美の探求

序章

"作品"の歴史とは"美"の歴史である。




...なんだ?




これは記憶か?











「私は"混沌の管理者"」




「世界は記憶から特異を消そうと試みた」




「"カタストロフィー"の不連続な"世界転調"は物の部分物」




「つまり"因子"に影響を与える」




「人魚姫は歌う、混沌が終焉のカタストロフィーをもたらす」




不連続に世界転調が行われ、因子配列や生命の因子 "ゲノム"に影響を与える。




データの因子は"バイナリー"である。




私、アヤメは人魚姫を倒しに向かう。











「ここが人魚の国...」




「ああ鰈に舞って鯉し鯛でござい鱒」




「お前が人魚姫!」




「ああ彼女らは面白い」




「は?」




そこに織姫 ベガとスオーノが現れる。




「第Ⅲカヴン!」




「私のエンハンサーの能力さ」









「あなたは?」


















「私は"鶴"、"妖精"であり"彼女 -織姫-"の使者です」




「ってことは"第Ⅲカヴン"のベガの杼?」




「ですね」










空間に闇の妖力を持った"魚"が設置される。




「ああ、つまらない今日は鰍むな」





人魚姫は攻撃を試みた。






「!?鮲、彼女は鯔いのか!?」











「愚者には幻を見せよう」






「ほう、"幻術"か」

















「咲き誇り給え幽世の六花よ」






「群舞する六花は、終焉の吹雪とならん」





『"走る声 -幽六花 終焉-"』












「賢者の力か」






「私ももう賢者」







人魚姫は"魔術師の律動"を展開した。

第Ⅰ話

"魔術師の律動"から"魚"が形成される。


"織姫 -ベガ-"による"布"の結界が展開される。




「"上位クラス -人魚姫-"と"クラス -占星術師-"の多重継承」




「"存在定義"!」




"クラス -占星術師-"の継承により、"情報"に可読である。




「"世界転調 -物質の刻-"」




「この世界はあまりにも抽象的過ぎた」




「妖怪とは妖力の物質化、可食石の集合である」




「抽象化の時代を終わらせよう」




「"スキル列挙 -オブジェクトへの城門-"」











「これはエンハンサーの能力...」




「混沌が狙いか?」




「私の真の能力は空間改変」




「その他能力はサブウェポンに過ぎない」

















カタストロフィー領域が展開された。






「ここはカタストロフィー領域」





「"表現"の"破滅"への"世界転調"」






織姫は時空を改変し、改変によって記憶される世界の情報を剣にした。





「"矛盾の剣"」





「時間矛盾の能力か」






「レベル無限大、攻撃力無限大と」










「だが"発散"も1つの状態にすぎない」





「最も状態そのものが位置エネルギーを持つ以上、"世界転調"の対象」






「"エントロピー増大の法"、"混沌の対象"」







人魚姫は"歌結界"を物質化した。








「世界が混沌化されていく...」






「秩序、および切断など離散上の存在」




「定理性など世界公理がもたらす脆弱な存在」




「管理者たる者、世界公理さえも物質化可能だ」








"魚"は未定義の因子集合を形成した。





「あれは"未定義の獣"」





「しかしそれでは世界の解は失われるのでは?」





「さあな」






低温の歌が時空を凍らせる。




高温の歌が布結界を焼き尽くす。






「やはり長い旅は終わる」






「"世界転調 -undefined-"」






「ならば、"城門の糸 -null-"」







「"無"こそが最大の混沌だろう?」











undefined領域とnull領域が属性として解釈され、属性の融合がされる。







「決して記号の管理が目的ではない」





「だが連続性を求めすぎた」





「記号化と連続化は矛盾する」







"世界転調 -パラドックス-"



"矛盾領域"で発散する混沌の深淵へとたどり着く。






「未知領域...」






「変数は?」















「自分が求めていた物とは違った」






「けど自分はそうだったのかもしれない」







「魔王は勇者が倒した」







「だがエントロピーは増加し続ける」






「理解はもう終わった」





「しかし無理解はまだだ」








「新しい物は無理解から生まれる」




「なぜなら無理解だから新しいのだ」





















12個の三角形が平行移動しながら桜色の川を泳いでいた。





「ここは記号世界の逆領域 つまり混沌」





「もしくは魔界の反作用」





単語因子の集合にも管理者はいない。









「ここは?」







「こちらは"幽世"」







「"幽世"?」






「"現世"の反対側に位置する場所です」






「混沌の管理者の本当の目的は混沌の記号化」






「記号化とは"定義"の"スキル"です」






「だったら、"魔界の管理者"と協力すればいいのに」






「逆の属性の融合は不可能」





「世界公理による衝突」








「世界転調は記号化された混沌」




「やはり彼とは違う存在だった」






「存在?」






「"界"とは"公理"」


「"世"とは"時空"」


「"世界"は"公理"と"時空"の"組"」


「つまり視点が異なるだけで」




「幽界とは"幽世"」




「現界とは"現世"」




「"世"の点が"場所"で」


「"点"の集合が"領域"」




「言葉は違っても意味は大体一緒」








これは"世界転調 -記号化-"...


一体なぜ?










