形容詞の使い

序章

 "熱く"空間を赤に満たす炎。

"冷たく"時間を凍結する氷。

なぜか彼女は全ての魔法を"吸収"する。

そこで僕は試みる。


 「"とがった" 律動魔術 十六分」


 すると彼女が放った魔術は消滅した。

僕は彼女の目的を"うっすら"と理解する。


 「何のためにこんな事を?」


 すると彼女は答える。


 「もう時間がないの」


 しかし"ベガの杼"のリーダーは怒りをあらわにする。


 「だとしてもだ!」


 「..."あの王国"を滅ぼした事実は認めない」


 すると彼女は悲しんだ顔を見せて、


 「仕方がないの!」


 "ベガの杼"のリーダーは僕に質問をした、


 「彼女の"目的"はなんだ?」


 僕は答える。


「"もやもや"とそれを知っている」


しかし思い出せない


 彼女は言う、


 「...始めましょう」


 「これが私が"彼"の力となる理由」


 "ビリビリ"する雷、

"びゅうびゅう"と吹く風。

彼女は"形容詞"と"擬音語"を持った魔術が得意、

 ただ、

同時に"弱点"でもある。


「"大きくて早くて強くてかっこいい" 律動魔術 三十二分!」

第Ⅰ話

 「目的...理解してくれたんですね!」


 「私が"良い例"を見せましょう」


 僕は言った、


 「終わりにしようよ」


 しかし彼女の悲しんだ顔も同時に忘れることができなかった。


 「...もう止められないの」


 すると、彼女は"静か"にこう言った。


 「...少年、"形容詞"は"厳密"に"定義"するの」


 彼女は"非常に"集中している、

彼女の周りには"魔法陣"が形成される。


 「定義魔術 "熱い氷"」


 そこでは"矛盾"が空間を満たしていた。

..."熱さ"を持った"氷属性魔術"。

僕は理解する、彼女は"悪い"人ではない。

記憶の中で彼女と過ごした経験があるからだ。

 僕はどうにか"形容詞"を"厳密"に定義する。


 「定義!"グルービー"な!」


 僕は"グルービー"を定義する。

ここでは具体的な定義を省くが、僕は第一の"形容詞"を定義した。

彼女は僕の"律動"を回避しようとするが、"グルーブ(群)"がそれを困難にする。

 ただ...

僕は彼女が僕の"魔術"に触れる寸前で、"魔術"を消滅させた。

彼女はこう言った。


 「...君"優しい"んだね」


 「でも」


 「私たちはすでに世界から消滅している」


 「この星海では存在しない者なのさ」


 ああ、

ベガの反魂の力で蘇り、その結果記憶を失った。


 「私が生きていること自体、おかしいのに...」


 「それに...」


 「"魔王"になんて報告すればいいのか...」


 僕は"強く"言った。


 「逃げて!」


 彼女は驚いた。


 「私に逃げることなんて許される?」


 僕は彼女の手を握った。


 「いつかまた元気に会う!」


 彼女は笑った。


 「...うん、そうだね!」


 「でも、気を付けて!」


 「こんな事、私も続けるべきじゃないと思っている」


 「だから、他の"形容詞の使い"を...」


 「"魔王"の"呪縛"から"解放"して」


 僕はうなずいた。

彼女は"門"を開き、

別の"星"に旅立ったようだ。

おそらく彼女は"形容詞の使い"として、戦う事はもう無いだろう

第Ⅱ話

 "織姫星 図書館最上層"で"ベガの杼"は集まった。


 「"形容詞の使い"は別の"星"に現れた」


 「...スオーノ、お前は"ベガの杼"として」


 「"魔王"の使者である、"形容詞の使い"と戦う必要がある」


 「...ああ」


 「今回、"織姫" ベガも同行する」


 "ベガの杼"のリーダーは星空を見ると...


