プロローグ

序章

ここは別の"平行世界"。


「なあ、どうして世界には"社会"が存在するんだ?」


母は言った、


「そうじゃなきゃ、"バランス"が崩れるのよ...」


ここは"人魚の国"。


「"社会"とは"試練"であり、"リソース"という"スコア"を競い合っている」


「だが、"混沌"なる世界に"秩序"を与えるには"イコライザー"が必要だ」


魔界の使者は言った。


「"コモディティ化"って知ってる?」


「"コモディティ化"?」


「"エントロピー"が増大する世界はやがて意味を失う」


「世界は自分自身を保つために、"概念"を"一般化"する」


「その"一般化"が"コモディティ化"であり"イコライザー"とパッチングされた世界だ」


「どうしてこの世界には"演奏者"が存在するの?」


「さあな、どうして自然は無意味な音を奏でるんだ?」


「"色彩を失った混沌"に色を与えるためだ」


「でも色は混ざると"黒"か"白"にしかなりえないよ?」


「その通り、無限回演算したパターン模様はもはや認識することができない」


「ならどうして宇宙は黒いの?」


「だから世界とは"絶望の物語"なんじゃないかな?」


「でも星々は輝いている」


「この長い旅をどうするつもりだ?」


「私はまだ知らない世界を見てみたい」


「ああ、わかった」


「魔界の目的は果たさなくていいの?」


「いや、お前にはまだ見せていない物がある」

第Ⅰ話

「世界に"イコライザー"が存在しているのではない」




「人々が自分自身ではなく、人類全体を観測する故」




「結果的にイコライザーは生まれる」




「我々の計画は現在"第0無限"つまり"第Ⅰフェーズ"だ」




「そうそう、我々は"幽六花隊"を"第Ⅱカヴン"」




「"ベガの杼"を"第Ⅲカヴン"」




「"賢者"を"第Ⅳカヴン"と呼んでいる」




「本来お前らに明かす予定は無かった」




「急遽、我々の計画にも必要となった」






「"無限"ってなんだ?」




「終焉を持たないという意味だ」




「宇宙とは"星々"の"集合"だ」




「さて、無限個の星が存在する集合の大きさは?」




「正式にはそれを"集合の濃度"と呼ぶが」




城門が開かれる。




「私は"幽数字魔術の管理者"」




「我々の計画は"完全なる平均化"のための"魔術世界"の形成」




「世界の本質とは無限の可能性」




「つまり無限の混沌だ」




「我々はこれをカオスと呼んでいる」




「幽数字の研究対象であるカオス理論は」




「"未来予知"への不可能性を示した」




「つまり初めから混沌に存在する宇宙は」




「争う定めなのだ」




「"第Ⅱフェーズ -第1無限-"は人々の"思考"の違いを消滅させる」




「この世界は"可算"である」




「"第1無限"の星は"連続"だ」




「価値観の和集合」




「"第2無限"は世界の子世界全体を持つ」




「そして"フェーズインフィニティ -真空崩壊-"」




「それは”魔界の敵 -地球-”の破壊だ」




「我々が第Ⅱカヴンを狙った理由は幽六花姫が賢者だったからだ」






「お前が扱っている"幽数字"は本来"科学"だ」




「つまり"無矛盾"な"システム"から構成されている」




「"切断"を持たない世界は"システム"を形成できない」




「つまりお前たちは勝手に消滅する」






「いや、真の不変だ」




「いくら管理者であれ、そのような事は許されない!」




「では何故、管理者は存在する?」






「我々人類の起源は"地球"だ」




「"星 -地球-"には"国"があり、そこには"王"がいた」




「でも"国"は1つでは無い!」




「"共通部分"を持たない"考え"の"違い"こそが"人"の存在意義だ!」




「それに”未来予知”が不可能なら、戦いの未来は変えられる」

第Ⅱ話

「一つ聞くがお前らは他人を理解できないだけなのではないか?」




「何故だ?」




「理解できないから力で支配する」




「力が絶望を生むのではないのか?」




「所詮、価値観の違いに過ぎない」




「世界の解とは多数決だ」




「お前らもイコライザーの影響を受けるのだな」




「ならイコライザーの管理者となればいい」




"文字列次元空間 -極限-"が形成される。




空間は"発散"する"痛み"に覆われる。




つまりそれは"無限の絶望"。




だがそこは癒しの魔術の糸で織られていた。




「ベガ!?」




「間に合った!」




「いま地球で"文字次元世界 -鬼-"が形成されている」




「多分魔界は魔術世界で支配するつもりだ」




「それと新たなる"第Ⅱカヴン -幽六花隊・奏-"が誕生した」




「"幽六花の国"が!?」




