記号の管理者

序章

アヤメは"風の魔術"に覆われる。




しかしアヤメはある事を思い出す。







世界の"属性"は魔力の向きによって変化する。


いや、厳密には"日の魔力"の向きによって。


例外として向きを持たない"日の魔力"は"光属性"、"月の魔力"そのものは"闇属性"。


そして、"炎属性"は"正の属性"、"氷属性"は"負の属性"。


"水属性"は"天の属性"、"岩属性"は"地の属性"である。




"風属性"の逆は、"雷属性"。






「"幽六花 -雷-"!」




風の魔術は魔力を失い、


"記号の管理者"は再び"風の魔術"を空間に配置する。




しかし紅い薙刀により、"記号の管理者"は消滅した。









トルエノは"文字次元 -槍-"で"記号の管理者 -槍-"と邂逅した。




魔力の槍はトルエノを覆った。




「知っている?私たちは"魔王"の魔術で複数の"クラス"を扱える」




"記号の管理者 -槍-"は洗練された槍の攻撃で、トルエノを突く、


トルエノは瞬間移動を繰り返し、雷の攻撃を繰り返す。




「私は"魔術師"と"戦士"の力を扱える」








「アヤメ!」




アヤメが現れる。




「"幽六花 氷 -位相-"!」




氷の雨が降る、雨の雫は粘土のように波となる。




雨は"離散"によりバラバラとなり、魔力の弾となる。




トルエノは瞬間移動を繰り返し、空間を剣術で包む。




トルエノの強力な一撃により"記号の管理者 -槍-"は消滅する。







ベンティスカの地に"幽六花隊"が集まっていた。





「これこそ"歪冪"な数だよ...」







「私に策があるわ」




オスクリダドはそう言った。




「彼らは"文字"から"魔術"を生成している」




「ではその"文字"を奪ったら?」




オスクリダドは本を取り出した。




"文字"は"幽字"となり、本には大量の魔術世界が形成される。




「本から、"魔力"を奪えば、"幽字"は機能しない」








「そこにいるんでしょう? "魔王"」




オスクリダドは大量の魔力から大量の"妖怪"を作り出した。

第Ⅰ話

月界の使い オスクリダド と 魔界の主 "魔王"との戦いが始まった。






「オスクリダド、お前も我と同じく"闇"の支配者だろう?」




「いいえ、私は"夜"の管理者」




"月の使い"は"可食石"から"妖怪"を作り、


"魔王"は"魔力"から"魔物"を作り、


ベンティスカの地は大量の"妖怪"と"魔物"に満たされる。




「"妖怪"は"魔物"から生まれる、我々が戦う必要はない」




「けれど彼ら"幽六花隊"はあなたを許さないでしょう」




「世界は有限だ、しかし闇は無限に広がる」




魔王による"複素魔術"は"タテ"と"ヨコ"の操作、


基本的には"時間"と"空間"、つまり"時空"を支配できる。





月の使者の"妖怪"は、"妖術"の"代償"を無視して、


扱う事ができる。




しかし、圧倒的に"魔王"が優勢だ。















ベンティスカの地に"魔術の布"が形成される。




「行きますかー!」




「来たわね、"旋律の織姫" ベガ」




織られた"魔術"は"旋律"となり、


"ベガの杼"は魔術の"糸"を作る。




「ベガは"星"を超え、ベンティスカに来た」




「いいえ、私が呼んだ」




「かわいい私の知人ですから」




魔王は"時空"を改変し、"魔術の布"を回避する。




しかしベガの"パッチワーク"により、"魔術の布"は"継ぎ接がれる"




