プロセッサってなに?
>プログラム実行装置のこと。
アーキテクチャってなに?
>コンピュータシステムの構築をより効率良く、より効果的にするために、その構造
や機能を明確にして体系化したもの。
CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)ってなに?
>主記憶装置に記憶されたプログラムを実行する装置で、データの計算・加工を行う。
◎命令とアドレッシング
●命令
○IF:命令フェチ(読み出し)
○ID:命令解読(デコード)
○OA:オペランドアドレス計算・生成
○OF:オペランドフェチ(読み出し)
○EX:命令実行
○RS:演算結果格納
●アドレッシング
命令のオペランド部で指定されたアドレスをもとに、実際にアクセスするアドレス
の値を求める機能。
オペランド部
>主記憶のアドレスや使用するレジスタ番号を指定する個所。
○直接アドレス方式
命令部のアドレスが示す主記憶装置の値を有効アドレスとする方式。
○間接アドレス方式
命令部のアドレスに格納されているアドレスを有効アドレスとする方式。
○インデックスアドレス方式
命令部のアドレスにインデックスレジスタの内容を加えたものを有効アドレスと
する方式。
○ベースアドレス方式
命令部のアドレスにベースアドレス(プログラムの先頭アドレス)レジスタの内
容を加えたものを有効アドレスとする方式。
○相対アドレス方式
命令部のアドレスに命令アドレスレジスタ(プログラムカウンタ)の内容を加え
たものを有効アドレスとする方式。
○即値アドレス方式
命令部のアドレスそのものを演算データとする方式。
◎プロセッサの性能・構造・方式・特徴
●コンピュータアーキテクチャ
フリンによる4つの並列処理分類
○SISD(Single Intsturuction Single Data)
単一命令、単一データ。ノイマン型コンピュータ。
○SIMD(Single Intsturuction Multiple Data)
単一命令、複数データ。ベクトルプロセッサ、アレイプロセッサ。
○MISD(Multiple Intsturuction Single Data)
複数命令、単一データ。パイプライン制御。
○MIMD(Multiple Intsturuction Multiple Data)
複数命令、複数データ。並列処理とパイプライン処理同時処理。
●マルチプロセッサの種類
○密結合マルチプロセッサ
1つの主記憶装置やOSを共有して実行。共通バスで接続。
○疎結合マルチプロセッサ
プロセッサ毎に異なる主記憶装置と異なるOSで実行。
※マルチプロセッサシステムにおける
プロセッサ数と性能の関係
性能
↑ ****
│ **
│ *
│*
│
└────────→プロセッサ数
※コプロセッサ
浮動小数点プロセッサなど、プロセッサ機能の一部を高速化する
補助プロセッサ。
●RISC(Reduced Instruction Set Computer)
単純動作の命令を用意し、各命令の実行時間を一定にそろえることにより、
以下のようなCPU高速化方式がある。
F:命令読出し、D:解読、A:アドレス計算、R:オペランド読出し、E:実行
──────────────────────────────→ 時間
○逐次制御方式
一つの命令の「読み出し」から「実行」までを行った後で次の命令の処理にかか
る方式。PCを含むほとんどのコンピュータで採用されている。
┌─┬─┬─┬─┬─┐
命令a|F|D|A|R|E|
└─┴─┴─┴─┴─┼─┬─┬─┬─┬─┐
命令b |F|D|A|R|E|
└─┴─┴─┴─┴─┼─┬─┬─┬─┬─┐
命令c |F|D|A|R|E|
└─┴─┴─┴─┴─┘
