トルエノ

序章

紫と青。


紫と青の湖。


ここが"ブランの湖"。




「ここはおそらく」




「俺がいた"星"とは違う場所だ」




トルエノは別の"星"に現れた"離散の使い"を探していた。




「今日は"彼女"ではないのか」




「..."離散の使い"か」




「俺は"離散の使い 炎"」




「..."歪冪花 炎"」




紫と青に赤が加わる。




しかし。




"離散の使い"の背後にはトルエノが存在していた。


トルエノは"離散の使い"を斬ろうと試みる。


"離散の使い"は宙返りをして、


炎の魔法を使う。


トルエノは空中に移動し、


"離散の使い"は空中に魔法を放ったが、


再びトルエノが斬ろうと試みていた。




「幽六花よ!」




"離散の使い"は回避を試みたが、


"離散の使い"を幽六花が覆う。




「なぜ、お前は"連続"を否定する?」




「..."魔術世界"に行けばいいだろう?」




「本当に"彼"は連続を滅ぼす存在なのか?」




「...どういう意味だ?」




「そもそも...」




「...」




「歪冪花 炎!」




「どういう意味だ?」




トルエノは"歪冪花"に包まれる。


しかしトルエノは"離散の使い"の背後に移動した。




「...幽六花 雷」




「歪冪花 炎!」




「知っているか?」




「俺は炎が嫌いだ」




「しかし...」




"幽六花"が赤くなる。


"幽六花"から黒い粉が舞う。


直後、"離散の使い 炎"を...




