<2022.12.15> 小平奈緒の講義で学びたい
10月2日の朝日TV「報道ステーション」。インタビューアーの松岡修造が「視聴者と心を通わせたいとして、スケーター小平奈緒(36)の感動の言葉を紹介。
以下(筆責:意志(いし)道(どう))。
一昨日の地元長野エムウエーブ(小平奈緒のラストランを見るために長野オリンピック以来の超満員)での現役最後のレースを終えた後の印象的な言葉を紹介――「私にとってオリンピックで金メダルを取った時よりも世界記録に挑戦した時よりもずっと価値のあるものだったと感じました」を紹介――、「金メダル以上に価値のあるもの、その気づきが小平さんの人生観を大きく変えました」で始まり、松岡が「金メダル以上のものってなんなんでしょう?」の問いに、小平は「記録とか順位ではかれないものを手にできた。というのが何よりでしたね。金メダルって物じゃないですか。記録も数字だし、いつでも誰かに破られるもの。でも心は通ったら、いつまでも通っていられるのかなって思って、人とこんなにつながれる人生だと思っていなかったので、こうやって会場いっぱいに応援してくれる人がいるんだっていう、ただそれだけで本当に幸せでした」と。松岡の「人とのつながりに、どうして金メダル以上の価値を見出すようになったのかは、こんな思いが芽生えたからですね。」を受けて、小平は「心がリンクを飛び出していった、というか、飛び越えて違う世界に行きたいって思ったので、自分が見てこなかった世界があると思い、それを見てみたい好奇心かなって思います。」と言う。
きっかけになったのが3年前、地元長野を襲った台風19号。その復旧に、金メダリストとして訪問するのではなく、いちボランティアとして自らインターネットで申し込んで参加。この経験が競技一筋だった小平さんに、大きな気づきを与えてくれて、「リンピック、オリンピックって言って、そこに執着していると、どんどん世間からかけ離れていってしまう感覚もあって、そんなに特別じゃないというか、人としてどう生きるかが大事だって、人は学びも運んでくれますし、喜びも共有できますし、悲しみも分け合えられますし、人がいるから私生きていられるんだなと思った」と言う。この思いが、現役引退へとつながっていったのです。そして引退を決めてからの6か月間も、金メダル以上の価値をもたらす日々でした。小平:「いつまでもやってられると思うと、中身も薄くなっていきますけど、覚悟を決めたというか、覚悟を持ったので、そこに向けてやっていくだけですね」。「毎日、技術の進歩だったり、思考の変化だったり、を楽しむ、毎日の積み重ねだったので、やめると決めたことで、エネルギーが集中していくというか、これまでに経験したことのないエネルギーで、最後と決めたゴールの日まで、ずっと自分の中で起こる学びの化学反応を楽しんでこられました」と語る。
さらに、「人間は体を素直に使えないと、スポーツでのパフォーマンスも上がらないんだな、というのを気づきました。素直に、っていうところですね。出しゃばらないってことです。」松岡「それは欲っていうことでしょうか?」、小平「そうですね。欲が出たりとか、力があるから力を出そうではなくて、素直に氷に置くだけ、みたいな。そこに対して反応してきたものをしっかり受け止めて次のストロークにつなげる。素直に氷の声を聞いて」。
遂にその時が来ました。スケート人生の集大成。足にかかる氷からの感覚がピタッとしてたので、本当に素直に氷と向き合えたなっていう、氷はちゃんと応えてくれいましたし、ほんとに“楽しいね”っていう感じでした」。
松岡「これが小平奈緒の滑り(1位、小平奈緒37.49、2位、高木美穂38.18、3位稲川くるみ38.25)。これまでの学びの中で小平さんが一番力となっているものは?」→小平「力になっているのは、人です。地に足をつけて、みなさんのお側で生きていたいっていう思いです。頑張れば、あと人生も60年ぐらい。元気よく生きていきたいです」。
インタビュー―を終えた松岡「インタビューしてて、本当に幸せな気持ちになりましたね。なにか奈緒さんのピアな心にずーっと包まれていた感じだったんですよ。なんでこんな気持ちになれたのかな、それは、奈緒さんがずーっと追い求めていたのが、素直な心というものと素直な体だったんじゃないでしょうか。彼女は、氷としっかり向き合って、ありのままで、滑ることができたって言ってました。素直な心っていう、それは、人なんですよね。お互いが心が通い合う、思いやれる、最後のレースで思えたから、幸せだったんだなーって感じました。こんな日になるとは思ってもみなかったので、もう、ずっと幸せに浸っています」。
今後の道は、母校信州大の特任教授として、学生相手に講義をするようだ。札幌と日本オリンピック委員会(JOC)による2030冬季五輪の誘致活動への協力要請を保留している、平(ぴょん)昌(ちゃん)オリンピックで見せたスポーツマンシップ+優しい心、真のオリンピアン心(金にまみれた五輪と一線を画す、社会とのつながりのあり方を考えるなど)を持つ小平奈緒の言動に注視したいし、講義を受けてみたいものだ。
<2022.12.1> 自公政権を終わらせなければ、この国は浮上しない
政権政党議員の終わりのない不祥事で、国政が停滞している。一部のメディアは、野党は、追及をほどほどにやめて、法案審議を進めるべきだと言う論調も見られる(この種のメディアは、権力監視の社会的使命を忘れており、ジャーナリズム失格メディア)が、権力の不祥事を正さなければ、根っこが腐った政権は、大きな過ち(安全保障、税制、原発などの政策)を起こすに違いない。これを免れるには、不正義を正し、こんなことをすれば当人及び政党が終わるという危機感を与えなければならない。
一連の不祥事の発端は、旧統一教会絡みでだらしない対応をして更迭に至った山極旧経済再生担当相、これには自民の常識外れの人事のおまけ付(更迭4日後に、自民党のコロナ対策本部長に任命)、次に葉梨法務相(死刑を軽視する軽率発言)、寺田総務相(政治資金問題)と続き、わずか1カ月で3人の閣僚が更迭。更に、統一教会へ会費を払っていた秋葉復興相、国会本会議での明らかな居眠りを指摘され、「目が大きくなく、考えるときに目を細める癖がある」と釈明した松本総務大臣、そして、政治資金支払いで野党から追及されている寺田復興相、非倫理的で人権軽視発言の多い杉田水脈(みお)総務政務官の任用を始め岸田首相の人を見る目がない、ことが明らかになったと同時に、自民党に人材がいないことを露呈した。これは、政府案に賛成票を投じるだけのマシーンで、民主主義を理解しない愚者・考えない人間を自民党公認に指名するのだから致し方ないとしても、政治資金報告書の不備が指摘され、世襲目的で長男を首相秘書官に登用した岸田総裁含め、自民党議員は、国民のためよりも身内のために働いており、保身だけが判断基準の議員を劇的に減らすことだ。
非道徳的な政治家がうまい汁を吸い続け、非民主的な独裁的政治続く。多数の議席を持つ政権与党が動かなくては、改革は無理(既得権益層は動かない)なのだから、国民の厳しい目が必須。しかし、ノンポリの多い、国民の不断の努力を必要とする民主主義を育てる意識の低い日本国民に期待できそうもない。
この現状から脱し、国民のためのまっとうな政治に戻すために、やるべきことは、
まずは①身を切る改革:金銭的に世界一優遇されている(一人当たり数億円の税金)国会議員定数削減を公約する政党への投票。その上で、②独裁体制の阻止:選挙制度改革(一票の格差が3でも違憲ではない、有権者総数に占める絶対投票率約19%/比例で議席占有率約56%/2021年10月末の衆議院選や英国では規制されている世襲議員規制など)、③活動費を減らす:民間企業ではありえない使途報告のない税金原資の政治資金(金で政策を買う企業献金の批判を受け、税金から各党に政治資金を渡している-自民党へは243億/2,021年分。共産党は辞退。その後財界が政治献金を再開し、二重取り)の情報公開など制度の見直しが必要。企業の政治献金再開は、もし松下幸之助が存命ならば、経済の本質(国民の生活を救う)に沿わない自公政権への献金再開に反対したに違いない。原発再稼働を始め利益最優先の経団連の中で、異様な自民党政権に多大な献金をしているのは、日本自動車工業会で、自動車を買わない倫理的消費活動は無理としたら、献金の多いトヨタ自動車、日産自動車、ホンダ車の購入は控え、自民党の政治献金、活動費を減らす必要がある。
最後に、ともかく、ほとんどの議員が旧統一教会と関係している自民党の旧統一教会公認の議員と当然先の不適格議員たちを落選させる、落選運動——有力な対抗馬への集中投票――をやることだ。政権チェンジで、アホノミクス(アベノミクスを同志社大学大学院教授・浜矩子(のりこ)氏命名)で、30年以上も賃金は上がらず、生活も国威も急落させた自公政権下とは違う世界を観たいものだ。
<2022.11.15> 岸田政権自身による信頼度大幅下落
岸田内閣の支持率下落を加速させる事案が相次いで起こっている(内閣支持率は、あの読売新聞、NHK(11~13日)の世論調査でさえ、各々36%、33%と過去最低)。まず、旧統一教会問題で常識外れの対応の連発で更迭された山際経済再生担当相が、その4日後に、自民党のコロナ対策本部長に任命されたことだ。多分多くの国民が冗談だと思ったに違いない。覇気のない岸田さんもユーモアを解する首相なんだと思ったが、マジに任命したようで支持率低下に拍車をかけている。受けを狙うならば、コロナ対策本部長ではなくて、統一教会対策本部長に任命すべきだったと思う(コロナ対策本部長に推薦したのが、旧統一教会とズブズブの関係にあった萩生田政調会長だったようだが、なぜ旧統一教会対策本部長にしなかったのかなあ)。記憶喪失者を対策本部長にすれば、萩生田政調会長の追及も含めこの問題を、自民党が望む“ウヤムヤ”にするのに相応しい人物だと思う。
北朝鮮のミサイル警報関連のJアラート(全国瞬時警報システム)に不備――マッハの速度で突き進むミサイルを日本通過後に発信し、日本上空で飛翔体を見失ったのに、Jアラート送信するなど――、Jアラートシステムは一国の対応としてはお粗末極まりない。この体制でミサイル発射を事前察知して敵基地攻撃をする論議をするなんて、ありえない。今取りざたされている憲法違反の敵基地攻撃を信頼性ゼロのシステム下で行ったとしたら、国際法違反の先制攻撃と言われ、今のロシアのように国際的非難に晒され、日本人が世界の問題児として国際社会から村八分にされるだろう。自民党政権ではJアラートの改修検討をするようだが、韓国との国交正常化特使の日本のやくざ議員・麻生副総理に、北朝鮮に出向いてもらって、Jアラート改善ができるまでミサイル実験を引き続き行ってもらうように、働きかけてもらったらどうだろう。金正恩vs麻生副総理。見ものだね。ひょっとしたら、麻生副総理の株および岸田内閣の支持率が少し上がるかもしれない。
もう一つ、岸田内閣の支持率を上げる方法がある。それは、安倍元首相が国会議員として拾い上げた、中国・韓国へのヘイト、女性や性的マイノリティ―に対する差別発言――「LGBTには生産性がない」――や「統一教会の信者にご支援、ご協力いただくのは、何の問題もない」発言、性暴力被害を訴えた伊藤詩(し)織(おり)さんへの誹謗中傷(「いいね」ツイートで名誉棄損と認定され(現在、最高裁に上告)、政務官としての資質を問われている杉田水脈(みお)総務政務官を更迭することだ。先の山際氏は、頓珍漢な応答ではあるが、質問には応じた。しかし、杉田氏は「個人的なこと」、「総務大臣政務官としての立場なので、個人的な投稿について見解の表明を差し控えたい。」(公的な立場として応じるべきだが)と逃げ回り、国民を小ばかにし、アイヌや在日コリアンを「民族衣装のコスプレおばさん」と呼ぶなど、日本人の恥さらし的存在なのだ。相手は小粒だが、その害は大きく、「更迭の効果」は予想以上にあると思う。
日本人を救うために、地位保全が判断基準の、基本的常識欠如でとぼけた岸田首相を隔離しよう!
