群舞する獣たち

前編

 ドメインには層があります。

一番上の層では、物質が存在し、その下には各々の意識が存在し、さらに行くと"パーティション"という場所につきます。

 パーティションは私が知る限り、4つ存在します。


 "双子のパーティション"は二つの部屋があります。

片方は炎のように熱い部屋で、反対の部屋は、氷のように冷たい部屋です。

 部屋の外に行くと、そのパーティションの境界は狭いため、鎖晶の領域を超え、

メモリ外に出ます。

 そういえば、あなたは実界の人間なのに、こちら側のデータに"コンバート"されたみたいですね。

ドメインにいる者は、ここは抽象的な場所で存在していないような場所だと思っているかも知れませんが、

 パーティションの人間は、ドメインをそのように認識しています。

しかし、"旋律"はパーティションからの贈り物です。

 そのため、ドメインの者はそれを解析できず、

"存在"は虚と実より生まれますが、虚を知る事ができないという、結論に至ったのでしょう。

 私はそれは正確な理解ではないと思います。

しかし終焉転調もあったので、"推論"するのに与えられた時間は少なかったはずです。


 双子のパーティションは、事象の列では、主人が最初に訪れた場所でした。

そのため、一つ目のパーティションと呼んでいます。


 第Ⅰのパーティションは添加されています。

そのため、書を開けばもう一つの空間にアクセスできるのですが、それは主人が権限を持っています。

後編

 "パーティション"と"ドメイン"は"ストレージ"です。

ストレージには小さな部屋があって、その部屋には別の部屋を"添加"することができます。

 そして、その基点に旋律の宝石を持ちます。

 モチーフは、巨視的な座標とも言えます。

 添加された物を"書"と呼びます。

 また、ストレージには上限があります。

上限を超えて、データが飽和すると、"熱的死"を迎えます。

 

 主人が訪れた2つ目のパーティションは、"塔のパーティション"です。

塔のパーティションはどこまでも高く、それは添加されています。


 3つ目のパーティションは先ほど訪れた場所ですよ。


まず、第Ⅰのパーティションで主人は、燃える果実を口にします。

 炎上する双刃は痛みを齎しました。

なぜならその部屋はとても熱いからです。

 そのため、甘い雫がそれを和らげます。

第Ⅱのパーティションでは、二匹の兎と出会います。

 兎が動きを止めると凪に至り、六花はふり、

幽六花を成しました。

 第Ⅲのパーティションでは、不変の都を視ます。

この時の出来事はまた後で語りましょう。

 実は第Ⅲのパーティションにはもう一つ添加された空間があったのです。

それは古の不変量の最初の拠点でした。






 「うーん...今のあなたはここを抜ける手段はないので」


 「しかし、"記録"は確かに存在しています」


 「なので、あなたは第Ⅲのパーティションの記録を見てほしいです」






玄奥への矩形に続く...