「"幽六花の生き残り"が"新しい幽六花姫"となった」




「それと"第Ⅲカヴン -ベガの杼・奏-"隊長が"鏡魔術"を完成させた」




そういうと私の近傍から闇は消えた。




そこには"鏡"が存在していた。




「これは?」




「"鏡"、"対称性"と"規則性"を持った"回転"を与える」




「"概念の万華鏡"?」




「そうね」




鏡が持つ"対称性"は概念に可逆だ。




「魔界の狙いは”真空崩壊による地球の破壊“ね」

第Ⅲ話

突如、地球に"竜"が現れる。




「"竜"!?」




「ありえない、"竜"はあの幽六花の...」







「お前ら"竜"の起源を知っているか?」




黒い星空の船、つまり古の者が言う宇宙船から男が現れる。




「俺は"混沌帝国"の"帝王"だ」




「"破壊"と"闘争"ほど素晴らしい物は無い」




「なぜなら、それが"混沌"の本質だからだ」




「来たれ、"暗黒世隊"よ!」




宇宙船は地球に襲来する。




そこには暗黒世隊と"魔界の使者 -魔人-"が歪冪に存在していた。




暗黒世隊は破壊の力である、竜を呼び出す。




「破壊とは完全なる美だ」




暗黒世隊が銃を撃つと魔法陣が展開される。




そこから爆破魔術が展開され、多くのビルは破壊される。




私は彼らを"不可能の試練"に送った。











不可能の試練


クリア条件 無し




「ねえあなた達は"ゲーム"が好きなんでしょ」




「ならこの"試練"を"攻略"しなさい」




そこには大量の離散化された存在、機械が現れる。




「試練は攻略されました」




「何!」




空間に存在していたのは"未定義"。




魔界の勢力は"ゼロ除算"を行ったようだ。




"ゼロ除算"を行う魔法陣が空間に存在していた。

第Ⅳ話

「ああ、鰈に舞って鯉し鯛でござい鱒」




私は大きな海の中にいた。




そこには歌を歌う少女が存在していた。




「...ここは?」




「ここはあなたの"心の中"」




「"魂の調べ"」




「あなたは?」




「私は"人魚姫"」




「私は賢者の記憶に存在していた」




突如、"魂の調べ"が不明な存在と"融合"する。




「混沌の使者!」




「これを!"賢者の杼"を使って!」




「それは"第Ⅲカヴン"が作った」




糸が形成される。




私の糸は星筆の絵と賢者の紋章が纏っていた。




「おそらく"星筆"は"賢者システム ver 2.00"に対応したはず」




星筆は"賢者の杼"に姿を変える。




賢者の杼に糸がまかれた"ボビン"をセットする。




「その糸は"魂の糸"、あなたの心から作られている」




私は杼を構える。




どうやら混沌帝国の暗黒世隊も"混沌の杼"を持っているようだ。




突如、空間に織機が現れる。




「"魂の織機"、かれらの思考がそのまま魔術となる」




魂の織機の筬は自動的に打たれる。




糸の集合は布となり、糸の意図を"翻訳"する。




「"布のコンパイル"、データ化された糸の集合を魔術に変換する」




三角形の歯車が形成され、徐々に歪んでいく。


歯車が姿を保てなくなると、不快な音を放ちながら空間の境界を破った。




「心の外、"思考"の世界」




心とは思考の結果であり、イコライザーにパッチングされた物である。




私の近傍を三角形の歯車で満たすと私は、


魔術に試練を与えた、"条件 -魔力の喪失-"。


魔術は試練に失敗し、妖術たる試練の代償は魔術の消滅。


そしてそこに暗黒世隊は存在しなかった。

第Ⅴ話

「魔物とはカオスの魔力から生まれる」




「だが、魔物の管理者の魔界は魔物を放棄したいようだ」




「カオスの管理者の暗黒世隊はそれを許さない」




「お前も知るとよい、"空の平行世界"を選びし者ら"賢者"よ」




歪んだ木が立方体状に並べられた領域。


ここは強く歪んだ平行世界らしい。


世界の性質は歪みと文字によって大きく左右される。


この世界は強く歪んでいるようだ。


歪みとは鏡の示す答えからの離れ具合。


鏡に忠実な世界は歪んでいない。




平行世界とは分岐を持った城門の先。


城門は時に分岐を持つ。


時間の城門は事象に良く干渉するが、


それとも異なる概念のようだ。




城門が開きまた、私は歪んだ世界に送られる。




飴が降る、地面はチョコレートだ。


ここは夢ではない。


なぜなら私は上空に落下している。




混沌の本質とは狂気か?







また私は"魂の調べ"に戻った。




「"人魚姫"、あなたは何者?」




「私は"調べの管理者"」




「世界は歌った」




「私は混沌側の人間」




「では何故私を助ける」




「混沌の本質は狂気ではない」




「"存在のエンハンサー"よ」