<2022.11.1> 岸田首相は何をしたいのか
岸田内閣の支持率が、立憲主義と民主主義を壊した、国葬に値しない安倍元首相の国葬問題を口火に、安倍一族と長期間(岸信介~3代続く)濃厚な関係にあった反社会的団体・旧統一教会問題によって、劇的に続落中だ――共同通信の最新世論調査では、支持率35
%(過去最低)。
この二つの問題での対応で、不信感が更に増した。例えば、国葬決定過程の国民の批判は認めながら(現状認識力不足の茂木幹事長は認めていない)、国葬の基準作りに振り替え、自身や自民党の落ち度をぼかしたり、旧統一教会問題では、被害者救済(これも大事だが)に焦点を絞り、肝心の自民党との関係、政治家(安倍元首相、細田博之衆議院議長や名称変更を認めた下村博文(はくぶん)元文科大臣、濃厚関係にあった萩生田光一政調会長)との関係解明には後ろ向きだ。核心ぼかしに注力している岸田首相と自民党。これに相乗りしている野党も野党だ。岸田首相は、同じ文言を繰り返すことが「真摯に謙虚に丁寧」な説明だと思い込み、常套句「真摯に謙虚に丁寧に」を繰り返す。こんな首相に付き合っていては、この国をとんでもない国にしてしまうに違いない。国民は、「検討する」と、逃げる首相への監視力を高めなくてはならない、やっかいな仕事抱え込んだものだ。
岸田首相が、昨年の総裁選で表明した民主主義の危機的現状を脱するには、安倍政権下で行われた不正(憲法違反―違憲立法、や公文書の改ざん、モリカケ・桜を見る会など友達優遇政策)を正し、言明した政府の主要な仕事である“配分”に力を入れるべきだ。
岸田首相は国のトップとして、何をしたいのだろうか。「何もしない、聞くだけの首相」という評価が固定化しているが、やっていること(決めたこと)も間違いだらけだ。
例えば、旧統一教会での対応は、自民党と自民党議員を守ることが第一で、正しい政治や国民のことは、まったく考えてとしか思えない。また将来にわたって致命的な判断ミスをした。それは、脱炭素要請とロシアのウクライナ武力侵攻によるエネルギー不足に便乗して、原発の運転期間規定「原則40年、最長60年」を削除し原発推進(新増設&老朽原発運転)を提案したことだ。あの原発事故から原発を止めたドイツも原発の稼働延期を決めたが、それは、電力や天然ガス供給逼迫下での越冬対応として本年末に停止予定の3基中の2基(これで脱原発完了)を4月中旬まで期間限定の稼働延期であり、岸田首相の国民の命を考えずに、原発利権優先で、ミサイル攻撃の対象にもなる原発新設提案とは根本的に異なるものだ。国民の命を守ることを最優先に判断したドイツ政府(35年までにほぼ100%再生エネ方針)と利権優先の岸田政権。どっちがまっとうな政府かは、一目瞭然だ。
また、メリットだけを説明し、デメリット(情報漏洩など)とその対応を説明しないマイナンバー制度。マイナンバーカードと一体化した生煮えのマイナ保険証の義務化(健康保険証の2024年廃止)宣言。これらも間違った判断(乱暴なアプローチ)だ。これこそ、本制度への国民の不安払しょくのために、丁寧な説明が必要だ。
ウクライナ侵攻に便乗した「敵基地攻撃能力(反撃能力)」も明らかに憲法違反なのだが、軍備増強と合わせ検討をしている。また敵基地への攻撃は、相手国の「指揮統制機能等」への攻撃もミサイル発射の兆しで攻撃(自民党安全保障調査会で多くの議員が賛同)するようだが、日本にその技術的察知能力は乏しいし、頼るアメリカの情報だって、イラクの大量兵器開発情報が嘘だったように信頼性は乏しい。これでは憲法違反かつ国際法違反の先制攻撃になる。これが閣議決定する前に官邸など中枢機関所在地の東京都民は疎開すべきだと思う。
国民が、長期の自民党政権が進めた非正規社員の増産のアベノミクス――まず富裕層を富ませれば富が庶民に滴り落ちる「トリクダウン」――のウソに騙され、異次元の金融緩和による円安(物価高)で、生活苦にさらされている中、岸田首相は、長男を政務秘書官に起用(税金の無駄無駄遣い)した。これは、世界一優遇されている政治家が身内の者への身びいき政策(議員世襲)なのだろうが、世襲議員の多い自民党ならではの処置だ。この判断も大間違いで、何もしない、やることは身内のためになるかどうかで、国民のことを考えない岸田首相とそれを支える自民党議員を放置していては、日本社会の将来は無い。
身を切る改革要求(世襲議員規制、議員定数減、国からの約5000万円超の年間報酬の減額など)の声を上げよう!24日、反社会的集団・旧統一教会と関係を持っていて、その対応で失態を晒(さら)した山極大志郎経済再生担当大臣が自民党内調整によって更迭辞任した。しかし議員辞職はしない。「なにしろ5000万円だもんね」。これでいいの?かなあー。
<2022.10.15> 「半面教師」安倍政治が残したもの
10月3日、国会が開かれた。国葬や統一教会問題を解明して、未来志向のまっとうな国政審議に入るべきだが、諸問題に誠実な対応が得られなければ、まっとうな政治は出来る筈もなく、政権を任せられず、民主主義を蔑ろにする問題の解明が大前提だと思う。
この観点での安倍政治の総括的記事が4日に東京新聞「こちら特報部」にあった(意志道の定期的チェック記事)。以下、アベ政治(含むアベノミクス)の備忘録として「今も論争の中心漂う安倍氏の影」を拾った(記事転記)。< >内は、石頭団塊団の意志(いし)道(どう)加筆。
国葬の理由にもなった憲政史上最長の約八年八カ月の首相在任期間で積み重なった課題は、死後も重くのしかかっている。
問題の背景には、安倍政治下で進行した議会制民主主義の破壊がある。衆議院事務局の職員を務め、与野党を経験した元参議院の平野貞夫氏は「少数派の意見にも耳を傾けながら合意形成をするという、かっての自民党にあった鉄則が軽視された」と憤る。<統一教会でのあの後だし閣僚・山極大志郎経済再生担当大臣は謝罪したが「野党の話は聞かない」発言を平気で発することからも明らか>
典型的だったのが二〇一五年九月、国論を二分するなかで行われた安全保障関連法<米国が望む集団的自衛権行使容認の解釈改憲>の強行採決。特定秘密保護法や「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法、カジノ実施法など、国民の懸念が強い法案をことごとく数の力で通した。<安倍元首相は憲法違反常習首相だった>
二大政党による政権交代が現実のもととなり、旧民主党政権を経た第二次安倍政権で少数派軽視が顕著になったと平野氏は指摘する。「多数決で過半数を取れば、何でもありになってしまった」。最たるものが、憲法五三条に基づいて野党が求めた臨時国会召集を安倍・菅政権が相次いで拒否した問題だ。平野氏は「少数派の排除は権力の犯罪だ」と訴える。
「佐藤栄作や田中角栄の時代、政府がむちゃしようとすると、事務方や元老的な議員が説得すればわかってもらえた。憲法にのっとって議論するという意味で基本的な思いは共有できていた。いまはそれがない。」
また安倍氏は国会で、閣僚席から「早く質問しろよ」「意味のない質問だよ」などと野党議員にやじを飛ばし、撤回や訂正を繰り返した。<東京五輪誘致では、放射能のアンダーコントロール発言で国際社会にウソを言ったが>「桜を見る会」前日の夕食会などを巡る疑惑では、国会で百十八回も虚偽答弁していたことが判明。議会の権威は失墜し、政治不信を高めた。<これらの問題の説明をせず、国葬で闇に葬られた感は強く、この追求をしないメディアの責任も大きい>」
「安倍氏の特徴は『報復主義』。党内外で、自分に異を唱える者を徹底的に攻撃した」、<すべての国民のために働く立場でありながら、非民主的な政治手法を批判する人たちに向けて「こんな人たちには負けるわけにはいかない」など>と説明するのは、東京大学先端科学研究センターの牧原出(いづる)教授(政治行政システム)。「分断を逆手にとって支持を固めてきた。一定層に支持されるためにも戦っている姿を見せたかったのだろう」と分析する。
議場に分断を持ち込んだ安倍氏の死去を機に、国会は「熟議の場」に戻れるのか。だが牧原氏は、安倍氏の銃撃後に野党と協議せず、わずか二週間で国葬を閣議決定した岸田政権に「安倍政治を継承することで、政治運営できると考えており問題だ」と危機感を抱く。
「岸田首相になってからも国会への法案提出が低調で、逃げの姿勢が目立つ」と話すのは、明治大の西川伸一教授(政治学)。内閣法制局のデータでは、
二〇一三、十四年に年百件前後あった内閣提出法案は、七十件前後に減少傾向だ。三十日の演説で岸田首相は「厳しい意見を聞く姿勢こそ原点」と語っており、「それならば、野党に十分な批判の時間を与えるべきだ」と安倍政治の検証を求める。
憲法六十二条は、衆参両議院の国政調査権を規定しており、強制力のある参考人招致で関係者の説明を求めることができる。また、特別委員会を設置しての調査や集中審議による議論も可能だ。西川氏はこう述べる。
「安倍政権以降、自民一強体制が続く中、野党を無視した国会運営を続けてきたが、数の力で押し通すやり方からの脱却が必要。少なくとも集中審議は、岸田首相の判断で行われるべきだ。国葬に莫大な税金が使われ、旧統一教会との関係も不十分で、国民は納得していない」
以上。
そのほか、自身の友達の「加計学園」への(忖度)官僚を巻き込んだ不正(2017年)。「森友学園」での国有地の格安売却に関する疑惑や公文書改竄や記録の破棄(2018年)。
自身の支持者への参加費を補てんした政治資金規正法違反での「桜を見る会」(2019年)問題(安倍氏不起訴)。欧米では失敗が検証されたトリクルダウン理論を掲げ、非正規雇用の増大により貧困化と貧富の格差社会を産んだ。掛け声だけのアベノミクスの第三の矢(民間投資を喚起する成長戦略)は折れ、国際社会から取り残された長期間の不景気下、異次元の金融緩和政策による円安で国民は生活苦に喘(あえ)いでいる。
昨日(14日)、安倍友(富士フイルムホールディング古森重隆CEO)傘下の富士フイルム富山化学のコロナ用の薬「アビガン」(開発当初から生殖細胞への影響など危険性が指摘されていた)が、これまた安倍ポチの日本サッカー協会の田嶋幸三会長のPR活動もあり、閣議決定した200万人分の備蓄で富士フイルムは大儲け(アビガンの原料を供給する安倍友企業の宇部興産—辺野古基地建設請負企業も儲けた)――以上『紙の爆弾』8月号参照。話題に上った2017年から5年、安倍元首相が指示した異例のスピードの認証計画は「効果無し」で開発中止になった。(安倍友達優遇政策終焉?だといいのだが、、、
これより先の10月12日には、安倍元首相の国葬に参加しないとした自民党の良識派議員・村上誠一郎衆議院議員が、安倍元首相は「国賊」だと発言したことで、自民党から1年間の役職停止処分を受けた。「国賊」発言の中身は、「財政(財政悪化が進み)、金融(円安による物価高など)、外交をぼろぼろ(近隣諸国との関係悪化)にし、官僚機構(不正への加担や忖度の横行)まで壊した。国賊だ」なのだが、「国賊」の言葉は別として、その他の指摘は正しいと思う。現に、国民の6割以上が「国葬を評価しない」(8,9日の共同通信電話調査。因みに「評価する」は約37%)。村上氏を国会に送り続けている愛媛2区の人たちは立派だ。
<2022.10.1> 「国葬」は終わったが
先週の火曜日(9月27日)、国難の「安倍元首相の国葬」が終わった。
NHKラジオの2時、運転中の車内に「黙祷」の報=追突事故のタイミング、聞き流した。もとより前ブログ(9月15日)の通り、「国葬」反対の立場でもあり、「黙祷」ではなく「黙殺」したが、暗澹たる気持ちというか、不思議な感覚「虚しさ」が心を覆った。
夜7時のNHKニュースだったと思うが、はるばる沖縄から献花に来たという子ずれの若いお父さんのインタビューが流れたが、太平洋戦争で「捨て石(本土の犠牲)」にされ、「米軍基地」がある故に戦争が起これば真っ先に狙われ、「捨て石」にされる、地位協定で憲法にも守られず、最近では「辺野古新基地反対の民意」も無視してきた自民党の元総裁の献花のために訪れる感覚が分からない。
意思(いし)道(どう)の国葬反対への主な理由は、前ブログで記したように、法的根拠がない、国会での議論なく国費を使う閣議決定をしたことではなく、森友学園問題を始め、「モリカケ桜問題」での虚偽答弁、公文書の隠蔽改竄、友達と富裕層のための公費の濫用、将来不安を醸成した非正規社員の増産政策による格差社会と分断社会を齎(もたら)し、非立憲主義、非民主政治を行った倫理観欠如の戦後最低最悪の首相だった安倍晋三氏は国葬に値しない人物だということだ。
国民の半分以上が反対しても、そんな人物の「国葬」を「閣議決定」で押し通す自民党政権のどうしようもなさを感じる。「戦争も閣議決定」で決め、プーチンと同じ道を歩むのではないだろうか。この虚しさを払い除けるには、統一教会公認の自民党政権を終わらせることしかなさそうだ。そうすれば、このモヤモヤも晴れるに違いない。
また、沖縄から献花にきた人には、「人はなんのために生きるのか」を考え、沖縄の歴史を知って欲しい(核基地のまま憲法の支えなしに放置されている沖縄…核兵器による報復攻撃で壊滅するのが、その島国のすべての人間の確実な、近い未来図であるとの記述がある大江健三郎の『沖縄ノート』や『狙われた「(日本軍による)集団自決」』等を読んで欲しい。また2020.5.15の本ブログ「沖縄の悲劇の根っこ」を参照)。この男は、「沖縄の民衆が壊滅するという状況を、安い犠牲とみなす者たち」(『沖縄ノート』)、すなわち日本人なのだろう。そうであるならば、はるばる沖縄から安倍氏の献花に訪れたことが頷(うなず)ける。
あーあ、それにしても虚しい...
