2021/9/22 Weeklyゼミでの研究発表

深層学習を用いた水道原水中2-MIB濃度の予測モデル

こんにちは、Ryuichiです。Weeklyゼミで、私の研究発表を行いました。

今回は、京都市の水道原水中の2-Methylisoborneol (2-MIB)という物質の濃度予測モデルについて発表しました。2-MIBは水の生ぐさ臭の原因となる物質で、夏になると京都市の水道原水中での発生が問題視されています。本研究では、原水に関する日ごとの測定データや気温予報等から、深層学習(Deep learning)を用いた、将来の2-MIB濃度のトレンドを予測するモデルを開発しています。


5年分の測定データで学習した予測モデルは、各時点から1週間の2-MIBの上昇/下降トレンドや、2-MIB濃度がどの程度まで上がるかを予測できていました。この予測モデルの有用なところは、実際に原水中の2-MIB濃度が大幅に上昇する以前に、そろそろ2-MIB濃度が無視できないレベルまで上昇してくるぞと予期できそうだということです。

ゼミでは、モデルへの入力パラメタが現状のもので十分なのかという点や、2-MIBの発生原因となる藍藻からの生成メカニズムと組み合わせてモデルの改良ができないかという点などについて、議論ができました。

まだまだ萌芽段階の研究で、社会実装には長い道のりですが、将来的には浄水場での処理プロセスに役立てないかな〜と期待しているトピックです。