 「..."魔王"、まだ消滅していなかったか」


 僕たちは"図書館"の"城門"で、"山紫水明"と呼ばれる"星"に向かった。

"山紫水明 ブラン地方"。


 「... "深い雷"」


 "形容詞の使い"が定義する"形容詞 -深い-"により、"雷の海"が足元に形成される。

しかし"ベガ"は"魔術の布"を形成し、雷に溺れる事は無かった。


 「"浅い雷"!」


 "形容詞 -浅い-"により、"雷の剣"が走る、

しかし"ベガの杼"のリーダーは"雷"の発動位置を変え、雷に斬られる事は無かった。

僕は"形容詞 -グルービー-"を定義し、"形容詞の使い"の隙を作る。


 「グルービーな"律動魔術 -二分三連-"!」


 そして"ベガの杼"のリーダーは"形容詞 -スパゲッティ-"を定義する。


 「スパゲッティな"プログラム" 実行」


 "形容詞 -スパゲッティ-"は"プログラム"を変更する事を困難にする。

そして"ベガ"の"結び目"により、"形容詞の使い"は消滅した。

第Ⅲ話

 "星 -以心伝心-"の"モンタニャ山"。

そこには"文字次元世界"があった。

 "彩"次元世界。

その空間は"光"に満たされていた。

 しかし、"形容詞の使い"が現れ、

空間が向きを持ち、"属性"に染まる。

炎、氷、風、土、雷、水。


 「"淡い光"」


 向きを持った光は"ぼかされ"、

威力こそ低いが回避が困難になる。


 「"代入魔術 -0-"」


 "ベガの杼"のリーダーは、

空間の光の向きに"0"という"数値型"の値を代入し、

属性は失われる。


 「"数のプログラム" ダウンロード開始」


 "ベガの杼"のリーダーは、

"織姫星の図書館"から、"数"の"演算"を"ダウンロード"する。


 「..."濃い光"」


 空間に強力な属性の剣が走る。


 「危ないよ?」


 "ベガ"は"魔術の布"で攻撃を防御する。


 「"数学ライブラリ" インストール終了」


 「...関数は"波"となる」


 "関数"が波を作り、その"出力"先は魔力。

いや、厳密には"日の魔力"。

"日"が持つ光は向きを持つ。

ただ、これは"魔術"を使う上での話。

"光"の"色"は"波長"によって作られる。

"形容詞の使い"は、色の海となった空間で、

属性の"波"を回避する。


 「幽数字関数 文字次元 "上書き"」


 空間が持つ"情報"は上書きされ、

空間の次元は、"音 + 3次元"世界となる。


 「"律動魔術 六万五千五百三十六分"!」


 僕は"魔力"と"魔術"の準備をしていた。

詠唱が完了されると、

律動の中、"形容詞の使い"は消滅する。

第Ⅳ話

 "山紫水明 オランジュ地方"

そこには"幽字次元世界"があった。

"幽字"によって"定義"された"袋"は、

とても"深かった"。


「"深い袋"」


 僕は言った。


 「お前、消滅したんじゃ無いのか!」


 "形容詞の使い"は言った。


 「いや、おれは"場所"を覆って」


 「上った、そう"袋"の力で」


 さっきの"形容詞の使い"は"色"、

そして、この"形容詞の使い"が持つ、能力は...


 「なるほど、それがお前の"スキル"か」


 僕は聞いた。


 「"スキル"?」


 「"技"は"スキル"に似ている」


 「..."魔術"の事だ!」


 「ああ!」


 しかし、"ベガの杼"のリーダーは、

小さな声で、


 「しかし」


 「"文"では"行動"」


 「"数"では"演算"」


 「"幽字"では"魔術"」


 「そして"データ"では"関数"か...」


 「"一般化"ねえー」


 「..."操作"?...うーん...」


 「...とにかく!」


「どうやら、あの"形容詞の使い"の"スキル"は!」


「"袋"だ!」

第Ⅴ話

 「それで "スキル -袋-"って何なんだ?」


 「"配列"だ」


 ベガは言った。


 「2人とも考えている暇は無いよ!」


 "袋"はとても深く、逃げるのは容易だ。

僕は何となく、"袋"とは"深さ"を持った"列"だろうと理解する。

そう"袋"はとても深い、袋の中には袋があり、

"部分袋"とでも名付けたい。


 「..."浅い袋"」


 "形容詞の使い"が現れる。


 「世の中には色んな"袋"がある」


 「同じものは入れられない"袋"」


 「"並び"を持った"袋"」


 「"向きや位置"を持った"袋"」


 「だが、これはおれの"主張"に過ぎない」


 "袋"は、魔術で埋められる。


 「"要素"、"元"、"情報"、呼び方はなんでも良い」


 "浅い袋"はある意味、"危険"だ、

その"浅さ"が原因で、"干渉"されやすい。

しかし、"ベガ"は"袋"を織った。

僕たちは"袋"に逃げた。


 「音、情報、一体何が織れるでしょうか」


 「スオーノ、"杼"を貸して」


 "ベガ"は、音と情報を幽字で定義し、

その幽字を織った。

僕は、音に和音と律動、そして旋律を加える、

 "ベガの杼"のリーダーは"二進"から"プログラム"を定義し、

"ベガ"が織った、""と""を"接続"する。

幽字に満たされた"袋"は、"形容詞の使い"の逃げ場を奪った。


 「スオーノ、返すね」


 僕は"杼"を"鍵盤"に変え、

"和音"により、"形容詞の使い"は消滅した。

第Ⅵ話

 "山紫水明"、"以心伝心"。

2つの"星"で"形容詞の使い"を消滅させた。

しかし、"天衣無縫"、

つまり"織姫星"にも"形容詞の使い"が現れた。

 僕たちは"城門"から"織姫星"に戻った。

そこには、"形容詞の使い"が存在していた。

僕たちは"異次元世界"に"アクセス"するために"城門"を開いた。

不明な次元の世界にて。


 「"危険な"炎妖術」


 "ベガの杼"のリーダーは驚いた。


 「"妖術"だと!」


 非常に高い威力を持った"妖術"が広い範囲に展開される。


 「氷の糸よ!炎から守れ!」


 "ベガ"は氷属性で糸を織った。


 「"危険な"氷妖術」


 「熱い"律動"を!」


 律動の"魔術"により、"妖術"は失効される。

"ベガ"は"布の道"を作り、

 "ベガの杼"のリーダーは空中から攻撃しようと試みる。

"形容詞の使い"は回避するが、

その近傍は旋律に満たされていた。

しかし、"形容詞の使い"がその旋律と衝突するとき、

"魔法陣"は展開された。

"形容詞の使い"は空中への"城門"を開き、


 「"危険な"風妖術」


 しかし、僕たちの周りは不思議な記号に包まれていた。


 「"情報魔術" 幽字型演算」


 "幽字"は僕たちを守り、

そして


 「"属性型"演算開始!」


 ベガは"数式"を織り、

"幽数字魔術"を形成した、

数式には幽字が含まれていて、

 その幽字は魔術の概念を数式に与える。

属性は"光属性"に対して、

"0"で乗じており、

"風属性"は失われる。

そして、僕が旋律を織るとき、

"形容詞の使い"は消滅した