<2022.9.15> 世紀のワーストイベント「国葬」に招待されたらどうしよう
国民の反対が多い中(NHKでは、反対の多い国葬とは言えず、「異論がある国葬」と表現)、政府はやっきになって手当たり次第に参列者を探している。余談だが、「桜を見る会」での安倍元首相珍答弁「募っているが募集はしていない」を思い出す。
まともな人間なら理性的に判断して出席はあり得ないとしても、日本国民の半数以上が反対する中で、「国葬」に出席の意思表示をしている国に失礼になっては、と思い。意思道は、招待状が来たらどうしようと、真剣に考えてみた。
「国葬」は、Wikipediaによると、「国家にとって特別な功労があった人物の死去に際し、国費で執り行われる葬儀のことである」とある。
それを踏まえた上で、以下の不参加理由を添えて返信した。
安倍元首相が、国家・国民にとって特別な功労者とは言えない。しかも、今回の「国葬」は、法的根拠がなく、国民の代表が審議する国権の最高機関である国会にも諮らず、全額国費(税金なの)を独断決定と言う法治主義(「法の支配」)に反する非民主的な決定であり、加えて、安倍政権は、国会議員が率先して守らなければならない(「憲法99条」:憲法尊重擁護の義務)のに数々憲法違反——集団的自衛権の行使容認の安保関連法、野党の臨時国会開催要求(憲法53条)の無視など――を犯し、合意形成を嫌い、数の力を背景にした民意無視のルールづくり――「知る権利」の侵害の「特定秘密保護法」、「共謀罪」、「辺野古の米軍新基地建設」や前代未聞の国権の最高機関(国会)での虚偽答弁。公文書改竄、モリカケ「桜を見る会」など友達優遇政策と誠実な財務省役人を自死に追いやった。加えて、その後の不誠実な対応。最近では、多くの家庭崩壊を招いた、社会的に問題がある旧統一教会の後ろ盾になった安倍一族(祖父の岸元首相から安倍元首相まで3代。「国葬」実施に不利になるため全容解明調査を拒否)。1ミリも進まない拉致問題や北方四島の返還に期待を持たせながら地球儀を俯瞰する外交をスローガンに一回数億円の外遊(夫婦旅行)を重ね、「桜を見る会」やアベノマスクなど税金を好き勝手に使い、その上全額税金での国葬。死んでまで税金を使う。
欧米では富裕層を富ませるだけの政策として既知のトリクルダウンで国民を騙し、そして将来への夢(結婚し、子どもをもうけるなど)を奪う非正規社員の増産政策を進め、貧困層の放置拡大で、日本社会を根っこから壊した。
国民を敵と味方に分ける言動で社会を分断し、民主主義の何たるかもわからず、政治と日本社会を壊し続けた戦後最低最悪の首相だった人が、なぜ「国家にとって特別な功労があった人物なのか」、なぜこんな人が国葬の対象になるのか、石頭団塊団の意志(いし)道(どう)には皆目分からない。
以上が招待拒否理由です。
<2022.9.1> 「国葬」=「安倍晋三お友達葬」に思う。
先日、心底に確固たる人生哲学を持ち、多くの人に慕われていた「現代の松下幸之助」、「経営の神さま」稲盛和夫さんが亡くなった(90才)。NHKニュース7の報道では、「人間として何が正しいか」を座標軸に据えた経営哲学を持ち、「人間として正しいことを正しいままに貫く」、人となりが紹介された。この報を聞くと同時に、立憲主義を解さず、国家の最高規範である憲法を無視した政権運営、友達と富裕層優遇の政治手法、平気で嘘をつく安倍元首相を全額税金(国費)で賄う「国葬」をすることへの気持ちの悪さを感じた。今回の「国葬」が、「内閣の行う儀式」ではなく、天皇の国事行為以外の初の「国の儀式」として実施されるようだ(国会での議論なしに。しかも国民の半数以上が反対の中、)。
無知(むち)無恥(むち)の戦後最低最悪の人物の前代未聞の「国の儀式」が行われようとしている。昨日(31日)の記者会見で岸田首相は、説明不足を陳謝し、丁寧な説明をするというが、国民が反対しているのは説明不足だからではない。反対は、国葬するに値しない人物を国葬にすること、税金を使ってやること、への反対なのだ。問題の核心が分からない人に国の運営を任せてられないことが、支持率低下(旧統一教会問題や核廃絶への対応、原発再稼働問題を含め)を招いているのに。。。
生前の税金の私物化に加え、死後も国会での議論なし、すなわち憲法違反(国の財政処理の権限は国会の議決に基づいて行使、に反する)で、年々膨らんでいる、政府が好きに使える予備費(6兆1200億円/22年度)から緊急時でもないのに2.5億円を使うという。(30億円は超えるとの報道もある)総経費額の発表は、国葬反対が増すのを恐れ、国葬後に行うようだが、これは先のオリンピックと同じ結果になるのは明らかだ。国民を騙しての税金の無駄遣いの極みだ。国民は今まで以上に、納税に背を向けるに違いない。
このように全く納得できない事態が進行中なのだが、まだ40%弱の人が「国葬」に賛成している(7月19日の段階では、NHKの世論調査では「評価する」49%、「評価しない」38%。これ自体論外だが、8月6日には、「評価する」が36%、「評価しない」が50%と逆転したが、「評価する」人が36%もいる)。
稲盛和夫さんの言う「人間として何が正しいか」の意味の重要性を理解できない、倫理観欠如の日本人の多さに驚く。これでは、稲盛さんが望む政治状況「政権交代可能な国」は望めず、旧統一教会と自民党の関係問題における二階元幹事長の傲慢発言「自民党はビクともしない」を許しているのは「人間として何が正しいか」の重要度を理解できない国民だ、と思う。これからも非哲学的で横暴な政権が続くだろう。
朝日新聞の朝日川柳に下記がある(本「毒薬」ブログの協力者より入手)。
「国葬」あれもこれも葬る場。 「死してなお税金使う野辺送り」。
関連した動きとしては、安倍元首相とお友達だった元TBS記者の逮捕状(2015年のジャーナリストの伊藤詩織性暴行事件)を握りつぶした功績(言うまでもなく「人間として正しくない」こと)で、異例の昇進をした警察庁の中村格(いたる)長官(59)が事件の責任から国家公安委員会に提出した辞職願が8月25日閣議で承認された。退職金は8000万円(これも税金)。居心地の悪い職場からの逃避かも?だとしたら、一挙両得。
自民党有志の保守系グループが安倍元首相を永久顧問にした。因みに、説明した「団結の会」代表世話人の高鳥修一衆院議員は、統一教会に会費を払っていた人物であり、永久顧問は、統一教会との関係継承する、意思表示なのだろうか。
参列予定のマクロン仏大統領が、「内政の予定」を理由に撤回した。石頭団塊団の意志(いし)道(どう)は、駐日大使が「日本国民は「国葬」を歓迎してない」と、フランス本国に伝えた結果だと思いたい。そうであれば、フランス駐日大使は立派だ。各国は安倍氏の狙撃は旧統一教会も問題があることを知っている。フランスはカルト規制が厳しい。米国大統領も来ない(日本の国論が分かれていることは、米国も承知)。
31日、岸田首相は記者会見を行ったが、ポーズだけ?の陳謝と今後の予告だけで国民が納得できる内容はほとんど無かった。このまま、何の国民への功績もなく、立憲主義と民主主義だけでなく、社会の常識的秩序を壊した人物の国葬を国民の半数以上が反対する中で、実施すれば、歴史的汚点として度々引き合いに出されるに違いない。
<2022.8.15> 「国葬」の新聞各社のスタンス
先日、図書館で半日調べ物二つした。一つは、15日の終戦記念日を迎えるにあたり、戦争の真実を知るための本探し(今後毎年の習慣にしたい)。借用したのは、「狙われた『集団自決』」。もう一つは、安倍氏が凶弾に斃(たお)れた7月8日の6日後に、岸田首相が会見で「今秋全額税金での安倍氏の『国葬』をする」と発表した件で、日本ジャーナリスト会議(JCJ)の声明――「『国葬』にメディアは明確に反対を」――を受けて、「安倍元首相の国葬」のメディアの扱い、特に大手新聞各紙が社説でどのような主張をしたかを調べるためだった。
以下に、JCJの声明(各誌の社説が出そろった後の8月8日)「戦前の遺物『国葬』に メディアは明確に反対を」の全文を記す。
安倍晋三元首相が銃撃を受け死去した。これに対し岸田文雄首相が「国葬」を 実施すると閣議決定したことに、批判が強まっている。だが主要メディアの「国葬」に対する姿勢はあいまいだ。「国葬」は天皇主権の明治憲法体制の遺物であり、国民主権・民主主義とは相いれないという立場を、報道機関は明確にし、人々 に伝えるべきではないか。「国葬」とは何か歴史を踏まえて検証し、国民の「知る権利」に応え、「国葬」を実施するなと主張することを強く望みたい。「国葬」は、明治憲法下において天皇の勅令「国葬令」に基づき実施されてきた。敗戦後、日本国憲法成立に伴い、「日本国憲法施行の際現に効力を有する命令の規定の効力等に関する法律」第1条により1947 年に失効した。日本国憲法の思想信条の自由、内心の自由、政教分離の原則と相いれないからだ。現在、国葬を行うことにも、その経費を全額国費から支出することにも法的根拠はない。政府は内閣府設置法で内閣府の所掌事務とされている「国の儀式」として閣議決定すれば可能とするが、「国の儀式」に「国葬」が含まれるという法的根拠はない。1967 年10 月に吉田茂元首相の国葬が行われた。この時も当時の佐藤栄作首相が閣議決定だけで実施した。翌年の衆議院決算委員会で根拠法がないことについて質疑があった。その後議論が深まることはなく、「国葬」ではない合同葬や 「国民葬」が行われてきた。それが今なぜ唐突に「国葬」なのか。今回の「国葬」に対する主要メディアの批判は、国会で説明していないこと、故人の業績への評価が分かれていることなどに重点を置いている。安倍元首相 と旧統一協会との深いつながりが明らかにされてきた今、それらも重要な問題として追及しなければならないのは当然である。しかし何よりも、「国葬」の最大の問題は、国民に対して特定の個人に対する 弔意を事実上強制することにある。国費で行うため、国民は税負担も強制されることになる。「弔意を強制することはない」と政府は言う。しかし、吉田元首相 の国葬では、全国でサイレンが鳴らされ、娯楽番組の放送が中止された。近年でも「日の丸・君が代」を法制化した際、国民には強制しないと政府が説明したにもかかわらず、学校現場などで強制された例は数多い。教員らの処分が横行した。それと同様に、「国葬」への抗議行動が監視や取り締まりの対象になる恐れがないと言えるだろうか。また今後、「国葬」に類する政治的行事が乱発される危険はないだろうか。「国葬」強行は、戦前回帰、異論封殺、国民総動員につながりかねないという危機感を持って、報道機関は取材に当たってほしい。戦後ジャーナリズムの原点 に立ち返って「国葬」にきっぱり反対の論陣を張ることを呼びかける。以上 国会開会の日に国会議員のみなさんへ
以上がJCJの声明だが、声明文の中の「主要メディアの『国葬』に対する姿勢はあいまいさ」を調べてみた。なおJCJの意見と似通った部分は、割愛した。<>内は、意思(いし)道(どう)の独り言。
朝日新聞は、7月20日「安倍氏を悼む。国葬に疑念と懸念」と題して、安倍元首相の実績には賛否両論がある。国葬が政治指導者に対する冷静な評価を妨げないか。(国葬に関する)法令はない。基準がない以上、時の政権の政治判断となることは避けられない。安倍氏以前に首相の連続在任が最長の7年8カ月だった佐藤栄作の場合は、政府、自民党、国民有志による「国民葬」だった。国葬は法的根拠があいまいなうえ、首相退任から死去まで3年足らずしかなく、吉田ほど歴史的評価が定まっていないことなどが理由とされた。<安倍氏も場合も負の面が多いと思う人が沢山いる>(本誌は)安倍氏の政策の是非を厳しく問い、国会を軽視し、異論を排除するような政治姿勢を批判してきたが、立憲主義を蔑ろにし、安保法制の強行は世論の分断を招き、森友・加計・桜を見る会を巡っては、長期政権の弊害が明らかで、それはいまも解明されていない。自由な論争を許される風潮が生まれなければ、それこそ民主主義の危機である。
毎日新聞の7月23日の社説は、「安倍氏『国葬』決定。なぜ国会説明をしなのか」。NHK正論調査では国葬実施に対して「評価する」49%だった一方「評価しない」も38%に上った(その後の賛否の推移は、後述)。自民党の茂木敏充幹事長は「国民から『国葬はいかがなものか』との指摘があるとは、私は認識していない」と述べた。今回の決定を巡ってはさまざまな疑問がある。まず、首相経験者の国葬に法的根拠はないにもかかわらず、国会に諮ることなく政府の独断で決めたことだ。1967年に行われた吉田茂元首相の国葬では、手続きが問題視された。当時の政権の判断に委ねる閣議決定だったことから、国会で法整備するのが筋だとの声が上がった。75年の佐藤栄作元首相の葬儀では、法的根拠がないことを理由に国葬が見送られた。今回は内閣府設置法に記された「国の儀式」として行われるというが、政治家の葬儀に適用されたことはない。首相は国葬とすることによって「暴力に屈せず、民主主義を断固として守り抜くという決意を示す」と強調している。<安倍氏は、憲法軽視や民主主義根幹を壊し続けた人なのに>国民の疑問に答えるには、政府が日本の民主主義の基盤である国民の代表で構成する国会で説明し、議論することは欠かせない、と論評。
そして東京新聞は、反対論がある中で、なぜ国葬なのか、岸田文雄首相が説明を尽くしたとは言い難い。「安倍氏の葬儀を巡って、国民の分断がさらに深まらないかを懸念する」とし論評。<「国内外から幅広い哀悼、追悼の意が寄せられている」「わが国は暴力に屈せず、民主主義を断固として守り抜く決意を示す」などと述べた。<民主的な政治手法違反の方が問題>通算八年八カ月にわたる安倍政権には評価の一歩、根強い批判があることも事実だ。安倍氏は歴代内閣が堅持した憲法解釈を変更して「集団的自衛権の行使」を一転容認。森友・加計学園や桜を見る会を巡る問題では権力の私物化も指摘された。費用の全額を税金で賄う国葬への反対意見が出るのは当然だ。安倍氏が民主主義の根幹である選挙中に銃撃され死亡した経緯を考えれば、自民党こそが葬儀の主催者となるべきだ。それが政党政治の常道ではないのか。<それとも、安倍氏の貢献度の高い旧統一教会が主催者?>後段では、個人への弔意の表し方は個人の信条に基づいて自由であるべきだ。他人に強いるべきではない。ましてや国葬となった場合、政府が国民に弔意を強制するようなことがあってはならない。
以上が国葬に反対するメディアの主張。
次にJCJのメディアへの要望の先と思われる新聞社だが、読売新聞は、社説では触れず。茂木幹事長の「国葬批判「国民の声とずれ」を掲載。21日に総合面で、政府意向の「国葬 丁寧な説明」と、「国葬」問題をやり過ごしたい自民党の思いをアシスト。権力の監視と言う使命を捨てた、権力に擦り寄る新聞だ。
そして、掲載広告紙面が右翼向け雑誌のWILL、Hanadaで埋め尽くされている産経新聞(7月26日社説)は、「野党の反対には理解できぬ。14日付けの主張――「国際社会が示してくれた追悼に相応しい冷遇を守るべきだ」、「決定を歓迎する」と主張。もはや公共新聞とは言えない。
経団連お抱え新聞の日経(23日の社説)は、「広く国民の理解を得る国葬に」と題し、国政や外交の手続きと総合的に評価した判断は理解できるが、国内には国葬への反対論もある。自民党の茂木敏充幹事長は19日の記者会見で「国葬に反対する共産党など一部の野党に言及し「野党の主張に国民の認識とかなりずれている」と語った。安倍氏を国葬とする今回の政府判断や自らの政治的評価を押しつけるような言動は慎むべきだ、として、運営方法の透明性を高め、広く理解を得られる形で実施を目指して欲しい。<アベノミクスで株高、円安で収益増、法人税減税で、膨れ上がった内部留保。で政治献金を復活させた立場上、国葬反対は言えない社説内容>政府の国葬とする理由について日経は、①政権史上最長の通算8年8カ月にわたり首相を務めた<これは日本国民の恥じ>②外交で高い評価を受け、海外要人の多くの来日も想定され、<国民から目線では、肝心の北方領土も拉致問題も1ミリも進まず、成果無し。ただ、税金を使って夫婦で海外旅行をしただけでは?>③民主主義の基盤である選挙中銃撃を受けた経緯――などを挙げている。<立憲主義も理解できず、民主主義の根っこを壊したのでは?最近の貢献は、約20年前に旧統一教会の摘発捜査を止めさせた政治家(警察庁あるいは警視庁幹部言/有田芳生(よしふ)談)や名称変更を認めた自民党幹部(当時文科相・下村博文(はくぶん))たちの政治力によって、旧統一教会の反社会的活動をクローズアップさせたことだろう>日経新聞は、今回の国葬世論の分断をさらに広げないよう努めるのも政府・与党の役割である。岸田首相は葬儀議員長として国葬の意義を丁寧に説明し、透明性の高い運営方法を主導してほしいと、「国葬」に前向き。一般市民に近い意志道の疑問<>を想定できていない社説であり、ジャーナリズム失格だと思う。高い購読料を払う価値なしだ。
日本ペンクラブも会長名で声明を出している(以下)。
政府が閣議決定で実施を予定している国葬は、いわば故人のお別れ会です。そうであれば、拙速に行うことなく、活動に大きな疑義が提起されている特定の宗教団体との関係も含め、様々な未解決の問題が解決した後で、国会で議論を経たうえ議決し、心を込めて故人を偲ぶのがよいのではないでしょうか。
先例においても手続き上の問題が国会の場で指摘されていた、閣議決定による国葬を強行することは、あまりにも唐突感が否めず、当該政治家を権威化することにつながります。それは、本来あるべき政治家としての政策検証すらも行いづらくする効果を生むことでしょう。現役政治家としていまだ評価が定まっていないなかで、自由闊達で多様な意見を押しとどめるようなことを時の政権が行うことは、自由で民主的な社会としてふさわしくありません。2022年8月3日 日本ペンクラブ会長 桐野夏生
この声明は、ただ単に聞く力だけの岸田首相は、飲めない相談だろう。「国葬」を発表した直後の世論の評価は、NHK世論調査(7月19日発表)では、「評価する」が49%、「評価しない」38%だったが、同じNHKの世論調査結果(約3週間後の8月8日時点)を踏まえ、「安倍元総理大臣が亡くなってから8日で1か月です。政府が来月行う『国葬』に対する世論の賛否が分かれている」と記述してはいるが、具体的な数値の明示は無記載。国葬発表時、野党が反対していることを報じないNHKらしい対応だ。だがNHKのWEB調査(8月8日)には、「評価する」は38%に減じ、「評価しない」が50%と激増。時間経過と共に「評価しない」が増えている。他調査(8月1日)でも、賛成45.1%、反対53.3%と半分以上が反対。従って、時間を掛けて国民に説明するのは止めて、得意の強行施行しか残された道はない。それによって岸田政権の支持率も下がり、自公政権は終わる。
<2022.8.1> 旧統一教会公認の自民党議員たち
安倍元首相の狙撃事件以来、TV、新聞で、旧統一教会と政治(自民党)について報道されているが、BS報道1930の7月22日、28日「旧統一教会と日本政治」(協会が献金させる手口を解説。献金額の7-8割が日本で、日本は「エバ国家」韓国は「アダム国家」と見做し、日本は韓国に尽くす義務があり、日本人から献金を奪っても良い理由など観る意味有)。新聞では、安倍政権とは距離を置いていた東京新聞(特報として連日特集報道)を除き、大手新聞社やテレビ各社の多くは、一般論や上っ面報道ばかりで、深層に迫ったものは見られなかった。そればかりか政府と協会の関係の矮小化を企てているようでもあった。
統一教会(1945年韓国創設の家族主義的思想新興宗教)と安倍元首相の関係の報道を避けたNHKは、ほとんどニュースで触れず逃げ回っているようだし、先のTBSのBS報道1930でも、統一教会の不正活動には触れたが安倍氏と協会の関係については踏み込んではいない。このような状況下、比較的真相に迫っている週刊誌を含め、ここでまでの情報整理を試みた――宗教に関わることは、「避けた方が良い」と言う友人がいたが、旧統一教会は地元の韓国を始め、米政府も宗教団体とは認めず、反社会的団体として警戒している団体であり、本ブログで情報整理を試みた。
今回の騒動以前に、今参議選で落選した有田芳生(よしふ)氏(立憲民主党)をはじめ、かなりのジャーナリストが旧統一教会の反社会的問題を示した上で、統一教会との関係を絶つように、安倍元首相を始め、自民党議員や野党議員に警告(関係を絶つように)を発したが、教団の集票力や選挙活動支援を当てにする安倍元首相や議員(主に自民党議員)が無視してきたために、多くの国民の家庭が壊されるなどの被害を受けた。
当時、警察が不正活動を追及していたが、協会の正当性を損なうのを恐れ、政治(大物政治家)の力で阻止したようだ。安倍氏が警告に応じ関係を絶ち、政治家が警察(警視庁公安部?)の捜査を止めなければ、今回の悲惨な銃撃事件は起こらなかったと思われる。
日刊ゲンダイでは、関係自民党議員は98人いると報じ、安倍元首相の祖父(1949年の統一教会設立に関係した安倍元首相の祖父岸信介)や平然と反社会的な旧統一教会へのイベント参加や選挙支援を受けたことを認めた岸信夫現防衛相(安倍元雄首相の実弟)など安倍・岸一族との関係は親密且つ長期にわたり、麻生太郎副総裁や協会名称変更時(2015年)文科大臣で、霊感商法で問題を起こしていた協会のイメチェン(名称変更申請をしたが18年間未承認だったが、2015年に異例中の異例の手続きで承認)に尽力した下村博文(はくぶん)元文科大臣(下村事務所の内文書に、名称変更の陳情や政治資金収支報告書がある。未記載のパーティ券の購入、名称変更の経緯、献金の事実関係を尋ねたが、政治家の常套句「答えを控えさせていただきます」/文春オンライン)だったようだ。案の定3日献金受領を認めた(△追記)。リストには、その他の自民党議員では、森友問題・加計問題での安倍元首相の朋友・萩生田光一現経済産業相、野党の声は聞かないといった山際(やまぎわ)大志郎新型コロナ対策・健康危機管理担当経済再生担当大臣、傲慢な平井卓也前デジタル相、大臣志向が強く、教え子に嫌われている猪口邦子一億総活躍推進本部長、女性記者にセクハラ発言を繰り返していた細田博之衆議院議長、統一教会を取り締まる最高責任者である部署の国家公安委員の元委員長山谷えりこ(現拉致問題対策本部長)と現委員長の二之湯智、前官房長官の加藤勝信など。
そして、政治学者・白井聡(さとし)氏の言うところ「この人はまずいんじゃないか、ということが直感的にわかる」はずの人物に該当すると思われる高市早苗自民党政調会長(や前出の下村博文元文科相も)などが載っている。あの慎重で賢明だと思われる石破茂氏も関係者リストに載っていた(以上日刊ゲンダイデジタル)。野党では日本維新の会の松井一郎代表、馬場伸幸共同代表、音喜多駿政調会長、国民民主党の玉木雄一郎代表など自民党色の政党だ。謎が一つある。旧統一教会の票を差配していた「派閥の長」は誰だ?
