85 百沢神社 星山字柏森


当社は、星山東北部柏森の山並より突出した一丘陵で、星山集落を一望に眺め得る勝景の地である。

元村社であるが、その創建は詳らかでない。古老の説に元禄年間(16881703)に当地方に悪疫流行して殪(たお)れるもの多く、翌年は怪火災発して民家十数戸を焼き尽くし、また夏季に至り旱天で降雨なく、旱魃に遭い、その被害少なくなかった。これつまり神事を怠り、尊厳を害した神罰なりと、識者教えていわく、清浄の地なる百沢山に宮柱を建て、猿田彦命を勧請奉安尊敬すべしと、よって藩に請い許しを得て社殿を建立し、祭祀したものである。

当社は、元庚申山と称したが、明治3年(1870)4月、百沢神社と改め、同4年(1871)村社に列し、大正8年(1919)9月、神饌幣帛料供進神社に指定された。

境内に、郷学の師小野文碩先生の顕彰碑及び焼清水の水神碑が建立されている。

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