「宇宙とは"世界因子"の集合」





「存在は"実世界"と"虚世界"の組」





「"実世界"は"物質"の集合」




「"虚世界"は"抽象"の集合」





「幽数字は"抽象"であり」




「幽六花、可食石はどちらの性質も持つ」

第Ⅱ話

"人魚姫"は不可算なる城門を開き、


世界の鏡を示す。


"場"の点を紡ぐ。


"位相の場"、"集合の場"、"行列の場"、"代数の場"、"文字の場"、"数字の場"、"幽字の場"、"魔術の場"、"妖術の場"、"呪術の場"、"霊術の場"、

"錬金術の場"、"幻術の場"、"剣術の場"、"形容詞の場"...


これら"場"が集いし物の集合、


即ち"世界"の領域を紡ぎ、人魚姫は不可算無限永劫の城門を操る。


歌は城門を紡ぎ旋律をなす。


群舞せし旋律と律動は領域を蝕み、"特殊な空間"となる。




アヤメは旅する。


"虚の場"を"逆の場"を"負の場"を"双対の場"を"裏の場"を、


逆さまの裏の逆の場所を、


その幻術により、位置の感覚を失う。




「"undefined次元"か」




アヤメの前に虚像が現れる。




虚像は呪詛を紡いで、視覚を聴覚を嗅覚を惑わす。




アヤメは鏡を織る事にした。




「幽六花空間、幽六花の次元、幽六花の世界、幽六花の場」




そこには記憶から作られた"鏡"が存在していた。




人魚姫は呪詛の鏡を織る。




「それはめで鯛、そなたの敗北を祝おう」




鏡に"魚"が現れる。


人魚姫は呪文を唱える。




「鮪鰹鰮鰰鱧鮓鮮鰤鰯鱆鰕鱗鮨鮲鮎鰊鯰鯨鮭鯲鰌鰙」




魚次元鏡が作られた。




鏡内では"対象性"が現れる。


"対象性"は逆の属性による無効化の影響を受けない。


"対象性"は攻撃と回復が同じものとみなされる。


"対象性"は対立を無意味化させる。


だが鏡の中の深淵ならば"対象性"の影響を受けない。




魚の深淵、つまり海の底で人魚姫に幽六花を放つ。





それは対立する花と魚。


花々の羽衣の万華鏡がただ動いていた。

第Ⅲ話

「須臾の六花に幸運を願って」




“物”と”者”は”性質”を持つ、


弱点を持つ”脆弱性”、


構築しうる”互換性”、


回り続ける”対称性”、


この鏡には脆弱性が存在する。




「蛸蝗蟋蟀蝶蝦蜻蛉蟷螂」




この文字次元世界は”虫へん”に脆弱性を持つ。


しかし人魚姫は尖った魔力を展開し、


幽六花の脆弱性を利用する。




私は賢者の力を操った。




「走る声・奏」




走る声は旋律の花を展開する。


旋律の花は対称性を持たない鏡。




「”旋律の花 -幽六花-”」




賢者の力により幽六花のエミュレートが行われる。


再現された幽六花は尖りを持たない魔力への依存性を持たない。




再現の事象に発火し、魚群が群舞する。


群舞する魚は人魚語を歌い、魔力を織る。


織られた魔力はアヤメに向かって歪冪花を展開した。




そこに織姫と鶴、スオーノが現れる。




織姫と鶴は結び目の花を作る。


花は奏で、鏡をなす。




結び目の迷宮に人魚姫は迷う。




鏡が割れる音がした。


空間の断片は人魚語の文字次元空間である。




「混沌の使者が鏡を使うとは」




人魚姫の感情は悪意への城門が開かれ、


人魚姫は鬼を継承する。




「そこまでじゃ」




賢者の力が満たされる。




そこには黒い少女と白い少女の姿があった。


そして少年たちの姿も…




「あなたたちは!?」










「賢者の名において、”混沌”を破壊する」

第Ⅳ話

2人の巫女によって、


人魚姫はクラスを解除し、


その場から逃げ出した。




混沌の管理者はその場から立ち去り、


風の管理者が駆けつけてきた。




「"星筆の管理者"大丈夫?」




「私は...」




「あなたは"虚の場所"に存在していた」




「でも管理者2人に助けられたのなら問題ないか」




「さあ行きましょう」




「蝶の塔へ」




戦士団は城門を通った。










そこは魔法のようだった。




強い魔力が存在している領域。




森の入口で2人の妖精がハープを奏でる。




「"魔力"ってなんなんだろう」




「それは"太古"の力」




「いつしか人々は"古"の時代に」




「魔力を失い耐性も失った」




「しかし"混沌"が"古"の力を滅ぼした」









「そういう意味では"人類"になじみの深い」




「歴史ある物」






「じゃあその他、"妖力"や"霊力"は?」




「所属する世界が違う」




「人類は最も魔力と密接な関係にあった」




「けれど"科学"の発達によってそれらは廃れていった」







そこは蝶が空を踊り、


山々がそびえたつ。


深紫の森だ。






「綺麗...」




「アヤメは幽六花の出身でもあって"混沌"への耐性はないよね」











「そういえば"現幽六花姫"は?」




「今は"幽六花の国"の再建を行っているよ」




「"幽六花の国・奏"...」




「そして"新・幽六花の国"...」




「本当に彼女は"幽六花"の代表として役目を果たせそうね」










「"混沌濃度" -200...」




「純度が高い魔力の場ですね」












「まって」





「"混沌の検出"」