隠し扉への道

前編

 「久しぶりですね」


 「また繰り返すのでしょう」


 「私の友人よ」


 「あなたとはあの”世界転調”以来…」


 謎の人物は”幽数字の管理者”を見る。


 「誰だ」


 「彼女はもうアヤメではない」


 「なんだと?」


 耳元でこう言った。


 「僕は混沌の者ではなく、アヤメの旧友ですよ」


 「そうか」


 「どうすれば彼女を助けられる?」


 「彼女は戦士団の敵…」


 「今は彼女を止めましょう」


 「ああ」


 幽数字の管理者は魔力の槍を作り、薙刀を振るう。


 「僕は”星音”、”猫”と呼んでください」


 「狼は僕を追うのでしょう」


 「もう一つの”モンタニャの神話”…」


 「まずは膜から解き放つ」


 星音は星座を作り、超能力を放った。


 「新しいクラン申請です!」


 「許可しろ」


 「クランリーダーは俺だ」


 「アヤメをクランから削除します」


 「悪いな、アヤメ」


 終焉の領域が作られる。


 「カタストロフィー空間…」


 「俺はこの街を守り抜く!」


 スオーノは”糸”を作る。


 「その杼はあなたの物ではありませんよ、アヤメ!」


 終わりの杼はスオーノに”継承”された。


 「もう一人のあなたの為に」


 「織り成せ律動!」


 「群舞しろって俺の獣!」


 獣は群舞する。


 「俺は星音」


 「準備は整った」


 「始めよう」


 「歪みに歪んだ混沌の”歪冪の調べ”を」


 「織り成せ、”反物”よ」


 「我は”幽数字の管理者”にして”門番”」


 「隠し扉への道は開かれた!」

後編

 時筆歪隊を指揮するのは”幽数字の管理者”。

“影域の管理者”はその地を去っていた。

俺は守る、この都を。

幽数字の管理者へ律動を放つ。

赤き薔薇は幽数字の管理者を覆う。


 「僕の出番だよ!」


 獣は幽数字の管理者に突進する。


 「”星音登場!”」


 その時、星音は獣の姿をしていた。


 「群舞しろ!」


 「とどめだ」


 終わりの杼によって、”幽数字の管理者”に大ダメージを与える。


 「何をしている?アヤメちゃん」


 「っはっはははははははは!」


 「待て!」


 星音は俺の腕を掴む。


 「待って」


 「うん?」


 「その先は別の時空に繋がっている」


 「”門番”は逃げて、守護者は消えた」


 「覚悟はできた?」


 「どういう意味だ?」


 「君はどうしたいの?」


 「俺はアヤメを助けたい」


 「じゃあ”隠し扉”を開いて」


 「それは別の時空に繋がる世界の隠し扉」


 「僕は星音」


 「いずれ、全てを理解できる時が来る」


 「ああ!」


 クランの者は隠し扉を通って…

そこでは見知らぬ人物が戦っていた。


 ここでの出来事は凪の完璧な計算によって

一つの平行世界を凪の駒に変えたのであった。


世界樹の回廊に続く