河村館跡(大巻館跡)の本郭の北隅に1堂が現存する。その創建は不詳であるが、堂内に安置の観音の木像の履(くつ)に南無大慈悲観世音菩薩元文二丁巳歳(1736)の文字がある。延亨3年(1746)「御巡見書」によるときは御通道南に見得申候古館は大巻村古館と申す千手観音堂御立三尺四方堂御座候と見ゆるは即ち之なり。

建立の場所からして、河村館主の信仰した観音堂ではなかろうか。別に、御所様御館十一面くわんをん堂有り。4月17日祭礼これ有り。(『彦部郷土誌』佐川盛造編著)の記述がある。