プロローグ

序章

どこか静かな月の雰囲気、


どこか騒がしい太陽の雰囲気。


2つが混ざり、


空間は歪冪な機械に満たされていた。


ここが、


"星筆の試練"。






"星筆の試練"に花が咲く、


それは奪われた機械の数と等しい。


私は何故か"時が止まった"感覚に包まれていた。


"離散の使い"がここに機械を作り出した。


今も多くの機械が存在している。




「この部屋にはもう機械はいない」




"星筆の試練"には多くの部屋が存在している。


"星筆の試練"には同じような雰囲気が続いている。




「"時は止まった"、それは"変化"がない事を意味するのだろう」




焦りも同時にあった。




「"耳の甘い"、人間でいましょう」




諦めに支配されてはならないと、


そう自分に言葉をかける。


しかし。




「逃げてはいないはず」




また"星筆の試練"に花が咲く。


魔術師が感じる、異変の足音も近づいている。


逃げてはいない。


けれど、








その時は何もできなかった。

第Ⅰ話

「ここが最後の部屋」




「ヒラソルちゃん、クオリティー低い」




花が咲いた。






...


雰囲気が変わった。


"変化"が起こった。


季節のように世界は"変化"を続ける。




「"星筆"は存在するべきではない」




「離散の使い!」




"離散の使い"が雷の魔法を使う。


赤い魔力の槍は踊り。


私の周りに幽六花が咲く。


"離散の使い"は歪冪花を纏う。


薙刀は赤く光り。






戦いは始まった。




影。


"離散の使い"を影が覆う。




茨。


"幽六花隊のアヤメ"を茨が覆う。




空間の魔法が歩み。


大きな音がした。








"離散の使い"は存在していなかった。

第Ⅱ話

ここは"幽数字世界"。


"幽数字世界"は"魔術世界"の一種であり。


"時間"を持たない"世界"を"空間"と言う。


"空間"は"規則"を持ち。


"規則"を持たない"世界"を"時空"と呼ぶ。


"幽数字世界"の"規則"は文字通り"幽字"と"数字"によって、


構成されているという"規則"。


今、アヤメは"幽数字世界"で知っている男を見つけた。


男は私に気が付いて。


男はそこにいなかった。




私が"幽数字世界"に来た目的は、


"彼"の正体を知ること。


この"幽数字世界"は"離散幽数字世界"であり、


完全に"論理"によって構成されている。


もしあの男がこの世界に関係しているとすると。








"離散の使い"の目的は"連続"への否定。




「"離散"は悪ではない」


「同時に"連続"も悪ではない」


「では何故、"彼"は"連続"を否定する?」




次に私は"位相の場所"を訪れた。


"世界"は"国"を持ち。


"国"は"城門"を持つ。


"国"は"具体性"を持ち。


"城門"を辿れば求める"世界"に行ける。


けれどかなりの知識が必要。


"位相の場所"はとても"連続的"な"世界"。






"位相"の海に彼女は存在していた。

第Ⅲ話

静か。


とても静か。


ただただ"連続"が続くその海に。


私は存在していた。


多くの曲線が視覚に走り、


まるで"幽六花"のよう。


ここが静寂に満たされた"位相の場所"。




「アヤメ」


「やはり過剰な"離散"を否定するのは"連続"か」




「オスクリダド...」


「私は"連続"が好き」




「けれど...」


「幽六花隊として平等にね!」




「では"離散の使い"も平等であるべき」




「そうね!」






「アヤメ」


「"オスクリダドの試練"を始める?」




「ねえ、"試練"って何?」




「"試練"は...」




オスクリダドが説明をした。


"試練"は"魔術"の一種で、


"条件"を設定することによって。


非常に高度な魔術を、少し簡単に習得できる。








「私、"オスクリダドの試練"を始めるわ」




"オスクリダドの試練"の説明が始まる。


"オスクリダドの試練"は、アヤメが"離散の使い"へ対抗する力をつけるために、


"圏の世界"に行き、


"魔術世界の合成"と"魔術射"の習得を目指す。






「あの男、変わっているわ」


「"離散の使い"が"位相"を利用するなんて」








「理由を聞いても、不可知な言い訳しかしないのでしょう」

第Ⅳ話

オスクリダドは"月"に帰った。


しかし直後。


"位相の世界"の"形"はバラバラになっていく。


"四角"、"三角"、"丸"、そして多くの"曲線"たちが。


"位相"とは"形"を集めた世界。


そして"形"は変わり続ける。






「"位相"は"連続"だけの物では無い」




「離散魔術、"離散位相"!」




幽六花もまたバラバラになっていく。




「なあ」




「なぜ、お前は"離散"を否定する?」




「否定などしていない!」




「俺は"離散の使い -位相-"!」




「"点"を断つ"離散"よ」




「すべてをバラバラにするがよい!」




点とは位相の一部。


点が集まり形を作る。


"離散位相"は点をバラバラにする。




「幽六花魔術..."幽六花 -茨-"!」




茨はバラバラになる。






私は"オスクリダド"を思い出す。




それは"射"という技術だった。


