである。


 しかし標準律は歪みを持ち、近代魔術ではあまり使われない。




 ・平均律


 そして近年では魔術の抽象化が行われている。

そのため、かつての標準律は使われず、

より"属性の合成"が容易な、"平均律"が使われている。


 二平均律は"炎"と"水"を持つ。

 四平均律は"炎"、"水"、"土"、"風"を持つ。

 六平均律は"炎"、"氷"、"水"、"雷"、"風"、"土"を持つ。


 また五平均律という律も存在し、"炎"、"土"、"金"、"水"、"木"を持つ。




 次に"幽数字抽象魔法属性論"における、"律"も紹介する。




 ・推移律


 属性における推移律は、

三つの属性が存在し、一つ目の属性と二つ目の属性が"関係"を満たし、

二つ目の属性が三つ目の属性と"関係"を満たす時、三つ目の属性が一つ目の属性が"関係"を満たすと、

属性の推移律を満たす。




 ・反射律


 属性における反射律は、

ある属性の集合が存在し、全ての集合の属性が自分自身と"関係"を満たすと、属性の反射律を満たす。




 ・対称律


 属性における対称律は、

二つの属性が存在し、一つ目の属性と、二つ目の属性が"関係"を満たす時、

二つ目の属性と一つ目の属性が"関係"を満たすと、属性の対称律を満たす。




 また"属性の律"が推移律かつ、反射律かつ、対称律を満たす属性の関係を同値律と呼ぶ。

そして幽数字抽象魔法属性論においては、"写像"は"関係"であるが、"城門"は必ずしも"関係"ではない。

"写像"は"可読"な"城門"であり、"アクセス"は"許可"を持った"城門"、

そして"参照"は"可変"かつ"可読"な"城門"であり、

"城門"は必ずしも"許可"を持たない(許可を持つ事もある)という"主張"がよく見られる。













『現代魔術師の"合成属性論"』




 近代においては、属性の衝突を利用した"錬金術論"が議論されている。

それと同時に、属性の融合を利用した"合成属性論"も発展している。


 本書では主に"合成属性論"について。

それと属性の融合と衝突、"錬金術論"との関係を扱う。




 ・合成属性論


 ここでは属性を"平均律"であると仮定する。


 例として"炎"と"氷"の和は"光"である。

また"炎"と"風"の和は"水"である、これらは古典的な属性の範囲である。


 しかし、"炎"と"水"の和は"毒"、"水"と"風"の和は"木"、

"雷"と"土"の和は"金"といった、六平均律に閉じていない属性が存在する。


 そして属性の威力が高いほど、属性が"安定しない"。

また六平均律と五平均律、六平均律と四平均律などは"互換性"を持たない事が分かっている。




 ・融合と衝突


 属性が融合、つまり属性の足し算では、

属性同士の向きを融合する。


 これらは"重さ"を持たない"属性"での話だ。


 最近では"尖りを持った"魔力の波についても考える。


 魔術的には、物が衝突する条件は、

物が持つ魔力の波が尖りを持っているという事である。




 本書では以降"尖りを持った魔力"を重い魔力及び重い属性と呼ぶ。




 属性と波の関係はいまだに分かってはいない。

しかし重い魔力は衝突し、"軽い"魔力は融合する事が分かっている。

ベガの杼の鉱石図鑑

・可食石


 可食石は多くの魔力と妖力を持つ、

 数が少なく希少だ、魔力中毒に気を付けよう。




・幽六花の岩


 幽六花の岩は"幽六花"を物質化させる。

 ベンティスカの魔術師がこの岩を作った。




・薄雲水晶


 薄雲水晶は魔力、電気、熱、属性を良く通す、

 また高い強度を持ち、武器によく使われる。




・不変鉱石


 鉱石の中には三角形の模様などに満たされる。

 硬度が非常に高く、防具に適している。




・荒波結晶


 結晶の中の海に、荒波が見える。

 魔力を良く通し、機械に良く使われる。

第Ⅲ話

私は"星筆の管理者"では無くなった。



























私は"管理者"の"権限"が奪われ、


私は他の"試練"に"可動"では無い。




私の視界には"魔界の使者 -権限-"が存在していた。


私の近傍は"'権限'文字列次元試練"となり、


"星筆の試練"の"権限"は"魔界"が奪った。











「何故、私の権限が!」




私は"属性"の板を見ると、


"試練"は"魔界の勢力"が、"試練のコンパイル"時の"脆弱性"を利用した事を記憶していた。










"コンパイル"とは、


離散化された文字列を、離散化された数列に変えるスキルである。




コンパイル時の脆弱性により、管理者の権限は魔界の勢力に奪われる。




"可歪"な空間は、"幽六花"の"秩序"を奪う。


"可塑"な空間は、不可逆かもしれない変化を受け入れる。




私は"試練"に対するスキルに"不可能"であり、


私の"試練"に対する"幽字"は"可換"ではない、つまり"秩序"を持たず、


"幽字"は私の意志を知らない。












魔界の勢力は、試練に、可変であり、可換であり、可視であり、可逆であり、可塑であり、可食であり、可縮であり、可分であり、可読であり...




本を読んでいた私の近傍は、魔界の勢力に支配されていたのだ。















しかし、




権限の対象は試練だ。


私への権限に対するスキルではない。










私の"技"により、"魔界の使者 -権限-"は消滅した。




技とは他者ではなく、私に"依存"する。

第Ⅳ話

暖かい桜色の雨。




"春"を持った雨。




ここは"春"が降る"試練"。








...文字液体 "春"。




"春"を持った"文字"の液体。










春が降る都。




そこに1人の男が現れる。








「何者?」








「...お前が"選択の公理"に干渉する者か?」







「いいえ」







「いや」





「これが"解"だ」








「俺は"時筆の管理者"」




「そして"時筆の守護者"」







「私は"選択の公理"に干渉するかもしれない」




「でも!」





「私は"魔界"を止めます!」








「つまり失敗の可能性があるのだな」












「『落ちる時空』」




















"重さ"を持った時空。




水の中を歩くように、時空が重い。










「『時を焼く炎』」



















試練は過去と今を区別しない。
















「星筆の力を!」






"幽字"は呼びかけに答え、


"幽字の列"が私を守った。