○パイプライン方式
1つの命令を分割し、決められた命令まで終わると次のCPUに処理を委ねて、
複数のCPUで順次処理していく方式。1つの命令をパイプラインの中を水が流
れていくように処理を実行するため、見かけ上複数のコマンドが同時に実行され
ることとなり、高速化する。初期のスーパーコンピュータで採用された方式であ
る。ベクトル演算や偏微分方程式の演算向き。
※パイプラインハザード
命令の実行ステージを並行して処理できない要因
┌─┬─┬─┬─┬─┐
命令a|F|D|A|R|E|
└─┴─┴─┼─┼─┼─┬─┬─┐
命令b |F|D|A|R|E|
└─┴─┴─┼─┼─┼─┬─┬─┐
命令c |F|D|A|R|E|
└─┴─┴─┴─┴─┘
○スーパーパイプライン方式
パイプライン方式をさらに細分化し、1命令をより細かく分割して一層の高速化
を図っている。
┌─┬─┬─┬─┬─┐
命令a|F|D|A|R|E|
└─┼─┼─┼─┼─┼─┐
命令b |F|D|A|R|E|
└─┼─┼─┼─┼─┼─┐
命令c |F|D|A|R|E|
└─┴─┴─┴─┴─┘
○スーパースカラ方式
この方式では複数の命令から同時に実行できる部分を検出して、単一クロックサ
イクルで複数の命令を別々のCPUで(正確にはパイプライン方式で)実行する。
4つのCPU高速化方式の中で一番速い。
┌─┬─┬─┬─┬─┐
命令a|F|D|A|R|E|
├─┼─┼─┼─┼─┤
命令b|F|D|A|R|E|
└─┼─┼─┼─┼─┼─┐
命令c |F|D|A|R|E|
└─┴─┴─┴─┴─┘
※ワイヤードロジック制御方式
機械語命令の実行を論理回路(HW)だけで行う方式。
※アウトオブオーダ実行
プログラムの意味を変えない範囲で実際の命令の並びとは違う順序で命令を実行。
※遅延分岐
どちらに分岐しても必ず実行する命令を分岐命令直後に移動させて、その命令を
実行してから分岐する確実な方法。
※投機実行
分岐条件の結果が決定する前に分岐先を予測して実行する。
※レジスタリネーミング
命令中に指定されているレジスタとは違うレジスタを使う。
●CISC(Complex Instruction Set Computer)
固定小数点命令、10進数演算命令などの命令群が用意されている。
※マイクロプログラム制御方式
マイクロ命令の組み合わせであるマイクロプログラム(CPU内のプログラム)に
よって命令を実現する方式。柔軟性に富んでおり、ソフトウェアをROM化したフ
ァームウェア化することで高速化がはかられる。
●VLIW(Very Long Instruction Word)
コンパイルの段階で同時に実行可能な複数の動作をまとめて1つの複合命令とし
CPI(Cycle Per Instruction)の低減を図る方式。
メモリってなに?
>コンピュータが動作するのに必要なデータを蓄えておくエリア。
◎メモリキャッシュ・メモリの容量
●メモリ階層
高価格 小容量 高速
↑ ↑ ↑ CPUレジスタ
│ │ │ キャッシュメモリ(ICメモリ)
│ │ │ 主記憶(メインメモリ)(ICメモリ)
│ │ │ ディスクキャッシュ
│ │ │ 補助記憶(磁気ディスク:HD)
↓ ↓ ↓ 超大容量記憶(光ディスク)
低価格 大容量 低速
キャッシュメモリ
CPUとメインメモリの間に位置し、CPUと主記憶装置の処理速度の違いによる
遊びを埋める小容量で高価な処理速度の速いメモリ。プログラムやデータは特定の
箇所が集中的に参照されることがよくあり、その時にはアクセス速度が主記憶より
も速いことから高速化される。
キャッシュメモリの容量が大きくなると、ミスヒットは確率的に低くなる。
ミスヒットってなに?