本件は、自民党政治、特に、旧統一教会と長い蜜月状態にあった自民党が、反社会的教団に名称変更で、安全な団体だとお墨付けを与えたために、被害が拡大したのは間違いない。党との関連の有無を検証するとした立憲民主党や日本維新の会、共産党、社民党に対し、自民党の茂木敏充幹事長は(関係を問われ)「根拠を示していただければコメントしたい」といい、得意技の国民が忘れるまで放っておくようだ。茂木幹事長は「党として組織的関係がないことを既にしっかり確認している」と強調したが、98人もの議員(ほとんどが自民党議員で旧統一教会の公認を貰っている?)が関係者としてリストアップされており、後続報道で、自民党関係者の説明が嘘であることが明らかになって来ている。
自民党は、このまま幕引きを図りたいのだろうが、29日福田達夫総務会長(祖父は第67代内閣総理大臣の福田赳夫、父は第91代内閣総理大臣の福田康夫の世襲議員)は、後日釈明コメントを出したが、記者会見で、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と同党所属議員との関係が取り沙汰されていることについて「正直に言う。何が問題か、僕はよく分からない」と(発言後釈明コメントを出した)述べ、追及する野党やメディアに不快感を表した。
内閣の意見に異を唱えない、ただ政府案に賛成票を投じる人物(権力盲従型の考えない人間)を公認する自民党に常識外れの議員が増えているのは明々白々(めいめいはくはく)だ。こんな人たちに政治を委ねたら、先が無いことぐらいは分かると思うが、自民党議員と比例で自民党に投票した国民の脳は腐っているとしか思えない。少なくとも、この問題の行き着く先を倫理観を持って楽しもう。
<2022.7.15 > 大いなる違和感。安倍元首相狙撃報道と参院選結果
安倍晋三元首相が2日後の投票日を前に、街頭演説中凶弾に倒れた。犯人が、「政治信条上の問題ではなく、特定の宗教団体に恨みがあった」と言っているのに、新聞、テレビ各社の報道は、何故かその道の有識者を含め、申し合わせたように、大上段に構えて、「言論を武力で封殺する、民主主義の根幹を揺るがす事件で、民主主義への挑戦」だと、判を押したような大きな違和感付の報道。その後の報道で、元首相を悼み、生前の業績を列挙した。死を悼んでの生前の好意的コメント、これはこれで、社会通念上うなずける。
しかし安倍政権下で行われた前代未聞の愚行の数々――少数意見や異論との議論を通じて、より高みを目指す民主主義の手法原点を避け強行採決をする(民主主義の破壊)、集団的自衛権容認の違憲立法や「敵基地攻撃能力の保有」の提議など憲法遵守の任を負う国会議員が憲法を破壊する(立憲主義の破壊)、さらに森友・加計問題、「桜を見る会」などの不正の連発、経済面での、大企業と富裕層優先の政策による貧困と格差の拡大、また与党議員や官僚の人間性劣化――英国ではウソをついた首相を国会議員が辞任に追い込んだのに、国際社会相手のウソ(オリンピック誘致での「アンダーコントロール」発言)や日本では最高機関である国会で、百回超の偽証をした首相を議員が守る、不都合なことは隠す、公文書の隠蔽・改竄・破棄。政権の不正に加担し、忖度する役人の出現など――これによって、1年前(2021年)の9月自民党総裁選での岸田文雄候補の「民主主義の危機」発言をせずにいられなかったほどの国民に対する大罪を犯してきたことを忘れてはならない。事実、安倍長期政権中の2019年に日本の民主主義ランキングは、強行採決の連発によって「完全な民主主義」から「欠陥がある民主主義」に下落(英「エコノミスト・インテリジェンス・ユニット」)。
異様なリーダーの長期政権によって当の昔に壊された民主主義を今回の事件で「民主主義への挑戦」と大々的に報じる報道機関に大いなる違和感あり。この事件は、戦後最低・最悪の自公長期政権が憲法を軽視し民主主義を壊し、力によって不正を繰り返して、政治不信と人心の腐敗を増長してきたとこが主原因だと思う。長期政権の社会を壊してきた愚行を、「この狙撃事件で、ないことにはしてはいけない」と思う。
また狙撃犯が恨みを抱いた、安倍元首相がビデオメッセージを送った旧統一教会(現「世界平和統一家庭連合」)とは、安倍元首相の祖父・岸信介氏から関係が始まり、相互協力関係(自民は集票、協会はPR)にあると思われる。この事件直後、関係のある国会議員サイトがブロックされ、今なお社会的に問題のある反共・極右教団の団体であることを伺わせた。安倍とも首相以前の国民の声を重視した自民党の保守政治は、右翼化の様相を呈している。そして、日本は戦争にどんどん近づく。
参議院選挙の結果(国民の判断)も、違和感満載で将来不安が募る。
選挙では、やってもらいたいことをやってくれる政党や、議員を選ぶのだが、今回の選挙で、安倍狙撃事件の影響(自民党有利に作用)もあり、国民は、国土や国民の命と生活基盤を奪う原発再稼働推進を選んだ。7月5日BS-TBS報道1930「なぜ不足?日本の電力」では、各国が再エネを伸長させる中、日本で再エネが進まない主因は、国の電力政策の不備・送電網政策にある、という。――「ヨーロッパは、発電企業と送電企業が分離されていて、再エネを優先して送電線に必ず繋いでもらえるというアクセス条件があり、安心して省エネに投資できるが、日本は送電線につなぐ電力は火力・原子力・最エネにかかわらず契約先着順で、電力会社の都合で、安価な燃料の省エネが切り捨てられる不公平政策なのだ(蓮見雄立教大学教授)。なお周波数問題(関西60Hz、関東50Hz)は、高圧直流送電にすれば解決する(橘川武郎国際大学副学長)ようだ。
ウクライナ紛争によって国民の半数以上が原発再稼働を望んでいるが、専門家は、コスト的にも安全上も原発再稼働はあり得ない選択だという。加えて、今冬のエネルギー不足への対応は安全対策工事などを考えると原発再稼働は無理で、火力発電と省エネ(世界的に遅れている住居の断熱能力解消)で乗り切るしかないという。それでも、昨日(14日)、政府は今冬の電力不足対応として追加安全対策抜きで原発9基を動かすと表明した。原発事故の判決下(下記)、電力会社の経営陣が再稼動をするだろうか。
福島第一原発の事故は、誰が考えても明らかな人災事故だった(国の地震長期評価を軽視し、対策を怠った)のに、国策で進めた原発事故(福島第一原発)の最高裁判決は、2審(高裁)の3/4国の責任を認めていたのを覆し、最高裁は国の責任を認めなかった(4人の内、一人は反対)。国を守る司法の立場を堅持したもので、最高裁判事は政権(自公政権)が決めるのだから、政府の都合のよい人物が最高裁判事に選出された当然の結果だった、と言える。参院選は、懲りずに原発再稼働を推進し、裁判では異常な判決が下される現状を“良し”とする国民の判断だった。後日(14日)、責任の所在を明らかにする目的の「株主代表訴訟」裁判では、東京地裁は、国に責任はないとする最高裁と異なる判断で、国を守る司法を否定するかのように電東電旧経営陣4人に企業への13兆円の賠償命令)を言い渡した。常識外の最高裁判決は、自公の長期政権を続けさせている国民の責任でもあるのだ。
さらに、森友問題で不正指示に抗って苦悩の上に自死に追い込んだ赤木さんとそれを強いた組織が不問にされ、何も声を上げない財務省職員の存在や18歳の女性に飲酒させながら、500万円のボーナスを受け取った自民党の吉川議員は、離党をしたが、議員辞職勧告決議案に自民党が反対。たった一日でも100万円もらえる議員優遇問題の日割り支給は決まったが、要(かなめ)の使途公開と当選無効議員の歳費返還義務化は、半年以上も議論しながら自民党の反対で決まらない。また、イスラエルの女性を入管施設で死に追いやり、真実を隠す非道なことをする政府(自公世間)の継続を国民が望んでいる。哲学者マルクス・ガブリエルのいうところの「国民が無知なほうが政治家が得をする」結果になった。
今回の参議院選結果は、国民が今日までと同じ、ことをする政府を望んでいることになるが、国民の多くが、政治腐敗によって善悪の判断が出来なくなった、と思われる。立ち止まって善悪の判断ができる――人間性の復活を望みたい。
13日、政府は火事場泥棒的に安倍元総理大臣に、これまでの功績をたたえて最高位の勲章(「大勲位菊花章頸飾(けいしょく)」)の授与を決めたようだ。民主主義を壊し、政治の私物化をした、民主主義や立憲主義を解さない無知無恥の戦後最低最悪の人物に最高位の勲章を与える。安倍元首相は自民党議員の手本なのだろう。純金製の首飾り(原資は国民の税金)が贈与されるようだが、その前に税金の無駄遣い(前代未聞の愚策・アベノマスクの400億円超(△543.5億円:政府は購入経緯の資料無いとして隠蔽を図ったが、業者が開示/2022.7.20)や「桜を見る会」での費用など)を国民に返金すべきだ。さらに昨日(14日)、岸田首相は、これでもかという発表「今秋に、全額国費(=税金)で『国葬』をする」した。それを受けた本日、共産党は「『国葬』は、安倍元首相を礼賛(らいさん)(立派な人だと崇め称える)することになるとして、反対を表明した(民放は報じたが、公共放送であるべきはずのNHKの「ニュース7」では、ロシアの国営放送のように、政府にとって都合のわるいことは国民に知らせない。受信料を払う価値なし)。
最高位の勲章授与に加え、「国葬」。どこまで国民を馬鹿にするのだろうか。”悪い冗談”はやめにしてくれ!