"射"とは幽字では"城門"と呼び、文字では"つながり"と呼ぶ。


つまり"魔術世界"から"魔術"を呼び出す。


"圏"という"幽数字魔術"の技術。




「"幽六花 -位相-"!」




"幽六花"は液体となり、


"幽六花"の雨が降った。


しかし。




「離散魔術..."離散位相"」




雨はバラバラとなる。




ただ、今回の試練ではもう1つの魔術の習得も目的であった。




「城門合成、"幽六花 茨 -位相-"」




城門合成は、数字では"合成写像"、あるいは"合成関数"と呼ばれる


幽六花は茨につつまれ。


破壊の雨が降る。




そこに"離散の使い -位相-"は存在せず、


アヤメは"幽六花 -位相-"を習得した。

第Ⅴ話

"圏の世界"は全ての"魔術世界"につながっている。


私は"位相の世界"の"離散の使い"を消滅させた。


点は位相の一部で、


点で構成された"図形"を作る。


点をバラバラにする、"離散位相"という魔術が存在する。


私は次に"集合の場所"に向かった。






ここは"集合の場所"。


多くの"物"が集まる。


この世界では"物"を"元"と呼ぶ。


また"集合"の中の"集合"を"部分集合"と呼ぶ。


"部分集合"は文字では"一部"と呼ばれる。




私は"集合"の"魔術"を練習していた。


"集合"の魔術は主に"和集合"と"共通部分"という物が存在している。




ただ実戦で使うことは多くは無いだろう。


しばらくは"魔力の槍"そして"幽六花"。


それと、"魔力薔薇の薙刀"。


"魔力薔薇の薙刀"は魔術を使うと赤く光り、


"魔術"の威力を上昇させる。




「ここには多くの物が集まる」




「数字、文字、幽字、集合、物質」




「"集合"とは"空間"の事なのかもな」




「"離散の使い"!」




「離散魔術、"多重集合"」




"集合"は本来、同じ物を持たない。


けれど、"多重集合"は複数の物を操る事ができる。




「おれは"離散の使い -集合-"」




「集え!"歪冪花"よ」




大量の"歪冪花"を同時に操った。




「集合魔術!」




赤い魔力の槍、幽六花、そして氷の魔術と風の魔術を同時に操る。




「忘れたか?」




「"離散の使い"は複数の"クラス"を同時に操る」




"離散の使い"は剣ですべての魔術を斬る。

第Ⅵ話

アヤメを"歪冪花"で包む。








「忘れたか?」




「私は!」




「"離散"を否定していない!」




「離散魔術、"離散位相"!」






「"幽六花隊"が"離散"を使うか!」




「"幽六花隊"は"離散"を否定していない!」




「お前が"連続"を否定しているだけだ!」






「城門合成..."幽六花 茨 -位相-"!」




破壊の雨が降る。




「城門合成..."集合魔術 -位相-"!」




"集合"の"元"は"点"となり、


粘土をこねるように、"槍"は"形"を変える。


集合の元は、"魔力の槍 炎"と"魔力の槍 氷"。


魔力の槍は形を変えながら"離散の使い"へ向かう。




そして、




「集合演算..."和集合"」




多くの槍と"幽六花"は1つのまとまりとなる。




「魔術写像..."茨"!」




破壊が空間を満たし、


離散の使いは"茨"に包まれた。

第Ⅶ話

魔術の世界には"演算"という物が存在している。


"演算"とは"つながり"の事で、


"演算"を合成する事で、


目的の"魔術"への道を開く。




アヤメは"位相"と"集合"、そして"茨"の"演算"を扱える。


"集合"の"演算"は様々な物が存在しており。


"集合"の足し算、"和集合"。


"集合"の"共通部分"。


とても種類が多い。




アヤメは"圏の場所"から"行列の場所"に向かった。


"オスクリダドの試練"では"行列"、"集合"、"位相"の世界で魔術を習得する、


そして"魔術射"と"魔術世界の合成"を扱えるようにするのが目的だった。








ここは"行列の場所"。


多くの図形が大小を変え、位置を変え、角度を変える。


行列は"向き"と"位置"を操る事ができる。






「"幽六花隊"か」




「"離散の使い"...」




「私は"離散の使い -行列-"」




「離散魔術..."歪冪花の剣"」




「幽六花魔術!"多重集合"!」




歪冪花は形を変え、


"剣"となる。




幽六花は数を増やし、


"花吹雪"となる。




「幽六花魔術..."幽六花 -位相-"」




"幽六花"を構成する"点"は、


"液体"のようになり、


"幽六花の雨"が降る。




「今日は悪天候だわ」




「なんか、聞いたことあるな...」






「"行列"を使えば飛ぶことすらも可能さ」




"離散の使い"は位置を変えて、


空中に存在している。




「離散魔術!"歪冪花の槍"」




「集え..."魔力の槍"よ」




アヤメは魔力の槍と薙刀で"歪冪花の槍"を斬る。




「行列魔術..."回転"!」




アヤメは"角度"を変えて、


"離散の使い"に攻撃しようと試みる。




「離散魔術..."移動"」




"行列の魔術"により、


回避される。




「行列魔術..."拡大"!」




「位相魔術!"幽六花の雨"」




「集合魔術..."多重集合"」




"拡大"された幽六花の"雨"が"集合"となり、


"離散の使い"を包む。