>CPUが主記憶にアクセスする前にキャッシュメモリにプログラムやデータが
あるかどうかを見に行く際、キャッシュメモリに該当する部分がないこと。
メモリアクセスの局所性をより有効に生かすために、命令用キャッシュとデータ用
キャッシュを別に設けたプロセッサがある。
例)データ全件にわたって同様の更新処理を繰り返す場合、命令コードは同じ部分
が繰り返し使われるのに対して、データは順次参照される部分が異なるため、
命令コードとデータは別に分けて持った方が効率的。
<キャッシングの割付方式>
主記憶とキャッシュメモリをブロックで分割して管理する。
○ダイレクト(マッピング)方式
直接メインメモリに割り当てる。ヒット率はあまりよくない。
割り当て場所が決まっているのでヒット・ミスヒットの判定時間が短い。
○セットアソシアティブ方式
キャッシュメモリを複数のブロック(セット)でまとめ、対応するセットの
いずれかに格納する。
○フルアソシアティブ方式
任意のキャッシュメモリのブロックをメインメモリのどの部分にも割り当て
られる。割り当て場所が決まっていないのでヒット・ミスヒットの判定時間が
長い。
ダイレクト(マッピング)方式 セットアソシアティブ方式 フルアソシアティブ方式
┌─┬─┬─┬─┐ ┌─┬─┐ ┌─┬─┐ ┌─┬─┬─┬─┐
│ │*│ │ │ │*│ │ │ │*│ │*│*│*│*│
│ │*│ │ │ │*│ │ │ │*│ │*│*│*│*│
└─┴─┴─┴─┘ └─┴─┘ └─┴─┘ └─┴─┴─┴─┘
高←────────────────────────────→低
ミスヒット率
●平均読み取り時間
┌──────────┐┌──────────┐
┌────┐│キャッシュメモリ ││主記憶装置 │
│処理装置├┤容量:a(Mbyte) ├┤容量:b(Mbyte) │
└────┘│読み取り時間:x(n秒)││読み取り時間:y(n秒)│
└──────────┘└──────────┘
キャッシュのヒット率をrとすると
平均読み取り時間=r・x+(1-r)・y
クロック周波数を200MHzとすると、
クロックサイクル=1/(200M[サイクル/秒])
=(1/200M)[秒/サイクル]
=((1/200)×(10^(-6)))[秒/サイクル]
=(0.005×(10^(-6))[秒/サイクル]
=(5×10^(-9))[秒/サイクル]
=5[n秒/サイクル]
よって、
メモリアクセスに必要な平均クロックサイクル={r・x+(1-r)・y}/5
クロック周波数
>CPUのクロック周波数と、主記憶を接続するシステムバスのクロック周波数
は同一でなくてもよい。
ヒット率
>取り出したいデータがキャッシュメモリに存在する確率。動作状態をみるのに
特別なハードウェアが必要。
◎メモリの構成・特徴
●メモリインタリーブ
主記憶装置の高速化のため機能ごとに分けたバンク(可変長)と呼ばれるモジュール
を並列に並べ、異なるバンクに同時にアクセスしたときに並列動作ができるようにす
る技法。主記憶からのデータの実効的な読み出し速度を向上させる。
●CPUから主記憶装置への書きこみ方式----------------主記憶(メモリ)とCPU
▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲
○ライトスルー方式
CPUからキャッシュメモリへの書きこみと、キャッシュメモリから主記憶装置へ
の書きこみを同時に行う。
<長所>
キャッシュメモリと主記憶装置とのデータが常に一致していて安定性がある。
<短所>
処理速度が遅い。
ライトスルー
┌─ CPU
│ ↓書きこみ──┐
一致│ キャッシュメモリ │同時
│ ↓書きこみ──┘
└─ 主記憶
○ライトバック