<2022..7.1> 各党の公約続編
先月15日のブログ投降後の翌日(16日)、テレビ朝日の「報道ステーション」(大越健介キャスター)で「9党首(自民党、公明党、立憲民主党、日本維新の会、の討論」があった。これを観ながら、石頭(いしどう)(意志道)は思った。
番組の流れに沿いながら、石頭に浮かぶ良し悪しごとを記述してみたい。
最初の討論テーマは「『国民の安全』をどう守る?」。大越キャスターの「ロシアによる暴走を目の当たりにした今、日本の平和、そして安全安心な暮らしをどう守って行くか」の提示に続き、「世界は戦争に進んでいく気がする」、「明日は我が身」、「日本でも起こりうる」など街の声を紹介。
冒頭の大越氏の岸田首相への問い――「今回のこと(ロシアのウクライナ侵攻)で、政治家岸田文雄として、心の中で大きく変わったことがあれば、それはなんだか教えてください」――に対し、首相は「国際秩序が揺らぎかねない深刻な事態であり、こうした事態は、世界のどこであっても許してはならないことを強く思う。改めて国民の命や暮らしを守るために、政治として何を行わなければいけないのか、現実的に我が国に求められる防衛力というものを改めて考えなければいけない。また、一国だけでは、自分の国は守り切れない。これが安全保障の世界の現実。同盟国とどれだけ連携をすることができるか、さらには、国際社会の理解を得るためには、透明性を持って、取組を進めなければならない。外交と安全保障共に今厳しい状況の中で、わが国の力が問われている。こうしたことを強く感じています。」と応えた。
次に、各党党首の考えだが、自民党の政策「防衛力の抜本的強化と強力な外交の展開」(各党に20文字以内で予め記述させたもの)を示し、岸田総裁は、「全体の危機感の中で、国民の命や暮らしを守るために、具体的な防衛力の強化のために、年末に新たな国家安全保障戦略を始めとする安全保障3文書の見直しを考えています。合わせて、日米同盟の抑止力・対処力を始めとする国際社会との連携を考える」と言い、この二つで国際社会での信頼を得る、と述べた。
次に、かっては平和の党といわれた公明党(山口代表)だが、自民党の意見とほぼ同じなので、独断で割愛する。
共産党(志位委員長)は、「『軍事対軍事』ではなく、外交で平和なアジア」(ロシアの蛮行に乗じて、敵基地攻撃、防衛費の2倍、そして9条を変えろという大合唱が起こっているが、軍事一辺倒で平和が守れるのか、日本が軍拡で構えたら、相手も軍拡を加速させ、軍事対軍事の悪循環陥ってしまう。また、軍事費2倍の財源はどうするのか、消費税の大増税、あるいは社会保障も削減ということになって暮らしを押しつぶすことになる。ですから、私たちは軍事対軍事ではなくて、外交で東アジアに平和を作る、外交ビジョンを提唱している。今ASEAN、東南アジア諸国連合はアジア10か国+日米中8ヶ国で作る東アジアサミットを平和の枠組みとして強化して、ゆくゆくは東アジア規模での友好国条約を提唱しており、日本がやるべきは、この道を推進することにある)。悪循環をもたらし生活を圧迫する軍事力強化よりも外交重視。
社民党(福島党首)「戦争準備より9条を活かす『外交』」(今の政府は、防衛予算を11兆円にする、敵基地攻撃能力保有、あるいは国会の中でも、核武装論や核共有さえ出ています。ウクライナの、まさに戦争は、核兵器や原発は、むしろ危険だ、廃止すべきだってことをいっているのではないでしょうか。沖縄、南西諸島における自衛隊配備とミサイル計画、そして万がいち台湾有事となり、アメリカが軍事的コミットメントをすれば、安保関連法・戦争法によって、集団的自衛権の行使で、その時に敵基地攻撃能力保有で、攻撃するなんてなれば、日本全体が、返り血を浴びることにもなります。ですから、軍備拡張、軍備強調ではなく、9条に基づく平和外交…)
ここで生放送ゆえのハプニング発生。日本を攻撃しようとする外国のミサイル基地などを破壊する敵基地攻撃能力”反撃能力”について、自民党岸田総裁が、「いわゆる反撃能力を含めて、あらゆる選択肢を排除しない」と、説明中、大越キャスターが、「人が言う時に、いちいち”いわゆる”は、使いませんからね」と口を挟んだ。大越氏も、ぐちゃぐちゃ言う総理に怒りが滲んできたようだ(石頭的にそう感じた)。権力批判のジャーナリスト精神が出たようだが、以前同番組で、安倍元首相を問い詰めた古館キャスターが辞めさせられた事件が頭をよぎったが、これによって、岸田氏から「言葉については、そういう使い方をしているが、『いずれにせよ憲法あるいは国際法の範囲を超えるなどということはまったく考えてはおりません。具体的にこの憲法、国際法の範囲内で何ができるのか、これをしっかりと現実的に考えようということを申し上げているわけです。」と、”憲法の範囲内で”を公言させたのだ。流石、大越キャスターだ。
日本維新の会(松井代表)は「防衛費の増額、積極防衛能力を構築」(反撃能力と言うのは、攻められてから反撃するので、我々は攻められない抑止力を持つことが大事。いままさに目の前で核を持っている国が持たない国に侵略をかけている。一番弱い子どもたちが虐殺されているんです。何としてでも積極的な防衛力を持つべきだ。そのためにはタブーなき議論をすべき)。石頭的には、維新の会は倫理観無く、信頼感薄い政党。大阪で女性や子供を不幸にするカジノはこの観点からどうなんだろう。”子どもと女性を守る”で、弱者の味方を演出しているとしか思えない。
防衛力しっかり持つけれども核シェリングは駄目だとする立憲民主党(泉代表)は、「必要な防衛力は整備、核共有には反対」(今年になってから開かれた自民党の安全保障調査会でも核を使用すれば核による報復があり、配備先になれば、真っ先に相手国から狙われる、むしろ安全保障環境が不安定になる、実益の全くない政策だということが、はっきりしたということが述べられており、これを今から維新さんが議論されるということも含めて、これこそ、遅れている議論であり、実態は、核共有はあり得ない政策なんです)。
自分の国は自分で守るという国民民主党(玉木代表)は、「自分の国は自分で守る、原発再稼働・建て替え」(自分の国を守る意思と能力を示さない限り、他国は助けてくれません。もちろん日米同盟は極めて大事です。防衛費は増やすべきことだと思います。
「核共有」について、自民党はOKか?の大越氏質問に対し、岸田氏「NATO型の核共有議論になっているが、わが国は非核三原則を維持し、そして原子力安全基本法を始めとする法体系から考えて、『核共有』は行なえないと思っているし、政府としては議論をすることは考えていない。また、核共有ということは、周りとの信頼関係に関わる課題で、核の圧倒的破壊力といった特性を考えると、核拡散に拍車をかけるきっかけにもなりかねない。こうしたことから、『核共有』という議論には慎重でなければならないと、私たちは思っています」と明言した。
れいわ新選組(山本代表)「旧敵国条約を忘れるな。専守防衛と平和外交」(国連憲章、国連の憲法的なものの旧敵国条項に、日本が不穏な動きをすれば、他国から安保理の許可なしに、叩けるということが書かれている。ここを国防議論の出発点にしないで、一体何の話をしているのか分かりません)・・・<もう死文化状態らしい>
「NHKをぶっ壊す」のNHK党(立花党首)は、やっぱり常識外だ。立花党首は「本日昼過ぎテレビ局のプロディーサーから手紙を戴きました『テーマから逸脱する発言は控えて頂くよう、お願いいたします。万が一そのような発言があった場合は、しかるべく対応をさせていただくことがあるとご承知おき下さい。』」としゃべったところで、大越氏から「立花さん、いまのところは討論のテーマにとして認められません。発言を止めてください」と制止されたが、立花氏は話を止めず、「追い出される前に...」と、しゃべり続けた揚げ句、発言を打ち切られた。その後退場させられたようだが、この党は、?を残しただけだった。
次も面白い。大越氏「松井さんの意見がですね、かなり前に先行している印象があります。改めて今各党の受けとめを聞いて、ご自身がおっしゃられた積極防衛論はどうなるんでしょうか?」これを受けた、はじめから斜に構えていた(この企画に不満?)松井氏は大越氏が自分の考えを否定していると思い込み、「僕の発言が偏向している言われる人が・・」と、挑発的。間髪入れず大越氏「私は先行している、といったので、偏向とは言っていない」。バツが悪くなった積極防衛論者の松井氏は、「ですけどね、政治って、目の前の現実をリアルにものを考えるべきだと思います。いま国連の常任理事国である核保有国が核を使うという脅しの下で、核を持たない国に、侵略を仕掛けたのは事実なんです。そこで弱い人たち、女性やこどもが虐殺されてるんです。日本でそういう事態が起こらないように、しっかり抑止力を強化する、そして核保有国同士は、戦わないでおこうねという話し合いをしているわけですよ。だから、ロシアに対して核を持っているアメリもロシア本土を攻めるような武器は提供できない。そいう状態の中で、ウクライナの人たちがいま虐殺されている事実があるんです。僕はこの日本が二度と戦争に巻き込まれないためにはタブーなしで、議論すべきだと思います。強い抑止力が必要だというふうに考えています」。またも女性と子供を出汁(だし)に使った。
大越氏「志位さん手を挙げていますが」と、志位さんの発言を促した。志位氏「『核共有』に対して、日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)の皆さんが、『日本国民を核戦争に導き命を奪い国土を廃墟と化す危険な提言』だと、撤回を求めています。核による抑止に囚われていていいのか、が問われている、と思うんです。核による抑止というのは、いざという時には核兵器を使う、つまりいざという時には、広島長崎と言うような非人道的惨禍を起こすことも躊躇(ためら)わない、を前提とした議論です。それを被爆国の日本の政府や政党が唱えていていいのか、国際的には、核兵器禁止条約(核兵器の保有、使用だけでなく、威嚇も禁止)ができている。世界の流れは核抑止を乗り越えつつある。それを被爆国の政府が、この自縛を断ち切って核禁止条約に参加する必要がある」。
大越氏「おっしゃること一理も二理もあると思いますが、これは、これから国民に問うていきたい、と思います」でも「敵基地攻撃能力(反撃能力)」への国民の感覚は、保有に反対が、30%で、賛成が54%もいる。やはり威勢がいいのが優勢なのだ。真剣に考えているとは思えない。これでは、考えない国民(酷民)によって憲法も危ない、気がしてきた。
大越氏「次のテーマ(人々の暮らしを守る)に移りたいと思います」。
これについては、石頭の独断で、自公政権のみが反対し、与党全党が提案している消費税減税に焦点をあてるだけにします。まっとうな国民により自公の議席が減ることを祈りつつ以下をお読み下さい。
野党代表意見(共産党志位委員長?)「(物価高騰による生活苦対応として)一番効果的なのは、消費税の減税じゃないですか、世界の89の国地域では、減税やっているんです。日本だけできない道理はない。社会保障の財源だとおっしゃった、しかし30年間消費税入れて、社会保障良くなってないじゃないですか。法人税とお金持ちのための減税の穴埋めに消えてしまった。<『図解 経済とお金の話』にもデータ分析がある>これが事実ですから、富裕層や大企業に応分の負担を求めて、税制改革をやって消費税は5%に下げる。25年間、実質賃金が下がり続けているのは、日本だけなんです。この間採ってきた経済政策が、間違っているんですよ」。
これに関して26日、茂木自民党幹事長が、野党全党が提案し、自公の与党のみが反対する消費税減税への選挙戦での逆風払拭のために「減税するなら年金財源を3割カットしなければならない」と脅し発言。
石頭流結論。30年間もの経済失政だけでなく、令和臨調発足時に岸田首相が「社会で当たり前のことが当たり前だという感覚を失った途端に信頼や共感はなくなる」と、感じながら(分析は正しいが、間違った対応で実効が伴わない岸田首相)、違憲立法を強行採決したり、モリカケ、桜を見る会などの数々の不正をして、政治への不信感増長、社会秩序を壊してきた自公政権と決別しないと、国民の命と生活は守れず、日本の未来はなさそうだ。
<2022.6.15> 各党の公約に思う
本日、第208通常国会が閉会し、参議院選の日程が、6月22日公示、7月10日投開票に決定した。先日政府が閣議決定した「骨太方針」では、子育て関連費用と防衛費が膨らむ。子育てはいいが、岸田首相が昨年の自民党総裁選で力強く表明した、肝心かなめの「格差社会を産んだ新自由主義からの脱却、分配重視の新しい資本主義」は、どこかに消え、「骨太方針」ではなく「骨抜き方針」になったと、揶揄(やゆ)されている。
日銀の黒田総裁とタッグを組んだ低金利政策の「異次元の金融政策」は、円安と株高で大手輸出企業と富裕層を潤わせ、派遣法の改正(非正規雇用増)で格差社会を産んだが、日本は今、新自由主義・アベノミクスの検証をしないままでの継承による格差社会の拡大とウクライナ紛争を利用した戦争に近づく軍拡にまっしぐらだ。
岸田首相は膨らむ軍事費の財源を示さず、「国民各層の理解を得ながら、社会全体での費用負担の在り方を含め広く検討」と言うが、今までと同様に、政治家に簡単に騙(だま)され、批判しない国民への負担――次世代への借金(国債)か消費税増税分を法人税や高所得者の所得税の減少に充当してきた、低所得層負担増の逆進性の消費税増税――のタイミングを探っているに違いない。
ところで、野党は何をやろうとしているのだろうか。最大野党の立憲民主党の公約は、「物価高と戦う」「教育の無償化」「着実な生活安全保障」を三本柱に、防衛費より教育へ、生活重視の時限立法「消費税減税(5%へ)」、防衛費増には、自民党の目標「GDP比2%」ありきを否定。「消費税5%化」は、国民の生活を守り、不平等税制是正の意味から、”良”とするが、並行してこの期間中に、身を切る改革(3億3千万人のアメリカが535人の議員数なのに、1億2.55千万人の日本は710人もいる議員の削減とそれと抱き合わせて庶民生活が理解できない世襲議員の制限および約1800万円/年間の米国に対し、日本は約5000万円の多すぎる議員の直接報酬を減額すべき)を掲げ、あらゆる税金の無駄遣いの撲滅宣言をして欲しい。
また、立憲民主の党名を使う以上、あの違憲立法・集団的自衛権行使を容認した「安保法制」の廃案あるいは憲法の範囲内に収める提案をしてもらいたい。他にも違憲・法律違反を連発する自民党を正すアプローチ(例えば、憲法53条「臨時国会の召集」の無視、「桜を見る会」の違法(献金)などや国会議員の「調査研究広報滞在費」の使途非公開など)、政治不信を招いた数々の不正・国民がおかしいを思っている問題を継続指摘し、阻止するルール提案の取り組みを公約に掲げるべきだと思う。以前言っていた“まっとうな政治”、信頼できる政治の実現に向けた公約で存在感を示して欲しい。
ウクライナ紛争で焦点化された防衛についてだが、6月8日の毎日新聞「養老孟司さんに聞く『人はなぜ戦争をするのか』(アインシュタインとフロイトの往復書簡)」の記事に、「暴力性が激化して戦争を引き起こさないために政治家が要るんです。暴力で問題を解決するのは簡単なこと。だからこそ、政治家が解決の道を必死で考えなければいけない」とあり、フロイトは「人間は、指導者と従属する者とに分かれます、だからこそ<優れた指導者をつくるための努力をこれまで以上に重ねていかねばならない>」とある。ウクライナ紛争を口実に、安直に軍備拡張を声高に叫ぶ政治家は能無し!政治家として失格なのだ!
立憲民主党には、自公政権とは違ったアプローチ――世界に誇れる憲法の遵守(専守防衛)で、国民の頭の中を軍備増強(=短絡的思考)から解き放つ役目を果たしてほしい。
他の野党では、原発の速やかな再稼働や憲法への自衛隊明記などを掲げた日本維新の会と国民民主党の両党は、どちらかと言うと与党だが、特筆すべきなのは、与党に忖度する司法改革(解釈改憲を阻止)のために、「憲法裁判所の審査」(日本維新の会)を挙げている点だ。国民民主党は、「家計への支援策(現金給付)」だけで現状の日本に必要な核心的公約はみられず、どうでもよい政党になったようだ(民主主義の危機、社会生活崩壊下の日本の方向を変える気概の皆無)。
「平和と暮らしを」の二本柱を掲げた共産党は、「消費税5%への引き下げ」「物価高騰下での年金削減の中止」「最低賃金引上げ」「大企業の内部留保への課税」「富裕層への応分の負担」で、「弱肉強食の新自由主義の転換」を掲げ、「軍拡ではなく、暮らしを良くする」と訴えていて、自公よりも国民寄りの常識的な感覚を持ち合わせていると思う。
軍拡より「外交で平和実現」の防衛費の大幅増額や沖縄辺野古基地建設に反対の「護憲政党」社民党は、脱原発や消費税の3年間ゼロ、大企業の内部留保への臨時課税や最低賃金の引き上げ(全国一律1500円へ)を公約。
NHKだけが映らない「スクランブル放送」の実現を目指すN党の訴えは、国営放送化しているNHKの地デジの契約を止め、海外のニュースや良質な番組が放映されるBSだけの契約にしたいわが身としては賛成だが、この党は、まっとうな政党なの?という疑念が拭えない。やや勢いが弱まった“れいわ新選組”公約は、物価高に対応するために、消費税廃止、ガソリン税ゼロや原発の即時停止、核兵器禁止条約の批准で「核なき世界」の先頭に立つとした。
自民党追従の公明党で書けるのは、国会議員の「調査研究広報滞在費(文書通信交通滞在費から改称)」の使途公開ぐらいかな。
長期自公政権の下、憲法違反や「モリカケ」「桜を見る会」などの不正が頻発し政治と社会秩序を根こそぎ壊したアベ元首相の傀儡・岸田政権は、今選挙での最重視項目の経済政策においても、アベノミクス(新自由主義政策)で、非正規雇用を増やし、給料がほとんど増えず(先進国で最低水準)、消費税増税に加え度重なる年金カット等々庶民首を絞め続けている。そして金融政策の失敗(所得が伸びない中でのインフレ率2%目標の重視の「物価が上がれば景気がよくなる」という信じられない考えで、低金利政策の円安牽引で物価高を牽引)に加え、将来不安を煽り(老後に2000万円必要など)、個人消費低迷策を撃ち続けてきた。物価高を演出し物価高に乗じて、国土と命を奪う原発再稼動だ。
しかし、内閣の支持率は高く(約57%/11~13日実施の共同通信社)、自民党支持率も40%を超えている。誰が見ても人口減に向かっていたのに、その対応策は打たず、他の先進国に置いて行かれた。この自公政権を続けさせている国民は、どこまでバカになのだろうか。
このような状況下、さあーて、国民はどういう選択をするのか、楽しみだ。
<2022.6.1> ウクライナ紛争に隠れて...
