湿度は高いが暑さが去りつつある中、快適な日々の到来を願いつつ、今回は、地方議員(富山県議と市議)の政務活動費不正取得(税金で生活する議員が税金泥棒をするという二重詐欺問題)など、日本の政治腐敗から遠く離れ、“幸せ”について、です。
先日、「人生を幸せするのは何?」というTED(ニューヨーク市に本部があり、毎年様々な分野の人物の大規模な世界的講演会を主催する非営利団体Technology Entertainment Design)の講演録画を視聴した。
アメリカの話なのだが、一生を通じて健康で幸福にしてくれるものは何か?を探るために、1938年以来75年間の長期にわたり、724人の男性を調査(そのうち約60人が未だ健在。ほとんどが90歳代)して得た結論の4代目の研究責任者の報告です。
男性を2グループに分け、第1グループは、研究が始まった当時ハーバード大学の2年生で、第二次世界大戦中に大学を卒業し、ほとんどが戦争に参加した者。第2グループは、ボストンの極貧環境で育った少年達。調査対象の彼らは、工場労働者、弁護士、医師などさまざまな人生を送っていて、アメリカの大統領になった者もいる。
講演は、最近の若者への問い「最も大切な人生の目的は?」の答えから始まった。その答えは、80%の人が“富を蓄えること”で、50%がもう一つの大きな目的“有名になること”だった。「良い人生を送るためにはそうする必要があると、誰もが思わされてしまう」今の世の中だが、長期追跡調査で分かったことは、私たちを健康に幸福にするのは、「富でも名声でも、それを求めて無我夢中で働くことでもなく、良い人間関係に尽きる」だった。
上記結論に至ったのは、人間関係に関して、次の3つの大きな教訓を得たことによる。第一は、周りとの繋がりは健康に良いということ。家族 友達 コミュニティとよく繋がっている人ほど幸せで身体的に健康であり、孤独な人は、体の衰えも脳機能の減退も早期に始まるなど、孤独によって寿命が短くなったとのこと。重要なことは、友人の数や生涯を共にする相手の有無でもなく、身近な人達との関係の質であり、争いのある中で暮らすのは健康に悪く、愛情が薄く喧嘩の多い結婚は、健康に害を及ぼす、という。
二つ目の教訓だが、研究者たちの目的には、追跡調査によって、50歳の頃のデータから、80代になったとき誰が健康で幸せになるのか予測できるようにすることでもあったのだが、得られた結果は、どのような老年を迎えるかは、中年時のコレステロール値等との関連性はなく、当時の人間関係の満足度で予測できる、というものだった。すなわち50歳で最も幸せな人間関係にいた人が、80歳で一番健康だった、のだ。親密な良い関係がクッションとなり、加齢過程で様々な問題を和らげてくれていたようだ。
人間関係と健康に関して分かった3つ目の教訓は、よい関係は身体の健康だけでなく、脳をも守ってくれるということ。頼れる人がいると感じている人の記憶ははっきりしている。一方、パートナーには全く頼れないと感じている人は、記憶障害が早期に現れ始める。明けても暮れても小言を言い合っている80代のカップルでも、お互い頼り合えると感じている限り、良い人間関係にある、と言えるとある
75年間の研究で示されたものは、定年退職後一番幸福な人は、彼らが青年期に入った時の冒頭の設問の答え「良い生活をするには、名声や富や業績を得る」ということではなく、最も幸せに過ごして来た人は、仕事仲間に代わる新しい仲間を自ら進んで作った人達で、家族や友達、コミュニティなどの人間関係に頼った人々だった。この親密で良い関係は包括的に私たちに益となっているという教えは、今に分かったことではないが、人間関係は複雑に込み入っており、家族や友達との関係をうまく維持して行くには、それなりの努力を必要とする。しかし、新鮮さを失った関係を活気づける、何か新しいことをパートナーとする、長い散歩とかデートなど良い人間関係を築く方法は無限にある、ともいう。良い人間関係を築く日々の小さな努力の積み重ねが、人生に大きな幸せ感をもたらす。
<2016.12.15> 今年の政治騒動に寄せて、過激に年末
今年最後のブログにあたり、今年の政治騒動の不可思議な結末について論じたい。
年初の1月、金銭授受疑惑の責任を取ってTPP担当国務大臣の甘利内閣府特命担当大臣が辞任すると表明した。金銭授受の説明をせず、ほとぼりが冷めるまで睡眠障害で長期間病院に逃げ込んだ。政権の狙い通り、国民は忘れてしまった。
同月、政治資金を私的流用した舛添東京都知事が、自身が選ぶ第三者調査委員会に「ルール(法規)違反かどうかの判断。そして倫理的、道義的な面についてアドバイス」を委ね、ルール違反部分を返金し、知事に居座ろうとした。これにメディアと都民が猛反発し退陣に追い込んだ。倫理、道義共に人として守るべき道で、それは自分の心の中にあるのに、第三者に聞かなければ分からないなんて、情けない。早逝(そうせい)した哲学者・池田晶子さんは、善と悪への内的直観を有しない人は、善と悪について具体的に指摘されないと分からない人だという。首都のトップ・舛添前都知事は、まさにそれだった。
後半には、11月8日、嫌われ者同士(ヒラリーは自信を含む既得権益者のための政治推進者、トランプは分断を煽る暴言候補者)のアメリカ大統領選で、貧困層の逆襲――格差拡大に向かう社会、既得権層のための政治への反発――によって、トランプ氏が次期大統領に選ばれた。選挙後、暴言次期大統領への反感から全国でデモが起こり国中大騒ぎだ。
韓国では11月12日、朴(ぱく)槿恵(くね)大統領の友人が政治介入と利権関与疑惑・詐欺未遂の容疑で逮捕され、取り巻きと大企業の利益優先の朴大統領の支持率が前代未聞の4%(不支持率90%超)まで下がり、退陣を求める抗議集会(11月26日)には主催者発表で150万(警察推計30万人)と過去最高の人が集まった。その3日後の29日、大統領は、任期(18年2月)前の辞意(4月退陣の意向)を表明し、12月9日には、「政経癒着(政権と財閥)」に対する“国民の怒り”をバックに国会で弾劾が決定し“職務停止”。憲法裁判所の審理に移った。
でもどうだろう、韓国の大統領は弾劾。“せこい”だけの人間だった舛添前都知事は日本中のバッシングにより退任させられる一方、憲法違反の集団的自衛権行使を含む安保関連法の強行採決、生活への影響大のTPPの内容を知らせず強行採決、格差の拡大・放置や沖縄の民意を無視し、TPPの国会決議無視など「国権の最高機関である国会」を否定する専制政治を行う安倍政権の支持率は60%(11月26,27日の共同通信社調査)を超える。
さらに、経団連(大手企業)は、反社会的な原発再稼動・武器輸出解禁・派遣法改悪などを政府に要請し、その御礼として自民党への政治献金増額をしている。日本の「政経癒着」への“国民の怒り”は見られない。
一体、日本国民は何を基準にこのような判断(安倍内閣に高い支持率を与える)をしているのだろうか。世界中の人が希求する戦争放棄を含む国民の意志である憲法を踏みにじる自公議員をなぜ選ぶのだろうか。石頭には理解できない異次元の世界だ。
世界一貧しい前ウルグアイ大統領ホセ・ムヒカさんが、訪日時(4月)、「政治に関心がない」「政治は重要じゃない」と言う人がいるが、政治を放棄することは少数による支配を許すことにつながる、と言った。日米韓の騒動の結末の違いは、国民性もあると思うが、日本は、ムヒカさんが指摘するように政治への無関心層が多い国なのだろう。それは多くの人命を奪った戦争の総括をせず、民主主義も自分の手で勝ち取ったのではなく与えられたものだから、民主主義、そして国民主権、基本的人権の尊重、平和主義という日本の進むべき道を宣言した現憲法の大切さがわからないのだろう。
一昨日(13日)タイトルに引かれて新刊を購入した。本のタイトルは『安倍でもわかる政治思想入門』。まだ半分も読んでいないが、政治家の条件は「常識。特に議会主義を採用しているわが国においては、フェアな議論を行う人間が求められ、きちんと挨拶ができる、人の話をきちんと聞くこと」等々小学生の社会科の授業で習う程度の知識があればよいから始まり、安倍晋三の見識、政治力、歴史観、憲法理解、人間性、経済政策を題材に、安倍晋三の馬鹿さ加減を論じている。さらに、立憲主義と議会制民主義、三権分立など基本的なことを解せず壊す、「民主党(現民進党)は息を吐く様に嘘をつく」とブーメラン発言をする安倍晋三という人間を、「歴代総理の中でも圧倒的に出来が悪い」、限度を超えた“アホ”と断定している。
読みながら思った。こんな大バカな総裁に、自民党議員の多くは変だとは気づいているが、「阿呆首相の支持率は高い(国民がバカに気がつかない?)。自身の議席は安泰。だから、国民が気づくまで“安倍に、やらせておこう”」と決めたに違いない。
「活動的なバカより恐ろしいものはない」(ゲーテ)、「安倍の存在自体が“大きなリスク”」(本書)状態なのに、60%以上もの国民が分かっていない。これがいまの日本なのだ。
<2016.12.1> 総裁の任期延長は何を意味するのだろうか?
