(2023/07/08)「国際保健とアフリカ地域研究」で,水・衛生の役割とリスク可視化に基づくアプローチに関する講演を行いました。
2023年7月8日に,開催された日本助産学会若手研究者活躍推進委員会(CEECS)2023年度 サマーセミナー「国際保健とアフリカ地域研究」で,水・衛生の役割とリスク可視化に基づくアプローチに関する研究について講演を行いました。
セミナー名:第8回「生涯学」セミナー 2023年度 サマーセミナー:「国際保健とアフリカ地域研究」
主催:日本助産学会若手研究者活躍推進委員会(CEECS),京都大学アフリカ地域研究資料センター,東京外語大学現代アフリカ地域研究センター,大学の世界展開力プログラム,学術変革領域A「生涯学の創出―超高齢社会における発達・加齢観の刷新」
実施形態:ハイブリッド(対面+オンライン配信)
タイトル:水・衛生の役割とリスクの可視化に基づくアプローチ
要旨:水・衛生はSDG6に挙げられているようにグローバル課題の一つで,下痢の58%は水・衛生の不備に関連づけられるとも言われる。サブサハラアフリカの都市周縁部では環境衛生(サニテーション,トイレと汚物の処分)と衛生習慣(ハイジーン,身の回りの清潔)の状況は概して良好ではない。これまで衛生調査を行ってきたザンビア共和国ルサカ市周縁の未計画居住区では環境衛生,衛生習慣および生活環境は安全な飲料水と比べて優先順位が高くない。この問題を解決するために,肉眼では見えない糞便汚染を地域住民が自ら可視化するアクションリサーチを考案した。地域の若者らが参加したワークショップでは,参加者に驚きを与えたとともに,環境衛生および衛生習慣の改善を動機づけるものとなり,参加者のリスク認知が広げられた。この成果に基づき,将来的には本方法論を実践,普及により,水・衛生に由来する下痢リスクの低減,より良い水・衛生政策の立案をサブサハラ・アフリカの都市周縁地域で実現することを目指す。