ボートの世界には独特のロープの結び方があります。
私は釣り糸の結び方には慣れているのですが、釣りは「解けない、抜けない」結び方をします。一方でボートでは、「結び易くて自然には解けず、人の手を使えば解きやすい」結び方が必要となります。離岸や着桟時、潮に流されるボートを短時間で係留・解纜(かいらん)することが求められたり、アンカー(錨)やフェンダー(衝撃緩衝材)を着実に固定するためです。
ポイントは、ロープの摩擦を利用すること。釣り糸のように表面がツルツルではなく、太さもそれなりにあるので、ロープ同士の摩擦を使えば「結び易くて自然には解けず、人の手を使えば解きやすい」という一見矛盾するような結び方ができます。
主に使うのは、以下の3つです。これら3つは実技試験でもやりました。
1.巻き結び:クラブヒッチ
2.舫い結び:ボーラインノット
3.クリート結び
(なわち先生っていうのは、尾道海技学院の先生だそうです)
その他、釣りでも使うエイトノット、ロープ同士を繋ぐ一重つなぎなども覚えておくと便利です。
今になって思うとそれほど難しいものではないのですが、最初は頭がこんがらがります。1方向でできるようになっても、実戦だと左右が逆になったり縦横が変わったり。様々なパターンでできるようになるには、ひたすら練習するしかありません。
私も自分の部屋に靴紐を常備、暇があれば練習をしています。上記3つは頭を使わずに結べるようになりましたが、ちょっとやらないとすぐに忘れてしまうとも聞きますので、繰り返し繰り返しやるようにしています。
ロープの結び方を覚えておくと他のアウトドアでも役にたちますので、ボートに乗らない方でも「巻き結び」くらいは覚えておいても損はないと思います。