世論調査では、自民党総裁の任期延長(現2期6年→連続3期9年)に6割が反対しているが、来年3月の自民党大会で正式に党則を改正するようだ。それによって18年9月に任期満了を迎えはずの安倍政権が今後も続くことになる。
前ブログで引用した『中学生からの哲学「超」入門』に、「集団の性格を見ようと思ったら、(権力が決める)ルールの性格と、ルールを決めたり変えたりする権限が誰にあるのかというルール権限を知ることが大事」とある。まず安倍晋三率いる集団・自公政権の性格を安倍政権誕生後新たに制定したルールから読み解く。
安倍政権は、今まで70年以上も国民に受け入れられてきた大切なルール――専守防衛に徹し武力行使を禁じた戦争放棄の憲法9条――を破壊(海外での武力行使を容認)し、さらに武器輸出を解禁(企業の死の商人化。これは武器輸出を望んだ企業側にも責任があるが)した。さらに野党議員の臨時国会召集要求に応じず臨時国会召集を定めた憲法53条の無視など、憲法を無視する、立憲主義を解さない政権なのだ。
また、国際社会から非難された国民の知る権利を奪う特定秘密保護法やNHK会長に友達の籾井(もみい)勝人(三井物産出身)を据え、公共放送の国営放送化や批判的なテレビ局を電波停止で脅したり(憲法21条の表現の自由に違反)、批判者を排除するなど、民主主義の根幹を成す国民の知る権利を奪う動きを加速させ、今年4月20日発表の国際NGO「国境なき記者団」の「報道の自由度ランキング」で、日本は、対象の180カ国・地域のうち、前年より順位が11下がって過去最低の72位になった。日本を民主国家とは言えない恥ずべき国にしてしまった。
経済面でも、憲法25条の「すべて国民は、健康で文化的な最低限の生活を営む権利を有する」(「国は、社会福祉、社会保障などの向上及び増進に努めなければならない」)に反し、富める者がさらに富む強者優先の経済政策アベノミクスを道半ばと称して国民を騙しつつ、さらにエンジンを吹かすと、日本社会の崩壊に向けて暴走中だ。
厚生労働省が2014年7月にまとめた「国民生活基礎調査」によると、「相対的貧困率」(等価可処分所得の中央値の半分の額(2012年は122万円)に満たない世帯の割合)は16.1%。そして、これらの世帯で暮らす18歳未満の子どもを対象にした「子どもの貧困率」も16.3%となり、ともに過去最悪を更新した。
安倍政権誕生以来、パートや派遣などで働く非正規雇用者の割合が年々増え続けているが、平成27年に改正された労働者派遣法の後押しももあって、非正規雇用者は、今年(2016年2月12日)、ついに4割を超えるなど格差の拡大と固定化を進めている。さらに各世代の年金額がどの程度減額になるのかを示さず(隠して)、年金抑制ルール化も進めている。
以上、立憲主義(憲法で権力の暴走を防ぐ)を理解できない違憲で生まれた安倍首相は、誕生以来、日本国憲法の三大基本原理である基本的人権の尊重、国民主権、平和主義(9条)を壊し、民意を無視し、反社会的で国民の命と生活を壊すルールを押し進めてきた。
自民党総裁の任期が延長されれば、安倍首相は、独善的なルール――世論の批判を受け、ルール化を見送った改憲発議条件改正(議員総数の2/3以上の賛成を半分に)や原発事故賠償費や廃炉費用を、再生エネルギー利用の電力会社を支援する利用者にも払わせるなど――理不尽なルールづくりを次から次と考え、強行採決するに違いない。
個の権利より国を優先する、国民を憲法で縛る自民党改憲草案の成立を目指している安倍政権の長期化。それは、石頭が思うに、狂信的な安倍首相の専制的政権が日本国民の良心の壁に突き当たり、自民党壊滅に至る道なので“勝手にやって下さい”なのだが、本当にそれでいいのだろうか?とも思う。次世代のために、いま大事なことは、独善的なルールづくりを強行する“権力者を疑え!考えよ!”なのだ。
<2016.11.15> 人間研究:安倍首相のあの性格はどのように生まれたのか
11月8日、米国の次期大統領に大番狂わせで、暴言連発のトランプ氏に決まった。ヒラリー・クリントンの自身を含む既得権益層のための政治が拒否された結果だ。米国民は選挙後も反トランプの大規模なデモをしている。石頭は、「言葉を信じるな、信じられるのは行動だけだ」(ポラスの原則)で、今後どうなるのかを見守りたい。
言葉ではなく、行動にその人間の性格と人格が現れる。昨年9月19日、憲法違反の集団的自衛権行使を含む安保関連法案を強行採決し、また今国会では、「ウソつかない。TPP断固反対。ブレない」の公約を破った上に、国民の理解が深まることを恐れ、議論を打ち切り強行採決した。一般市民からみればこんなに非常識な人間はいないし、人間の負の部分の研究対象として、安倍首相は格好の公的教材だと思う。
「国民の命と生活を守る」といいながら、真逆の政治運営を採る戦後最低最悪の首相になるであろう首安倍首相は、何が原因でこの様な性格――平気でウソをついても恥じない、横暴な政権運営をしても良心の呵責なし――になったのかを『中学生からの哲学「超」入門』(竹田青嗣(せいじ)著)の助けを借りて探ってみた。
本報告は、2014年7月に、20世紀前半のスペインの哲学者オルテガの著書『大衆の反逆』の援用報告「安倍世襲議員政治の本質」の姉妹編になります。先の報告では、安倍政権の多くが安倍首相を含め世襲議員「良家の御曹司」で、彼らは「『甘やかされた子供』であり、野蛮人に似たような、ある種の不完全な人間の在り方を想起させる」、「贅沢が人間の中に生み出す幾多の奇形のひとつである」と言われる人たちの集まりであると分析報告した。
今回は、安倍首相の性格――憲法違反の集団的自衛権で他国での武器使用の容認や武器輸出解禁するなど“人を殺してはいけない”が分かっていない。議員定数削減や原発、TPPに関する公約違反。東京オリンピック誘致では「放射能を完全にコントロール」発言で国際社会を相手に、平気でウソをつく。沖縄問題を始め他者の気持ちが分からない。異論を極端に嫌い排除する――がどのように生まれたかを『中学生からの哲学「超」入門』の援用で分析を試みた。
安倍首相の性格のほとんどが、「わがままに育てられた」結果であり、ウソをついてはいけないなどの“良い悪いの自己ルール”を親から教育されなかったことが原因なのだが、さらに悪いことには、これによって「自然な倫理感覚が身につかず」「わがままに育てられた人は、独善的な『自己ルール』をもち、人にそれを押しつける態度をとり、無意識に他人はそれを認めて当然だと考えてしまう。親からしっかり愛情と承認を与えられなかった人は、自信がなく、防衛的になり、互いに、自然な配慮や親和性を交換することができない。自己ルールが分裂している人は、つねに自己欺瞞、虚偽の意識や無力感をもつことになる」とある。まさに安倍首相の性格そのものだ。
安倍政権の今までの異様な政治運営の根っこは、人として守るべき基本の「弱い者をいじめるな」「嘘をつくな」ができない安倍首相の人として未成熟な性格と言える。
哲学者・池田晶子は、「人間性を失った者は強い」と言う。ウソをついても恥じない。憲法違反しても弱者をいじめても良心の呵責は感じない。これは強い!これ以上、異常な性格の安倍首相の下で強権政治が続けば、平和国家はもとより民主国家としての日本は、死んでしまうだろう。
それにしても、異常性格者の安倍首相に従う自公の議員たちは何を考えているのだろうか?韓非子(かんびし)に、「君主たる者は、家来に物の好きこのみを見せてはならぬ」というくだりがある。家来がすぐそれに迎合するからだ」と。自公議員は、安倍首相の好み(ウソや横暴さなど)を真似ている同じ穴の貉(むじな)集団なのだ。自公議員の否定が日本を救う道だと思う。
PS.本書には、「『わがまま』に育てられることの弊害は、しばしばその人間にとって、一生の重荷になることがあります」とあり、我が子にそのような重荷を背負わせないために親として、まず最初に教えるべきは、“良い悪いのルール”。これを教えなければ、本書で言うところの「もう二度と自分はまっとうな、ちゃんとした人間だ、と自分自身に言えなくなる」人間になる。我が子に、充実した心で人生を送らせるのか、それとも空虚な人生を送らせるのか、親の責任は重大である。
<2016.11.1>
NHKの時論公論捩(もじ)って、石頭の自論空論「もう止めたらどうだ。言い訳は! 」
今日(11月1日)、黒田日銀総裁は、2%の物価目標達成時期を5度も先送りし、従来の2017年度から18年度に変更した。デフレからの脱却を目指し量的・質的金融緩和を導入したのは、2013年4月。「2年程度での物価上昇率前年比2%目標」を掲げ、物価上昇マインド(将来物価高になるのだから、その前に物を買う)を醸成させGDPの7割を超える個人消費の高揚を図るために、市場に大量の資金を流したが、物価目標達成時期を何度も遅らせ、その目論見は、三年半経過後も未達成だ。
それより先の9月21日、アベノミクスの柱である異次元の金融緩和策に対する「総括的な検証」報告で、安倍政権の忠犬クロ(黒田日銀総裁)は、未達要因として、①原油安 ②消費増税(2014年4月) ③新興国経済の後退、の三つを挙げたが、経済に素人の石頭でも何かおかしいと思う。最大の疑問点は、将来家計収入が増えるという具体策と実感が無い中で、インフレ(物価高)を目指せば、将来不安だけが募り個人消費は伸びるはずはない、のではないでしょうか。素人目にも基本的考えが間違っていると思う。
デフレマインドを解消させるには、一に、賃金増。二に、将来不安の払拭。そして三に、政府および日銀と国民の信頼回復。この三つだと思う。
大企業と富裕層優先のアベノミクスは、一から三のすべてに逆行する結果を招いた。一の賃金増に関しては、円安と株高でほんの一握りの人間の賃金を増やしただけで、非正規従業の増加などで実質賃金はアベノミクス後、毎年減少し、家計が自由に使える可処分所得は2011年から2015年で約二十万円減った。これによりGDPの7割強を占める個人消費は回復するどころか停滞。政府は、有効求人倍率の上昇をアベノミクスの成果だと言うが、これは団塊世代の退職、生産年齢人口(15歳~64歳)の減少や企業が賃金抑制のために非正規社員の採用を増やしたことによるもので、成果とは言えない。
この経済停滞を、企業レベルで見れば、アベノミクスが副作用を伴う金融政策一辺倒で、継続的に実質経済を押し上げる政策の欠如にある。企業は将来への不安から設備投資を控えると同時に、賃金上昇を抑制しているのだ。
個人レベルで見れば、年金の株式流用や年金減額、介護サービス、社会保障などの後退や自己責任論で弱者を切り捨てるルール作りが進行中で、多くの国民が将来への不安から消費を控えざるを得ない状況に追い込まれており、消費が伸びないのは明らかだ。
副作用を内在した金融政策ではなく、中間層の可処分所得向上に繋がる健全で継続的な経済政策、そして将来への不安払拭のために、所得の再分配を強化し、年金制度・社会保障制度改革などを行うべきだ。
もっとも深刻な問題は、三番目の政府と日銀に対する国民の不信感だ。憲法無視、国民に真実を知らせない秘密主義、株式運用よる年金の目減り報告を遅らせるなどの情報操作、原発推進や沖縄問題での民意無視の横暴な政権は、何をするか分からない。年金をすべて株で無くしてしまうかもしれないし、自己責任論を前面に掲げ、突然、社会保障を無くすかもしれない。また、地方を含む議員や役人の給与を吊り上げ、政務活動費(税金)の不正流用を加速させるかもしれない。そしてデモなどで反対すれば、準備中の緊急事態法や来年提出予定の新「共謀罪」で、検挙されるだろう。それほど安倍政権は不信の塊(かたまり)と化している。
この永遠の道半ば経済政策から脱するには、大企業・富裕者層優先のアベノミクスの方向転換と国民と政府の間の不信感を取り除くこと――安倍首相・黒田日銀総裁の駆除――が喫緊の課題だと思う。憲法をも無視する、何をするか分からない安倍政権を見限り、至急信頼関係を築ける政党を育てなければならない。
<2016.10.15> 『死の商人〔改訂版〕』その2
先日、昨年度から始まった「安全保障技術研究推進制度」(軍事関連技術の研究開発費用の大学や研究機関への助成金(税金))は、軍学共同を進めるために、来年度の助成金上限を現行の10倍に引き上げた。戦後、日本学術会議は、軍事目的のための科学研究は行わない」と決めたのだが、9月28日のNHKクローズアップ現代+の「“軍事”と大学~岐路の立つ日本の科学者たち~で、大西隆会長は「自衛隊を国民が容認しているということなので、その目的にかなう基礎的な研究開発を大学等の研究者が行うことは、許容されるべきではないか」と理念を見直す発言をしている。間違いなく戦争に使われに違いない防衛省主導のこの制度に、研究費に目がくらむ大学――「死の大学」――はどこなのか注目したい。
