2020.07.03FRI

国際経済学科 1年生向け2020年度春学期キャリア形成支援講座

5月28日(木)、1 年生を対象にキャリア形成支援講座をオンラインで開催しました。例年は経済学部OBの方数名をお招きして,キャリアや就職活動,学生時代の活動などについてシンポジウム形式でお話を伺っておりましたが,今年は新型コロナウィルス感染症の影響でそのような形での開催が困難となったため,オンライン講演会という形式となりました.講演では証券会社のエコノミストや政府系研究所の客員研究員の経歴を持つ国際経済学科教員の外木暁幸准教授が,大学生がキャリアについて考えるための経済学的な概念や経済統計の説明を行いました.

まず、キャリア・デザインとはワーク・ライフ・バランスを含めた長期的な人生の計画問題として解釈することが出来るとの説明がありました.生涯の生活水準は生涯に稼ぎ出せる賃金に依存することが「ライフサイクル理論」に基づいて解説されました.次に,総務省の『賃金構造基本調査』に基づき,学歴別や業種別の「賃金・年齢プロファイル」のデータを説明し,実質賃金の水準や賃金カーブの形状は個人が保有する「人的資本ストック」の水準に依存するとの考え方が説明されました.人的資本ストックとは個人が人的資本投資を蓄積・体化した結果であり,人的資本投資には投資費用,時間投入,努力投入が必要であることから,学生時代の過ごし方がキャリア形成にとって極めて重要であるとの説明がなされました.

また,多様な人的資本の中でどのような分野に費用,時間,努力を投入すべきかについて,「比較優位」や「希少性」の考え方を用いた解説が加えられ,自他の情報の非対称性がある中で自己の保有する人的資本ストックの水準を示す方法として「シグナリング」の重要性も説明されました.

学生からはオンライン・アンケートで,キャリア形成支援講演のを通じて得た知見や,考えたこと,感想などが寄せられました.学生が自分自身のキャリア・デザインについて考えるよい機会になったようです. 

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