2024.07.08|MON

【総合政策学科】中澤ゼミの高浜英人さん,木村彩香さんが
「みずほ学術振興財団 第65回懸賞論文(経済の部)」において入選しました

経済学部総合政策学科の高浜英人さん,木村彩香さんが「みずほ学術振興財団 第65回懸賞論文(経済の部)」で2等を獲得し,入選しました。第65回は,法律の部・経済の部を通じて,高浜・木村論文のみが入選(2等)となりました。

公益財団法人 みずほ学術振興財団のwebサイト「第65回 入選者一覧」

高浜さん,木村さんは「円安と日本経済への影響」というテーマに対して,金融政策や日米間の金利差が為替レートにもたらす影響についてまとめ,円安の原因を定義づけしたうえで,円安が日本の輸出入,特に鉱物性燃料を含む貿易収支に及ぼす効果を品目別に時系列データ分析を用いて分析しました。分析結果として,円安が一部の輸出品目にとっては短期的にメリットをもたらすが,貿易収支が赤字の品目では,短期・長期を問わずに円安が赤字を拡大させ,輸入コストの増加という形で経済全体にデメリットを与える可能性があると示しました。そして,円安のデメリットを軽減するとともに,メリットを拡大させるための政策として,エネルギー自給率の向上と輸出産業の高付加価値化という提言を行いました。

 高浜さん,木村さんの研究は第65回で唯一の入選論文として,講評と共に以下で公開されています。

公益財団法人 みずほ学術振興財団のwebサイト「第65回 入選論文集(経済の部)」

【高浜英人さんのコメント】

 指導教員の中澤先生が計量経済の実証分析を専門とされているため,私も本格的な実証分析を行いたいと考え,この大会に応募しました。大会への参加を通じ,社会科学における因果推論の難しさと奥深さを実感しました。

日米の貿易収支を品目別に分析するという方向性は夏明けから決まっていたため,データ収集や分析手法の選定は余裕を持って進められました。しかし,提言する政策については分析結果が出てから決める必要があり,応募期限直前まで定まらずかなり焦りました。締め切り当日の午後に経済学部の千明先生を訪問した後,深夜にやっと結論に達しました。理想的なスケジュールではなかったものの,入賞することができて嬉しく思います。

この論文は共同執筆者の木村さんの尽力,中澤先生をはじめとする多くの方々のご協力があって完成することができました。心より感謝申し上げます。

論文を見返すと,政策に関する詰めの甘さに加え,ドメイン知識の不足によるモチベーションや実証分析の枠組み,データチューニングの不明瞭さを感じます。今後,これらの反省点を踏まえ,一層研究に精進してまいります。

【木村彩香さんのコメント】

 大学2年次より金融に関する研究を行い,ゼミ指導教員である中澤先生の専門である計量経済学を用いた実証分析に興味を抱いたため,3年次には懸賞論文大会に挑戦することにしました。

研究テーマにおいて,円安の原因を掘り下げ,日本の貿易構造に与える影響を定義づけしました。具体的には,鉱物性燃料が貿易収支に及ぼす影響に注目し,実証分析を行いました。実証分析の仮説検証を通じて得られた結果を踏まえ,適切な政策内容やその有効性について十分に議論できなかったことは,悔いが残りました。

しかしながら,2年間共に研究に携わった高浜君,指導教員の中澤先生,ゼミのOB・OGの先輩方,同期生の支えがあったおかげで,2等に入賞という結果を得ることができました。研究を進める中で迷いや悩みが生じることもありましたが,多くの方々からご指導をいただき,論文を完成させることができました。この場を借りて,深く感謝申し上げます。

今後,大学2年次および3年次に習得した実証分析の手法やマクロ経済学の知識を活かし,卒業研究に邁進する所存です。

【中澤先生からのコメント】

 高浜さん,木村さんは2年生からゼミに所属し,3年生の一年間をかけて本論文の執筆に取り組みました。論文に対しての取り組みだけではなく,ゼミの運営や後輩の指導なども積極的に行ってくれました。今回の受賞はお二人の努力の賜だと思います。

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