キャッシュメモリに書けるだけ書きこみ、あふれたところから順に主記憶装置へ
書きこむ。
<長所>
処理速度が速い。
<短所>
キャッシュメモリと主記憶装置とのデータが不一致なので不安定である。
ライトバック
┌─ CPU
│ ↓書きこみ
一致│ キャッシュメモリ
しない│ ↓後でまとめて書きこみ
└─ 主記憶
●割り込み
現在実行中のプログラムを何らかの理由により一時中断し、必要な処理プログラム
を実行するためにOSに制御を移すこと。
○プログラム内割り込み(プログラム割り込み)
・演算結果のオーバーフロー・アンダーフロー
・ゼロによる割り算
・領域外アクセス
・特権命令・未定義命令
・OSに対する処理要求
・スーパバイザ(カーネル)コール割り込み
制御プログラム中の各種のサブルーチンを、使用する目的で設けられた命令を
実行すると起こる割り込み。
○プログラム外割り込み(外部割込み)
・入出力割り込み(入出力処理を終了するとCPUに通知、プリンタの紙切れ)
・外部割込み(オペレータ要求(電源異常)、CPU内部タイマ所定時間超過)
・機械チェック割り込み
※リアルタイムOSが行う多重割り込み
現在実行している割り込み処理よりも優先度の低い割り込みをマスクする。
・リアルタイムOS
処理をリアルタイムに実行することを重視し、そのための機能を実装したOS。
◎補助記憶装置の記憶媒体・種類・特徴
●磁気ディスク
○固定磁気ディスク(HD)
大容量。パソコンHD用。
○磁気ディスクパック装置
取り外し・交換可能。汎用コンピュータ用。
○フロッピーディスク(FD)
小容量・低アクセス速度。安価なため広く普及。データ長とは無関係にセクタ
単位で行う。磁性体を塗布した薄いプラスティックの円盤に磁化極性を変化さ
せることでデータを記憶。
○磁気テープ
交換可能、順次アクセスファイルに最適。HDバックアップ用。
○MSS(大容量記憶装置)
大容量・低アクセス速度。仮想ディスク用。
※磁気ディスクの平均アクセス時間
平均アクセス時間=平均シーク時間+平均回転待ち時間+データ転送時間
(シーク:位置決め)
1
平均回転待ち時間=1回転時間×─(半分)
2
時間
データ転送時間=1回転時間=─────────
時間あたりの回転数
※磁気ディスクの構成
↓ブロック間隔
┌────┬────┬─┐
│レコード│レコード│ │
└────┴────┴─┘ ブロック化因数:1ブロックのレコード数
|←──ブロック─→|
|←──ブロック容量─→|
トラック:ディスクの回転軸を中心とした同心円上のブロックの集まり
シリンダ:同じ半径のトラックの集まり
ディスク:円内の全シリンダの集まり
※ブロック化因数と格納レコード数の関係
格納レコード数
↑
│ ***
│ **
│ *
│*
└───────→ブロック化因数
●光ディスク(CD-ROM)
レーザー光線使用ディスク(CD-ROMは読み取り専用)
ピット(くぼみ)とランド(平坦)から構成される。
※CD-RW
レーザー光線で結晶/非結晶の変化を与える。
●光磁気ディスク(MO:MagnetOpticaldisk)
レーザー光線使用、磁場をかけてデータをかきこむ。HDのバックアップ用。
●半導体ディスク(RAM:RamdomAccessMemory)
半導体素子使用。高アクセス速度。
●RAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)
HDを並列に複数並べて1つのディスク装置のように制御することによってディ
スクの性能、信頼性を向上させる。データの自動修復機能がついているディスク
で、トラブル発生時には、自動修復を行う。したがって、通常の磁気ディスクに
比べて信頼性が非常に高い。
RAIDの考え方は、現在はRAID5が主流である。
○RAID0:複数のディスク装置にデータを分散して書き込み、