一方、本物の「死の商人」だが、世界が軍事予算削減する中、安倍政権は、大量殺戮兵器の脅威が戦争をなくすと主張し、一昨年の2014年4月1日に「武器輸出禁止三原則」を見直し、「防衛装備移転三原則」を閣議決定し、経団連の要請に応え武器輸出解禁に踏み切るなど日本は異様な動きを見せている。
それは、法外な利益を得るために、無数の罪のない人間に死をもたらす殺戮兵器を生産・販売し、戦争をも生産する「死の商人」を育成し、行き着く先は、政府を動かし世界の紛争の80%を起こしているアメリカの「軍産複合体(軍需企業と軍隊および政府機関の連合体)」だのだ。政治権力と豊富な資金を持つ経団連が目指す「死の商人」連合に、平和を愛する国民としてどのように対峙するべきか、前ブログ(10月1日)の続編として、話を進めたい。
第二次世界大戦後の国際軍事裁判で、ナチスとともに侵略戦争に加わった「平和にたいする罪」や「戦争犯罪および人間性にたいする罪」などで「死の商人」は起訴されたのだが、それでも経団連と安倍政権が軍備拡張を進めるのは、戦争や紛争は、独占的な軍事産業に膨大な利益をもたらすからだ。
経団連が軍事費拡大を政府に要請→税金で暮らす政治家がルール(9条骨抜き、武器輸出解禁など)を変え、軍事産業「死の商人」を税金で育成→軍事産業が厖大な利潤を上げる→政権与党が政治献金で潤う。この利権サイクルを税金(安倍政権誕生以来防衛予算増加)で回す。税金で生活する政治家が、利権(利益を占有する権利)のために国民の税金を軍事産業に使う。彼らにとって、日本国民は「葱(ねぎ)を背負(しょっ)った鴨(かも)」なのだろう。
欲で結びついた国家権力と経団連が進めている「死の商人」づくりは、国民の犠牲(命と税金、武器づくりの労働など)をもたらす。この不条理を止めさせるには、選挙で安倍政権を倒すか、1880年代に起こった大衆運動なのだろう。
その大衆運動は、政府からの助成金や低利での資金援助で膨大な利潤を得た企業への拒否運動――「海坊主(三菱財閥の始祖岩崎弥太郎)を退治しろ」、「三菱をやっつけろ!」運動、日常の活動としての「倫理的消費運動」(反社会的企業のサービス、商品の不買運動)――だ。
以下がその対象企業になる。「死の商人」1位 三菱重工業(戦車、戦闘機、地対空誘導弾等)、2位 川崎重工業(対戦車誘導弾等) 3位 三菱電機(地対空誘導弾整備品、中距離地対空誘導弾等)がBig3。三菱グループが戦前戦後一貫して「死の商人」の道を歩んでいる。加えて三菱グループには、今年4月に燃費データ不正問題を起こした上に、再測定でも不正をした三菱自動車がある。はからずも1880年代と同じ対象になったが、お金のためなら何だってやる反社会的な三菱グループの商品不買運動から始めてみてはどうだろう。(従業員には申し訳ないが、世直しです。ご勘弁を!会社を中から変えてください)
「倫理的消費活動」が広まれば、経済活動を通じて人びとの生活を豊かにする環境を整えるという重大な社会的使命を果たそうとする企業が増え、従業員の働く喜びも高まり、日本社会はより良い方向に向かうに違いない。
<追記>2017年1月11日。三菱電機は、入社1年目の新人を「月160時間」働かせ、残業時間を短く申告するように指示した上司と共に厚生労働省神奈川労働局から労働基準法違反で書類送検された。
また、2017.4.24には、非人道兵器「クラスター弾」の廃絶を目指す国際的な非政府組織グループ「クラスター兵器連合」が、クラスター弾の製造企業への「援助」を禁止している国際条約に加盟していながら投融資している日本企業4社(三菱UFJフィナンシャル・グループ:1020億円、三井住友フィナンシャル・グループ:670億円、オリックス:390億円、第一生命保険:40億円)。ダントツは三菱グループ銀行です。
<2016.10.1> 半世紀振りに『死の商人〔改定版〕』を読んで その1
異様な安倍政権が憲法違反の集団的自衛権を含む安保法関連法案を強行採決した壊憲記念日(昨年の9月19日)に本棚にある良著『死の商人(改訂版)』(1967.7.20発行。なんと¥130)が目くばせをしたので、半世紀振りに再読した。国のトップによる前代未聞の壊憲の919前後の安倍政権の一連の言動が、この本の読み応(ごた)えを増してくれた。以下です。
一人の馬鹿が道ばたに立って、槍や火縄銃を肩にかついだ一隊の軍勢が行進してくるのを見ていた。兵隊がすぐそばを通りかかったとき、馬鹿はたずねた――
馬鹿――「みなさん、いったい、どこからおいでですか」 兵隊――「平和からだ」
馬鹿――「どこへ行くのですか」 兵隊――「戦争へさ」
馬鹿――「戦争で何をするんですか」
兵隊――「敵を殺したり、敵の町を焼いたりするんだ」
馬鹿――「なぜ、そんなことをするのです」 兵隊――「平和をもたらすためにさ」
馬鹿――「はて、おかしなこともある、平和からやってきて戦争に行く、それも平和をつくるためにだと。なぜ、はじめの平和に止っていないのだろう」
――中部高地ドイツの伝承寓話――
本書に、「『死の商人』の最大の敵は、本当の意味での平和で、ことばのうえだけの『平和』ならば、彼等自身がかえって口にし、強調さえする」とある。
安倍首相は、昨年の安保法関連法案を強行採決する前に、“平和”という言葉で簡単に国民を騙(だま)せるとして、ドイツの寓話にある平和のための戦争を“積極的平和主義”と称し、“積極的平和主義*”を連発していた。いま日本は、この寓話のとおりに動き始めた。
殺し合って(国民の何人かが死んで)、やっと平和を知る大馬鹿者が日本の首相。そして、安倍政権の支持率が6割に近づいている。“政治家と国民の人間性の劣化ここに極まり”、だと思わざるを得ない。
*提唱者のノルウェーの平和学者、ヨハン・ガルトゥング博士)は、単に戦争のない状態を「消極的平和」と称し、貧困や差別といった構造的暴力がない状態を平和と考えることを「積極的平和主義」と定義した。安倍首相の「平和のために世界中で戦争をする」とは全く違う。今年の8月19日に訪日した博士は、「欠点もあるが憲法9条を守っていく」「憲法9条が当たり前の世の中にしよう」と、日本が主張することを期待している。
<2016.9.15> 良い人間関係が人生を幸せにする
<2016.9.1> 歴史の学び方に雲泥(うんでい)の差
~比べてはならないし、比べるまでもないのだが、天皇と首相~
2016年8月15日の終戦記念日。昭和天皇は、全国戦没者追悼式で「過去を顧み、深い反省とともに戦争の惨禍が再び繰り返さないことを切に願う」とお言葉を述べられ、負の歴史に向き合う大切さを国民に語り掛けられた。慰霊の旅ごとに戦争を否定し、安倍首相が狂信的に進める戦争に近づく、死者と流血の「積極的平和主義」に危機感を抱(いだ)かれている。
一方、天皇の心を読めない歴史修正主義者の安倍首相は、次世代に謝罪を続ける宿命を負わせてはならないと、歴代の首相の式辞の言葉――「加害と反省」「不戦の誓い」――を避け続けている。
歴史に学ぶとはどういうことなのか。
哲学者・故池田晶子は言う、「人類史は、戦争や民族の名のもとに為される戦争の歴史というけれども、憎しみ争う人の心は少しも進歩していないということが、はっきりとわかるだろう。これは、精神によって考えるということを怠(おこた)ってきたからに他ならない」(『14歳からの哲学』)と。さらに『池田晶子 不滅の哲学』(若松英輔著)に、「『歴史』は、いつも今を生きる私たちを、『鏡』に姿を映すかのように照らし返す。『歴史』は、表層の混乱の奥に、来るべき時代を照らす光があることを教えている。この叡智を思い出すことは、現代における火急の問題である。過去を顧(かえり)みるためではない。真実の知恵をよみがえらせるためにである。どの時代であれ、現在の闇を真剣に切り開こうとするものは、一度は『歴史』に還らなくてはならない」とある。歴史に学ぶということは、未来を照らす光となる知恵を精神によって考えるということなのだ。
歴史修正主義者の安倍首相は、「戦争では平和は永遠に訪れない」現実と歴史に学ばず、ヒトラーが「平和を守るために戦争を準備」したのと同じ道「平和ために戦争をする」を突き進んでいる。さらには、世襲議員仲間の麻生副総理が、昨秋の安保法制強行採決前に「ヒトラーの手法を真似しよう」などと言って海外から批判され撤回したが、かように安倍政権は、歴史から正しく学ぶ(未来を精神によって考える)能力を待っていない。
また、『ヒトラーに抵抗した人々――反ナチス市民の勇気とは何か』の著者で、「特定秘密保護法や安保関連法制が施行される中、若者の政治への無関心が取り沙汰される今の日本社会には『同調圧力や体制順応が強まっている』」と危惧する秋田大学の對馬(つしま)達雄名誉教授は、「ドイツは、『記憶の文化』の継承に力を入れ、日本は、『忘却させようとしている』」と指摘。先の大戦を直視できない日本と歴史を直視するドイツ、歴史から学ぼうとしているのはどちらだろう。
先の福島原発事故においても、遠く離れたドイツは学び、脱原発を決めたが当事国の日本は、今なお後遺症が続く中、再稼動を進め、核拡散に繋がるトルコへの原発輸出を進める。唯一の核被爆国として核廃絶の先頭に立つべき立場にありながら、安倍政権は「核廃絶」と言いつつ、核兵器禁止条約の来年の交渉開始に棄権した。世界中から、この国の政府は狂っている、と思われているだろう。それは、日本人の恥である。
その責任は、異常な政権に選び、さらにその政権を支持し、放し飼いにしている(税金で雇っている)事の善悪、道理(人の道)が分からない国民にありそうだ。
<2016.8.15> 2016年 終戦記念日に恥を知る
今日、71回目の終戦記念日を迎えた。今年は、昨秋の憲法違反の安保法強行採決後はじめての終戦記念日であり、今まで戦没者追悼と平和への誓いに9条堅持を加えたい。
安倍首相は、世界中の市民の誰もが求める、日本人の誇りとも言える平和憲法を、戦勝国から押し付けられた憲法だからと、戦争のできる自主憲法に変えたいと言う(安保法制で既に他国への武力行使を可能にしてしまったが)。安倍首相が嫌がる戦争放棄、交戦権否認の9条は、当時の幣原(しではら)首相が提案し、マッカーサーが感動の涙を浮かべ受け入れたものであることが確認されている(月刊誌『世界』第八八二号2016.5を参照)のだが・・・。
武力によって平和は実現しない。武力強化は抑止力にはならず、かえって市民を殺戮(さつりく)する戦争をもたらす。それは歴史が証明している。だからこそ、世界は軍縮と対話による紛争回避を模索しているのだが、本来あるべき平和への道筋を描けない人間が9条改正(改悪)によって、70年以上も続いた平穏な日本社会を暗黒の世界へ向かわせようとしている。
原爆の日の8月6日、広島被爆者団体連絡会議の吉岡事務局長が、昨年の安保関連法の撤回要請に続き、「現憲法は原爆投下の悲劇をもたらした戦争の反省から生まれた死者の遺言だ」と、300万人を越える日本人戦没者の平和への願いと共に、改憲の企ての中止を求めたが、人の道が分からない安倍首相はいずれも無視した。
それより先のオバマ大統領が被爆地広島を訪問した5月27日には、現在96歳の被爆者(語り部)佐伯敏子さんが、「やっていいことと悪いこと、しっかり学ぶ人になって下さい」と安倍首相に訴えたが、善悪の理解不能者の首相には無意味だった。
それでも、安倍政権の支持率は50%を超えている。国民(本土の)はなぜ、権力者が持つべき資質――他者の苦しみへの理解や弱き者の味方――持たない、人間としてやっていいことと悪いことが分からない安倍首相を、沖縄の基地問題で、弱き仲間の心を権力で苛(いじ)める安倍政権を支持するのだろうか?日本国民は先の参議院選挙で自公政権は大勝させたが、これは異常な政権運営をする権力者への加担であり、「弱き者をいじめるな」と教えられてきた日本人として恥ずべきことだ。世論調査結果が何かの間違いであることを切に願う。
それにしても日本国民はいつから他者の苦しみが理解できない、次世代を生きる人たちのことを考えない、自分のことしか考えない国民になってしまったのだろうか?