「俺もオスクリダドに呼ばれた」




トネールは剣で、魔王を狙った。


しかし、"時空"が歪み攻撃は回避される。




ベガは"糸"を"結び"、"結び目"を作る。


それと同時に"魔術の布"を"糸"で"縫う"。


"結び目"は魔力の剣となり、魔王を狙う。


魔王は"時空"を改変するが、


ベガは"糸"を"編んだ"。




「ベガは"魔力の糸"を、織り、結び、縫って、編む」




"織姫の音楽会"は開かれた。




魔王の複素魔術により、オスクリダド、トネール、魔王は"セルバ森林"に移動した、


しかし、"セルバ森林"には、"ヴェルデ"という狩人がいた。




「君がトネールか、オスクリダドから聞いた」




「俺はここを守らなければならない」




「トネール、これを使え」




「ああ」










トネールは"セルバの槍"を受け取った。

第Ⅱ話

オスクリダドは"妖術"で魔王を攻撃しようと試みた。




しかし、








トネールの"セルバの槍"は砕けた。


普段は冷静なオスクリダドが焦っていた。




「...私の"魔法"は"尖りを持たない"という"前提"で成り立っていた」




「なぜあなたがそれを知っている!」








「もともと、"魔法"は私の力だからさ」





魔王はオスクリダドに近づく。




「お前は私の"魔術"を元に、"妖術"を生み出した」




「お前の"妖術"は"魔術"とは違い、多くの"前提"を持っている」











「"魔力の波が尖りを持たない"」




「"妖術には魔力以外の代償が必要"」




「"妖怪を生み出すには可食石が必要"」







「お前の"魔術"は環境に依存する」










「どうやら今日は"魔界の民"ではなく、"幽六花の民"が私を呼んでいるようだ」







「"幽数字魔術の魔法使い"を期待しているよ」










魔王は"ベンティスカ城"に向かう。







私とトネールは"城門"を使って、"幽六花の国"の"幽六花城"に向かった。














幽六花城の入口、隊長トネールは"幽六花隊"の全隊員を集め、




そこには"第26代目 幽六花姫"の姿があった。




その姿は、それこそ"六花"のよう。




寒ささえ感じる白き髪、その目の中には終わらぬ冬を宿し、




その服には"六花"の模様が描かれている。




「オスクリダド、一体何が?」














「"幽六花の国"の"魔術"の"システム"は、"尖り"を持つと"未定義"を発生させる」

第Ⅲ話

「"未定義"により、"幽六花"の"魔術"は暴走する」




「"魔術"に気を付けて」









「それと」




私の背後に"記号の管理者"が現れる。




「"幽六花"は絶対に使っちゃダメ」











"花"次元世界でアヤメ、トルエノ、トネールは戦いを始める。




"妖"次元世界で幽六花姫、オスクリダドは戦いを始める。


















"記号の管理者 花"




"記号の管理者 花"は"幽六花"と"歪冪花"を操る。




「"幽六花"が使えない!」




「あとは魔法もダメ!」




私は"魔力薔薇の薙刀"から"魔力"を奪い、"魔力薔薇の薙刀"から紅い光は失われた。




トルエノは瞬間移動の魔法と妖力が使えない。




トネールは雷の魔法が使えない。




"記号の管理者 花"は"歪冪花"を咲かせ、アヤメが回避すると、


トルエノは攻撃を試みた。


しかし"幽六花"によって防がれる。


トネールは空中から攻撃を試みるが、"記号の管理者 花"は攻撃を防ぐ。




「魔法は使えない」




「しかし"記号の管理者"も"魔力"に依存している」




私は"魔力薔薇の薙刀"に"記号の管理者"の"魔力"を奪い、


"魔力薔薇の薙刀"は紅い光を取り戻した。


"記号の管理者 花"は"幽六花 -茨-"を試みるが、


"幽六花"もまた"魔術"であり、失敗する。




「行くよ兄さん」




「ああ!」




"記号の管理者 花"は消滅する。


























"記号の管理者 妖"




「あなたたちは"魔術"に頼ってばかりだ」




"記号の管理者 妖"は"妖術"を"代償"なしに扱う事ができる。




空間には大量の妖術が設置される。


オスクリダドは"幽月霊剣"で攻撃を試みるが、"幽月霊剣"には"魔力"が必要だ。


幽六花姫は魔力を奪い、"妖術"を無効化しようと試みるが、


オスクリダドとは違い、"魔術"に特化した彼女は"魔力"そのものを扱う事ができない。




「待たせた!」




「"幽六花隊"!」




幽六花隊の華麗な連携によって、"記号の管理者"は消滅した。







しかし、











なぜか"幽六花城"には"離散の使い 虹"の姿があった。

第Ⅳ話

「これも"未定義"の影響...」




そこにベンティスカの者が現れる、


「"幽六花姫"様、報告です」







「ベンティスカに"魔王"が現れました」




「そして」




「"未定義"の影響で大量の魔物が発生しています」




オスクリダドは激怒した。




「"魔王"、あなたは何故ここまで!」







幽六花姫、幽六花隊、オスクリダドは"ベンティスカ城"に向かった。




「オスクリダド、私にはやらなければいけない事がある」




「ええ、わかっているわ」




幽六花姫は"第27代 幽六花姫"がいる部屋に向かった。













「ニエベ!」




私は幽六花姫の後を追った。




「魔物は私に任せてください!」










一方トネールは"ベンティスカの民"の避難に向かっていた。





そしてトルエノがリーダーとなり"幽六花隊"は魔王がいる、"玉座"に向かった。










最終章につづく