並列にアクセスし高速化する(ストライピング)
○RAID1:同じデータを複数のディスクに書き込み、信頼性を高める
(ミラーリング)。
○RAID2:データ修復情報としてハミングコード(ECC符号)を利用する
○RAID3:データ修復情報としてパリティ方式を利用する
パリティ専用ディスクを設ける
セクタ等のディスクの記憶単位ごとにデータを分割
ビット単位/バイト単位で書きこむ
┌───┐┌───┐ ┌───┐
│ ││ │ │ │
│ ││ │・・・│ │
│ ││ │ │ │
│ ││ │ │ │
└───┘└───┘ └───┘
ディスク パリティ
専用ディスク
○RAID4:データ修復情報としてパリティ方式を利用する
ブロック単位/セクタ単位のRead/Writeの単位で分割す
る別の1台のディスクにパリティを書き込む
○RAID5:データ修復情報としてパリティ方式を利用する
パリティをパリティディスクではなくデータディスク上で管理。
複数のディスクに分散して書きこむため、1台のみ故障した際は
問題ないが2台以上が同時に故障するとディスクダウンとなる。
┌───┐┌───┐┌───┐
│ ① ││ ② ││① ②│
├───┤├───┤├───┤
│③ ④││ ③ ││ ④ │
├───┤├───┤├───┤
│ ⑤ ││⑤ ⑥││ ⑥ │
└───┘└───┘└───┘
※RAID10
ストライピング(RAID0)して書きこんだものをさらにミラーリング
(RAID1)して書き込む。
情報素子:コンピュータの記憶を構成する最小単位。
例)半導体メモリ:ユニポーラ(MOS)、バイポーラ
磁気体メモリ:磁気ディスク、磁気テープ、DAT(DigitalAudioTaperecorder)
光メモリ :光磁気ディスク(MO)、光ディスク(CD-ROM等)
◎半導体素子
●ROM(Read Only Memory)
読み出し専用である。
不揮発性である。(電源を落としても内容は失われない。)
制御用プログラム書き込み用などに使われる。
○マスクROM
製造するときに記憶内容を書き込む。ユーザは書きこみ不可。
○PROM(Programmable ROM)
ROMの使用者が一度だけ電気的に記憶内容を書き込むことができる。
○EPROM(Erasable PROM)
PROMで記憶内容を紫外線で一括消去して内容を書き換えることができるもの。
○EEPROM(Electrically EPROM)
EPROMで電気的にブロックまたはバイト単位で記憶内容を消去できる。
○フラッシュPROM(フラッシュメモリ)
PROMで記憶内容を電気的に一括消去して内容を全bitまたはブロック単位で
書き換えることができるもの。
●RAM(Ramdom Access Memory)
読み出しと書き込みが可能である。
揮発性である。(電源を落とすと内容が失われる。)
主記憶やキャッシュメモリに使われる。
○DRAM(Dynamic Random Access Memory)
低速、低消費電力、低価格、高集積度
リフレッシュ要で、主記憶装置などに使用される。
・(通常の)DRAM
コンデンサの電荷の有無で情報を記憶する。
・EDO DRAM(Extended Data Out DRAM)
通常のDRAMよりもアクセスを高速化させたもの。
・VRAM
画像情報を記憶するビデオメモリのこと。
○SRAM(Static Random Access Memory)
高速、高消費電力、高価格、低集積度
リフレッシュ不要で、パソコンのキャッシュメモリや主記憶に使われる。
フリップフロップ。
・バイポーラ型
レジスタやキャッシュメモリに使われる。
・MOS型
主記憶装置に使われる。
レジスタってなに?
>演算の途中結果などを保持するためのメモリ。
リフレッシュってなに?