<2016.8.1> 安倍政権は、超右翼的カルト集団の実行部隊?
昨日の都知事選で、首都東京から戦後最低の首相が目論む改憲の流れを変えたいという鳥越俊太郎氏は敗れ、東京都民は、安倍政権が進める日本を壊す施策(既得権益優先、格差拡大のアベノミクスと安保法制と自民党改憲草案、そして原発推進)を支持する小池百合子を圧倒的多数で新知事に選んだ。小池氏は、都民のために働くと言うが、首都の長が、社会と憲法を壊す安倍政権のために働くことのないよう望みたい。
本日予定していたブログは、次世代のために国民が知っておかなければならない、小池百合子氏を含め自民党議員たちがひれ伏す安倍政権の異様な政権運営の由来と、もうひとつ、安倍首相の厚顔無恥振り――南シナ海問題の仲裁裁判所の判断に関して、首相は「中国は法の支配下で紛争を平和的に解決すべき」と言いながら、歴代の首相が認めてこなかった憲法違反の集団的自衛権行使を解釈改憲で強行採決するなど憲法を踏み踏みにじっても恥じない厚顔無恥振り――がどこからくるのかだ。
二つの尋常ではないことが、安倍政権を支える右翼団体「日本(にっぽん)会議」が出版差し止めを迫った『日本会議の研究』(何故かフジサンケイグループの扶桑社が出版)によって理解できた。
『日本会議の研究』によると、「新しい時代にふさわしい新憲法(実は、明治憲法復元かそれよりも非民主的な自民党憲法草案)」の制定や積極的な海外活動を可能にする自衛隊の国軍化などを運動目標とする右派宗教組織「日本会議」とその事務団体としての日本青年協議会、そして改憲プランを練る「日本政策研究センター」が安倍政権の中枢に入り込んでいて、その改憲プラン(集団的自衛権の行使、自衛隊の国軍化などの自民党憲法草案への反映)に沿って安倍政権は動いて(産経新聞の改憲のネタにもなっているとのこと)、韓国や中国を敵視しヘイトデモをも企てる安倍政権を支える反社会的な超右翼集団「日本会議」は、GHQ占領下で制定された憲法は認めない立場だから、正式な手続きで改憲することは憲法を認めることになるので、解釈改憲をする。憲法をどう読んでも集団的自衛権や先制攻撃などできないのに、解釈改憲で可能にした異常さは、目的のためなら手段を選ばない狂信的カルト集団のオウム真理教に似ている。何をしても罪悪感など感ぜず、恥じないのである。
因みに、「ナチスの手口に学んだらどうかね」と言った麻生副総理、集団的自衛権を合憲とする憲法学者はたくさんいると言って日本会議系の団体に属する憲法学者3名を挙げた菅官房長官、電波停止発言の高市早苗総務相、安倍首相と目つきが似てきた稲田朋美自民党政調会長、案の状先の参議院選挙で議席確保が出来なかった日本のこころを大切にする党の中山恭子代表(日本のこころを大切にして人殺しをする?)などが日本会議の国会議員懇談会メンバーだ。その他には、「美しい日本の憲法をつくる国民の会(狂人たちの会?)」の共同代表でジャーナリストの櫻井よしこ氏、安倍首相のお友達で、NHKの経営委員になった日本会議代表委員の長谷川三千子埼玉大学名誉教授(不名誉教授?)らがいる。
この改憲論者たちは、個人の権利や自由を保障する現行憲法が、日本国民の美しい心を、道徳観を壊したなどと言っているが、貧困の拡大放置や特定秘密保護法、憲法違反の自衛隊の海外派兵などなど、道徳的退廃、倫理感喪失をしているのはどっちなのだろう。
カルト集団に支えられた安倍政権が次に目指しているのは、緊急事態条項(首相が緊急事態宣言、基本的人権などの憲法を一時停止、内閣が法律と同じ効力を持つ政令を制定)。すなわち、政権批判やデモ→首相が「公益及び公の秩序」を乱すとして緊急事態宣言→内閣が政令制定→言論統制、批判者を排除→独裁化の条項なのだ。これによってドイツでヒトラー独裁政権が生まれたのだが、同じ手口なのだ。
先の参議院選挙の結果、安倍政権の暴走が増すことになったが、安倍政権の狂信的野望に国民が目を覚まさなければ、日本は安倍首相の言う“この道”、北朝鮮化(独裁化)の道を進むことになるだろう。
<2016.7.15> 考えない国民は、安倍政権に騙され続ける…
7月10日、参議院選挙で、自民党は議席を増やし単独過半数を占め、改憲勢力が3分の2を超えた。今選挙も、国民を愚民と見做(みな)す安倍政権のいう通りになった。
公私混同の舛添前都知事をあれほど騒いで辞任に追いやった国民は、舛添前都知事よりも深刻な問題――卑劣な手段(解釈改憲)で憲法9条違反の安保法制の強行採決――を起こした自公政権に目をつぶり、格差拡大を助長する経済政策、米英仏で示された決して起こらないトリクルダウン(富の雫(しずく))のアベノミクスを“道半ば”と偽り、愚民は三度も騙されたことになる。
経済優先で改憲を隠した過去の二度の選挙では、その後、特定機密保護法、憲法違反の集団的自衛権行使容認の閣議決定と安保法制強行採決を行ったが、今回も案の状、先日生前退位の意向を示された、日本国憲法を遵守すると言われる今上(きんじょう)天皇の思いを汲み取れない安倍首相は、自民党憲法改正草案――日本憲法の三大基本原理である基本的人権の尊重、国民主権、世界中の市民が憧れる平和主義(9条)を壊す改憲案――をベースに改憲を進めると表明した。
「沖仲仕の哲学者」エリック・ホッファー(1902-1983ドイツ系移民アメリカ人)の『波止場日記』に、以下がある。
「四月四日(一九五九年)、おそらく誰にでも曲り角の十年があるだろう。私の曲り角はヒトラー時代の十年だった。これが私の思考を彩り、ものごとに対する私の態度を左右している。世界でもっとも才能があり、もっとも良い教育をうけた国民が、自分の意志でその運命を狂人の手にゆだねてしまった事実は、決して忘れられない。それは自由と繁栄のためではなくプライド(第一次大戦で経験した敗北と屈辱を晴らす)のためであった。ヒトラーはドイツを世界最強の国にしようとした。教育のある人々――教授、学生、科学者、技術者、専門職にある人々――も、無知な人々に負けず劣らずヒトラーに身をささげた」と。
今回の参議院選挙で、今だけしか考えられない高齢者だけでなく、戦争、テロの脅威に晒(さら)されることになる若者(比例区で、自民党への投票率の高さは、20代>30代>10代=70才)さえもが、若者の格差拡大をも放置する自公政権を支持し、ヒトラーを真似る安倍首相に身をささげた。今選挙の結果、日本は、基本的人権の尊重から公益重視、国民主権から国家主権、平和主義から戦争のできる国への曲がり角に差し掛かったと言える。
安倍政権は、数の力で自民党草案を押し通し、発議するだろうが、平和憲法を大事にする天皇の思いと共に、国民投票で自民党草案阻止をしなければならない。権力が嫌がる考える国民になれるか、国民の人としての質が問われている。
選挙の結果を受けて、以下の母と娘のやりとりがある。母「思うような結果にはならないですね。テレビで原宿のパンケーキ屋に3時間並んだ若者が、選挙よりパンケーキのほうが大事と、言っていたよ」。娘「ほんとー。今まで自分の未来のことばっかり考えていたけど、この先どうなっちゃうのだろーこの日本。パンケーキが大事と答えられるのは、まだ平和だからだろーなー。言えなくなったときは、もう遅いだろうね…」。
いったん独裁政権が生まれると後戻りは不可能に近い。壊滅するまで一般市民の不幸は続く、それは第二次世界大戦の日本、ヒトラーのドイツ、現代のシリア、北朝鮮を見れば分かる。
『老子』の言葉に「悪人がはびこれば、それをうち破るほどの善が生じてくる」がある。安倍首相には、ますます異常な言動を繰り返して、自滅に繋がる善を生じさせてもらいたいものだ。
<2016.7.1> 同じ間違いを犯せば、「安倍政権で、日本死ぬ!」
今回の選挙で、自公勝ったら、みんな死ぬ!軍産複合体が画策する戦争をアメリカが起こし、それに従う安倍政権が他国の戦争に自衛隊員を送る。そして、日本国内でテロが起こり、一般市民が巻き込まれる。憲法違反の他国への武力行使を強行採決した安倍政権を支持するのか、今選挙では、日本国民が人としての正しい道を考える力があるかどうかが問われている。
安倍首相は、任期中に9条改憲を含む憲法改正を狙っていることを公言した。ただ、「改憲の必要性」についての最近の調査(朝日新聞)では、「必要はない」が55%(昨年48%)、「必要がある」が37%(昨年43%)。公共放送から国営放送化してきているNHKの調査でも、「必要はない」が31%(昨年25%)、「必要がある」が27%(昨年は28%)と、どちらも昨年よりも改憲不要の意見が増えた。国民が徐々に安倍政権の危険性を察知してきた証だと思う。それは、共同通信社の調査の「安倍首相の下での改憲」に反対が57%、賛成が33%からも伺える。
この調査結果を恐れ、自公政権は、他者に、次世代に思いを馳せられない「3だけ主義(今だけ、カネだけ、自分だけ)」に染まった国民は簡単に騙せるとして、投票率の高い高齢者に給付金を配るなど今参議院選挙の最大の争点を、「 経済政策“アベノミクス”の是非」に挙げ、本丸の9条改憲を隠すという、先の政権延命のための衆議院選挙(2014年12月)と同じ戦略に出た。国民は同じ過ち――格差拡大で社会を壊す、大企業と富裕層優先のアベノミクスの失敗を道半ばと誤魔化し、選挙に勝てば、平和憲法を数の力で壊す狂信的安倍独裁政権を選ぶ――を犯すのだろうか?
先月23日、多くのイギリス国民が政治家に振り回されEU離脱を決めた。その後、離脱に投票した人を含めイギリス全体が“こんなはずじゃやなかった”と後悔していると聞く。日本も今参議院選挙で、自公が勝てば、数の力を背景に姑息な手段で9条改悪に突き進むに違いない。日本でも、“こんなはずじゃなかった”が訪れるかもしれない。
経済政策よりも何よりも優先されるべきは大事な命を守ること、民主主義、立憲主義を守ることだ。そろそろ“目を覚まそう国民!”
