日頃から時間を意識した問題演習を
午後の問題は出題範囲も広く、午後Ⅰは時間の割りに問題数もボリュームがあります。「時間をかければ解けるのに、時間がないために点数がとれない」というパターンで不合格となるケースがかなり多いです。過去問を解く際は、日ごろから1問を40分で解くくせをつけて集中的に解きましょう。そのかわり解答解説を参照するときは結果に一喜一憂するのではなく、何時間かけても理解できるまで深く確実に理解することを目標とします。
紙と鉛筆で記述、計算する能力を思い出せ
これは社会人の方に是非実践していただきたいのですが、今では計算は電卓を使い、文書はパソコンばかりで鉛筆で計算したり文字を書いたりすることなどほとんどないという方が多いのではないでしょうか。特に漢字は実際鉛筆で書いてみようとすると結構書けなくなっているものです。普段勉強する際、紙と鉛筆を使って漢字で文章を書いたり四則演算したりして忘れていた能力を思い出しましょう。
まずは設問内容を確認し、次に問題文を鉛筆で線やしるしをつけながら読む
これは午後の問題を解くのに有効です。午後の問題はとにかく前説が長く、時間が足りなくなるのではとかなりあせりがちになりますが、設問の多くは、問題文のサブタイトルと1対1で対応しています。まず最初に何を問われているのかを確認し、それを頭に置きながら鉛筆で線やしるしをつけながら問題文を読みましょう。対応設問中の「ただし~」は必ず問題を解く上で必要な事項です。数字や単位もまず間違いなく問題を解くのに必須となります。箇条書きの内容は覚える必要はなく、設問を解く際に振り返るようにしましょう。
なお、問題文は定規を当てながら読み進めると、流し読みを防止できます。
正解は試験センターが発表する1つだけである
問題はほぼ一意性のある解答となるように工夫されています。一般論ではなく問題文に記載された条件に沿って解答しましょう。なお、解答例は以下の法則にそって記述しましょう。
「内容」を述べよ:~。
「目的」を述べよ:~のため
「理由」を述べよ:~から
××は何かを述べよ:~(体言止め)
「具体的」に述べよ:例えば~
問題文や設問は一見難しい、しかし正答は基礎的知識で導くことができる
問題は基礎技術を体系的に整理し、実務経験があれば容易に解答できるように工夫されています。また、新しい技術であっても基礎技術を組み合わせたものになっており、出題文を読めば解答できるようになっています。
・問題文から抜粋して解答(国語に近い):一意性のある解答となり、表現は具体的になる(例:プロジェクトマネジメントリスク)
⇒問題文に抜粋できる内容がない場合
・基礎知識をもとに解答:一意性のある解答となるが、表現の幅は広くなる(例:リスクに対する対策)
上位区分の午後Ⅰ問題も良い
毎年同じ試験区分を受験していると、解く過去問も同じで答えを覚えてしまったということになりがちです。余裕があるのであれば、上位区分の午後Ⅰ問題を解くのも良いでしょう。
ネットワークとセキュリティは時代の流れに敏感
ブロードバンドの普及で家庭でもLANが構築できるようになり、ルータやファイアウォールといった知識が技術者でなくとも一般的にも必要な時代となりました。この分野ほど昔の試験問題と内容が変化した分野はありません。試験勉強のためだけでなく、普段から最先端の技術習得に心がけましょう。
システムアーキテクト、ITストラテジストの最後の設問は組み込みシステム
システムアーキテクト、ITストラテジストの午後問題は、他の区分よりも1問多く出題される。これは、対象者像にエンベデッドシステムエンジニアが含まれている為であり、例年だと最後の設問は組み込みシステムに関する出題となっている。最初から、不得意分野であれば選択しない、得意分野であれば選択すると決めておくと良い。