>記憶内容が消えないように一定時間ごとに電流を流すこと。
◎集積回路(IC:Integrated Circuit)
コンピュータの演算回路に使用される。
例)SSI/MSI/LSI/VLSI/ULSI
集積回路にはユニポーラ型とバイポーラ型がある。
●ユニポーラ型
低速、低消費電力、低価格、高集積度
○CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)
P-MOSとN-MOSという2つのトランジスタを組み合わせたIC。電源か
らのノイズに強いという長所を持つが、静電気に弱いという短所もある。
○BiCMOS(Bipolar CMOS)
バイポーラ技術を高速または大出力が必要な部分に、CMOS技術を低消費電力
高集積化が求められる論理回路部分に使う。
●バイポーラ型
高速、高消費電力、高価格、低集積度
○TTL(Transistor-Transistor Logic)
トランジスタで論理回路を構成した集積回路である。現在一般的に使用されてい
る。CMOSと比較すると高速である。消費電力は大きい。
○ECL(Emitter Coupled Logic)
TTLよりもさらに高速で消費電力も大きい集積回路である。
◎バス規格
●バス規格
○ISAバス
24bitアドレスバスと16bitのデータバスをもつパソコン(IBM)のバス規格。
○PCIバス
32bitアドレスバスと32/64bitのデータバスをもつパソコン(標準)のバス規格。
※CardBas:PCカードスロットをPCIバスに接続して32bit化したもの。
◎入出力インタフェース、周辺装置・通信機器の種類・特徴
○RS-232C(Recommended Standard 232C)
モデム、イメージスキャナ用インタフェース。
シリアル伝送インタフェース。
○SCSI(Small Computer System Interface)
「スカジィ」と呼ばれる、パソコンなど小型コンピュータ用インタフェース。
HD、磁気ディスク、CD-ROMなど高速データ転送が必要な周辺機器接続に
使用。パラレル伝送インタフェース。
通常SCSIボードとドライバをインストールしそれにディスクやCD-ROMを
バス接続する。ハードウェア的には「イニシエータ」という親分(通常はSCSI
ボード)の下に、「ターゲット」という子分(ディスクなど)が複数ぶら下がって
いるような形態をしている。
デイジーチェーンでSCSI機器にSCSI機器を接続させることが出来る。
接続台数に制限がある。(7台(コンピュータ本体を含め8台))
○セントロニクスインタフェース
プリンタ用インタフェース。
パラレル伝送。
○GPIB(Genral Purpose Interface Bus)
CPUと周辺装置とを接続する。計測器などでも使用される。
パラレル伝送インタフェース。
トーカ、リスナ、コントローラによって通信を行う。
○ATA
PC互換機HD用インタフェース。CD-ROM接続としても使われる。
ANSIがHD接続用IDE(Integrated Drive Electoronics)を規格化。
単純なシリアル転送方式にして高速化したのがSATAで1台のみ接続可能。
○USB(Universal Serial Bus)
パソコン向けのシリアルインタフェース。多種の入出力周辺機器のインタフェース
共通化を目的として、最大127台の周辺装置をスター状に接続できる。
USB1.0:フルスピードモード12Mbps
USB2.0:ハイスピードモード480Mbps
USB3.0:スーパースピードモード5Gbps
○IEEE1394
動画ビデオ接続用シリアルインタフェース規格。最大800Mbps。
HDやMO接続にも採用。FireWireと呼ばれる。
○IrDA(Infrared Data Associtaion)
赤外線データ転送規格。IrDA1.1転送速度は4Mbps。
○Bluetooth
2.45GHz帯無線伝送規格。転送速度は1Mbps。
※スプーリング:低速入出力装置のスループット向上技法。
◎入出力制御方式
●DMA(直接記憶アクセス)方式(プログラム制御方式)
CPUが直接入出力装置を制御する方式。昔のパソコンで使われていた方式。
CPU内のレジスタを使用するため、入出力中は他の作業ができない。
●チャネル方式
CPUと入出力装置が完全に平行処理できる方式。(DMA方式は完全ではない)
CPUが入出力開始を指示すると、それ以降のデータ転送はチャネルの制御の元に
実行される。また、入出力終了時は「入出力割込み」を使ってCPUに知らせる。
メインフレームで多く使用されている。
チャネルってなに?
>ここで言う「チャネル」は「入出力チャネル」のことで、
CPUとは独立に入出力制御を行う、いわば小型のプロセッサ。
メインフレームってなに?
