不可思議な人間が織り成す不可解なこの社会で、人間らしく生(せい)を謳歌し、充実した人生を生き抜いていくために考慮すべきであろうことを六項目に分けて記(しる)す。その六つとは、(1)正しく生きるための考え方、(2)人生の目的・価値、幸福観、(3)大事な「言行一致」、「良い習慣」、(4)より良い社会づくりに向けて、(5)「自然の摂理」と「人情の機微」への感受性が“心の大きさ”、(6)毎日が人生、である。
早々に余談になるが、六項目に分けたのは、六が自らの誕生月であること、六が一番小さい完全数(自然数nの、nを除くすべての約数の和がnに等しいときのnのこと)であり、完全数の話がでてくる心温まる小説『博士の愛した数式』(小川洋子著)のファンだからである。寺尾聰(あきら)主演の映画も人情の機微に触れることのできる素晴らしい映画だった。
この六項目をトリガーにして、これからの人生で遭遇する様々な出来事に対処し内省を重ねながら、より良く生き抜くための人生哲学(生き方)を掘り下げ、周りの人を和ませ、清々しさと喜びに溢れた人生を生き抜いてほしい。
最初に人生を行き抜く上で、もっとも重要と思われる「人間としてどう生き抜くか、何を大切にして生きるかという価値観、心の拠り所となる基本的考え」について考えてみる。
第一部『生きるために大切なこと』目次
何を大切に生きるか(基本的考え)で、人生の質が決まる
“基本的考え”は、道理に則したもの
我欲を制御する克己心を高めよ
利他行は心身を強くする
習慣が人格をつくる
死を意識して生きる
「強くなければ生きていけない。優しくなければ生きる資格がない」
■基本的考えについての追記
人生の目的は人間性の高揚
夢は持ち続けてこそ価値がある
比較できない絶対的な幸福観を持て
自分にとって何が幸せなのか
参考)幸せとはなにか/『「哲学」は図で考えると面白い』より。
「巧言令色、鮮(すくな)きかな仁」的似非リーダーが社会を潰す
習慣パワーが「言行一致力」を高める
■ 習慣のパワーについての追記
社会的リーダーは、反倫理的に振舞うようになる
人物評価軸を正せば社会は良くなる……似非リーダーを排し、真のリーダーを探そう
真のジャーナリズムを探し、支援しよう
看過してはいけない二つの悪行
“悪行”の黙認者は共犯者
嘘つきは非人間の始まり
矛盾だらけの社会での生き方
■ 幸か不幸か強い利他の志を持ってしまった者の心構え
(5)「自然の摂理」と「人情の機微」への感受性が“心の大きさ"
琴線(微妙な心情)を読む
自然の摂理に学び共に生きる