99 揚水記念碑 犬吠森字間木沢    彦部第一揚水機場敷地内


星山・犬吠森灌漑用電力揚水事業付き彦部村耕地整理組合事業

星山・犬吠森の地区は旧来から灌漑用水が不足し、旱天に遭遇すれば田植えも出来ず、まして秋の収穫に影響するところ少なくなかった。殊に大正13(1924)5月、6月には旱天が続き、関係者協議の結果、犬吠森字間木沢地内で北上川より電力で揚水することに決定し、大正14年(1925)星山揚水組合を組織し、その実現を図った結果、同地区の水田60余町歩の水田に水を補給したほか、新田の開拓を見るに至った。また、星山地内の大星、大曲の両堤の水利関係者もこの揚水組合に加入することになり、この事業のために関係者は大に歓喜するに至った。この施設は当村における農業振興の施設として最初の施設であった。

昭和5(1930)に至り、この揚水を大巻部落の地域の一部にも流下し、水田の灌漑に充てることを協定し、同組合は発展的に解散し、新たに彦部村耕地整理組合として組織、かつ揚水設備を増設して、大巻地区の関係者もこの組合員となり、水路を敷設して、大巻地内にも灌漑するに至った。

昭和37(1962)に至り、さきに設置してあった大巻揚水組合が北上川から揚水し、水田137反歩に灌漑しいた地域と大巻地区の一部北上川東部の旧田、畑、原野等322反歩を区画整理して彦部土地改良区の傘下に入り、灌漑面積合せて水田262町歩の大域となった。

昭和8(1933)4月、犬吠森間木沢地内の揚水記念碑は次の通り建設された。

 彦部村耕地整理組合長 作山久治郎撰 新渡戸仙岳書

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