>企業の基幹業務システムなどに用いられる汎用大型コンピュータ。
小型なコンピュータが登場する1980年代頃までは、コンピュータといえば
メインフレームのことだった。
近年では、一部のシステムではパソコンやワークステーションをネットワークを
通じて相互に接続した分散型のシステムがメインフレームに取って代わるように
なっている。
※ストリーミング方式:
ネットワークを通じて映像や音声などのマルチメディアデータを視聴する際に、
データを受信しながら同時に再生を行なう方式。
※ハンドシェーク方式(Handshake):フロー制御
データ通信において、送信/受信デバイス間で送信の停止/再開などのマネー
ジメントを行なうこと。
<チャネルの種類>
○セレクタチャネル
一つの入出力装置が動作を終了するまでチャネルを専有(バーストモード)する
方式。磁気テープ制御で使用。
○バイトマルチプレクサチャネル
複数の入出力装置が一つのチャネルをバイト単位で時分割に使用
(マルチプレクサモード)する方式。
プリンタなどで使用。
○ブロックマルチプレクサチャネル
複数の入出力装置が一つのチャネルをブロック単位で時分割に使用
(マルチプレクサモード)する方式。
高速多重動作を実現。
●DMA(Direct Memory Access)方式
データ転送準備段階はCPUが入出力を行っているが、データ転送開始後はCPU
を介さずに主記憶装置と入出力装置との間でデータのやりとりを行う。
今のパソコンで使われている方式。例えば「印刷」を行うと、プリントアウト中
でも他の作業ができるのはこの方式のおかげ。
◎入力装置
具体的には?
>パソコン周りだと「キーボード」「マウス」「イメージスキャナ」など。
あと、試験でつかうマークシートを読み取る「OMR(Optical Mark Reader)」、
それに対する「OCR(Optical Character Reader)」なんてのものや、
コンビニのレジにある「バーコードリーダー」も入力装置の一種。
◎出力装置
●ディスプレイ装置
○CRT(Cathod Ray Tude)
ディスプレイ装置で使用される陰極線管(ブラウン管)。電子を加速させるため
1万ボルト以上の高電圧を用いる。
○マルチスキャンディスプレイ
複数の周波数に対応しているディスプレイ。
○インタレースモード
最初電子ビームを走査線1本おきにスキャンし、2回目に残り半分をスキャン
する。
○液晶表示方式
電圧を加える・加えないによって液晶が光を通過・遮断させる性質を利用。
・STN(Super Twisted Nematic)
単純マトリクス方式。
大画面も可能で、量産化でき安価。
斜め方向から見づらい、コントラストと均一性が低い。
・DSTN(Dual Super Twisted Nematic)
SNT方式のコントラストを改善。低価格ノートPCなどで使用。
・TFT(Thin Film Transisor)
アクティブマトリクス方式。
画素毎に駆動用のトランジスタが個別に対応。
画面のコントラストがよく、応答速度も高速。
製造工程が複雑で高価。
・プラズマディスプレイ
ネオン管のように放電によって発行するセルを利用しコントラストが高く広い
視野が得られる。
※ディスプレイのバイト数
┌────────────────────────────┐
│ (カラーバイト数)ディスプレイの全バイト数 │
│ │
│=(水平方向画素数×垂直方向画素数)×(カラーバイト数)│
│ │
│ただし、 │
│ │
│ (カラー色数)=2^(カラービット数) │
└────────────────────────────┘
【平成11年問17】
2MバイトのビデオRAMをもつパソコンで、フルカラー(約1,670万色:
24ビットカラー)を表示させる場合、表示可能な最大サイズ(水平方向画素数×
垂直方向画素数)はどれか。
ア 640×480 イ 800×600
ウ 1,024×768 エ 1,280×1,024
【正解】イ
【解法】
24ビット=3バイトであるから、画素数に3をかければ良い。
▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲
選択肢ア: 640× 480×3= 921600= 900KB
選択肢イ: 800× 600×3=1440000=1.37・・MB
選択肢ウ:1024× 768×3=2359296=2.25 MB
選択肢エ:1280×1024×3=3932160=3.75 MB
ビデオRAMの大きさは2Mバイトであるから、正解はイである。
【平成12年問20】
画像の解像度が1024×768のCRTディスプレイ装置で、256色のカラー
を表示させるためには最低何キロバイトのビデオメモリを必要とするか。
1(kbyte)=1024(byte)
ア 96 イ 768 ウ 2304 エ 24576
【正解】イ
【解法】
256色=8ビットカラー=1バイトカラーであるから
1024×768×1(バイト)=786432(バイト)
=786432÷1024(キロバイト)
=768(キロバイト)
●その他出力装置
スピーカー、プリンタなど