22年度補正予算(総額2兆7000億円)が成立した。ウクライナ紛争に隠れて、財政規律など目にもくれず。22年度当初予算5兆5千億円の予備費(国会審議を経ることなく、政府の裁量で使い道が決められる)として、約1兆5千億円も積み増しされた。憲法87条の予備費規定「予見し難い不足に充てる」に反し、22年度予備費がトラクターや公用車の購入などに使われるなど、憲法違反、財政規律の無視の予算執行だ。
国民は、予備の裏付け、予算執行を厳しい目を利かせないと、この政権は何をしでかすか分からない。野党と連日誤送金事件(下記①)の詳細報道を繰り返すメディアは何をしているのだろうか。
以下、税について関連報告をしたい。
① 税金で、大企業と富裕層を太らせ、平民の貧困化を加速させる自公政権の存続を、なぜ国民は許すのか?
「桜を見る会」やアベノマスクなど税金の搾取ともいえる不祥事を繰り返した安倍元首相の長期政権により税金の重要性(国民の生活向上などに使う)を解さない人が増えているのに、今TV報道で賑わいをみせているのが、安倍元首相の地元・山口県で新型コロナウィルス対策の給付金の誤給付事件――誤送金4630万円をインターネットカジノでほぼ使い切ったと言う変な若者の事件(その後、大手銀行系?などの決裁代行業者が約4300万円阿武町(あぶちょう)に返還)。その奇怪な若者は「少しずつでも返金したい」とも言ったようだ。安倍元首相は、アベノマスクで、500億円超の税金の無駄遣いをした上に、残ったマスクを無料で欲しい人に配る処置に多くの応募があり、公の場で「もっと早く募集をやればよかった」と、上機嫌で宣(のたま)った。どっちもどっちだがどっちが人間としてましか(罪悪感に苛(さいな)まれているか、すなわち良心を持っているか否か)。山口県民は、こんな人間を国政に送り出したことを恥ずべきだと思う。TVは連日この関連報道を繰り返しているが、もっと国民にとって根本的且つ重要な税金の無駄遣いの実態解明報道をすべきだと思う。
② 所得の低い人ほど税負担が増える逆進性の消費税を段階的に上げ、その税収増を元手に、富裕層の所得税率や大企業の法人税を下げてきた現状(『眠れなくなるほど面白い 図解 経済とお金の話』)を分析報道すべきだと思う。不公平税制や税金の無駄遣いを正す真の政治家を選ばなければ、国民が納税の納得感を得られる時代は、永久に訪れないだろう。
③ 役立たずの国会議員を減らせ(特に自公議員を!):4月14日NHKニュース7で、「文書通信交通滞在費 日割り支給へ。法案今日衆議院本会議で自民・公明・立民・維新など賛成多数で可決されました。明日参議院本会議で採決され、成立する運びです(日割りに改められる見通し)。共産党は”制度の目的の議論が不十分として反対」と報じられた。見直し議論は昨年の12月31日からだが、何カ月も決まらず、やっとたどり着いたのが、日割り計算(改正案の「調査研究広報滞在費」)だけで、目的外の選挙活動に使うことの合法化を図った(大きく後退)ようだ。世論の88%が要求する、肝心の「使途の公開」や使わなかった分の国庫への返納は、自民党の反対により決められず、実務者が協議継続し、6月15日末の今国会中に結論を出すことになったようだ。ニュースでは、NHKらしく国民サイドから見たコメントは何も無し。こんな公共放送はいらないし、当たり前のことが長時間かけても決められない国会議員を減らすべきだ!と思う。納税者はもっと怒るべし!
④ 2022/06/01 (水) の毎日新聞ニュースメールに、岸田首相の“変節”「新しい資本主義」は本当に「新しいのか」というイギリスの金融街シティーでの岸首相の講演記事があった。強く打ち出した分配色は弱まり、投資や成長を重視する姿勢に変化。何のことは無い、「分配と成長」の分配は無くなり、大企業と富裕層を富ましただけのアベノミクスとほぼ同じ道なのだ。記事には、岸田首相の5月26日の衆議予算委員会での答弁「一言で言うならば、資本主義のバージョンアップ。そして持続可能な資本主義を実現していかなければならない」を載せていた。当初岸田首相が言っていた富裕層の課税強化はウソで、所得再配分による格差是正どころか年金は減り、健康保険証の廃止(2024年度)に変わる、国民監視に繋がるマイナンバーカード利用で診察料は上がり、安倍政権下で状態化した政府による詐欺行為の再現で格差拡大の道を進むことになると思われる。岸田首相の新しい資本主義「分配と成長」は、大企業と富裕層を富ませることを持続可能にするもので、“新しい資本主義”は、トリクルダウンで国民を騙したアベノミクスの焼き直し。持続的に国民を不幸にする政策なのだろう。
このまま自公政権を続けさせれば、国民の暮らしは間違いなく悪くなるのだが、国民は、何を期待して自公政権を支持しているのか、まったく分からない。もうそろそろ新しい空気(自公政権ではない政治)を吸いたいものだ。
<2022.5.15> 沖縄・復帰50周年経った。いつになったら本土復帰?
今日は、沖縄返還・本土復帰から50年。71年の建議書――基地のない平和の島、本土並みの主権を求めた――は実現せず。依然として自治権は無視され、攻撃目標となる米軍の基地の沖縄への依存率は増加している(本土の基地を沖縄へ)。
7日、15日の本土復帰50周年の節目を迎えるにあたり、デニー沖縄県知事は、「新建議書」――「地方自治と基本的人権の確立」、普天間基地の返還・辺野古新基地の断念、日米地位協定の抜本的改訂――を発表し、10日には、岸田首相に手渡した。
その前の28日に、衆議院で沖縄の日本復帰50周年に合わせた決議――「米軍基地の負担軽減は政府の責務」、沖縄を「世界の平和と安定のための創造拠点」――が与野党の賛成多数で採択され、岸田首相は「復帰の歴史的意義を想起し、歴史に思いをいたす」と言い、「日米同盟の抑止力を維持しながら、沖縄の皆さんの心に寄り添い、基地負担の軽減の眼に見える成果を一つ一つ着実に積み上げる」と述べた。しかし、統計不正省の国土交通相・斎藤鉄夫(公明党)は、沖縄県の「辺野古移設の防衛省設計変更(軟弱地盤対応)不承認」に対し、「(不承認は)著しく適性を欠き、明らかに公益を害している」という。沖縄の人々の心に寄り添うと言うなら、首相は、この不適切な発言を諫め、国民の67%の人が反対する辺野古の強行工事を中止すべきだ。
民主主義を前面に出す外交戦略の米国は、2011年に、辺野古新基地は、費用面も含め「非現実的」であるとし、見直しを検討していたようだ。5月2日の東京新聞記事に、日本政府と沖縄県の「対立を軽視してはならない」として、海兵隊の分散再配置を含め沖縄に集中している在日米軍施設の低減――日米で辺野古以外の国内移設――を検討、とある。米国の方が日本政府よりも沖縄県民の75%が他の都道府県で引き取るべきだとする「沖縄の声」に応えようとしている。
加えて、自民党がこの50年、日本国憲法よりも日米地位協定優先する自民党政権の振る舞い――非公開低空飛行訓練や日本の民間機に危険な飛行を強いる米軍機優先の航空交通管制。米軍機墜落事故(2017年の米軍ヘリ不時着・炎上)日本側の検証拒否や米兵による度重なる女性への暴行犯罪被疑者の出頭拒否。基地内からの有害汚染水流出。コロナ禍下での米国関係者の入国無制限(無検疫)等々/以上、『追跡!謎の日米合同委員会(占領政策継続のための日米地位協定運用密約協議機関)』を参考/で、沖縄県民に多大な負担を強いてきた償いの意味でも、日本の主権を取り戻す意味からも国内法の適用に向けて、日米地位協定の改定に取り組むべきだと思う。
岸田首相は、沖縄の経済的発展阻害要因でもある基地の負担の軽減など沖縄が抱えている諸問題について、自身が得意とする「聞く力」を発揮し、まずは沖縄県知事との話し合いを持つべきではないか。特に、辺野古の米軍新基地建設は、軟弱地盤での工事難(工期と費用)を含め、有事下に戦いの最前線になること、「軍隊は住民を決して守らない」という先の沖縄戦の現実に思いを馳せ、日本政府よりも沖縄県民を考えてくれる民意を重んじる民主主義国家・アメリカと協議すべきだと思う。
言葉だけでなく、本気で「沖縄県民を国家権力や基地負担から解放」する政権を樹立しなければ、日本国民として恥ずかしい。恥ずかしいと言えば、5月4日に共同通信の世論調査結果を発表(3,4月に約3000人対象に調査)。それによると沖縄県の基地負担が他の都道府県と比べ「不平等+どちらかと言えば不平等」が79%、県外への移設が58%。一方、「自分の地域への移設反対」が69%。現状は不平等だが、「自分のところへ持って来るのは嫌だ!」と身勝手なのだ。事なかれ主義の自公政権と他人事の国民。これでは沖縄の負担軽減は実現しない。抑止力・基地配置はどうあるべきかを含め沖縄の置かれている現状を分析し、国民的議論をすべきだと思う。
その方向性が定まらないならば、取りあえず「核共有」を言い出した戦(いくさ)好きの安倍元首相の地元(山口県)や「非核三原則」の見直し議論を進言する高市早苗政調会長の奈良県に、核共有を含め米軍基地を移設するのはどうだろうか。嫌なら、安倍や高市を国会議員に送り込まないことだ。
民意を無視する、当てにならない自公政権に終止符を打つことが、沖縄県人の心に寄り添う、心ある国民のやるべきことだと思う。
<2022.5.1> 「戦争こそが最大の戦争犯罪」(グテ―レス国連事務総長)
『自衛隊も米軍も、日本にはいらない!』を読んだ。「災害救助即応隊」構想で日本を真の平和国家――あらゆる紛争を話し合いで解決し非暴力・非武装で平和を目指す、とある。
人類の理想・世界一の憲法「不戦・非武装を決めている第9条」の実現に向けた具体的アプローチ――自衛のための必要最小限の防衛力は、既に世界4位の軍事力になっており、更なる軍備力強化は軍需産業を潤(うるお)しアジア諸国に脅威を抱かせるだけで、しかもどんなに頑張ってもロシアや中国には及ばず軍事費が嵩むだけで国民のためにはならない。軍事力での反撃は、攻撃と反撃が繰り返され戦争になるのであり、戦争の火種となりかねない自衛隊は廃止。それに代わって国際的人道支援組織「災害救助即応隊」を創設し、国際社会から信頼される組織を創設する(軍事費は、救助活動に必要な装備に回す)。結果、アメリカ占領政策継続のための日米安保条約も破棄(1年前の事前通告で可能)する内容だった。石頭団塊団の意志(いし)道(どう)としては、提案内容に100%賛成するには、善悪を併せ持つ人間の”悪”だけが表出したプーチンの存在もあり、もう少し考える必要性を感じている。
そんな折り、4月16日の東京新聞に「ロシアの暴挙止める理性を――核抑止論から核脅威への転化」(池内了(さとる)=総合研究大学院名誉教授)という上記に関するタイムリーな記事があった。 池内氏は、ウクライナ侵攻に対して「私としての意見を述べるべきだと思い筆をとった」(以下)という。
プーチン大統領がほのめかした核兵器使用の危険性とともに、ウクライナ国内の原発(チェルノブイリ原発ほか十五基あり九基が稼働中とされる)を武器として使う状況が現実に生じており、より緊迫した状況である。
今年一月三日に、英米仏ロ中という核保有五カ国首脳が「核戦争を防ぎ、軍拡競争や核の拡散を行わない」とする共同声明を発表した。そこには「核戦争には勝者はおらず、けっして戦ってはならないものであることを確認する」とあり、さらに「核兵器について、それが存在し続ける限り、防衛目的に役立て、侵略を抑止し、戦争を阻止するものであるべきだということを確認する」としていた。核を用いた戦争は回避するべきで、核兵器は戦争抑止のためと言っていたのである。
非武装論者である私は、いかなる戦争も戦ってはならず、核廃絶はむろんのこと通常兵器も全面廃棄すべきだという意見である。その立場から、この五カ国声明は、国際世論の核保有国に対するNPT(核拡散防止条約)六条の義務の履行要求や核兵器廃棄を迫っている状況への弁明であり、時間はかかっているが世界は少しずつ健全な方向に動いていると受け取っていた。
しかし、今回のロシアの暴挙は、歴史を一気に後戻りさせることになった。プーチン大統領の言明は、核抑止論が核脅迫論に転化したことを意味するからだ。核抑止論は核兵器が持つ巨大な威力が戦争を抑止するという立場であり、侵略を受けた場合の最後の手段との位置づけである。これに対し、核脅迫論は核兵器の威力を前面に出し、いかなる敵であれ核によって殲滅(せんめつ)するとの脅しで屈服させるとの立場である。核がもたらす惨劇を脅しに使っていることで核抑止論と核脅迫論は共通するが、核抑止論は戦争回避の最後の手段であるから、戦争の最初の手段である核脅迫論とは異なるとされてきた。しかし、今回の事態で核抑止論は核脅迫論に簡単に転化することが明らかになった。核抑止論の化けの皮が剥がれたと言えようか。それにしても、脅迫によって自己の主張を通そうとするのはヤクザ同然ではないか。なんと野蛮な世界になってしまったのだろうか。
核兵器使用の脅迫に加えて、ロシア軍がウクライナ・ザポロジエ原発を砲撃したとの報道から、原発が戦争の道具に利用される事態が改めて鮮明となった。原発を標的としてミサイルを撃ち込んだり、電源破壊などによって核反応の暴走・原子炉爆発を起こさせる危険性が現実のものとなったからだ。もしこれが実行されたら、ウクライナのみならず欧州そして地球全体に深刻な放射能汚染を招くことは確実である。まさに、プーチン大統領が原発を人質に取って、ロシアの侵略に反対する者への威嚇に使っているのだ。核によるもう一つの脅迫である。
徹底した平和攻勢によってロシアの暴挙を止めさせ、国連の場にプーチン大統領を引っ張り出して交渉のテーブルに着かせる、そんな理性の復活を世界中の世論としなければならない。以上。
日本は、唯一の戦争被爆国として核兵器禁止条約を批准し、先頭に立って人類の滅亡を避けるために動くべきだ。プーチンの蛮行を止めることの出来ない国連のグテ―レス事務総長は、28日、多くの民間人が殺害されたウクライナのブチャを訪れ、ロシアの戦争犯罪に関し「戦争こそが最大の戦争犯罪」と語ったが、世界中が非武装・非戦の日本憲法の9条の採用をするように、国連で決めることだ。それには、各国が理想の実現(戦力放棄)に向かう理性的なリーダーを選ぶことだ。
<2022.4.15> 人間の悪を抑えられないプーチンの小さい理性