次世代の人たちを守るために、まともな政治を取り戻すために、そして最悪の状態を避けるために、10日には投票所に行き自公議員の対抗馬に投票しよう!これで日本が救える。
<2015.6.15> 参議員選挙の投票基準
6月1日、安倍政権は、参議院選挙の公示を6月22日、投開票を7月10日に決めた。いよいよ70年間日本の平和国家の道を牽引してきた現憲法を壊した安倍政権への国民の審判を下すときが来た。
安倍政権は、消費増税時期を再々延期し、「アベノミクスを加速するか、それとも後戻りするか。これが(今選挙の)最大の争点だ」と言う。その“アベノミクス”は、格差拡大と貧困率を高め社会を壊す、富める者のための経済政策なのだが、真の争点は、疑いもなく民主主義と平和主義を壊す「独裁的な安倍政治を許すかどうか」だ。
それは安倍政権が2014年12月の衆議院選挙以降やってきた異常な政権運営――経済政策を争点とし、選挙に勝つと、国民の知る権利を奪う秘密保護法、憲法9条違反の安保関連法、言論の自由を封じる報道機関への圧力や民意を無視する沖縄辺野古問題など――から明らかだ。
このような独裁的政治手法でも、安倍政権の支持率は40%超と高い。それは、既に英国やフランスで実証され、ノーベル賞学者も指摘している、富める者を富ますだけで決して訪れることのないトリクルダウン(富める者からのお零(こぼ)れ)のアベノミクスに3年半以上も騙(だま)され続け、立憲主義破壊を含みあらゆる面で国民を混乱させ、貧困の度合を深める戦後最低最悪の政権運営をする安倍政権の本性(国民の奴隷化)を国民が見抜けないからで、日本国民を愚民と見做(みな)す安倍政権の見立て通りの結果と言えよう。
安倍政権が頼みにする「考えない、権力者を疑わない国民」から脱却しなければ、自民党憲法改正草案の通り、間違いなく民主主義、平和主義、基本的人権の尊重は、亡くなる。新たに選挙権を得た18~19歳の若者の58%が改憲不要という調査結果(共同通信)が救いではあるが、現状打破のために、今参議院選挙で何を基準に投票すべきかを考えてみた。
投票判断基準は、次の二つ。
①“政策比較で投票先を決めず、ウソの重大さで判断する” ②“最悪の事態を避ける”
まず①について、与党と野党(旧民主党)のどちらが致命的な嘘をついてきたか比べてみよう。違憲状態で生まれた安倍政権は、「国民の命と生活を守る」のが使命と言いつつ、その生まれに違(たが)わず、違憲の安保法制を強行採決し、公約違反の連発――TPP(公約=ウソつかないと前置きして、「聖域なき関税撤廃」を前提にする限り交渉参加に反対)、原発推進(公約=脱原発依存+再生エネルギーの最大限の導入)、議員定数削減不履行(公約=少なくとも衆議院の定数を1割の48議席削減)――なのだ。もっとも東京オリンピック誘致活動で、現在も放射能たれ流し状態なのに「放射能を完全にコントロール」と国際社会をもだましたのだから、国内でのウソには何も感じていないのだろう。安倍首相は、ウソは悪いことだとは教わらず、「嘘つきは泥棒のはじまり」ではなく、「嘘つきは、政治家のはじまり」と教えられた「平気で嘘が言える」世襲議員(血筋)なのだ。旧民主党も、消費税増税はやらないといいながら、国民との約束を覆(くつがえ)した。消費税がらみで言えば、安倍首相は、先の2012年の衆議院選挙(政権延命狙いを消費増税延期争点で隠した選挙)で、「再び延期することはない」と断言しながら、ベノミクス失敗を新しい判断とやらで隠し再延期した。両者ともに、大ウソつきで、ウソの重大さで投票先を決める①は意味をなさなくなった。ポラスの原則「言葉を信じるな、信じられるのは行動だけだ」の通り「公約を信じるな。すなわち公約で投票先を決めてはならない」ということになり、②の“最悪の事態を避ける”が決め手になる。
現政権は、異論者を葬る特定秘密保護法、武器輸出解禁で米国と同じ戦争依存経済への転換、派遣法改正で格差拡大放置など、国にとって重大な問題を独裁的に進めている。国会軽視で議会制民主主義を葬り、報道機関に圧力をかけ、原発推進や沖縄問題などで見られるように民意を無視する。行き着く先は、自民党憲法改正草案で示された「戦争のできる国へ(憲法9条改憲)、個人の自由を奪う国民主権から国家主権」の一億総奴隷国家なのだ。
最悪の事態を避けるという②の判断基準から言えることは、国民の命を戦争とテロに晒(さら)す異様な政権運営をする安倍政権の続投を避けること。すなわち自公に勝てる対抗勢力に投票することに尽きる。
自公は、野党連合間の理念、政策の不一致を批判するだろうが、最悪の政権を倒すことに比べれば、米粒よりも些細なことだ。非常識極まりない安倍政権を倒すことが、次世代のために今を生きる人びとの責務であると心底思う。
20世紀最大の物理学者のアインシュタインの政治的信念――「国家は人のために存在するのであって、国家のために人は存在するのではない」――が分からない戦後最低最悪の安倍政権を「保育所落ちた日本死ね!」で、慌(あわ)てさせたようなスローガンが欲しい。二番煎じだが、「自公勝ったら、みんな死ぬ!」とか「安倍政権続けば、日本死ぬ!」というのはどうかな。
<2016.6.1> オバマ大統領には人間の血が通っている。我が国のリーダーは?
先週5月27日、オバマ大統領が被爆地・広島を訪問し、資料館に立ち寄り平和記念公園で演説した。戦争が無ければ起きなかった広島、長崎への非人道的な核爆弾による犠牲者の追悼、戦争を避けるために歴史を直視し、心の内に目を向けるように訴え、核廃絶の決意を表明した。
スピーチへの評価は様々だと思う。核廃絶と言いながら、一方で、核兵器禁止条約に反対(なぜか唯一の被爆国・日本も)し、さらに小型の新核兵器の開発を進めている。人道的理想を掲げつつ、現実には、様々な国内的、国際的制約があり、世界一の大国の大統領でもできないことがあり、忸怩(じくじ)たる思いがあるだろう。
一番印象に残ったのは、被爆者と握手を交わし抱き合った、ことだ。大統領のスピーチは心から発せられたもので、大統領の体には人間としての温かい血が流れている、と感じたことが、一瞬のうちに、長年苦しんだ被爆者の冷え切った心を溶かしたのだと思う。
スピーチには、理想に近づこうとする強い意思が感じられた。それは、「理想を追求することは決して簡単ではないが、理想に忠実であることは、努力する価値がある」と語り、可能な限り平和的な外交交渉によって紛争を防ぐ努力をキューバとの国交回復で示した、ことから分かる。
戦争という人類最大の悪事に関するスピーチで、大統領の言葉は、考えさせられ、心を揺さぶるものだった。つい比較してしまうのだが、心に迫るオバマ大統領に対し安倍首相のスピーチは、起こったことの時系列的羅列で、心を打つものではなかった。そう感じるのは、安倍首相が、国民の多くが反対する憲法違反の安保関連法の強行採決や沖縄基地問題など、言葉だけで、しかも言葉とは真逆の行動をする、立憲主義、民主主義、基本的人権を壊す、国のリーダーのあるべき姿から大きく逸(そ)れている存在、信頼できないリーダーであることに起因するのだろう。言をたがえる者、信のない者は、リーダーとは言えないのである。
安倍首相はスピーチで、「何の罪もないたくさんの市井(しせい)の人々、子どもたちが無残にも犠牲となった。一人一人にそれぞれの人生があり、夢があり、愛する家族があり、この当然の事実をかみしめる時、ただただ断腸の念を禁じ得ない。(中略)世界中のどこであろうとも再びこのような悲惨な経験を決して繰り返させてはならない。この痛切な思いを受け継いでいくことが、今を生きる私たちの責任だ」と述べた。だからこそ日本は、核兵器の使用に至った戦争を放棄したのだが、「一人一人にそれぞれの人生があり、夢があり、愛する家族があり、この当然の事実をかみしめる時、ただただ断腸の念を禁じ得ない」と言いながら、憲法9条に違反し、自衛隊員を海外の紛争に派兵することが、今を生きる私たちの責任なのか?どう考えても言ってることとやっていることが全く違う。オバマ大統領の理想に近づこうとする姿勢とは雲泥の差だ。両トップのスピーチを聞き終わって、日本国民として、こんな人物が国のトップであることが、恥ずかしく思えてならない。
安倍首相は、沖縄の米軍属遺体遺棄事件に関し、翁長知事からオバマ大統領との面会の申し出を無視したが、基地問題で沖縄県民の心を踏みにじり続けている安首相と違い。オバマ大統領なら、間違いなく沖縄県民の気持ちを感じとってくれるに違いないと感じた。2006年4月、北朝鮮の拉致問題で、来日中のオバマ大統領が横田夫妻と拉致被害者家族と面会したように、首相が頼めばオバマ大統領は翁長(おなが)県知事に会うはずなのだが、共に道義を重んじるオバマ大統領と翁長知事が意気投合することを恐れたに違いない。
<2016.5.15> 富裕政治家は、国民の扶養家族?
