こんにちは、長野大学です!
今回は、新棟建設工事の現場で活躍する鉄骨とび職人さんに焦点を当てます。建設工事の中でも「花形」と呼ばれる鉄骨工事。その舞台裏を支える職人さんの声をお届けします。
長野大学新棟建設工事には、長野県埴科郡坂城町に本社を構える「有限会社進栄」さんの鉄骨とび職人、約10名が携わっています。経験年数は2年の新人さんから、40年を超える大ベテランまでさまざま。世代を越えて力を合わせ、建物を形にしています。
職人さんたちがこの道を志したきっかけを尋ねると、「建設工事の花形で、かっこいいから」という答えが多く返ってきました。鉄骨とびという仕事への憧れが、確かな技術と誇りへとつながっているようです。
鉄骨工事のやりがいについては、やはり「上棟した瞬間の達成感」が一番だそうです。鉄骨は建物が完成すれば壁に覆われて見えなくなってしまいますが、構造体として目に見える形で存在し続けます。だからこそ、自らの手で組み上げた鉄骨を見上げる瞬間には、大きな誇りが宿るのです。
高所での作業は怖くないのですか?」と伺うと、意外にも全員が「怖い」と答えてくれました。
その理由を社長に聞くと、「恐怖心はとても大切。その気持ちがなければ、逆に危険なのです」とのこと。高さ30メートルを超える長野大学の現場、さらに過去には60メートル級の現場も経験したことがあるそうですが、恐怖心を忘れず、安全を最優先に取り組む姿勢が印象的でした。
現場で見せていただいた道具にも驚きがありました。
「矢」と呼ばれる鉄骨同士の隙間を広げるための道具は、ボルトを溶接して自作したもの。3.6キロもあるハンマーで長年使い込まれた結果、本来六角形だったボルトの形が半分ほどにまで変形していました。
また、「ボール芯」と呼ばれる鉄骨の穴合わせ用の道具も、削ったボルトを利用したお手製です。固くて丈夫なボルトは、職人さんにとって加工しやすく、長く使える素材なのだそうです。
道具ひとつにも工夫と経験が込められていることに、職人の誇りを感じました。
ボール芯
矢
3.6キロもあるハンマー
今回の現場で印象深い作業は「ステッププラザ」の組み立てだったとのこと。大規模な階段を組み上げる難しさに不安もあったそうですが、見事に完成したときの安堵と達成感はひとしおだったようです。これは北野建設の現場監督の方も同じことを語っていました。
鉄骨とび職人にとって最も難しいのは、大きな鉄骨を組み合わせる「建方」の瞬間。穴が合わず苦労することもあるそうですが、そんな時こそ「矢」や「ボール芯」といった工夫の詰まった道具が活躍します。
鉄骨工事はすでに終盤に差し掛かり、新棟の姿も大きく見えてきました。その一方で、見えないところで安全と精度を守り抜く職人さんたちの努力があります。
完成後には目に触れなくなる鉄骨ですが、そこに宿る技術と誇りを私たちは忘れてはなりません。
長野大学の新しい学び舎を形づくる鉄骨とび職人さんたち。その挑戦と情熱を胸に、完成の日を楽しみに待ちましょう!