"離散の使い"は火に包まれ消滅した。




「俺はトルエノ」




「炎を恐れ」




「炎を操る者」

第Ⅰ話

「...トネール」




トルエノの前には幽六花隊の隊長。






トネールがいた。




トネールは黒髪で、赤い帽子をかぶり。


黄色い服が風で揺れる。




「俺はお前が嫌いだよ」




「トネール...」




「弟よ...」




「気をつけろ、ここには"離散の使い"が来ている」




ここは、オランジュ山。




モンタニャ山と似ている場所。






「強風注意だよー」




「僕は"離散の使い 風"」




「君たち...」




「暴風は好きかな?」




暴風により、トルエノが空中に飛ばされる。




「落雷よ!」




「雷鳴は炎を呼ぶ」




トルエノは離散の使いを斬ろうと試み、


"幽六花 炎"を咲かせた。




トネールは宙返りし、


"幽六花 雷"を咲かせた。




"離散の使い"は風で攻撃を回避し、




トルエノは"幽六花 雷"を咲かせ、


トネールが"幽六花 炎"を咲かせる。




「風は吹くよー」




「あたらないよー」




"離散の使い"は空中に移動して、




"歪冪花 風"を咲かせた。




トルエノが空間で点滅する。




空中に"幽六花 炎"が咲く、




"離散の使い"は下に回避するが、




そこにはトネールがいた。




「雷鳴よ...」




トネールが"離散の使い"を斬り、




残響の中に、"離散の使い"は消滅した。

第Ⅱ話

「やはり、サボテンステーキはうまいな」




「...トルエノ」




「なんだ?」




「"離散の使い"の拠点を発見した」




幽六花隊の隊長 トネールがそう言った。




「"離散の使い"...やっと終わりが来たか」






「アヤメ、出発の準備ができた」




「...いよいよね」






ここは、"歪冪花城" 1階。






「まあ、待ちなさい」




「私は、"離散の使い 氷"」




「"離散の使い"はなぜ、"連続"を否定する?」




「さあな」




矩形が続く部屋がすべて、凍り付いた。




「"歪冪花 氷"」






「六花は炎を嫌う」




「雷鳴よ、天より地を破れ!」




「ああ、炎は天をも破る」




トルエノとトネールがタイミングを合わせる。




「"幽六花 雷"」




矩形の部屋で"幽六花"と"歪冪花"は静かに咲く。




「私は、"数字"の力を得た」




「"数字"は"数式"により、"数学"となる」




「"幽字"は"魔術式"により、"魔術"となる」




「"文字"は"言葉"により、"呪文"となる」




小さな幽数字世界が展開され、幽六花隊の呪文で歪冪花は消滅する。




「来たれ、月の力よ」




力は収束され、"可食石"となる。




空間が、"可食石"を食らい、"妖怪"が形成される。




「力は恐れる物でも、溺れる物でも無い」




「我らの盾として、刃を走らせる!」




歪冪花を全て、斬り捨てる。




妖怪は、"幽字"を形成し、




アヤメは、"数式"を作る。




トルエノの刃は、魔術によって強化され、






"離散の使い"は消滅した。

第Ⅲ話

歪冪花城の影を消滅させながら、




ついに"離散の使い"のリーダーと邂逅する。


そのリーダーは私が知っている人物で、虹色で半透明のウィッグを着けていた。




「離散の使い!」




「まあ怒るな」






「君たちは多くの村を滅ぼし、多くの喜びを奪った」




「でも何事にも"永遠"はないよ?」




「特に"連続"ならね?」






「もし"離散の使い"が悪いことしないなら」




「あなたを消滅させることは無い」






「いや?消滅するのは君たちだろう?」




「"連続"は"永遠"ではない」






「まあ、まあ、いったんゆっくり考えて、ね?」






「まさか?」




「私は、"離散の使い 虹"」




「"歪冪花 炎 -行列-"と"歪冪花 氷 -位相-"」






最終決戦が始まった。




炎は全てを焼く絶望となり、氷は破壊の弾丸となる。




そして。




「君たち、"永遠"ではないんでしょ?」










気づけば私は"歪冪花"に包まれていた。






「一体、何が?」




(季節が尽きる時、それは"時が止まる"時)






















気づけば私は"歪冪花"に包まれていた。






「一体、何が?」




(季節が尽きる時、それは"時がも止どまする"時)





「季節が戻る時、それは時が戻る時」






「"幽六花 -複素-"」




世界は面とみなす事ができる、




世界は時間と空間で織る事ができる。





「ほう?それが"連続"の力か」




「離散魔術、"離散位相"」




複素はバラバラになり、




私は力を失った。






ここは離散の中、




全てにつながりがなく、私は記憶を思い出せない。
































ここは離散?


























ここは連続の中。




「トルエノ!」




しかし。




トルエノは全ての力を使い、離散の檻に囚われた、






けれど、




「あきらめない」




「"幽六花 -位相-"...」




"離散"は"連続"となり、




元である"点"は再びつながる。




「"幽六花 -集合-"」




"歪冪花城"は"幽六花"に包まれた。



















「時よ、"離散"であれ」

第Ⅳ話

トルエノは過去の記憶をたどっていた。






かつてトネールは生死の境に立たされていた、




トネールが暮らしていた、ブランの村は歪冪なまでの数の魔物に覆われた。




「トネール?」




まだ幼いトルエノは言う。




「まかせろトルエノ、俺は"魔法剣士"だ」




しかしブランの村は絶望的な量の魔物に覆われ、




圧倒的にトネールが不利であった。




私はこの村の最終手段とされる、"雷の書 -妖-"を読んだ。




魔術を拡張した妖術は強力であるが、"代償"が存在する。




トルエノはその"妖力"に囚われ、制御できなくなってしまう、




トルエノが放つ、"雷妖術"はトネールに向かって放たれる、




トネールは雷妖術を斬り捨て、魔術で空間を斬り、




トルエノの魔力を全て吸収した、




しばらくトルエノは眠った、




しかし、




それ以来、トルエノは"暴走"することがある。























"時が止まった摩天楼"




トルエノは妖力を開放した、




離散化された時間と空間は元に戻った、




「"妖術 雷"!」




妖力が"離散の使い 虹"を覆う。




「"歪冪花 虹"」




オスクリダドは妖怪を作り出す、




トネールは空間を切り裂く、




アヤメは幽数字魔術を構築する。




斬られた空間は、オスクリダドの妖怪が作り出した魔術に満たされる。




幽数字魔術により、それらは強化される。




「"幽六花 -妖-"!」




幽六花は妖力を纏い、"離散の使い 虹"は幽六花に満たされる、




「"幽六花 -離散-"」




「離散は罪では無い」




離散化された幽六花は、破壊力を持つ点の雨となり、




歪冪花城を覆う。










"離散の使い 虹"は消滅した。

第Ⅴ話

ある"数字"の次元の世界は、


"数字"の組によって"広がり"を持つ。




ある"文字"の次元の世界は、


"文字"の組によって"概念"を持つ。




ある"幽字"の次元の世界は、


"幽字"の組によって"魔術"を持つ。












「ここが文字次元か」




ここは"毒"の文字次元。




「存在するだけで身が蝕まれる」




「"離散の使い"は滅びた」




「しかし」








「我ら、"記号の管理者"はどうだ?」





「この戦いは、"幽六花姫"の"対"となる、"複素の魔王"のために」




















ベンティスカの地に"記号の管理者"が現れる。




六花の集合は"文字次元"に飲まれ、




"記号の管理者"は"幽六花城"に向かっていた。









「私はアヤメ」




「あなたは何者?」





アヤメは"文字次元 -風-"の中で"記号の管理者 風"と邂逅する。





「さあ」










「我らの目的は"魔王"による、"幽六花"の支配」




「離散の位相を操る、使者は滅びたが」




「"文字の概念"を操る我らはまだ存在している」




「我らは"記号"の管理者」




「"文字"の"意味"を操る者」















空間に大量の"風の魔術"が現れる。