日本国民は、政治家を養いながら、奥さんや子どもの旅行代、私的な外食代・買い物をも支払わなければならないことになっている。
一昨日(5月13日)高額な海外出張や公用車を私用に使いながら開き直る舛添東京都知事が、参議院議員時代の2012~2014年にかけて、家族旅行の宿泊代など7件、合計約45万円を国民の血税(政治資金)で支払ったことを認め、返金することになった。
週刊文春が報道しなければ、返金はせず、今後も税金で生活をしながら、家族旅行や家族団らんの外食を税金で支払い続けているだろうし、そのようなことが指摘されたもの以外にもたくさんあるに違いない。それにもかかわらず、舛添知事は、辞職をしない。
悪事がばれなければ、儲けもの。悪事がばれれば返金するだけで、税金泥棒を続ける。巷の詐欺師よりもアクドイ。「サギがばれたら謝り、返金し、居座る」。この対応に自民党の萩生田官房副長官は一定の理解を示したとある。自民党議員は、みんな同じ感覚なのだろう。
職員19名の大名視察を含め、8回で2億1300万円余も使った海外出張に対して、「ルールに従っている」と言っているが、ルールを守れば良いというものではない。権力者は、ルールの隙間を衝いて家族旅行の費用を税金から出させるのではなく、自分の良心に照らして、善悪の判断をすべきなのだ。それが出来ない人間は権力を持つ地位に就くべきではない。
「東京を世界一の都市にする」という公約を掲げ自民党の支援を受けて当選した知事だが、目指す世界一の都市とは、「世界一の詐欺師の都市」なのだろう。
辞職すべきだが再起を図りたいなら、甘利前経済再生相や小渕優子元経済産業相も入ることになるであろう石頭団塊団経営の政治家更生施設『ムヒカ』に入所し、「権力をすべての人の幸せのために使う」とする4月15日のブログで紹介した前ウルグアイ大統領、『世界で最も貧しい大統領 ホセ・ムヒカ』さんの政治信条講座を履修すること。「自分のために権力を使う」都知事の政治信条を心から改めることが大前提になる。
<2016.5.1> 安倍政権が望む“考えない国民”にならないためのニュース番組厳選
石頭は、報道人としてのみならず、組織の長(おさ)としても不適任な安倍首相の友達、籾井勝人(もみいかつと)氏(三井物産出身)がNHK会長に就任した2014年1月以降、NHKのニュース番組(ニュース7とニュースウオッチ9)を見るのを止めた。理由は、新会長が「政府が『右』と言っているのに我々が『左』と言うわけにはいかない」や「原発報道は政府発表をそのまま流す」などと発言し、さらに安倍首相の日常(墓参したとか)を流す北朝鮮並の国営放送になってしまったからだ。
昨年6月の自民党の勉強会で、辺野古基地問題で政府に批判的な沖縄の新聞に対して、「マスコミを懲らしめるには広告料が無くなるのが一番」といい、憲法違反の安保関連法など政府批判をするTV局に対し「テレビの提供スポンサーにならないことが一番」と発言し、自民党議員から見れば、原発推進、武器輸出、集団的自衛権行使を黙認、賃金抑制のための労働者派遣法改正など反社会的要請をする経団連も仲間なのだろうが、「不買運動を経団連などに働きかけてもらいたい」、と続いた。税金を生活の糧にしながら民主主義の根幹を成す言論の自由を壊す勉強をしている自民党は、とんでもない政党である。
その後、報道機関への圧力は更に強まり、NHKの「クローズアップ現代」、テレ朝の「報道ステーション」のそれぞれのキャスター、国谷(くにや)裕子氏と古館(ふるたち)伊知郎氏を降板に追いやった。
国谷氏は、昨年の集団的自衛権行使容認に関する番組で、ゲストの菅官房長官に「他国の戦争に巻き込まれるのでは」とか「憲法を解釈で変えていいのか」と、国民の多くの人が知りたいことを質問したのが原因。23年間を振り返った最後のコメントは、「時代が大きく変化し続ける中で、物事を伝えることが次第に難しくなってきた」であった。
また、3月31日が最後になった古館伊知郎氏は、降板の理由を自身の我がままと、政府からの圧力を否定した上で、自身の信条――ざっくばらんに言うべきことは言う――で、キャスターを務めてきたが、「この頃は報道番組でいろんな発言ができなくなる空気を感じる」と語った。
言論統制のしんがりを務めたのが、高市早苗総務相で、この2月、このキモイ大臣(言い切り、ごめん。美人でなくても人として正しく生きている人は、“かわいい”のだが…)は、憲法違反の安倍首相に倣(なら)って、憲法21条「集会、結社及び言論、出版その他の一切の表現の自由は、これを保障する」を無視し、政府が政治的公正を欠くと判断した場合、総務大臣の判断で政権の意に添わないTV局の電波を停止すると発言した。
「国境なき記者団」(報道の自由や言論の自由を守るために1985年に設立されたNGO)が4月20日に発表した「世界報道自由度ランキング2016年版」によると、日本は、世界180カ国と地域中、過去最低の72位と、世界から今世紀最悪の法と言われた特定秘密保護法の影響を受けた昨年の61位から更に下がった。民主党政権時代(2009~2012)の11~22位から大きく下げ、産経新聞問題で日本が報道の自由が無いと批判した韓国(70位)を下回るという恥ずべき状態にある。日本の報道をめぐっては、前日の19日に、調査来日中の「表現の自由」に関する国連特別報告者が記者会見で「報道の独立性が重大な脅威に直面している」と発言。さらに、自民党の憲法改正草案は、国連の「市民的及び政治的権力に関する国際規約」に矛盾していると懸念を示した。
このまま自民党政権が続けば、順位のさらなる下落はもとより、何も知らされない内に国民の自由は奪われ、国家権力の奴隷になってしまうだろう。
「ジャーナリズムは本質的に、反権力でなければならない。人間は、罪深く不完全で必ず間違いを起こす。政府や政治家も、人間である以上、必ず間違える。権力を持つ者が道を間違えば、人民まで間違ってしまう。ゆえに、監視しなければならない」(『世界は宗教で動く』から要約引用)とある。
ジャーナリズムが権力監視の使命――特に、憲法違反の集団的自衛権行使を容認した議論を隠したり、特定秘密保護法で国民の知る権利を侵し、私利私欲のために国を動かそうとしている独裁的な現政権への監視――を果たさなければ、国の進む道を誤らせてしまう。言論統制は、民主主義の危機であり、第二次世界大戦時に経験したように、戦争に繋がる。表現や言論、報道の自由は民主主義の根幹をなす。権力による言論統制や言論弾圧が日本を破滅的な戦争へと導いたことを忘れてはならない。
4月以降の「クローズアップ現代+(プラス)」、「報道ステーション」共に、キャスターの交代によって、問題の本質に近づくための視点、補助線を視聴者に提示する力が弱くなってしまった。ここに至って、今後も引き続き見る報道番組は、TBS日曜朝8時からの「サンデーモーニング」、NHK朝9時からの「日曜討論」(サンデーモーニングと同時間帯のため収録)くらいになってしまった。他にもニュース番組はあるが、違憲の安保関連法や原発再稼働を後押しし、熊本地震は原発と絡めて報道しないとするなどジャーナリズムの使命を放棄した権力に擦り寄る新聞系列の日テレ、フジテレビのニュース番組は見るに値せず、だ。
権力の監視というジャーナリズムの使命を放棄した某大手新聞はもってのほかであり、“権力に加担する番組は見ない”運動と“真のジャーナリズムを発揮している番組の視聴率を上げる”運動で、言論統制政権を懲らしめなければならない。
<2016.4.15> 今の日本に呼びたい人、3人。
前ウルグアイ大統領に関する『世界で最も貧しい大統領 ホセ・ムヒカの言葉』を子どもに薦められて読んだ。タイミングよくその人が4月5日に初来日した。
国際的なメディアの多くが、ムヒカのことを“もっとも驚くべき政治家”とか“世界で最高のリーダー”と形容している人だ。
彼は、「囚(とら)われの身として過ごした13年間。その壮絶な体験を彼に強(し)いた者たちを“憎んではいない”、憎悪には少しの意味もありません。憎悪は毒です。誰も払わない負債を負うために人生を送ることはできません。それは人生とは言わない。明日に向かうのが人生です」という。これは2013年12月に亡くなった南アのアパルトヘイト(人種隔離)政策を撤廃したノーベル平和賞受賞者ネルソン・マンデラ元南ア大統領と同じだ。死ぬほどの苦痛を味わったその先に、どうしてこのような考えに至るのか、憎しみの感情を理性で制御し、憎しみの連鎖を断つ。凡人には出来ない。だから世界中の人から尊敬されるのだろうが…。
ムヒカ前大統領は、「個人は社会に依存しているからこそ、互いに寄り添い統合していくべき」で、「私は、社会の階級、社会的な不公平さが我慢なりません」と言う。大統領官邸に住むことを拒み、郊外の妻が所有する壊れそうな小さな農場で暮らしたのは、「国民の大多数と同じ生活をしているだけ」で、「政治とはすべての人の幸せを求める闘い」であり、「指導者の仕事は、多数派(=お金持ちではない)の人々の利益を代表することではない」という。一般国民から税を収奪し、その税金を富める者のために使う安倍自公政権とは正反対の政治姿勢だ。
安保法制については、「これから来る世界を、今ある世界よりもより良いものにしよう」という考えから、「憲法の解釈を変えたのは、日本が先走って大きな過ちを犯していると思う」と批判。また、これは日本古来の考え方――「自分の富のために権力を使うようになるので、権力者を富ませてはならい」――と同じく、「お金があまりに好きな人たちは、政治の世界から出て行ってもらう必要があります。彼らは政治の世界では危険です」という。
是非日本に来て、安保法制廃案に力を貸して欲しいし、日本の政治家たちを篩(ふるい)にかけ、権力を自身の富のために使う政治家を切り捨ててほしい。
二人目は、NHK・BS「世界ふれあい街歩き」のハバナ(米国と1961年国交断絶以来、54年振りに国交回復したキューバの首都)の靴の修理職人さん。達人さんは言う。「何だって直すよ。人の気持ちも直して見せるさ」、と。是非日本に来て、安倍政権と自民党議員の性格を直してもらいたい。
そして三人目は、自身の知名度を社会に役立てたい、恩返しをしたい思いで、「政府には二つの使命がある。一つは国民を飢えさせないこと。もう一つは、絶対に戦争をしないこと」と、安倍政権の安保法制を批判した菅原文太さん。黄泉(よみ)の国から、現世に呼び戻したい。
安保関連法の施行前夜の3月28日、国会前のデモを呼びかけたのは、自由で民主的な日本を守るための学生による緊急行動「SEALDs(シールズ)」と安保関連法に反対する「学者の会」だが、俳優、音楽家や有名タレントたちの声は、ほとんど聞こえない。聞こえないはずだ。4月9日の新宿御苑での安倍首相主催の桜を見る会に、文化・芸能、スポーツ界など各界の著名人が権力に擦り寄り15,000人以上も集まったようだ。なぜその知名度を、自分たちが育てられた平和な社会を壊す安倍政権批判に使わないのか?憲法をも無視する異常な安倍首相に擦り寄る著名人(特に、大御所的存在の人たち)に、菅原文太さんの爪の垢(あか)を煎(せん)じて飲ませたい。
<2016.4.1> 古館伊知郎 渾身の緊急特集“ワイマール憲法が生んだ独裁の教訓“
3月29日午前零時に、昨年9月19日に強行採決された安保関連法が施行された。
今回は、昨日(3月31日)でテレ朝の「報道ステーション」のキャスターを降りた古館伊知郎さんの3月18日の「報道ステーション」の緊急特集「ドイツ・ワイマール憲法に学ぶべきではないのか」――なぜ独裁が生まれたのか――、約30分間の再現を試みる。