ウクライナの首都キーウからのロシア軍撤退によってプーチン政権の非人道的体質が白日の下に晒された。プーチン大統領が「フェイクだ」と言うキーウ近郊のブチャでの400人超の殺害を始め、病院や学校などの民間施設や避難者が集まっている駅へのミサイル攻撃(100人超が死亡。総司令官に任じられた”シリアのブッチャー(虐殺者)”ドボルニコフ将軍の命令らしい)、そしてレイプや生き埋めなど市民への戦争犯罪的残虐行為の数々が連日報道されている。
どうもこれらは、一般市民に恐怖心を煽(あお)り、反抗させないためのロシア軍の常套戦略なのだろう。この紛争は、お互いに「できるだけ戦闘で優位にある状態で終戦交渉に持ち込む」と考えており、自国が戦況不利の状態で終戦交渉に応じるはずがなく、長期化は免れなさそうだ。
独善的で、力による侵略行為を行う人物を国のトップに選んだロシア社会に問題があると思うのだが、プーチンの蛮行が続くのは、①言論統制によって、政権に都合の良い情報だけを流され、国民の80%以上がプーチンを支持していることと②平気で嘘をついていることに気付かない国民の存在よると思われる――ウクライナへの武力侵攻以前にも政敵を暗殺したり、批判的メディアを排除したりしながら、国のトップにいる。
やはり言論の自由、表現の自由は、独裁を阻止する民主主義の基本的要件なのだ。中国の言論統制、2019年の香港の非民主化騒動を見れば、言論の自由が民主義国家維持のためにはいかに大切かが分かる。
次に”平気でウソをつく”だが、4月7日のNHK国際報道2022で、「ブチャ以外の街でも多数の遺体を発見”ロシア軍の残虐行為”」について、国連安全保障理事会で、ゼレンスキー大統領が凄惨な状況の映像を見せながら「最近解放されたキーウに近い町で、あらゆる犯罪が行われた。ロシアの行動の結果、第2次世界大戦終結以降最も恐ろしい戦争犯罪が行われている。ロシア軍と命令を下した者にただちに法の裁きを受けさせなければならない」と演説。それに対し、ロシアのネベンジャー国連大使は「証拠が捏造されている」、「今日改めてロシア軍に関する大量のウソを聞くことになった。我々は、市民を守るため民間施設は攻撃していない」と、大嘘で反論。またロシア国営テレビで、ロシア大統領府のペスコフ報道官が「ロシアに対するあらゆる非難は根拠がない。うまく演出された悲劇のショーだ」と語り、その中で、中国の軍事専門家も「ブチャでの多くの遺体の発見は真実かうそか。これは演出された映像の可能性がある。ゼレンスキーは俳優だ」と語る。
ブチャから避難した女性がロシアのTV報道は、全てウソだと、涙ながらに訴えていた。 誰も、プーチンのロシアや習近平の中国の反論を9分9厘信じないだろう。彼らは、それでもなぜ”平気で嘘”がつけるのだろう。大ウソつきのラブロフ外相も含め、彼らにとって”嘘も強力な兵器”なんだ。
前回のブログでも記述したが、プーチンと27回も会談を重ね「ウラジミール。君と僕は同じ未来を見ている」「2人の力で、駆けて、駆け、駆け抜けようではありませんか」と言った安倍元首相もメディアコントロールに力を注いでいたし、平気で嘘をつき、しかも嘘に嘘を重ねながらも戦後最長の首相に留まらせていた。似た者同士のプーチンとアベ、ロシア国民も日本国民も自分の頭で考えない権力盲従型の国民が多数を占めているのかもしれない。
<2022.4.1> ウクライナ余波(浅薄な政治家の出現)
2月24日に始まったロシアのウクライナへの武力侵攻=プーチンの戦争は、今も続いている。
世界中でロシア人が責められている。プーチンを大統領に選んだことで責められても致しがたない面もあるが、ほとんどのロシア国民には罪はない。日本国民もロシア国民と同様の過ち――違憲立法や民主主義を壊し続けた安倍晋三総裁を生んだ自民党を政権与党にした過ち――を犯したのだから。
下記に名前を挙げた好戦的人間を国や組織のトップにすれば、プーチンのロシアと同じように日本国民は世界中から責められる、と思う。特に、プーチンと27回も会談を重ね「ウラジミール。君と僕は同じ未来を見ている」「2人の力で、駆けて、駆け、駆け抜けようではありませんか」と言った、プーチンと同根の安倍元首相の再登場は避けなければならない。
小選挙区での自民党得票率48%で65%以上の議席を獲得(21衆議選)する選挙制度に問題があり改正が必要だと思う。同時に、一票の格差是正や小選挙区と比例代表への重複立候補制度改革、世襲議員規制法が必要だと思う。
ウクライナ紛争は、日本に重大な余波をもたらした。この波を起こした主役は、憲法と民主主義を壊した山口県民選出の安倍晋三元首相と5000円で年金受給者の票を買おうとした奈良県民選出の高市早苗自民党政調会長。そして維新の会の松井一郎代表だ。
プーチンが核使用をほのめかしたことに反応したのが安倍元首相。「米の核兵器を同盟国で共有して運用する政策『核共有』(現在、ドイツ、イタリア、ベルギー、オランダ、トルコが参加)をタブー視せずに議論すべき」と発言。追従したのが、2015年に「1日で100万円」事件よりも悪質な受給(衆議院時代に9月末の辞職を遅らせて、2日で316万円を受給)をしていたイソジン吉村府知事と共に、地域の治安悪化を齎(もたら)すカジノを含む統合型リゾート施設(IR)誘致を施設の運営を担当するお笑い企業・吉本興業と利権軍団を組む「メディアを含め関西全域を牛耳る維新の会」の松井一郎代表。
森ゆうこ氏(立憲民主党参議院幹事長)は、NHKの日曜討論(3月6日)で、「今回の安倍元総理の核シェアリング。軽々しく言ってますが、核保有したいということではないですか。これまでの約10年間にわたる安倍元総理大臣の国会での答弁はなんだったんだろうと思います。非核三原則(「持たず、作らず、持ち込ませず」)は国是、国際社会に対して核兵器を永遠に放棄する、これが安倍元総理大臣の国会での答弁です。そして毎年、広島、長崎の平和記念式典で、同様の声明文を神妙な顔で読み上げていた。これウソだったんですか?もっとも安倍元総理大臣は、桜を見る会110回、森友の問題で139回、国会で虚偽答弁を繰り返してきた。我々は非核三原則、核は人類と共存できないと国際社会に宣言してきた。核のない世界の議論をすべきだ」と。
幸いにも、3月16日の自民党の安全保障調査会の勉強会で、調査会の宮沢博(ひろ)行(ゆき)幹事長代理は、「米欧の軍事同盟・北大西洋条約機構(NATO)が核共有政策を採用した歴史的背景を専門家から聞き、日本に適用できるか検討した。その結果、核を使用すれば核による報復が当然あり、核の配備先になれば真っ先に相手国から狙われるなど、実益が全くないことがはっきりした。出席議員から導入に前向きな発言は一切なく、日本にはそぐわない政策だと納得した雰囲気だった」(19日東京新聞)と、当面採用しないという方針を決めたようだ。参議院選でのマイナスを懸念したのかもしれないが。
ウクライナの件で、プーチンは、非人道的蛮行への国際社会の批判や反撃を「核を脅し」に使い、思いとどまらせている。ある意味?で「核抑止戦略」なのだが、拒否権を持つ国連の常任理事国の蛮行を止めることが出来ないことが明らかになった。
核は抑止力として働くのではなく非人道的行為の許可証、脅しの道具なのだ。国際社会は、即刻核兵器の保有禁止(核兵器廃絶)に向けて議論すべきだと思う。その前に、ウクライナでの核使用を脅しに使うプーチンのような国のトップを国際社会から葬る(監禁する)法を作るべきではないだろうか。
次に「原発を動かす」。これは、日本維新の会の松井一郎代表が、EUの燃料不足(ロシアからのガスや石油の供給減)による電力危機を見て、短期間の原発再稼働に言及。そして、元首相の安倍も追従。欧州でも原発見直し論は出ているが、大勢は「(原発は)高価で危険であり、再生可能エネルギー拡大の流れ」で、機関投資家も同じだ。福島を繰り返さないと腹を決め、再生エネルギーの比率拡大と意図的に遅らせていると思われる電力間(東電と中部)の送電容量を拡大することだ。
3月4日、ロシア軍は、ウクライナ国内に15基ある原発の内、6基を有するヨーロッパ最大級のザポリージャ(ザポロジエ)原発を攻撃。日本の原発は、武力攻撃への対応は出来ておらず、それには更なる経費が掛かりそうだし、再稼働できるスタンバイ状態の原発を動かしても全需要の約6%と少なく、原発再稼動は、危険性はもとより、投資対効果上もあり得ない。
以上、ウクライナ紛争から日本の異様な政治家に飛び火した「核共有」と「原発再稼働」発言は共に、ちゃんと考えればあり得ないようだ。この時とばかり飛びついた安倍と松井。二人揃って浅薄で、政治家として失格だ。
<2022.3.15> いつまで続く?ウクライナの、ロシア国民の悲劇
2月24日の軍事侵攻後、もうすぐ20日。関連情報をNHK「視点・論点」(3月8日)を参考に記すと、2月21日:プーチン大統領ウクライナ東武2州を独立国家として承認。22日:「平和維持」としてロシア軍の現地派遣を指示。24日:ウクライナへの軍事侵攻開始。27日:プーチン大統領 核兵器の使用示唆するような動き。3月1日:キエフでテレビ塔破壊。3月2日、国連総会の「ロシア軍の即時撤退と侵攻非難決議」に、141ヶ国が賛成し、反対した5ヶ国は、ロシア、ヨーロッパ最後の独裁者ルカシェンコ(67)大統領が統治するベラルーシ、アサド大統領のシリア、金正恩の北朝鮮、独裁共産主義国のエリトリアで、いずれも親ロシアの独裁国家。中国、インド、イラン、イラク、アルジェリア、カザフスタン、パキスタン、南アフリカなど35ヶ国が棄権。12か国が無投票。
4日:度重なる国際原子力機構(IAEA)の憲章違反の警告を無視して、ロシアは史上初の原発攻撃を敢行した――ウクライナ国内に15基ある原発の内、6基を有するヨーロッパ最大級のザポリージャ(ザポロジエ)原発を攻撃。国際社会から非難。されど意に介さない。
5日の停戦交渉で、無差別攻撃の前兆とも言われている民間人の退避ルート「人道回廊」の設置に合意。しかし、ロシア軍の「人道回廊」への攻撃により一時中断。退避6ルートの行き先すべてがロシア(1つはベラルーシ経由)で、「人道回路」ではなく「人質回廊」だ。ロシア軍の無差別攻撃によって、幼児を含み多くのウクライナ人とロシアとウクライナ両軍の多くの軍人が戦死した。ロシアの理不尽な武力侵攻に対し、ウクライナでは国防に参加する女性が後を絶たず、3万人を超えたようだ。
ロシアは、かって政府批判をするジャーナリスト6人を暗殺したように、ウクライナのゼレンスキー大統領の暗殺を狙っている(未遂は3回に及んだ)。
軍事侵攻、原発破壊、核の使用をほのめかす。狂気の沙汰としか思えないプーチンのロシアから離れる国が出てきた。これまで中立的だったフィンランドやスェーデンはNATO(北大西洋条約機構)への加盟を表明し、侵攻を恐れる旧ソ連構成国のジョージア、モルドバも加盟申請。ウクライナはEU(欧州連合)への早期加盟を申請。
いまやロシアは、世界中で最も危険な国になり、北朝鮮以上に国際社会から相手にされない国になった。喫緊の課題は、この非人道的な鬼気・プーチンを止めることで、ウクライナ人や拘束を恐れずデモに参加するロシア人(特に、15日のNHKニュース7で報じられた、ロシアの国営テレビの放送中(14日)に、「NO WAR(戦争やめて)、プロパガンダ(政治宣伝)を信じないで。あなたはだまされている」の手書きのプラカードを掲げた勇敢な放送局の女性職員)を救うことだ。
彼女の行為(重罰を恐れずに国民に向けたメッセージ)は、国営放送ではないのに政府に忖度する公共放送NHKの職員には絶対に出来ないと思う。また、彼女はプロパガンダに加担し黙認したことを恥じていると、SNSに投稿したようだが、国民のため(公共のため)の報道機関のNHK職員は、違憲立法の安保法制時や学術会議任命拒否問題など数々の政府の不祥事の報道に恥ずべきことはなかったと言えるのか、自問自答(再考)すべきだ。
今朝TBSラジオで「プーチンをとめるのは誰?」という意見を募集していたが、石頭団塊団の答えは、「ゴルゴ13!」。
それでもロシア国民の70%近くがプーチンを支持している――情報(言論)統制によって狂気のプーチンを支持。それだけ「言論の自由」が民主主義には欠かせないということ。
太平洋戦争突入前の1933年、当時各国が植民地指向下ではあったが、常任理事国だった日本が、満州侵攻で孤立し、国際連盟を脱退。その後メディアは戦争を煽り、ほんの一部の勇気ある反戦論者を除き多くの国民が戦争賛美に染まっていたのと同じで、ロシア国民を責める資格は日本国民には無いとも言える。
プーチンを狂わしたのは、以下(プーチンの”三分の理”)だと思う。
3月13日、朝日新聞「朝ニュースレター」の「西の『約束』はあったのか NATO東方不拡大」に以下がある。
「かってソ連大使も務めたジョージ・ケナン氏は、98年5月のニューヨーク・タイムズ紙でこう述べた。『私はそれ(NATOの拡大)は、新たな冷戦の始まりであると思う。ロシア人は強く反発するだろうし、ロシアの政治にも影響を与えるだろう。それは悲劇的な過ちだ』。
クリントン政権時代に国防長官を務め、「核兵器なき世界」を掲げたオバマ元大統領に影響を与えた「4賢人」のひとりで、NATO拡大に慎重な姿勢をとってきたウイリアム・ペリー氏は「冷戦終結とソ連崩壊は米国にとってまれな機会をもたらした。核兵器の削減だけでなく、ロシアとの関係を敵対からよいものへと転換する機会だ。端的に言うと、我々ははそれをつかみ損ねた。30年後、米ロ関係は史上最悪である」(『核のボタン』)。また、米軍将校から歴史家に転じたアンドリュー・ベースビッチ氏は、20年6月の朝日新聞のインタビューで、「ベルリンの壁崩壊を目の当たりにして、米国の政治家や知識人は古来、戦史で繰り返された『勝者の病』というべき傲慢さに陥り、現実を見る目を失ったのです。冷戦後の『米国の覇権』を支えたのが東方拡大だった。シュルツ元国務長官ら、冷戦末期にソ連との核軍縮条約交渉の実務を担当した人々は、NATO拡大がセンシティブな要素をはらむことを理解していた。だが、『お互いに敵とみなさない』との東西和解の合意にもかかわらず、クリントン政権はNATO拡大に舵を切った」とある。
以上がプーチンの譲れない核心なのだが、なぜ武力侵攻前に、外交努力を尽くさなかったのか。ただ怒りに任せたプーチンの非人道的な無差別攻撃は許されない。
今後50年以上、ロシアは国際社会から相手にされないだろう。
<2022.3.1> ロシアのウクライナ全域への軍事侵攻に思う