最後の放送で、巷で囁(ささや)かれた降板理由の安倍政権からの圧力を否定し、自身の我がままだとしたが、「この頃は報道番組でいろんな発言が出来なくなる空気を感じる」と語った。自身が目指してきた、ざっくばらんな報道番組が出来なくなっての降板なのだろう。古館さんの渾身の特集に呼応したく、少し長くなるが再現を試みた。これはいま適切に対応しなければ、将来、日本を壊すガンになり得る問題なのだと思う。
古館さんは、自民党改憲草案にある「緊急事態条項」が、ヒトラーが悪用して独裁者になったワイマール憲法の条文「国家緊急権(大統領が公共の安全と秩序回復のために何でもできる)」に類似しているのではいかという専門家の指摘の根拠に迫っている。
「日本がそんな風になるとは、到底思わない。ただ、今日本は憲法改正の動きがある。立ち止まって考えなければいけないポイントがあるんです」と、高市早苗総務相の電波停止発言“(政府が)公正を欠くと判断した放送の電波停止する”を気にしつつ、「緊急事態条項」の危険性を指摘する。
3年ほど前の2013年7月.29日、麻生副総理が漏らした「ナチス政権下のドイツでは、ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わってナチス憲法に変わっていたんですよ。誰も気づかないで変わった。あの手口、学んだらどうかね」を頭に置き、報道の要約(筆責:石頭)を読み進めてほしい。なお< >内は、石頭のつぶやき。
ヒトラーは、首相就任(1933年1月30日)後、共産党の全国スト計画に対し「国家緊急権」を発動(2.4)し、集会と言論の自由を制限。政府批判の集会やデモ、出版を禁止した。さらにナチの自作自演疑惑の国会議事堂放火(2.27)を共産党の国家転覆の陰謀として、司法手続きなしでの逮捕を可能(2.28)にし、基本的人権を停止すると同時に野党の息の根を止めた。1933年3月23日に議会の三分の二を得て、「全権委任法(国会の審議を経ず政府が憲法改正まで含めてすべての法律を制定できる)」を成立させ、当時もっとも民主的と言われたワイマール憲法を葬り民主主義と議会を終焉させ、独裁者となり、想像を絶する世界をもたらした。
当時共産党の党首でナチに処刑されたお孫さんは「民主的に選ばれた政権であっても、憲法の条文によって独裁者に変わる可能性があるんです。この歴史を二度と繰り返してはいけません」と訴える。
<古館さんは、今は問題ないが将来ヒトラーのような人が出てきたら、と言うが、ヒトラーは合法的に独裁者になったが、安倍首相は憲法を無視し、昨年10月に野党側が憲法に基づき臨時国会の召集を求めたが無視した。すでにヒトラー以上の独裁者なのだ>
ヒトラーを後押ししたのは、“保守陣営と財界”。財界は、ナチのことは好きではなかったが、共産主義勢力の盛り上がりを怖(こわ)がって後押した。
<安倍政権は、昨年9月11日の安保法の強行採決で、人間として一番やってはいけないこと“人殺し”を憲法違反で可能にし、国が攻められた時にだけ戦う自衛官に人殺し命令を下せるようにした。自民党は、国会前を始め全国で大規模なデモに呼応した野党の参議院選挙協力に危機感を抱き、反共産党キャンペーンを始めた。まさにここでも、麻生副総理の言うナチの手法を真似ている>
ヒトラーが独裁者に駆け上がる背景には、世界恐慌状態があり、ヒトラーは“経済対策”と“民族の団結”を前面に打ち出した。表現がストレートで、「強いドイツを取り戻す。敵はユダヤ人だと憎悪を煽(あお)った」。また、ヒトラーは言葉を変えるのが上手く、「独裁を、“決断できる政治”」「戦争の準備を平和と安全の確保」と言い表した。
<安倍首相も同じように「強い日本を取り戻す」「敵は中国だ。北朝鮮だ。」と言い、安保法制の強行採決(独裁)を「決断できる政治」。海外に戦争に出かけるための安保法制を「国民の命と生活を守るため」といっていた。権力欲の強い者同士よく似ている>
ワイマール憲法に詳しいイエナ大学のミハエル・ドライアー教授は、自民党案の緊急事態条項について次のように指摘する。
「この内容はワイマール憲法48条(国家緊急法)を思い起こさせます。内閣の一人の人間に利用される危険性があり、とても問題です。特に(議会や憲法裁判所などの)チェックが不十分に思えます。議会からの厳しいチェックができないと悪用の危険性を与えることになります。なぜ一人の人間、首相に権限を集中しなければならないのか。民主主義の基本は『法の支配』で『人の支配』ではありません。民主主義の創設者たちは人に懐疑的です。常に権力の悪用を不安に抱いているのです。権力者はいつの時代でも常にさらなる権力を求めるものです。日本はあのような災害(東日本大震災)にも対処しており、なぜ今この緊急事態条項を入れる必要があるのでしょうか」と。
ナチ政権で国会議長・空軍総司令官を務めたヘルマン・ゲーリングは「国民は指導者たちの意のままになる。それは簡単なことで、自分たちが外国から攻撃されていると説明するだけでいい。平和主義者に対しては愛国心が無く、国家を危険にさらす人々だと批判すればいいだけのことだ。この方法はどこの国でも同じように通用する」。
<最近の調査では、憲法を無視し、殺し殺される国に向かったのに、40%以上の支持率がある。残念ながら、日本もゲーリングの言う通りなのだ>
以上が緊急報道の石頭要約だが、この「緊急事態条項」は、緊急事態の宣言の効果として、「内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができる」としており、大規模災害時(これは現在ある災害対策基本法という法律で足り、憲法で定める必要はない)や武力攻撃を受けた時だけでなく、社会秩序の混乱時にも適用され、自民党の憲法改正草案にある「緊急事態条項」によって、基本的人権が奪われ、議会制民主義が壊され、独裁国家が生まれる危険性が高く、独裁国家になったら後戻りはできなくなる。
今夏の参議院選挙はもとより、今後の国政選挙で自公を勝たせたら、麻生副総理が漏らしたように、ヒトラーに倣(なら)い「緊急事態法」を強行採決し、それを使って平和憲法を葬るだろう。戦後ずーっと武力によらない国際社会への貢献をしてきた平和国家日本のブランドを次世代にトスできるかどうか、日本人は今まさに、人間として何が正しいかを考える力が問われている。
<2016.3.15> 異様な安倍政権を正すことはできるか?
最低月一(つきいち)の本屋ぶらり…。二人の哲学者(共に1970年生まれの小川仁志氏と萱野稔人(かやのとしひと)氏)が哲学の古典を紹介しながら対談する『闘うための哲学書』(講談社現代新書)が目に留まった。全二二冊の紹介と二人の討論を、楽しませてもらった。
その中で、スピノザの『国家論』を紹介し、「なぜいじめはなくならないのか?」を論じていた。出発点を、哲学の二つの系譜――理想か現実か――のどちらに置くかで解決策は異なり、理想論者の小川氏は、「人間は理性的動物であり、みんなが理性的にならないと解決できないとし、“啓蒙”で対応」。一方、現実論者の萱野氏は、「人間は本来的におろかな生き物であることを前提に、“処罰”で対応」、と分かれた。
哲学者・池田晶子が「人間は、善悪は分かっているが、ほとんどの人は損得勘定で動く」、というように、すべての人間には仏性が宿って(誰でも仏になれる)いながら、欲望に理性が負けてしまうのがほとんどの人間だと思う。我欲に負けず、且つ権力を国民の幸せのために使った人物は、世界中の指導者が敬意を表したマンデラ元南ア大統領や世界で最も貧しい大統領だった前ウルグアイ大統領ホセ・ムヒカ(4月に来日予定)など極めて少ない。このことから、いくら理性に訴える啓蒙活動をやっても、ルールを作っても犯罪を皆無にすることは不可能に近い。石頭としては、両方のアプローチによって、いじめが減少し、致命的な被害の軽減ができれば“良し”なのだと思う。
転じて、軍事産業支援に税金を使い、大手企業には法人税減税をし、それによってもたらされた軍事産業と大企業の利益を政治献金の形で自民党に還流させ、財政不足分を消費増税という形で国民から収奪する。さらには憲法違反をしてまで国民を戦争とテロの恐怖に向かわせる異様な安倍政権を”処罰”や”啓蒙”で正せるか?検証してみる。
立憲主義や民主主義を解せない、国民の幸福のために使うべき権力を、国民を縛ることに使おうとする(自民党憲法草案や緊急事態法や電波停止を始めとした言論統制強化など)安倍政権の場合、“処罰”を下す司法をも牛耳(ぎゅうじ)っており、――例えば、原発再稼動を否定した福井地裁の判事を名古屋の家裁に左遷するなど――法による“処罰”の可能性は極めて低い。もう一つの解決策である倫理観を醸成する“啓蒙”アプローチも、辺野古問題の沖縄県民への強引な対応などから、権力を持つ者の道徳的義務(ノーブレス・オブリージュ)意識は皆無で、これも望めない。それほどこの政権は、不治の病(精神異常)に冒されており、選挙によって葬るより他に手は無さそうだ。
二度とこのような異様な政権が生まれない仕組み、民意が反映できる選挙制度改革が急務だと思う。現制度では、約25%の支持で目的(戦争のできる国への転換)のためなら憲法さえ無視する、ナチス(ヒトラーは合法的に憲法を改定したが、安倍政権は憲法を無視した)以上の独裁政権を勢いづかせ、日本は取り消しのつかない、“(戦争、テロ、貧困で)殺し殺される国”になってしまう。
<2016.3.1> 川柳のネタ、安倍首相と自民党議員の愚行に期待する
同時アップ:読薬(生きるための言葉)<芸術>
昨年の暮れ、テレビで人気の赤ペン俳句先生・夏井いつきさんの講演「今日からあなたも俳人です」に行った。俳句をやると言葉を司る言語中枢だけでなく、イメージを描いたり、触覚、嗅覚、味覚などがフル稼働されることで、前頭前野全体がガーッと働き、血流を増やし治癒力が高まる、ことが脳ドリルの川島東北大学教授によって科学的に裏付けられた。俳句をやると認知症予防になるだけでなく、その改善にも効くとのことだ。
さらに、俳句を始めると人生のすべてが変わるという。それは、嫌な人(嫌な事)が俳句の種になり、その種を撒(ま)く人を排除せず泳がせておくことで、俳句を楽しめ、自分の治癒力を高めてくれる、すなわち、嫌な人(嫌な事)が人生にとってありがたい存在になる、からだそうだ。
立憲主義、民主主義を理解できない安倍首相と首相が任命した大臣たち――下着ドロボー高木毅環境相から始まり、今年も金銭授受問題の甘利経済再生担当相、年間1ミリシーベルト根拠無し発言の丸川珠代環境相、与党批判放送局の電波停止発言の高木早苗総務相――が問題を起こし、安倍首相は、任命責任を果たさず放置している。さらに宮崎謙介不倫議員、オバマ大統領は黒人奴隷の子孫発言の丸山和也議員など立て続けに話題提供。
これからも引き続き安倍首相とその仲間たち自民党議員が、常識では考えられない言動で俳句の種をたくさんばら撒いてくれるに違いない。国民の命と生活を奪う安倍政権が国民のためにできるわずかな貢献が、非常識な言動による副産物「一億総自然治癒力アップ」活動なのだ。これは悲しく且つ日本人として恥ずかしいことでではあるが、楽しみながら、自民党が自滅党になる日を待ちましょう。
<2016.2.15> シリアと北朝鮮、そして日本
2月7日に長距離弾道ミサイルを発射した金正恩(キムジョンウン)の北朝鮮と国民を戦禍に巻き込んだアサド政権のシリア。これがいま世界を悩ます二つの国だ。もしあなたが、二つの国のどちらに住みたいかと問われたら、どちらの国を選びますか?
アメリカが起こした紛争――大量破壊兵器疑惑でイラク武力介入をし、フセイン政権打倒。その後、撤退、治安悪化――によって生まれた過激派組織「イスラム国」(IS)が、シリアの内戦に乗じて支配領域を拡大、世界各地でテロを起こしている。そのISの掃討を共通目的に、反政府側の米国主導の有志連合とアサド政権側のロシア・イラクのシリア国土への空爆によって、多くの一般市民の命が奪われ、戦地を逃れてEU諸国へ向かった難民が迫害を受けている。シリア国民にとって国内外どちらにいても地獄なのだ。
多くの罪なき市民の命と生活を奪う、この際限のない紛争・テロ頻発の状況を見れば、たとえ独裁国家であっても、その国の民主化や国民を救うという人道支援が目的であっても、その国への武力介入はしてはならない、ということだと思う。
そこで、冒頭の質問です。
「もし、①シリアと②北朝鮮しか住めないとしたら、どちらの国に住みますか?」
①シリアのように、他国からの武力攻撃によって、多くの一般市民に命が奪われる
か、難民となり迫害を受けている状態。これによって国際社会全般にわたる治安悪
化を誘発。
②北朝鮮のように、脱北者や金正恩に嫌われた側近の射殺はあるが、一般国民は独裁
政権下であっても、死や迫害、暴力を受けることなく、納得していないかもしれな
いがそれなりの生活ができている状態。
石頭一味としては、北朝鮮国民は、その国に生まれたこと、独裁政権を倒す力が国民の中からでてこないという不運はあるが、死と迫害を受けているシリア国民よりもましだと思う。
共産党一党支配体制を壊されたくない中国にとって、北朝鮮は民主化圧力に対する緩衝国であり、積極的な制裁参加はできない。その状況下での国際社会の北朝鮮への対応は、不測の事態への体制を固めた上で、国連主導で北朝鮮の挑発行動を止めさせる努力をしつつ、北朝鮮が他国に危害を与えない限り、武力介入をせず放っておくしかないのだろう。ただ、相手は子どもなのだから、無視すると何をするか分からない。暴発阻止のために、水爆実験、ミサイル発射には、必要以上に反応しつつ、挑発的な言葉は控え、経済制裁は極限にまで追い詰めない程度にやるのが、いいのではないだろうか。
昨年10月、アメリカがアフガニスタン駐留米軍を2016年末に撤退させるとしていた計画を見直し、17年以降も5500人規模の米兵を駐留させると発表したが、アフガニスタン国民の意見は、アメリカ軍の撤退が治安悪化を招くとする意見がある一方、自分の国は自分たちで立ち直らせたいと、歓迎する国民がいた。
“国の良し悪しは国民次第”。国民の質的転換のための民間交流の道を開拓しつつ、いつかの日か国民の力かクーデターで民主国家に生まれ変わるのを辛抱強く待つことが、国際社会と北朝鮮国民にとって現実的な策だと思う。
“国の良し悪しは国民次第”で、北朝鮮の現状を括(くく)ったが、北朝鮮はミサイルを打ち上げてはいるが、直接的には誰も殺していない。拉致で人生を奪ってはいるが、人殺しが目的ではない。翻(ひるがえ)って日本は、憲法違反の、海外での武力行使(人を殺し、殺される)を可能にした安保法制を強行採決した安倍政権の支持率が50%を超えている。日本国民の質は、民主国家であることを考慮すると、北朝鮮の国民の質より明らかに劣っている。
<2016.2.1> 移住先新基準:原発場所から離れる
同時アップ:読薬(生きるための言葉)<読書・学び>
1月29日、昨年8月11日の鹿児島県川内(せんだい)原発に続いて福井県の高浜原発が再稼動した。憲法と民意を無視する異様な安倍政権の下で、福島の原発事故の責任もとらず、事故が起これば、人間は何も手を出せず国民の命と国土を失うことになる原発を性懲りもなく次々と再稼動させている。昨年8月15日に提案した“新おろかもの之碑”の建立が関西電力本社(大阪市)、福井県庁、高浜町役場前にも必要になった。(建立意図:8月15日ブログ参照)
岡山県のある市役所の人の話によると、原発事故の影響を避けるために、移住先として岡山県南部に人気が出てきている、ようだ。
1984年(昭和59年)に外務省が極秘研究し、反原発運動の広がりを恐れて非公表(国費を使った研究結果の隠蔽)になった研究結果によると、「原発が戦争やテロなどで攻撃を受けた場合の被害予測は『被ばく死 最悪1.8万人』。急性死亡範囲は、15~25キロ。農業や居住など土地利用の制限地域は、最大で87キロ、平均で約30キロ」(東京新聞2015.4.8の社会面記事)とのこと。原発場所からの距離が生死の分かれ目であり、岡山県人気は、原発が移住先を決める重要な選択肢になったということだ。
原子力安全委員会の指針によると、立地基準は、仮想事故発生時の地域住民の全身捕縛線量×人口で定められている。要は、過疎地にしか作れないことになっている。岡山への移住人気のように、原発理由の人口移動が進めば、原発立地場所の過疎化は更に進む。これはこれとして被害低減に寄与するが、もし、当該自治体が過疎化を避けたいのなら、米軍基地建設(原発よりも安全?)と原子力村(原発推進政党議員、原子力安全委員会、原発推進電力会社、経産省幹部、原発輸出企業、投資銀行、御用学者)を誘致すればよい。それでも過疎化が進むなら、軍事産業などの反社会的グローバル・ブラック企業を移転させるというのはどうだろう。
福島の原発事故時、日本政府は退避区域を徐々に広げたが、米国は自国民に対し80キロ圏外への退避をいち早く決めた。自然災害時や集団的自衛権行使容認によって今後予想される原発テロなどを考えると、移住するなら、子孫のこと(居住など土地利用制限)も考え、前述した外務省の研究結果(最大で87キロ)と、福島原発事故で話題になった放射能影響予測ネットワークSPEEDI(日本国民には知らせず、米軍に情報提供した)の活用――予測データによる退避指示――を止め、実測結果による避難指示に変更、すなわち、「実測するまで屋内退避(=被爆)」を考慮し、原発から90キロ圏外が条件になる。
あなたの住まいは原発場所から90キロ以上離れていますか?急性死亡範囲(15~25キロ)外ですか?地図を取り出し、念のためチェックしよう。
<2016.1.15> あ~あ。今年も始まった安倍首相の特技(大ウソ)
1月10日のNHK「日曜討論」で、安倍首相は「(今夏の参議院選挙で)改憲を考えている前向きな、未来に向かって責任感の強い人たちと3分の2を構成していきたい」と述べた。改憲勢力で3分の2の議席を得て、戦争放棄の9条の改正を目論んでいる。改憲の方向は、自民党憲法改正草案にある。それは、政府が国民を思いどおりに操(あやつ)るという国家主権への(国民主権から)の転換にあり、国民の奴隷化(人間としての権利と尊厳を奪う)社会の実現なのである。「改憲を考えることが前向き、未来に向かっている」という受けのいい言葉を使って国民を騙す、国民を愚民と見做(みな)す安倍首相の得意技が今年も始まった。
「国民の命と生活を守るのが政権の使命」といいながら、生活を守る部分は、安倍政権誕生以降の3年間のGDP成長率は2.4%(民主党政権下では、同じ3年間で5.7%)で実体経済は停滞。非正規社員は民主党政権の終盤の2012年10月から12月の1843万人から100万人以上も増加し、実質賃金も低下、この10年で平均所得は最低、預貯金ゼロ家庭の増加、相対的貧困率はOECD加盟国34か国の中、第4位。母子・父子家庭に限れば最下位の貧困率(54.6%)、子どもの貧困率も、イタリア、アメリカに次いで下から3番目など、アベノミクスで一般国民の生活は苦しくなっている。政治は、多数派(富裕層ではない)のものでなくてはならないのに、意図的ともいえるほど、一部の大企業、富裕層優先の経済政策で、貧富の格差拡大・固定化を進めている。それでも国民の生活を守っていると嘯(うそぶ)く、厚顔(こうがん)無恥(むち)振り。
そして、国民の命を守る部分では、昨年来の中国の南沙諸島への進出に対して「法の支配の順守」といいつつ、「法の安定性は関係ない」と発言する側近を囲い、抑止力強化のためと、集団的自衛権行使を含む憲法無視の安保法制を強行採決した。この人の頭の中は、恥を感じない菌に冒されているに違いないのだが、安保法制成立後、北朝鮮は水爆実験をし、中国の南沙諸島と尖閣諸島への進出はさらに進んでいる。逆に、自衛官の命の危険と国民のテロへの脅威だけが増した。これが、抑止力強化なんだろうか?
安倍首相は、選挙が近づくと経済最優先を前面に出して、集団的自衛権行使を隠し、選挙で勝つと、数の力で憲法違反の安保法制を強行採決やナチスに倣(なら)い、情報を隠し(秘密保護法で)つつ、報道機関への圧力や辺野古問題に対する沖縄県人の心を無視した仕打ちなど、有権者の4分の1以下の支持(比例区で17%、選挙区で25%弱/一昨年の政権延命衆議院選挙)しか得ていないのに、独裁者のように振る舞う。我々は、言葉とは真逆の政策を“気持ちの良い言葉で騙(だま)す”異様な政権、国民の自由と民主主義を壊す自由民主とは名ばかりの安倍政権を誕生させたことを痛烈に反省しなければならない。
今夏の参院選で自公政権が勝てば、全権委任されたとばかりに、さらに独裁色が強まり自衛隊員は戦地に送られ、日本はテロの標的になり、秘密保護法が拡大適用され、憲法改正と共に日本は生息苦しい監視社会になるに違いない。
参議院選で「改憲を考えている前向きな、未来に向かって責任感の強い人たちと3分の2を構成していきたい」というが、どんな未来に向かおうとしているのだろうか。今までの憲法軽視や自民党の憲法改正草案から言えることは、アメリカのように軍事産業のために絶え間なく紛争を画策し、国民を戦地に送り、テロの脅威に晒される国、永久に脱出できない、人を殺し、殺される“紛争国家”の仲間入りをしようとしているとしか思えない。これが安倍首相の言う“美しい日本”とは、子どもだって思わないだろう。
武器や原発を輸出するのではなく、憲法9条の輸出をすることが、世界中の人が願う戦争のない国際社会実現のために、悲惨な戦争を起こし、心から非戦を誓った日本の使命なのではないだろうか。
今夏の参議院選挙は、ヒトラーと同じように、国民を簡単に騙(だま)せる愚民と見做(みな)す安倍政権を倒し、国民主権の民主国家として平和な生活と自由を勝ち取るのか?それとも安倍首相率いる憲法無視の自民党と戦争の党・公明党の奴隷になるのか?それが問われる選挙になる。
1月6日の北朝鮮の水爆実験発表に対して、安倍首相は、「我が国の安全に対する重大な脅威であり、断じて容認することはありません」というが、自分が国民の命と生活を奪う、さらには日本の民主主義や立憲主義に対する重大な脅威であることを分かっていない。国民の命と生活はもとより、国としての基盤を壊す変質者たち(安倍政権とその一派自公議員たち)にこれ以上騙されてはならない。安倍暴走政権に三行半(離縁状)を突きつけ、平穏な社会を取り戻そう。
<2016.1.1> 初空に平和と書した凧(たこ)泳げ
「石頭団塊団」を開設して1年強、今年は2年目に入ります。
今年は、日本が引き続き平和国家として世界から尊敬される民族が住む美しい国でいられるか、それとも国民を愚民とみなし憲法を無視し、秘密保護法やマスコミ統制などで国民の自由を奪う異様な安倍自公政権の下、国民の奴隷化を目論む独裁国家になってしまうのか、戦後最大の国民が未来を決める分水嶺の年といえよう。
変質者たちによる政治を国民の手に取り戻すには、異様な政権を支持する40%超の国民の目ざめが欠かせないが、有権者が人間としての他者(増え続ける非正規社員や貧困家庭の子どもたち、原発事故で生活を奪われた人たち、冷たい仕打ちを受けている沖縄の人たち、戦争に行かされる自衛隊員とその家族、自由を奪われる次世代の人たちなど)への思いやりを心の中から呼び起こす、ただそれだけでいい。
今夏の参議院選では、次世代の人の命を救うために、自民党が目指す憲法改正(草案では、国民主権から国家主権への転換、世界中で武力行使をするなどの戦前への回帰)を阻止しなければならない。日本国民は安倍政権が見做す愚民ではなく、政治家よりも高い人間性をもった国民であることを示そう。
自公政権を倒した暁(あかつき)――平和と書した凧(たこ)が、日本の空高く泳いだ暁――に、初めて2016年の明るい年が始まる。