2月24日にプーチンのロシア軍がウクライナに侵攻して、5日経った。ウクライナは、「全面降伏」を求めるプーチン・ロシア軍に対し、18才から60才の男性の国外退去を禁止し、欧米からの供与された武器で徹底抗戦。ウクライナ各市へのロシア侵攻は計画通り進まないようだ。ウクライナ政府は、プーチン軍を止めるために隣国の人々へ参戦を打診していて、国際社会(シリア、ニカラグア、ベネズエラなどを除く)も、全面戦争を避けながらプーチンの蛮行を止めるための様々なことを検討中。28日には、軍事以外で最大の制裁といわれるSWIFT(国際的な金融決済からロシアを排除)を米欧主要6か国とEU(欧州連合)は合意(中国は反対)し、ルーブルが急落(物価高で国民の生活が困窮)。同時に隣国のベラルーシがロシア軍への加兵計画を発した。同日28日、ロシアが核使用をチラつかせた中での停戦交渉が、プーチンの取り巻き不参加の下(すなわち、形だけの停戦?)行われたが、数日以内の再開になった。
パラリンピックの開催間近(まぢか)(4日開催)の中国は、25日、停戦と撤退を求めた国連安全保障理事会のロシア非難決議に棄権し、「力による現状変更」の国際社会の反応と制裁の強さ加減を読んでいるように見える。
プーチンのロシアへの制裁は、スポーツ界へも波及し、FIFA(国際サッカー連盟)はロシア、ベラルーシを国際試合から排除、国際テニス連盟へも波及し、プーチンの名誉会長職を停止した国際柔道連盟などからロシアでの国際試合の開催を禁止するなど、あらゆるところからロシア及びベラルーシへの包囲網が敷かれてきている。引き続き停戦交渉が継続されるが、今後どのような道を辿るのか予断を許さない。
次の段に意志(いし)道(どう)が24日の軍事侵攻の報を受けた印象を翌日に記したものを載せたい(最初に受けた印象が重いという意味で)。
プーチンを止めることが出来るのはロシア国民なのだが、下記にあるように、ロシア国民は、精神を病んでいるプーチン(欧米の要人が公言)、こういう人間を国のトップに選んだことを恥じ、何千人にも及ぶ拘束も恐れずに国内の各地でデモを起こしている。
これを見て、太平洋戦争時に戦争に加担し、最近では違憲立法の安保関連法の強行採決を許した日本人には到底できないだろうと思った。
そんな日本人がやるべきことは、国外に逃れるウクライナ人の支援を早急かつ強力に行うことだと思う。
<以下、25日の意思(いし)道(どう)の日記>
2月24日、世界の大方の予想超え、ロシアがウクライナへ軍事侵攻した。侵攻の範囲は、当初考えられていたプーチンが最近独立を承認したウクライナ東部の二州(ドネツク、ルガンスク)を超え、ウクライナ全域に及んだ。
この侵攻を決行した理由は、大きくは二つ――①ロシアの侵攻の徴候に対し、バイデン米国大統領が早々と「(ウクライナは北大西洋条約機構・NATOの一員ではないので)米軍派遣はしない」発言と②ロシアは欧米の唯一の対抗策である経済制裁の影響の最小化を進めていて、「経済制裁はロシアにとって大したことは無い」。これによって侵攻決行したと思われる。
また、プーチン大統領は、国際社会の批判は一時的なもの(2014年にロシアがクリミア半島を併合した時のように)であり、何とも感じないだろう。国連憲章は、「自国が攻撃を受けたり、国際社会の共通利益とならない場合の武力行使を否定」。今回のロシアの侵攻を止めることは、国際社会の利益になるが、それでも理性ある国の多くは、武力行使はしないだろう(これに乗じてロシアは武力侵攻したのだが)。唯一の望みは、プーチンの愚行を非難するロシア国民の動き――「反戦デモ」が起こったことだ。平和を愛する理性あるロシア人に期待! <25日の日記は以上>
今後の展開は、ウクライナのNATO加盟阻止、ウクライナの中立性(親ロシアの傀儡政権?)を狙うプーチン独りの頭の中にあり誰も読めないが、いずれにしても、今回の「力による外交」を許せば、中国がロシアの手法を真似て台湾に軍事侵攻をする可能性が高まる。オリンピック開催中に行われたプーチンと習近平会談の中身はなんだったのだろう。
もしそうなったら、ウクライナと台湾二つの問題に国際社会は対峙できるだろうか。世界中で、この問題について熱狂的な議論を起こしたいものだ。
加えて、プーチンが「ロシアは最強の核保有国の一つ。ロシアへの直接攻撃は敗北と壊滅的な結果をもたらす」演説したことについても議論を起こしたい。唯一の被爆国・日本の批准を含め、核保有国は、核兵器禁止条約を批准すべきだ。ロシアは、国際平和のために創設された国連の常任理事国だろー。国連の議題に、「ロシアを常任理事国から外す」ことも加え、国際社会が多方面からプーチン排除の手を打つべきだと思う。そうなれば中国も考えるだろう。
<2022.2.15> 怒ったぞー!
怒ったのは、あの何の役にも立たない布製「アベノマスク」(約260億円の無駄遣いマスク)に関してだ。
感染防止性能が劣る上に、サイズが小さく、汚れや虫の混入があるなど国民の批判を受けて、約8千万枚も残し、その保管料が昨年の3月末までで約6億円。現時点ではそれ以上かかっているはずだ。
与党に擦り寄るメディアが「野党は批判ばかり」だと流したことに対して、先の衆議院選挙で落選してしまった立憲民主党の辻元清美さんが、2月7日の毎日新聞プレミアムメールで、「立法府の仕事に、国民のために、政府が間違った方向性の政策を出したり、税金のムダ遣いをチェックする行政監視という重要な役割がある」、「(このマスクの件も)野党が批判しなければ、無駄な保管費が税金から延々支払われていたことだろう」という。
違憲立法をはじめ友達優遇の不正や人権蹂躙(入管施設での)など批判されるようなことばかりをする無反省・無責任な与党側に問題があるのだから、野党は萎縮せずに、もっと強烈に批判をやり続けてほしい。
保管費用の無駄批判を受けて、希望者(人・自治体)に無料配布すること報じたら、面白がった国民から多数の要望があり、その送料に約10億円、焼却廃棄には約6千万。なぜ焼却しないのか?無駄遣いの処理に無駄遣いを考える政治家と役人を国民は税金で雇っている。無駄が無駄を生んでいる。この行政の愚行に怒らない国民もどうかしているのだが、無駄遣いを減らすには、国会議員を減らすしかない。
8千枚の在庫を超える約3億弱の要望があったのは、無料ならば、このマスクを国のトップが犯した歴史的愚行の記念品として持っておきたい人がいたのだろうが(実態は、雑巾や苗床として使うらしい)、更に腹が立ったのは、安倍元首相は公の場で、上機嫌で「もっと早く募集をやればよかった」と、宣(のたま)ったことだ。どこまでも国民を馬鹿にしているのだろう。
次期参議院選での自民党敗北の主因が「アベノマスク(アホノマスク?はたまた安倍政権の影の首相といわれていた甘利前自民党幹事長のアマリマスク?)」になれば、自民党が愚民と見做(みな)す国民の意趣(いしゅ)返しになるのだが…そうなると天下の愚策記念品に箔(はく)が付く。
送料の10億円を「安倍さんに払わす」という意見があるようだが、意志(いし)道(どう)は、残ったアホノマスクを安倍氏の自宅か選挙事務所に受取人払いで送付することを提案したい。勿論その後に発生する費用は安倍氏が全額負担する。反省もせず、責任も取らない、税金で暮らしながらムダ遣いをする二重詐欺師の当然の報いだ。
<2022.2.1> いつになったら、まっとうな政治に戻るのか
第5波後、岸田首相は「最悪の事態を想定した対応」を表明したが、いま日本は、コロナ(オミクロン)感染者の拡大、第六波のピーク前段階にある。自前での検査を促しながら検査キットは足らず、ワクチンも足らず、以前から指摘されていたPCR検査や医療体制は整わず、後手後手の対応で失脚した菅前首相と変わらない。医療崩壊のみならず物価高も加わり、国民の生活は苦境に晒(さら)されている。
コロナ対応や不適切統計(国交省の「建設工事受注動態」、厚労省の「毎月勤労統計」など)も含め、国民に本当のことを知らせない行政への不信感は募るいっぽうだ。税金で生活している政治家・役人は何をやっているのだろうか。役に立たない国会議員を減らし、国民のために働く第二の役所を作りたい心境だ。
意思(いし)道(どう)は、政府発表を垂れ流すNHKのニュースだけでは真の状況は掴めず、早朝6半時からのTBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」を聴いている。これが真実探求を促し、面白く、かつボケ防止にもなっている。
話しは変わるが、通常国会が開かれた1月17日、岸田首相就任後初の施政方針演説が行われた。言葉だけで実行力の乏しい優柔不断の岸田首相は、民主主義の危機を謳いながら、野党の追及を避けるために、触れてほしくない問題(スリランカ女性の入管施設での虐待死などに関わる入管法改正など)や周辺自治への拡大を招いた米軍基地由来のコロナ感染を避けるための不平等協定・日米地位協定(米軍基地があるドイツ、イタリア、英国、韓国などでは国内法適用)の改定、核禁止条約の批准、辺野古基地工事の軟弱地盤での工事費膨張と工事の長期化などの問題にも正面から応えず、日本が主権を持たない(決定権を持たない)軍事面の問題を避けた。
国民に政治不信をもたらし、民主主義の危機を招いた森友問題や「桜を見る会」、日本学術会議の会員任命拒否問題などの真相解明には背を向け、演説で言った「己れを改革し、自らを律することに重きを置く」は、案の定言葉だけだった。
安倍元首相とほぼ同じ道――質問には、虚偽答弁し、はぐらかす。自民党が愚民と見做す国民が忘れてくれるのを待つ――を踏襲。自民党改憲草案にある緊急事態条項に対しても、「これを入れなければ国民の命を守れないのか」との立憲民主党代表の泉氏の質問にも答えなかった。憲法で定められた臨時国会の要求を無視し、国民の代表が国民のために議論する国権の最高機関である国会で百数回もウソをつき、捏造されたデータを基に法律を提案するなど立憲主義も民主主義も何もわかっていない、質問にまともに応えない戦後最悪、最低の無知無恥なる安倍元首相ほど酷(ひど)い政治をやらないとは思うが、岸田首相には、自身が言うところの「『信頼と共感』の政治に向けて、謙虚に取り組む」を実践してほしい。
政治とは何か?大辞泉には、「1. 主催者が、領土・人民を治めること。2. ある社会の対立や利害を調整して社会全体を統合するとともに、社会の意思決定を行い、これを実現する作用」としている。また、政治哲学者ハンナ・アーレントは『人間の条件』の中で、「政治を 自己とは異なる他者に対して言語を使って働きかけ、結合する行為であると捉えている。つまり政治とは人々が善い社会で生活することを達成するために、社会に対して働きかけることであり、また何が善いことかという判断に関する議論を伴うものであると言うことができる」とある。
我々は、改めて、国会が国民のための議論を尽くしているか、あるべき姿に戻ろうとしているかを、厳しくチェックし次期参議院選挙に反映させる義務がある、と思う。
<2022.1.15> 『落日燃(も)ゆ』再読
年末に架けて、事実に基づいた小説、『落日燃(も)ゆ』(城山三郎著)を再読した。案の定、初読の時と比べ深い読み込みが出来たと思う。
3つばかり拾い上げる。
一つは、A級戦犯7人の内ただ一人の文官・広田広(こう)毅(き)が天皇から組閣の命を拝受時(昭和11年/西暦1936年)、三ヶ条の注意の第一条に、「憲法の規定を遵守して政治を行うこと」があり、著書には、歴代の新首相に天皇が与えてきたものとある。これにもよるが、歴代の首相は、解釈上も常識として集団的自衛権行使を違憲として踏み込まなかったと思われる。だが、常識外の無知なる安倍元首相は、憲法学者の殆どが「集団的自衛権の容認を含む安保法制」は違憲との指摘を無視し、強行採決をした(西暦2015年/平成27年)。多分昭和天皇はもとより、平成天皇共に、安倍氏を疎(うと)んじたまま退位されたのだと推察する。その安倍首相を戦後最長の政権としてきた自民党員、自民党議員及び日本国民の常識が疑われる。
二つ目は、当時軍部の独走を阻止する者が凶弾に斃(たお)れた時勢であったが、広田は首相就任にあたり、「自分は粛軍をやり、正邪のけじめをつける。この内閣はそれだけでいいんだ」(同著)と言ったようだ。岸田新首相も、「今は、民主主義の危機」と言うなら、モリカケ問題の真相究明、学術会議の任命拒否問題や入管施設で虐待死させられたスリランカ女性の親族の真実を知りたいという願いに応え、正邪のけじめをつけるのがこの内閣だと公言すれば、自民党はもとより、政治の信頼回復が望めたに違いない。
スェーデンの政府組織「民主主義・選挙支援国際研究所」の11月報告書に、「世界の7割の人々が非民主国家あるいは、『民主主義が後退した国』に住んでおり、日本は韓国、モンゴルなどとともに『中程度の民主国家』」の評価もわずかではあるが、改善出来ただろう。
そして三つ目。「目先ばかり見て、勢いのいいところにつこうとする。ああいう軽率な連中に国事を任せては、日本はどこへ行くかわからん」と広田は憂いたとある。違憲立法に賛成し、モリカケを始めとした不祥事に異論を唱えない自民党の議員連中を見ると、まさに「今の日本はどこへ行くかわからん」状態だと思う。広田さんが生きていれば、「日本国民は、なぜこんな政権を選んでいるのかわからん」と、嘆くだろう。
最後に気になったことをおまけで補記します。文中何度も記されていたことだが、「この戦争の何よりの責任者は、個人よりも、統帥権(軍隊の最高指揮権)の独立を許した構造(参謀本部・軍司令部が発動に参与)そのものに在る。<長州のつくった憲法が日本を滅ぼすことになる>と、広田はかねて危惧していたが、そのとおりになった。日本は高すぎる授業料を払った」とある。長州の安倍元首相が自民党議員と共に強行採決(2015.9)した憲法違反の「集団的自衛権行使容認」の安保関連法が、「日本を滅ぼした法案」とならないように、と願う。
<2022.1.1> あけましておめでとうございます
安倍、菅、党の不正を国民の血税を使って、
卑怯にも「認諾」で蓋をした岸田首相。 彼らは国民を思う心は無く、「群れ(派閥)を好み、権威と忖度を好む。虚偽と叩き上げの捏造スキルだけが、彼らの武器だ」(「ドクターX」を借用)。
今年の推薦本は、池上彰『これが「日本の民主主義」!』、斎藤幸平『人新世の「資本論」』、鎌田實『人間の値打ち』、そしてカール・セーガンの『COSMOS(上)(下)』。
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